業績の季節変動について

武長太郎氏(以下、武長):みなさま、本日は当社の第2四半期決算説明会にお越しいただき、誠にありがとうございます。まずは業績の季節変動について、髙橋からご説明します。

髙橋広宜氏:取締役管理部長の髙橋です。私から業績についてご説明します。

業績の季節変動として、当社が営んでいる飲食・ブライダルは、ともに第3四半期に売上・利益が偏重する傾向があります。飲食は12月に忘年会シーズン、そしてブライダルは11月に施行件数が最も増える繁忙期となっています。

加えて、今期は決算説明会の会場でもあるブライダル施設「The Place of Tokyo」の大幅なリニューアル工事を行いました。10年間営業してきましたが、契約を更新し、さらに10年間営業するにあたりリニューアルしました。期間として、2023年6月6日から9月8日までの約3ヶ月間休業していました。したがって、その間の売上の減少および工事にかかわる費用を計上しています。

またスライドには記載がありませんが、本社オフィスを設置していたビルの建替え計画を機に、千葉県の本社オフィスを移転しました。移転は2023年8月に行い、それに伴う費用も計上しています。こちらは、通期業績予想に織り込んでいます。

移転の詳細については、後ほどご説明します。

2024年3月期第2四半期業績動向 (グループ連結計:通期業績予想進捗)

グループ連結計の通期予想に対する進捗です。売上高は94億900万円を見込んでいます。それに対し、第2四半期終了時点での売上高は42億900万円と、通期予想に対する進捗率は44.7パーセントで着地しています。

営業損益は3億円の予想に対し、1,200万円の赤字です。最終利益は1億8,000万円の予想に対し、900万円の赤字で着地しています。

実感として、前期1年間はコロナ禍の影響がまだ残っていました。その中で今期に入り、両事業部ともに、コロナ禍の影響はほぼなくなったと言っても過言ではないほど、営業に関しては通常化してきています。

当社は半期の業績予想を開示していませんが、上半期が終わった時点で、業績予想に対しても非常に好調に推移しています。

2024年3月期第2四半期業績動向 (グループ連結計:前年同期比)

グループ連結計の前年同期比です。売上高は、前期の37億8,600万円に対し、今期は42億900万円と、前年同期比プラス11.2パーセントで着地しています。

営業損失は、前期の1億800万円の赤字に対し、今期は1,200万円の赤字です。最終利益としては、前期が9,300万円の赤字に対し、今期が900万円の赤字での着地となっています。

先ほどもお伝えしたように、両事業部ともに営業が通常化して好調に推移しました。「The Place of Tokyo」を3ヶ月間休業していましたが、その中で前年同期比で増収し、赤字縮小で着地しています。

2024年3月期第2四半期業績動向 (飲食事業:前年同期比)

セグメントごとに見ていきます。まずは飲食事業です。今期に入って、外食事業も非常に回復してきています。3月からマスクの緩和が始まり、新型コロナウイルスが5類感染症に移行したことで、コロナ禍の影響もほぼなくなりました。外食需要自体が回復基調の中、第1四半期はお客さまが戻り、勢いのある営業ができたと思っています。

第2四半期に入り、7月、8月、9月とかなり暑い日が続いた中で、第1四半期の勢いは多少鈍化した感触がありましたが、半期を通して非常に好調に推移していきました。

売上高は前期の28億9,600万円に対し、今期は36億8,600万円と、前年同期比プラス27.2パーセント、営業損益は前期1億2,200万円の赤字に対して、今期はしっかり黒字化し、1億2,400万円の利益を残すことができました。

コロナ禍からの回復もありますが、当社が飲食で早期回復できたのは、「屋台屋 博多劇場」を中心に継続して獲得してきたアプリ会員のお客さまが、支えてくれたからだと感じています。

当社のリピーター戦略であるアプリ会員の獲得に対し、コロナ禍前から十分に取り組んできたことが、コロナ禍が明けた後の早期回復につながった実感があります。

店舗数は上半期で、グループ含めて新規出店が5店舗、閉店が1店舗です。前期末と比べて、4店舗の純増となっています。

現在、飲食業界では原材料の高騰が非常に大きな課題となっています。その中で、4月より各業態で販売価格を見直しており、今後も適正原価率の維持に注力しています。

また各種販管費は、売上が増加したことにより前年同期比で上昇しています。

2024年3月期第2四半期業績動向 (ブライダル事業:前年同期比)

ブライダル事業です。先ほどお伝えしたように、3ヶ月間の休業があったため、婚礼はもちろん、宴席部門やレストランもすべて休業しており、その分の売上が減少しています。

売上高は前期の8億9,100万円に対し、今期は5億2,400万円と、前年同期比マイナス41.1パーセントで着地しました。営業利益は、前期が500万円の黒字でしたが、今期は1億4,700万円の赤字で着地しています。

「The Place of Tokyo」を3ヶ月間休業しているものの、コロナ禍が明けてから、婚礼の需要がコロナ禍前の水準にまで戻ってきています。

婚礼1件に対する組人数も、コロナ禍中は、ご家族や近親者のみの20名、30名の小さな婚礼が増えました。しかし現在は需要が回復し、80名という大人数の婚礼も非常に増えてきています。

それにより、組人数・組単価もコロナ禍前の水準まで確実に回復してきています。3ヶ月間の休業がなければ、確実に黒字が出ていたと思います。

休業の実施により、前年同期比で販管費が減少している中、リニューアルに伴う設備備品費・修繕費・採用費等は上昇しています。

2024年3月期第2四半期業績動向(貸借対照表)

B/Sです。第2四半期会計期間に、グループ全体で7億4,000万円の借入を実施しています。それにより、期末もキャッシュポジションをしっかりと保持できています。

2024年3月期第2四半期業績動向(キャッシュ・フロー)

3ヶ月間のリニューアル等はありましたが、キャッシュ・フローも着実な営業活動からプラスになっています。現金及び現金同等物は、第2四半期末12億7,200万円で着地しています。

飲食既存店売上高 前年同期比推移

武長:私から、上半期の取組みについてご説明します。

飲食既存店の売上高は、前年同期比121パーセントで推移しています。セグメントでは、「韓国屋台 ハンサム」の売上を若干懸念しています。昨年は好調に推移していましたが、今年になって鈍化しており、メニューの見直しや販促戦略など、さまざまな対策を行っています。

直近は、店舗によって回復してきたところもありますので、今後も慎重に対策を打ちながら、動向を見ていきたいと思っています。

全体観として、「韓国屋台 ハンサム」はまだ数店舗しかありません。その中、「屋台屋 博多劇場」を中心に、 「にのや」など売上効率のよい業態が多くなっていますので、11月、12月の繁忙期も取りこぼしがないよう、引き続き売上拡大に注力していきます。

新規出店・閉店の状況について

新規出店・閉店の状況です。2024年3月期末の段階で、通期グループ合計9店舗の出店計画に対し、現在7軒出店しています。下半期の出店については、後ほどご説明します。

メニュー価格の改定について

メニュー価格の改定についてです。昨今の原材料高騰を受け、4月から段階的に値上げを行っています。

原材料の高騰を注視しながら段階的に値上げをすることにより、原価対策を行っています。今後も、動向を見ながら「屋台屋 博多劇場」に限らず、他店舗でも少しずつ値上げを実施していく予定です。

客数減にならないよう、お客さまの反応を見守りつつ、値上げを行っていく状況が続くと見ています。

レジャービジネスについて

直近のレジャービジネスについてです。今期3ヶ所のバーベキュー場の運営を受託しました。

今後も引き続き、レジャービジネスについては徐々に拡大していけるよう注力していきます。

The Place of Tokyo リニューアルについて

「The Place of Tokyo」のリニューアルについてです。会場をフルリニューアルしました。

今、決算説明会を行っているこの会場も、リニューアルしオープンキッチンになっています。ヨーロピアン調だった内装をリニューアルし、かなりモダンな雰囲気になっています。

1階のレストランも大きく変わり、バンケットとしても利用できるレストランに生まれ変わりました。現在は4バンケット体制で営業しています。

これまでは東京タワーの見える4階のバンケットや3階のオープンキッチンのバンケットが人気でした。しかし地下会場もオープンキッチンになり、内装の雰囲気が変わりご好評いただいています。現在は3会場とも均等に人気があり、リニューアルによる価値がお客さまに伝わっていると感じています。

本社移転について

本社移転についてです。8月に、千葉県市川市本八幡のオフィスを、同じ市川市内で移転し、東京と本八幡のオフィスを統合しました。

もともと当社は市川市で始まった会社であり、バックオフィスというお金を生み出さないところに過剰にコストをかけることのないよう、都内で本社を新設するのではなく、以前と同じ千葉県市川市内で移転しました。

下半期の新規出店について

下半期の新規出店についてです。現状では2店舗を出店しました。まず「屋台屋 博多劇場 川崎店」、そして「肉のウヱキ」で3軒目になる千葉ニュータウン店をオープンし、両店とも大変好調な立ち上がりです。

今期中に、あと2軒出店したいと考えており、引き続き物件開発に注力していきます。

ラムちゃん業態 専用公式アプリリリース

12月以降に、「ラムちゃん」の専用公式アプリをリリース予定です。今までは「屋台屋 博多劇場」と併用のアプリでしたが、「大衆ジンギスカン酒場 ラムちゃん」は現在11軒と、店舗数が増えてきましたので、より効果的な販促企画・情報発信をできるよう専用のアプリを作ろうと考え、立ち上げました。

「屋台屋 博多劇場」と同様に、会員数を伸ばすことで顧客の囲い込みを進めていこうと考えており、これから専用アプリの有効活用に取り組んでいきます。

飲食事業 繁忙期施策

「屋台屋 博多劇場」もそうですが、「こだわりもん一家」の業態は、昨年までほとんどが少人数での利用となっており、宴会をするようなお客さまはあまりいませんでした。しかし今年に入って、ようやく宴会需要が回復してきましたので、2019年対比でどれだけ忘年会需要を取り戻せるかが勝負になってきます。

12月ですので、「飲み納めしよう」「今年はパーっとやろうよ」という気運が世の中に広がっています。このような雰囲気の中で需要をしっかりと取り込んで、年末の繁忙期を勝ち抜こうと思っています。

ブライダル事業 繁忙期施策

ブライダル事業に関しても、クリスマスや宴会シーズンが近づき、繁忙期となっていますので、レストラン、宴席部門の販売などにも力を入れています。

来期新卒採用について

10月31日に内定式を行いましたが、今年は60名の新卒採用を予定しています。昨今、外食業界や観光ビジネス業界などは人手不足となっており、我々も非常に大変な状況ですが、このようにたくさんの若いスタッフが入ってきてくれることを、とてもうれしく感じています。

当社グループの今後のビジョン

当社グループの今後のビジョンです。この一家ホールディングスの中で、株式会社Egoも現在は3店舗になりました。ようやくコロナ禍が明けましたので、飲食事業、ブライダル事業のほか、レジャーサービス事業なども、今後は積極的に展開していきたいと考えています。私からのご説明は以上です。

質疑応答:「屋台屋 博多劇場」および「大衆ジンギスカン酒場 ラムちゃん」のアプリについて

質問者:アプリ会員の状況についてです。上期もアプリ会員の取り込みが進み、リピート率が好調だったとのことですが、「屋台屋 博多劇場」のアプリ会員数の状況などを、あらためて教えてください。

今回発表された「大衆ジンギスカン酒場 ラムちゃん」のアプリについては、例えば機能面で「屋台屋 博多劇場」のアプリを踏襲した部分があるのでしょうか? 会員数の目標などがあれば、併せて教えてください。

武長:まず「屋台屋 博多劇場」の会員数は、現在150万人を超えています。今もコンスタントに会員数を伸ばしており、1店あたり毎月400人程度の会員を獲得しています。

このペースは、「屋台屋 博多劇場」とアプリが併用となっていた「大衆ジンギスカン酒場 ラムちゃん」も同様で、1店あたり毎月400人ほどの会員を獲得しています。全体の客数に占める割合は30パーセント程度であり、このくらいの会員数を必ず獲得していこうと考えて進めています。

「大衆ジンギスカン酒場 ラムちゃん」のアプリの内容は、多少ブラッシュアップしています。大きなところでは、アンケートなどでお客さまの声を聞けるようにしようと考え、少し機能を追加しています。

質疑応答:「韓国屋台 ハンサム」について

質問者:「韓国屋台 ハンサム」の業態が少し弱いため、テコ入れしたというお話だったと思います。業態が弱い理由について、現時点ではどのように分析されているのか教えてください。

武長:もちろん内部的な要因で、我々がより力を入れなければならない部分もあると思います。外部的な要因では、全体感として韓国業態が非常に増えたと感じています。

今まで「一家」や「屋台屋 博多劇場」などのブランドは、30代から60代のサラリーマンがターゲットでした。一方、最初に「韓国屋台 ハンサム」を出店した時は、10代から20代のお客さまが来店され、7割ほどが女性でした。その層が、昨今の韓国ブームで一巡した感覚があります。

この層に向けて打ち出し続ければ、ジリ貧になる可能性があります。そのため、女性中心ではありつつ、30代から40代をしっかり捕まえられるように、業態をブラッシュアップしていかなければならないと考えています。

質疑応答:現在の宴会の予約状況について

質問者:宴会について、各社で少しずつ需要を取り込み始めており、予約も来ていると聞いています。中には、コロナ禍前よりも予約数が多いと聞くこともあります。御社では現在どのような予約状況になっているのか、教えてください。

武長:肌感覚ですが、宴会は2019年対比で8割程度まで戻ってきており、あと2割はフリーのお客さまでしっかりカバーしていくかたちになると思います。10割まで戻すのは、客観的に見てなかなか難しいと捉えています。