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明田篤氏:みなさま、こんにちは。トビラシステムズ株式会社代表取締役社長の明田篤でございます。2023年10月期第1四半期の決算についてご説明します。
私から事業概要及び2023年10月期第1四半期のハイライトとトピックについてご説明させていただいた後、CFOの金町より第1四半期の業績についてお話しします。
2023年10月期 第1四半期 決算ハイライト
まず、第1四半期の決算ハイライトです。売上高は前年同期比124.5パーセントの4億8,700万円、営業利益は前年同期比135.3パーセントの1億8,200万円でした。
迷惑情報フィルタ事業のサービス別売上高では、モバイル向けが前年同期比115.9パーセントの3億6,100万円、固定電話向けが前年同期比129.8パーセントの4,400万円、ビジネスフォン向けが前年同期比209.5パーセントの6,500万円となりました。
主なハイライトをご紹介します。モバイル向けについては、MVNO等の格安スマホ向けに当社データベースを活用したサービスの提供を開始しました。固定電話向けについては、昨年3月より開始したKDDIのCATV向けサービスの利用者数が順調に増加しています。
ビジネスフォン向けについては、「トビラフォン Biz」「トビラフォン Cloud」それぞれのユーザーから要望が多い機能を追加しました。ビジネスフォン向けの製品は、前年同期比でそれぞれ着実に販売を伸ばしています。
今期の注力事項、また第1四半期における各サービスのトピックについては後ほど細かくご説明します。
第1四半期の総括としては、2023年10月期業績計画の達成に向けて、良いスタートを切ることができたと考えています。
私たちが目指す世界
ここからはあらためまして、当社の事業についてご説明します。当社は「私たちの生活 私たちの世界を よりよい未来につなぐトビラになる」を企業理念として掲げています。
この企業理念に基づき、「誰かがやらなければならないが、誰もが実現できていない社会課題の解決を、革新的なテクノロジーで実現すること」を事業方針の軸としています。
現在、私たちは「人を守る」という視点で事業を推進しており、詐欺被害やグレーゾーン犯罪など迷惑行為に悩む人をなくし、誰もが安心して生活できる社会を実現することに挑戦しています。
これまでのトビラシステムズの沿革
スライドのグラフは売上高の成長を示していますが、これまで期首に決めた目標をしっかりと達成し、売上高は創業以来前年度を下回ることなく成長してきました。
当社の事業は、私の祖父が詐欺被害に遭い、頻繁にかかってくるようになった迷惑電話に悩んでいたため、困っている祖父を助けたいという想いで、開発に着手したことから始まりました。その時に開発したのが、迷惑電話フィルタ「トビラフォン」です。
2011年に開発、販売を開始し、近隣警察との実証実験でその効果が認められたことをきっかけに、2015年に警察庁と特殊詐欺被害電話に関する覚書を締結しました。
これによって、警察から全国の特殊詐欺で実際に使用された電話番号等の情報提供を受ける体制を構築しました。
そして、2016年までに大手通信キャリア3社のオプションパックに迷惑電話フィルタサービスを導入いただき、当社の主力事業へと成長してきました。
2021年10月には広告ブロックアプリを提供する、合同会社280blockerを吸収合併し、現在、迷惑電話・迷惑SMS・迷惑広告ブロックのサービスを提供しています。
当社が挑む社会課題:特殊詐欺犯罪、グレーゾーン犯罪
現在、当社が挑戦している社会課題の1つが、特殊詐欺犯罪やグレーゾーン犯罪です。当社では人々が「迷惑・不快」と感じ、「安心・安全」を脅かされる行為を「グレーゾーン犯罪」と呼んでいます。このグレーゾーン犯罪を含めた特殊詐欺犯罪の被害額は、日本全体で約4兆円と推定されます。
スライドのグラフは、振り込め詐欺や架空請求詐欺等の特殊詐欺に関する被害状況を示したものです。2022年に全国で発生した特殊詐欺の被害額は約361億円と8年ぶりに増加し、認知件数は約1万7,520件と2年連続の増加となりました。
手口別にみると、オレオレ詐欺の被害総額は前年から36.1億円、架空請求詐欺の被害総額は32.4億円も増加しています。
また、警察庁のデータによると、犯行に使われる手段として、9割近くを電話が占めており、オレオレ詐欺や預貯金詐欺等においては、約99パーセント電話が使われています。
当社が挑む社会課題:フィッシング詐欺
また近年、スマートフォンや携帯電話のショートメッセージサービス、いわゆるSMSを悪用し、個人情報を抜き取るフィッシングや振り込め詐欺の被害が表面化しています。
グラフは、フィッシングメールの報告件数ですが、2022年にフィッシングメールとして報告された件数は約96万件と、2019年から比較すると約17.3倍に急増しています。
SMSは利便性が高く、配信サービスの利用が増加していますが、合わせてフィッシングメールも増加傾向にあり、各事業者における対応コストも増加するなど、社会問題化しています。
このフィッシング詐欺についても、当社は解決に向け挑戦しています。ウイルス対策やファイアウォールなど、コンピューターを守るセキュリティは進歩を続けているものの、「人の行動の弱み」を利用した犯罪の被害は後を絶ちません。
当社の迷惑情報データベースの強み
当社の事業の根幹となっているのが、迷惑情報データベースです。危険な電話番号やSMSに記載されているURL等をブラックリスト化して迷惑情報データベースを構築し、ユーザーが危険な電話やSMSを受信しない仕組みを提供しています。
類似のサービスは存在しますが、当社と同程度のデータ量、質を保有する企業は現在のところありません。
当社のデータベースの持つ特徴は大きく3つです。1つ目は、警察庁から実際に犯罪や攻撃に使われたとみられる電話番号やURLのデータを提供いただいていることです。これによって精度の高い情報を入手することが可能となっています。
2つ目は、ユーザー数が多いことです。当社サービスの月間利用者数は1,500万人を超えており、同じ規模の利用者を獲得することは難しいと考えます。多くのユーザーから得られる統計情報を活用していることから、ユーザーが多ければ多いほど、データ精度が高まり、先行者である当社が有利な状況となります。
3つ目は、大手通信キャリアでの採用です。当社サービスは大手通信キャリアに採用されており、それがユーザー数の拡大へもつながり、参入障壁を強固なものとしています。
この3つの強みで構成されたデータベースが当社の基盤であり、「人を守る」という視点で、この事業を推進しています。
サービス内容
迷惑情報データベースを活用し、現在3つのサービス分野にて製品を展開しています。1つ目はモバイル向けフィルタサービスです。大手通信キャリアと提携し、各キャリアが提供するオプションパックに含まれるサービスの1つとしてスマホアプリというかたちで、迷惑電話や迷惑SMSのフィルタリングサービスを提供しています。
また、広告ブロックアプリ「280blocker」を提供しており、迷惑電話・SMS対策に加え、迷惑Web広告対策までカバーしています。
2つ目は、固定電話向けフィルタサービスです。もともとは固定電話機に取り付ける外付け型の端末を販売していましたが、現在の販売モデルの主力はホームゲートウェイです。
さらに、2021年2月からは、ケーブルプラス電話のオプションとして、ネットワーク上で迷惑電話の着信を自動遮断するサービスを開始しました。
3つ目は、ビジネスフォン向けフィルタサービスです。現在「トビラフォン Biz」「トビラフォン Cloud」「Talk Book」の3つのサービスを法人向けに提供しています。
「トビラフォン Biz」は、通話情報の録音や不要な営業電話等迷惑電話の自動拒否によって業務の効率化を図ることができます。
「トビラフォン Cloud」は、通話アプリで、スマートフォンにアプリを入れるだけで、オフィスの内線電話と同じように内線・外線の受発信がスマートフォン上でできる商品です。
「Talk Book」は、AI搭載型の営業ツールで、IP電話で架電できるほか、通話録音、通話のテキスト化、感情分析等、営業活動における通話内容の解析機能を搭載しています。主にインサイドセールスの営業担当者やコールセンターでご利用いただいています。
事業セグメント(2022年10月期通期)
モバイル向け、固定電話向け、ビジネスフォン向けフィルタサービスで構成された迷惑情報フィルタ事業は、売上の96.4パーセントを占める主力事業です。その中でも、売上構成の75.6パーセントをモバイル向けフィルタサービスが占めており、利益率の高い安定収益分野です。
現在は、将来の収益の柱に育てたいという思いから、モバイル向けサービスの安定した収益を基盤にビジネスフォン向けフィルタサービスに投資を行っています。
「その他の事業」は積極的に展開しない方針ですので、以降のご説明は省略します。
モバイル向けに関するマーケット
モバイル向けフィルタサービスに関するマーケットについてご説明します。現在、当社アプリが採用されているオプションパックをご利用いただける方は、推定で4,020万人以上いると考えています。そのうち、実際に当社アプリをダウンロードしてご利用いただいている方は、まだ約1,469万人にとどまっています。
先ほどご説明したように、当社は大手通信キャリア3社のオプションパックに採用されており、潜在ユーザー層へのリーチが可能となっています。潜在ユーザー層に向け、通信キャリアと一緒にマーケティング施策を行うことなどを通じ、成長していきたいと考えています。
固定電話向けに関するマーケット
固定電話向けフィルタサービスに関するマーケットについてご説明します。固定電話全体では、約5,139万契約が存在していますが、当社サービスの月間利用者数は約44万人にとどまっています。
足元では、KDDIと連携されているケーブル会社を通じ、専用機器不要で迷惑電話をブロックするサービスが堅調に伸びています。
当社の固定電話向けサービスにおける最も大きな成長可能性は、固定電話回線で大きなシェアをもつNTT西日本やNTT東日本との連携だと考えていますので、当社サービスの採用に向け、引き続き積極的に活動していきます。
2023年10月期の主な取り組み
今期2023年10月期の注力事項について、モバイル向けからご説明します。当社独自の迷惑情報データベースの展開領域を広げることに注力します。
1つ目は、MVNO等の格安スマホへのデータベース展開です。昨年末までに、大手通信キャリア3社に当社の迷惑情報データベースを活用した、迷惑電話・SMSブロックサービスを導入いただいており、今期はこれをキャリアのサブブランドやMVNOなどの格安スマホにも広げることに注力します。
2つ目は、金融機関等への展開です。金融機関に対してフィッシング対策サービスを提供しており、今期は提供社数を増やせるよう注力したいと考えています。
3つ目は、高付加価値サービスの展開です。他のセキュリティ企業と協力し連携することで、利用者がより安心・安全にお持ちのスマートフォンをお使いいただけるように注力したいと考えています。
2023年10月期の主な取り組み
ビジネスフォン向けの主な取り組みについて、製品ごとにご説明します。まずは「トビラフォンBiz」です。NTT東西のセレクトアイテムに認定されて以降、販売が加速していますが、今期はさらなる代理店の拡充や機能追加により、成長を維持できるよう努めていきます。
次に、「トビラフォン Cloud」と「Talk Book」です。営業活動を進める中で、見えてきた「コミュニケーションを可視化したい」というニーズに対してお客さまへの当社プロダクトの選定理由や活用状況のヒアリング、テストマーケティング等を通じ、当社が価値を提供できる市場を明確にしたいと考えています。
広告ブロックアプリ「280blocker」Android版を提供開始
ここからは、直近の動向も踏まえたトピックについてご説明します。2022年11月26日より、広告ブロックアプリ「280blocker」のAndroid版の提供を開始しました。これまで多くのユーザーから、iOSだけでなくAndroidでの提供についてご要望をいただいていました。
販売を記念して、2月24日まで75パーセントオフでの販売や、「Amazonギフトコード」のプレゼントキャンペーンを行いました。
当社データベースが「mineo」の新機能「広告フリー」で活用
2023年3月1日より、オプテージの携帯電話サービス「mineo(マイネオ)」にて、新機能「広告フリー」サービスの提供が開始されました。
「広告フリー」は、Web閲覧時の広告表示にかかるパケットをデータ使用量としてカウントしないことで、基本データ容量を無駄なく利用できるよう利用者に還元を図るものです。
近年、格安スマホの利用が広がっています。格安スマホサービスは、スマートフォンの月額料金を安価に抑えられる一方、ひと月に利用できる基本データ容量に一定の制限があり、利用者にストレスが生じることもあります。
月々の基本データ容量を圧迫する要因の1つになっているのが、Web閲覧中に意図せず表示される広告です。インターネット上にデジタル広告が溢れる中、Webサイト閲覧中に自動表示される広告の増加や、アニメーション、動画などを使用した広告コンテンツのリッチ化が進んでいます。
利用者は見たいコンテンツがスムーズに閲覧できないことに加え、意図せず広告表示に多くのパケットが消費され、月末のデータ残容量不足などの問題が発生している現状があります。
今回新たに提供されることとなった、「mineo」の新機能「広告フリー」には、広告ブロックアプリ「280blocker」の広告情報データベースが活用されています。広告情報データベースに蓄積された情報をオプテージに提供することで、広告にかかるパケットを通信量にカウントしない仕組みを実現しました。
「mineo」の「マイピタ」をご利用の方は、無料でご活用いただけますので、詳細はオプテージのプレスリリースをご確認ください。
UQ mobileにて、迷惑電話・SMS対策サービスの提供が開始
2023年2月17日より、当社の「迷惑情報データベース」を活用した「迷惑メッセージ・電話ブロック」が、UQ mobileのオプションサービス「安心セキュリティセット」として、提供されることになりました。
「安心セキュリティセット」は、迷惑電話・SMS対策サービスの「迷惑メッセージ・電話ブロック」をはじめとしたセキュリティソフトなどをまとめてご利用いただける、UQ mobileのお客さま向けオプションサービスです。
UQ mobileのお客さまは、本オプションをご利用いただくことで、より安心・安全にスマートフォンをお使いいただけます。
今後もキャリアのサブブランドとの取り組みを積極的に行い、キャリアと一緒に利用者の安心・安全を守る活動をしていきたいと考えています。
KDDI「迷惑メッセージ・電話ブロック」の対象ユーザー変遷
昨年から、KDDIとはさまざまな施策を行っています。ここで、その動きについて振り返ります。
KDDI向け「迷惑メッセージ・電話ブロック」は、2019年6月14日より、auスマートパス会員及びauスマートパスプレミアム会員を対象ユーザーとして、サービス提供を開始しました。
昨年3月24日からは、KDDIの施策によりauスマートパス会員及びauスマートパスプレミアム会員に加えてau・UQ mobile・povoの利用者の方も無償でご利用いただけるようになりました。
この施策については、本年2月28日で終了し、3月1日からは従来のauスマートパス会員及びauスマートパスプレミアム会員の方が対象となります。
また、本年2月17日からは、前のスライドにてご説明したとおり、UQ mobileのオプションサービス「安心セキュリティセット」契約者の方がご利用いただけるようになりました。
この2023年の変更について、今期の業績への影響は軽微なものと見込んでいます。今後もユーザーの拡大に向けて引き続き活動していきます。
トビラフォンBizの機能アップデート
ビジネスフォン向けのトピックです。2023年2月1日に「トビラフォン Biz」の機能アップデートを実施しました。
「トビラフォン Biz」は、業務で必要となる便利な機能を1台に集約したビジネスフォン向け製品で、現在お使いいただいている電話設備の買い替えをしなくても、「トビラフォン Biz」を導入いただくだけでビジネスフォンに必要な機能をご利用いただけます。
今回のアップデートでは、IVR(自動音声応答)機能を追加し、担当者に繋ぐ前に自動音声アナウンスを流して電話を振り分けることが可能となりました。
IVR機能とは、「○○に関するお問い合わせは1番を押してください」等のアナウンスを流し、入力された番号によって適切な担当者に通話を振り分けることができる機能です。
今後もユーザーのニーズに合わせて開発を随時行い、機能拡充に努めていきます。
トビラフォン Cloudの機能アップデート
通話アプリ「トビラフォン Cloud」でも、2月22日に機能アップデートを実施しました。
1つ目が、通知機能の追加です。「トビラフォン Cloud」で受けた外線着信の応対状況を、「Slack」「Microsoft Teams」、電子メールに通知する機能を追加しました。これにより、外線着信時の応対状況について、社内での情報共有の効率化を図ることが可能となります。
2つ目が連携機能の追加です。CRMサービスの「HubSpot」と営業DXサービス「Sansan」と連携が可能になりました。お客さまがご利用の「HubSpot」や「Sansan」の顧客情報が「トビラフォン Cloud」に連携され、「トビラフォン Cloud」の発着信時や通話履歴に「HubSpot」や「Sansan」に登録されている顧客情報が表示されます。
HubSpot連携においては、「トビラフォン Cloud」での通話情報がHubSpotのアクティビティーに自動的に登録され、通話録音を確認することも可能です。
さらに、音声テキスト化機能を組み合わせて活用いただくと、書き起こされたテキストがHubSpotのアクティビティに反映されるため、通話記録の作成効率化にも繋がります。
今後も、さらなる営業活動の促進や業務効率の向上を図れる機能の追加に向け、開発を進めていきます。
2023年10月期 第1四半期 業績サマリー
金町憲優氏:1月26日にCFOに就任しました金町と申します。ここからは、私がご説明いたします。よろしくお願いいたします。
まずは第1四半期の業績についてご説明します。売上高は4億8,700万円、前年同期比124.5パーセント、営業利益は1億8,200万円、前年同期比135.3パーセント、純利益は1億2,000万円、前年同期比193.5パーセントです。
前年同期比、前四半期比ともに、各サービスが順調に伸びています。その中でも利益率の良いサービスを伸ばすことができましたので、のれんや「トビラフォン Biz」等の端末販売に係る売上原価にも負けない体質となってきています。
純利益については、前年は第1四半期に特別損失を計上した関係もあり、大きな伸びとなっています。
この第1四半期は、2023年10月期業績予想の達成に向けて、良いスタートであったと考えています。
2023年10月期 第1四半期 サービス別 売上内訳
サービス別の売上高の内訳です。モバイル向けは3億6,100万円、前年同期比115.9パーセント、固定電話向けは4,400万円、前年同期比129.8パーセント、ビジネスフォン向けは6,500万円、前年同期比209.5パーセントです。
主な成長の要因として、モバイル向けでは、NTTドコモの迷惑SMS対策サービスの導入によるものです。
固定電話向けでは、CATV向けサービスの伸長に加え、昨年は自治体からの大口受注をいただきましたので、その継続的なサービス料収入によるものです。ビジネスフォン向けでは「トビラフォン Biz」の販売増加によるものです。
2023年10月期 業績予想に対する進捗
2023年10月期の業績予想に対する進捗状況についてです。第1四半期終了時点で、通期業績計画の達成に向けて順調に進んでいます。
各利益項目の進捗率が30パーセントを上回っていますが、採用費などの費用項目は計画と実績で時期がずれるものもありますので、それらの影響によるものです。今後は使用を計画していますので、現時点で通期業績予想の変更はありません。
売上高四半期推移(ストック収益、フロー収益)
売上高の四半期推移についてです。グラフは、ストック収益と一過性のフロー収益の内訳を分けて記載しています。
当社の基盤であるストック収益は前年同期比120.5パーセントの成長となりました。先ほど、売上高の主な成長要因としてご説明した、迷惑SMS対策やCATV向けサービスなども今後の継続的な収益となりますので、ストック収益に計上しています。
また、フロー収益も前年同期比で増加しています。これは「トビラフォン Biz」の端末販売や一時的な開発による売上となります。
モバイル向けフィルタの主な契約モデル
モバイル向けの主な契約タイプについてご説明します。当社は大手通信キャリア3社と、それぞれ異なる料金契約を締結しています。
1つ目は固定契約(定額契約)です。毎月定額でお支払いをいただいており、利用者数の増減に影響を受けない契約です。
2つ目は「契約者数×単価」の契約です。通信キャリアでオプションパックを契約されている「ユーザー数×単価」で、料金をいただいています。大手通信キャリアから格安スマホへ移行する流れが続いており、契約者数の減少が続いていますが、利用者数でみると順調に増加しています。
3つ目は「月間利用者数×単価」の契約です。当社のアプリをご利用の「ユーザー数×単価」で料金をいただいており、月間利用数に連動して、当社への売上高が変わる契約です。
モバイル向けフィルタの主な契約モデル別の四半期推移
前のスライドでご説明した、モバイル向けフィルタの主な契約モデル別の四半期推移についてです。
スライド左側のグラフは、3つの契約モデルの売上構成比の四半期推移を示しており、グラフの右側にはそれぞれのモデル別の売上高と、月間利用者数の前四半期比を記載しています。
全体の売上高については、この第1四半期で成長しました。最も成長したのは、固定契約モデルとなっていますが、これは新たな契約の締結を行ったことによるものです。
2022年10月期通期の決算説明時において、「月間利用者数×単価」モデルの月間利用者数が減少していたとお伝えしました。この四半期においては、プラスへ転じていますが、引き続き、月間利用者数の動向を注視します。
月間利用者数の増加は当社のKPIの1つですので、今後もキャリアと協力しながら、利用者数増加に向けた各種施策に努めていきます。
売上原価の推移
売上原価の推移です。第1四半期においては、概ね計画どおりにコントロールしています。前年同期比、前四半期比ともに、「その他」の項目が増加しています。これは外注加工費や棚卸高の増加によるものです。通期では売上原価を6億4,300万円と計画しています。
第2四半期以降においては、人材採用に伴う労務費の増加及びトピックでも触れたように、「トビラフォン Biz」「トビラフォン Cloud」の新サービスリリースに伴う減価償却費が増加する見込みです。
販管費の推移
販管費の推移です。第1四半期は1億6,700万円となりました。前年同期比における主な増加要因は、人員増加に伴う人件費の増加、研究開発費の増加や「その他」項目におけるビジネスフォン向けテストマーケティング費用の増加等です。
前四半期比では、多少減少しています。これは、研究開発費の減少によるものです。研究開発費については、2022年10月期第4四半期に計上した1,600万円が一時的に増加したものとなります。
一時的な要因というのは、外部協力者を活用した研究開発の検収等があったためです。この第1四半期の研究開発についても、概ね計画どおりに研究開発を行っています。通期では販管費を7億5,700万円と計画しています。
第2四半期以降においては、人材採用に伴う採用費や人件費の増加及びビジネスフォン向けのプロダクト・マーケット・フィットを行うための費用や広告宣伝費についても計上していく見込みです。
営業利益の推移
営業利益の推移です。営業利益は1億8,200万円、前年同期比135.3パーセント、営業利益率は37.3パーセントです。各サービスがしっかりと成長し、売上高が伸びました。
費用については、販管費において、第1四半期で計画していたものを第2四半期に変更したものもあるため、当初計画よりも低くなりました。結果として、営業利益をしっかり出せたかたちになっています。
繰り返しとなりますが、費用については、第1四半期よりも第2四半期以降が増大する見込みです。そのため、通期では営業利益6億という業績計画から変更はありません。
コスト推移
通期のコスト推移です。参考にご覧ください。
BS推移
BSに関する状況です。増減額に着目していただくと、資産項目としては「現金及び預金」、負債項目では「流動負債」が増加しています。これは、「トビラフォン Biz」の販売によるものです。
「トビラフォン Biz」については、概ね5年契約分のキャッシュを契約時にいただきます。端末代は販売時に売上計上になるのに対し、ライセンス料は契約期間で按分して計上しますので、ライセンス料の一部については契約負債となります。
また、当社サービスを支えるためのインフラ設備の増強を行いましたので、有形固定資産が約5,000万円増加しています。
2023年10月期 業績見通し
最後に、2023年10月期の見通しについてご説明します。2023年10月期の業績は、売上高20億円、営業利益6億円となる見通しで、昨年12月に公表した内容から変更ありません。
引き続き、第2の主力事業を育てるフェーズと考えています。売上高の成長を重視する一方で、事業への必要な投資を行っていきます。
2023年10月期 サービス別 売上見通し
サービス別の売上見通しについては、モバイル向けが14億4,700万円、固定電話向けが1億7,400万円、ビジネスフォン向けが3億3,100万円の見通しで、昨年12月に公表した内容から変更ありません。
モバイル向けの今期注力事項である「迷惑情報データベースを活用した当社サービスを複数領域へ展開」すること、ビジネスフォン向けでは特に「トビラフォン Cloud」「Talk Book」のプロダクト・マーケット・フィットをしっかりと前進させたいと考えています。
今後の個人投資家向けIR活動
今後の個人投資家向けIR活動の予定です。3月18日(土)KabuBerry(カブベリー)主催の個人投資家向け説明会に、代表取締役社長の明田が登壇予定です。是非、ご参加いただけますと幸いです。
2023年10月期 財務状況 四半期業績推移
財務状況についての四半期業績推移です。参考にご覧ください。
2023年10月期 サービス別 売上高 四半期推移
セグメント別売上高の四半期推移です。参考にご覧ください。
2023年10月期の第1四半期としては、しっかりとしたスタートが切れました。今期の業績予想の達成はもちろん、中長期的な企業価値向上に向け、事業を推進していきます。
以上で、第1四半期の説明とさせていただきます。決算についてのご質問がありましたら、HPのお問い合わせよりご連絡ください。ご清聴ありがとうございました。