2023年3月期第2四半期決算説明

崎山一弘氏(以下、崎山):株式会社シーボンの崎山でございます。本日はお忙しい中、私どもの決算説明会においでいただき、誠にありがとうございます。

本日は2023年3月期第2四半期の決算報告について、実績の進捗、決算の報告を瀧から、その後、第2四半期の振り返りと、今後の下期に向けての事業の取り組みに関しては、私、崎山からご報告させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

2023年3月期 第2四半期 連結決算のポイント

瀧礼江氏(以下、瀧):それでは、私、瀧より、2023年3月期第2四半期決算についてご報告します。

まずは、連結決算のポイントについてです。売上高は、第2四半期に予定していた中国向け大規模受注の後ろ倒しや、直営店舗の継続数・顧客単価の減少により、前年比でマイナス12パーセントの42億9,700万円と非常に厳しい結果となりました。

利益については、計画値以上に販管費の合理化が進んだものの、売上高の減少が大きく影響し、営業利益はマイナス6,200万円、経常利益はマイナス5,200万円となりました。また、六本木本店ビル建替えに伴う退店などの支払補償費や解体撤去費用を特別損失として計上した結果、当期純利益は前年比マイナス3億900万円となりました。

今期の第2四半期は、新型コロナウイルスの感染拡大により、外出自粛等で当社から離れていたお客さまは「戻ってこない」という認識のもと、新規集客に注力しました。イベント開催も増えてきており、新規来店数は前年同期比128パーセント、新規契約者数は前年同期比140.4パーセント、新規売上高は前年同期比130パーセントと大きく上回りました。しかし、当初の予測に対し、継続数が戻らなかったことや、顧客単価が減少したことが売上に影響しています。

今後の施策は、後ほど社長の崎山よりご説明しますが、当社は会員制のサロン経営で、一定数の会員の離脱があります。そのため、今後も新規集客に注力し、接客の質を上げ、サロンのファンを増加させることが必須だと考えています。

2023年3月期 第2四半期連結PL

2023年3月期の第2四半期における連結のPLは、スライドのとおりです。特筆すべき点は、六本木本店ビルの建替えに伴う退店などの支払補償費や解体撤去費用が、特別損失として2億3,400万円計上されていることです。その結果、親会社株主に帰属する当期純損失は3億900万円となりました。

また、六本木本店ビルは2年後の2024年7月に竣工予定で、当社のフラッグシップビルとしてブランディングの中核をなすとともに、本社機能を持たせる予定です。

営業利益差異分析(予算比)

営業利益について、予算との差異分析です。営業利益の予算は1億1,500万円でしたが、実績値はマイナス6,200万円と乖離しています。店舗家賃の減額などの効率化は、計画値以上に進捗していましたが、売上高の大幅な未達が減益の要因となっています。

営業利益差異分析(前期比)

営業利益について、前年との差異分析です。人件費は減少しているものの、六本木本店ビル建替えに伴う減価償却費の計上もあり、その結果、売上高の減少を補いきれず、前年を下回る着地となりました。

貸借対照表

BSです。大きな変化としては、固定資産が大幅に減少し、流動資産が増加しています。これは、メインオフィス及び研修施設だった川崎市の「シーボン.パビリオン」を、他法人に譲渡したことによるものです。

販売チャネル別 売上高

販売チャネル別の売上高についてご説明します。まず、主要チャネルである直営店の売上高は39億3,700万円、構成比は91.6パーセントとなりました。

通信販売は1億6,200万円、国内代理店は5,900万円、海外代理店は3,700万円、子会社を含むその他は1億100万円という結果となりました。

直営店舗の売上高は、新規来店数が増加傾向にあるものの、既存顧客の来店数や顧客単価が減少し、厳しい結果となりました。海外代理店は、後ほど事業の取り組みでもお話ししますが、中国での認知・販売の拡大を目的としたパートナー企業を選定し、パートナーシップを締結しています。

その他の子会社に関しては、子会社のジャフマックにおいて、主力のカシスを中心に原料の出荷が好調に推移し、前年の通期実績に対して進捗率は60.1パーセントとなっています。

新規来店数・既存顧客継続数の状況 - 直営店舗 -

直営店舗における新規来店数・既存顧客継続数の状況です。新規来店者数は、前年と比べ大きく増加しています。コロナ禍以来、イベントでの集客活動は低調でしたが、行動制限の緩和を受けて、復調傾向にあります。

一方で、既存顧客継続数に関しては、新規契約者数の増加に伴い、増加傾向に転じ始めているものの、コロナ禍前にはまだ届かない状況となっています。

以上が決算のご報告になります。続いて、崎山より、事業の取り組みについてご説明します。

中期経営計画 重点実行項目 (2021年3月期~2023年3月期)

崎山:まずは、2023年3月期第2四半期のトピックスのご報告です。中期経営計画の最終年度として、重点実行項目を実行するため、3本部の組織基盤を強化し、スピード感と実行力のある事業を推進してきました。

事業本部では顧客拡大とお客さま第一のサービスの提供、商品開発本部では高品質製品の創出、管理本部ではコスト合理化による財務基盤の強化を進めてきました。

計画達成に向けた主な取り組み

計画達成に向けた主な取り組みとして、既存のお客さまから新たなお客さまへの展開や、リアルとオンラインの両軸を活用した顧客との接点を強化し、効果的なアプローチと、コロナ禍により生まれた新たなニーズに対応してきました。

その中で、サロンにおける「コト」の価値訴求の取り組みの1つに、「感動接客によるお客様との信頼関係構築」があります。これは、日々のサロンでのスタッフによる接客の中で、お客さまに満足していただくだけでなく、感動を与えるような接客を行っていくという取り組みです。

2023年3月期 第2四半期 トピックス

当社では、コロナ禍前から責任者会議の場において「お客さまからこのような声をいただいた」というような日常的なエピソードを発表・シェアし、スタッフのやる気やそれぞれのエンゲージメントをより高めるという取り組みを行っています。

そして今回、そのようなお客さまの声を「思い出エピソード」と題し、社内だけではなく、公式の「Instagram」やホームページで発信しました。見ていただく方にわかりやすいように、漫画調で掲載しています。

今後は、当社のサロンに通われているお客さまのカスタマージャーニーとして、いろいろなかたちで発信していければと考えています。

2023年3月期 第2四半期 トピックス

Webの活用による認知拡大の推進として、今期は、SNSによる情報発信の強化を進めています。本社からの発信にとどまらず、エリアごとに発信を強化することにより、「Instagram」のフォロワー数が大幅に増加しています。

また、「シーボン.」の愛用者の方をアンバサダーに任命し、当社のもの作りや経営理念への理解をより深め、現在、活動の幅が広がってきています。

今後も、アンバサダーを通じてサロンにおけるサービスの価値向上や製品開発など、お客さまの声を反映した活動を進めていきたいと考えています。

2023年3月期 第2四半期 トピックス

7月1日に、新たなブランドとして「シーボンPAL」シリーズを発売しました。当社のイベント・SNSでの集客により、今までとは違った若年層のお客さまが増えてきています。そのような若年層のお客さまをターゲットにし、若年層の購入率・継続率の向上を図ることを目的として発売を開始しています。

今後は、幅広い顧客層にリーチするため、新たな顧客層の拡大に向けた製品として取り組んでいきたいと考えています。

2023年3月期 第2四半期 トピックス

当社の新規開拓で主力となっているイベント集客について、コロナ禍前の水準にはまだ満たないものの、イベント開催回数は増加傾向にあります。

またイベントの際に、「LINE」登録や「Instagram」のフォローを促すことによって、ただ一度の繋がりではなく、イベント後にもお客さまに有益かつ魅力的な情報を発信できます。さらに、お客さまと繋がりを目的としたイベント内容に変更し、成果も出始めています。

2023年3月期 第2四半期 トピックス

長年、海外事業では適切な情報を得られるパートナーを選定していくとお伝えしていましたが、9月26日に、中国のCHANCE社とパートナーシップ締結の調印式をオンラインで行いました。CHANCE社は、中国で会員制の自社プラットフォームを展開するEC販売大手ACCESSグループの関連会社です。

当社の製品とビジネスモデルに興味を持っていただき、約1年にわたり当社の研究部門の見学やサロンの見学等を行った結果、中国における当社のブランド認知度拡大のため信頼できるパートナーだと確信し、今回のパートナーシップ調印式に至りました。

2023年3月期 第2四半期 トピックス

SDGsの中の女性活躍の取り組み推進についてご報告します。8月に、「女性活躍推進に関する取組企業」として「プラチナえるぼし」を取得しました。

第2四半期の活動内容のトピックスとして、女性向けの「キャリア・マネジメント講座」への講師としての参加や、社員の子ども向けのイベントとして工場見学等の開催を行いました。

今後も、女性活躍推進に向けて働きやすい環境を提供し、適切な評価・フィードバックをしっかりと行うことで、女性だけに限らず、社員のエンゲージメント向上に向けて取り組んでいきたいと考えています。

2023年3月期 第2四半期 トピックス

その他事業のトピックスをご紹介します。当社の子会社であるジャフマックにおいて、みん食PJのコラボレーション製品を発売し、これにより新たな販路が生まれました。今後はジャフマックの発酵という技術の優位性を活かせる企業とともに、新たな販売チャネルの確立を目指します。

下期以降の主要な取り組み

2023年3月期下期以降の取り組みについてご報告します。先ほど、瀧から報告があったように、上期実績は予算未達ということで非常に苦しい思いをしていますが、新規売上の増加は順調に推移しています。

下期以降は、サロン事業の再成長に向けてサロン価値の向上、新たな顧客の接点拡大強化を進めていきます。

現在、イベント集客をはじめ、その他の集客チャネルも堅調に推移していますので、今後イベントブースの斬新なリニューアルや、SNSを活用した情報発信でより魅力的なコンテンツの配信を進めていきます。

また、他業者とのアライアンスを積極的に進めていくことで、新たな顧客層へのリーチにも挑戦します。

下期以降の主要な取り組み

7月に発売した新ブランド「シーボンPAL」のブランド戦略については、大規模な広告宣伝を行い、さらなる認知度の拡大を図ります。プロジェクトを立ち上げ、マスタレントやインフルエンサーを複数起用し、SNSや美容雑誌等で多角的にブランドの訴求を進めていきます。

お客さま、市場に向けて、シーボンの価値を伝えていくために新しいコミュニケーションを構築します。

下期以降の主要な取り組み

「シーボンPAL」プロジェクトの一環として、12月7日から25日の期間において、新宿ミロードにポップアップショップを出店します。

こちらは今後の当社の新たな販売チャネルの展開として非常に大きな意味を持つため、ポップアップショップを成功させることによって、新たなニーズの獲得に向けて挑戦していきます。

下期以降の主要な取り組み

海外事業では、新たなパートナーシップ企業との取り組みとして、先方のスタッフに工場見学やサロン体験をしていただきました。その後、体験内容をSNSで拡散していただいたことで、10月14日には会員専用サイトでスライドに掲載したような商品の販売が開始されています。

今後、パートナーとともにブランドの認知度の拡大に努めていきます。また、日本国内の主要都市の当社サロンでも、インバウンド対応に備えた免税電子化システムをすでに導入しているため、これを機に海外販売にも注力していきます。

下期以降の主要な取り組み

製品戦略についてご報告します。製品戦略として、製品ポートフォリオを見直し、ブランディングプロジェクトを実施します。

「サロンから製品」という今までのビジネスモデルに加え、「製品からサロンへ」という新しい商流を作り、サロン主体体制に加え、新しい商流作りに取り組んでいきたいと思います。

このように製品戦略を強化することにより、従来のサロン、または海外代理店や国内バラエティショップ等、新たな販路拡大につながる製品戦略を作り、各チャネルのスターブランドの育成を目指します。

2023年3月期 連結業績予想

3月期の連結の業績予想です。2023年3月期の業績予想については、5月12日の開示のとおり、現時点で業績予想の修正は行っていません。

実際、第2四半期は業績予想と実績に差異が生じていますが、サロンでは新規顧客の増加に伴い、直近では継続顧客の来店数も増加傾向にあります。引き続き、直営店舗の新規顧客獲得を加速させ、継続顧客の増加を図っていきます。

海外事業については、新たなパートナーシップ締結を足がかりに、第3四半期以降に中国向けの受注が見込まれています。これを機に、海外事業をはじめとした、直営店以外の売上高比率を増やしていきます。

連結数値目標

連結の数値目標です。新規販売チャネルの開拓とコストの合理化を継続し、業績向上を目指します。結果として、直営店以外の売上比率を10パーセントとし、よりバランスのよいポートフォリオを構築していきたいと考えています。

新たな販売チャネルの確立を推進し、サロン事業の再成長に向けてサロンの「コト」価値の訴求、新たな顧客の接点拡大強化に集中して取り組んでいきます。

2023年3月期 配当予想について

2023年3月期の中間配当は、業績予想の修正をしない方針のため、中間配当の予想は据え置き、10円の配当を実施します。今後も株主のみなさまに安定的に還元できるよう努めたいと考えています。

2023年3月期は中計の最終年となります。各本部の重点実行項目を十分に完遂し、新たな価値を生み出せる組織を作り上げていきます。サロンスタッフ、本社スタッフ、工場スタッフなど、すべてのスタッフが新しいことに取り組む意欲を持ち、柔軟な発想への喚起につながるよう、働きかけていきます。以上で、発表を終わります。