Q3’22(1-9月)|決算サマリー(前年同期比)

石村富隆氏:みなさま、こんにちは。代表執行役COOの石村と申します。本日はお忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。さっそくですが、説明を始めさせていただきます。

まず、決算概要です。こちらは第3四半期の決算サマリーです。暗号資産の低調により、減益の着地となっています。GMOあおぞらネット銀行の株式については、減損等に係る約41億円の特別損失を計上しているため、最終利益マイナスの着地となっています。

Q3’22(1-9月)|セグメント別の状況(前年同期比)

セグメント別の状況です。証券・FX事業に関しては、営業収益は311.0億円で前年同期比プラス41.2パーセント、営業利益は95.8億円で増収増益となっています。

一方、暗号資産事業に関してはかなり市況が悪く、営業収益が21.4億円、営業利益はマイナス9.7億円の着地となっています。

Q3’22(1-9月)|営業利益増減(前年同期比)

スライドのグラフをご覧のとおり、外貨ex by GMOのグループジョインやCFDの好調を受け、証券・FX事業は増収増益となっています。これを打ち消すかのごとく、暗号資産事業が減収減益となり、連結ベースでは減益の着地となっています。

Q3’22(1-9月)|特別損失の計上について

続いて、冒頭でお伝えした特別損失の計上についてです。GMOあおぞらネット銀行の事業KPIは拡大しているものの、成長速度が想定を下回り、事業計画との乖離が起こっています。

当社は、新経営計画に基づいて同行が実施する株主割当増資の引き受けを決定し、当社が保有するGMOあおぞらネット銀行の普通株式および将来取得することとなる種類株式について、約41億円の特別損失を計上しています。

41億円の内訳に関しては、すでに投資している投資有価証券の評価損9.6億円に加えて、将来的に引き受ける種類株式についての契約損失の引当も先に行っており、こちらは31.7億円となっています。

今回、当社はこれとは別に3.7億円の普通株式の増資を引き受けています。当社の将来買取予定の種類株式の総額は、本増資後は80.4億円となっています。

株主還元|配当および配当性向

株主還元、配当および配当性向です。特別損失および親会社株主に帰属する四半期純損失を計上したことを勘案し、2022年第3四半期の配当は0円となっています。期末も0円で着地すると予想しており、年間では21円の配当となる予定です。

Q3’22(7-9月)|マーケット環境

マーケット環境です。スライド左側の図は個人株式等委託売買代金で、こちらは横ばいとなっています。中央の国内店頭FX取引高は、ここ最近の円安および為替介入を受け、過去最高水準の取引高が生まれている状況です。

右側の暗号資産は、前四半期にも増して水準が下がっており、過去最低水準を更新するかたちで減少傾向にあります。

Q3’22(7-9月)|決算サマリー(前四半期比)

決算サマリーです。証券・FX事業、暗号資産事業ともに前四半期比で減収となり、減益の着地となりました。先ほどお伝えしたとおり、暗号資産事業の減収が大きいことと、FX事業の収益が芳しくないことが反映されています。

Q3’22(7-9月)|セグメント別の状況(前四半期比)

証券・FX事業の営業収益と営業利益の減少は、主にGMOクリック証券の部分が影響しています。暗号資産事業は、スライドに記載のとおり減少しています。

Q3’22(7-9月)|営業利益増減(前四半期比)

厳しい市場環境が継続するFX・暗号資産の減収にともない、営業利益は前四半期比で28.3パーセント減となりました。

四半期業績推移|営業収益(セグメント別/商品別)

四半期の業績推移です。営業収益は前四半期に比べて減収となっています。

四半期業績推移|営業利益

営業利益についても、前年同期比および前四半期比で減少している状況です。

四半期業績推移|販売費及び一般管理費

販売費及び一般管理費のコスト面については主だった増減もなく、スライドのグラフのとおりとなりました。前年同期比で34.6パーセント増となっていますが、昨年の外貨ex byGMOのグループジョインで販管費が上がっているということで、異常値ではないと認識しています。当第4四半期に関しても、コストは横ばいで推移すると見込んでいます。

店頭FX|国内取引高シェアの推移

事業の概況をご説明します。まず、我々の主力である店頭FXの国内取引高シェアの推移です。我々はリスク管理の観点からも取引上限を設けていますが、今回の活況なFXのマーケットでは多くのお客さまが取引上限に達し、その日1日の取引がそれ以上できない方が多く見られました。

顧客数は増えていますが、そのような頭打ちの要因もあり、今回はGMOクリック証券の国内取引高シェアは2位となりました。一方で、グループ3社全体の国内シェアは25.8パーセントで推移しています。

店頭FX|預り証拠金残高の推移

預り証拠金残高については、3社合計で3,700億円強と順調に右肩上がりで増えています。

CFD|売買代金・収益の推移

CFDの売買代金・収益の推移は、スライドをご覧のとおり好調です。売買代金は昨年に比べて76.6パーセント増、収益も前年同期比で61.6パーセント増と、高水準で収益の確保ができている状況です。

CFD|預り証拠金残高の推移

CFDの預り証拠金残高に関しては現在713億円で、前年同期比で31.4パーセントと大きく伸長しています。

国内株式|売買代金

国内株式の売買代金は前四半期と同様に、基本的には横ばいで推移しています。市場における我々のシェアも2.8パーセントと横ばいです。

国内株式|株式委託手数料・委託手数料率の推移

国内株式の株式委託手数料と委託手数料率の推移については、そこまで動きはないと思っています。株式委託手数料は取引高の減少もあり、23.8パーセント減となっています。

国内株式|金融収支の推移

金融収支の推移です。こちらも前年同期比で11.0パーセント減となっています。

海外証券(タイ王国)|信用取引残高の推移

海外の証券事業における、タイの信用取引の残高です。信用取引の商売というかたちになっていますが、残高推移はスライドのグラフのとおりどんどん上がっており、前年同期比で27.9パーセント増となっています。

タイでのマーケットシェアは少しずつ伸びていっており、現在は12.5パーセントとなっています。

海外証券(タイ王国)|金融収支の推移

金融収支は取引高に伴い右肩上がりで伸びており、前年同期比で63.8パーセント増と好調に推移しています。

タイに関しては、2022年5月13日にタイの証券取引所の上場申請を実施し、現在審査中です。上場による資金調達力と社会的信用の向上を通じて、さらなる成長を目指しています。

暗号資産|売買代金の推移

暗号資産における売買代金の推移は、スライドのグラフのとおりです。2021年12月期第1四半期をピークに、基本的には右肩下がりのマーケットになっています。前年同期比で53.6パーセント減ということで、それに伴い、収益水準や利益水準も低く推移しています。

そのような中でも、主なサービスの取り組みとしては、取引所で新しい銘柄を追加したり、IEOの案件やオプションを組み込んだような商品、お客さまの利便性を向上させるようなツールを出したりという活動は行っているものの、マーケットの弱さを受けてなかなか収益が上がらない状況になっています。

暗号資産|売買代金シェア

売買代金のシェアに関して、全体のシェアは31.0パーセント前後と少しシェアが減っています。ここについては、今年度は海外からの参入がけっこうあり、その影響が少し出ているのではないかと見ています。

暗号資産|口座数と顧客預り資産の推移

口座数と顧客預り資産の推移です。スライドのオレンジ色の折れ線グラフが示す口座数は右肩上がりで、順調に増えています。一方、青色の棒グラフは預り資産を表しており、現在1,000億円強となっていますが、ここの預り資産の7割ほどが暗号資産であるため、暗号資産のマーケットの上下で価格がけっこう変わってきます。

現在、主にビットコインやイーサリアムが、昨年に比べて価格が半分くらいに落ち込んでいるため、その影響を受けて少なく見えているかたちです。

暗号資産|セグメント収益・利益の推移

セグメント収益の推移です。何度もお伝えして恐縮ですが、環境が厳しい中で赤字が継続しています。法人獲得や取引銘柄・サービス拡充等に取り組んでいるものの、単月で黒字になることがなかなか難しい状況になっています。

NFT事業

NFT事業です。GMOアダムでは、利便性の強化など、ユーザーの獲得や二次流通促進に向けた諸施策を推進しているところです。AR機能の追加に加え、コンテンツに関して裾野を広げていくために、音楽コンテンツの取り扱いを拡充したり、地方と協力してNFTを発行したり、そのようなチャレンジを通じてNFTを広めていく活動を継続して行っています。

バーチャルオフィス事業

バーチャルオフィス事業は、顧客基盤拡大に向けて、サービス提供エリアを拡大しています。1号店の渋谷を皮切りに、スライドのマップ上に掲載している場所で展開しています。こちらに関しては、できるだけ早く他の地域にも展開するとともに、全国のお客さまにサービスを届ける体制を作るために対応しているところです。

2022年12月期第3四半期の決算説明について、簡単ではありますが、こちらで終わらせていただきます。ありがとうございました。