2022年8⽉期第2四半期 決算サマリー
河本幸士郎氏:みなさま、こんにちは。本日は霞ヶ関キャピタル株式会社の2022年8月期第2四半期の決算説明会にお越しいただき、誠にありがとうございます。ではさっそく始めさせていただきます。
3ページのサマリーからお話しします。後ほどお話しすることと重複する部分もあるため、抜粋してお話しします。まず、昨年12月に公募増資を実施し、35億6,000万円を調達しました。目的は、5ヶ年の中期経営計画を達成するための肝となる、物流事業用地を仕込むための資金です。
このページの下段にも記載していますが、中期経営計画を達成すべく、昨年12月に三菱HCキャピタルさまと約2,000億円分の物流施設の開発プログラムをスタートしました。このプログラムを遂行するためには用地を確保する資金が必要なため、公募増資を行い、資金を獲得しました。
次に、今期の業績予想の一部、売上高の上方修正を行います。当初の予想では185億円を見込んでいましたが、予算に対して約20パーセントアップの225億円に上方修正します。
上方修正の要因としては、レジデンスのファンド組成にあたって、シードアセットとして弊社で所有していた物件があったのですが、ファンド事業が予想を上回って進捗し、それらシードアセットをファンドに移すことで、売上に寄与したことに起因します。なお、今期の1株あたりの配当は、前期と同等以上を見込んでいます。
また、昨年11月にみなさまにお伝えした5ヶ年計画に対する進捗状況です。結論からお伝えすると、極めて順調に進捗しています。5年後の当期純利益は、今期の10億円の10倍となる100億円という計画を進めていますが、それを実現するために重要なことがあります。案件開発に必要な資金のパートナーです。
用地確保のための資金は公募増資で調達しましたが、案件の開発フェーズにおいては用地に加えて建築資金が必要です。その資金のパートナーシップとして、三菱HCキャピタルさまと合弁契約を締結し、当社が事前(2021年10月14日)に設立したLFDの株式の34パーセントを2021年12月22日に三菱HCキャピタルさまに取得いただいております。その仕組みについては後ほどあらためてお話しします。以上がサマリーとなります。ここで触れなかった部分については後ほどご説明します。
2022年8⽉期第2四半期 トピックス
トピックスをまとめました。スライド左側に収益計上に繋がったアクション、右側に案件の仕込みや会社のアクションを記載しています。物件のアセットタイプやアクション別に色分けしていますが、ご覧のとおり非常に多岐にわたるイベントがあったことがおわかりいただけるかと思います。
ここで一つひとつ説明していると時間がなくなってしまいますので、次のページから事業分野ごとのトピックスというかたちでご紹介します。
2022年8⽉期第2四半期 トピックス①(物流施設開発事業)
まずは物流事業におけるトピックスとして、先ほどお話ししたとおり、昨年12月に三菱HCキャピタルさまと開発パートナーシップのプログラムを開始しました。ロジフラッグ・デベロプメント株式会社(以下、LFD)というJV(ジョイントベンチャー)会社に、弊社が66パーセント、三菱HCキャピタルさまが34パーセント出資しています。
開発自体は案件ごとにSPC(特定目的会社)をセットアップして行いますが、そのSPCに対してLFDがプロジェクトマネジメントを行うという仕組みです。SPCの開発資金についてはノンリコースローンを活用しますが、必要なエクイティは三菱HCキャピタルさまに出資していただきます。ノンリコースローンと組み合わせて約2,000億円程度の開発が可能です。
この開発プログラムが12月に始まり、1月と2月にさっそく4物件を弊社からSPCに、物流の開発用地として売却を実行しました。これら4件の事業総額は176億円で、必要な資金はノンリコースローンと三菱HCキャピタルさまからの出資で調達します。
以上が物流事業の主なトピックスになりますが、この開発プログラムが順調に進んでいることがおわかりいただけるかと思います。
2022年8⽉期第2四半期 トピックス②(ホテル開発事業)
アパートメントホテル事業のトピックスになります。我々が企画開発するホテルは「FAV(ファヴ)」という名称で展開していますが、昨年11月に熊本県、12月に三重県伊勢市で「FAV HOTEL」が開業しました。これで稼働中の「FAV HOTEL」は4件になりました。
ホテル業界は新型コロナウイルスによる影響を強く受けているため、日本のほとんどのホテルが残念ながら赤字運営となってしまっていますが、我々の「FAV HOTEL」は黒字運営ができています。なぜ黒字運営が可能なのかは、後ほど我々のホテルの特徴も含めて事業内容を説明する際にあらためてお話しします。
2022年8⽉期第2四半期 トピックス③(その他事業)
新規事業であるレジデンスファンドの設立とヘルスケア事業への参入についてお話しします。これら2つの事業は物流、ホテル、再エネに続く第4、第5の事業の柱に育てようと思っています。
まずレジデンスファンドについてです。この6ヶ月の間に22件で約230億円のレジファンドの運用を開始しました。現状はいわゆる伝統的なレジファンドではありますが、我々はこの形態で終わらせるつもりはありません。
三井物産デジタル・アセットマネジメントさまと共同でAMを行っていることからご推察いただけるかもしれませんが、いずれはこれらのレジファンドに入っている物件をシードアセットとしてSTO、つまりデジタル証券として小口化投資商品の開発運用の分野に参入したいと考えています。
レジファンドのサイズアップはもとより、魅力的な投資商品の提供がアセットマネジメント会社のミッションだと思っていますので、その可能性を追求していきたいと思います。
次にヘルスケア事業についてです。昨年12月にヘルスケア事業推進部を新設しました。実は以前からこの分野には参入したいと考えており、人材の獲得を進めていました。幸運にも、経験、実績ともに申し分ない人材の獲得に成功し、事業モデルも構築できたため、この4月1日に事業部から事業本部とし、人員も拡充しています。
今後、日本のヘルスケアマーケットが拡大するのは自明のことですが、一方で既存の病院には老朽化問題や後継者問題など課題が山積しています。「その課題を解決しようではないか」という目的で、この事業を開始することにしました。
ヘルスケア分野にはいろいろな切り口があると思いますが、我々は従来の不動産ファンドやJ-REITが主に取り組んできた介護という切り口だけではなく、医療という切り口でもこの問題に取り組んでいこうと思っています。
具体的には、ホスピス施設やショートステイ型療養施設を日本全国で開発していきます。その第1号として、今年8月に札幌市でホスピスが開業します。第2号案件も、ホスピス用地としてすでに確保しています。近い将来には施設開発だけでなく、それら施設のオペレーション分野までビジネスの領域を広げていこうと思っています。
今期の予算にはヘルスケア事業からの売上や利益は見込んでいませんが、来期以降についてはヘルスケア事業も次の収益分野として本格化させるべく準備を進めています。以上が上期のトピックスとなります。
2022年8⽉期第2四半期 連結売上⾼(年度累計)の推移
続いて、上期の売上高ならびに通期売上高の上方修正についてです。まず、上期の売上高は前年比約1.6倍の100億円を超えました。通期予算では185億円を見込んでいましたが、当初予想に対して20パーセント増の225億円に上方修正しました。
上方修正の主な要因は先ほどお伝えしたとおり、ファンド事業が予想を上回って進捗し、弊社が所有していたシードアセットをファンドに移すことで売上増加に寄与したことにあります。なお、売上高225億円は前期に対して約60パーセントの増加ということになります。
2022年8⽉期第2四半期 PL対前期・対予想⽐較
P/Lについてお話しします。上期が終了した時点で利益の項目、すなわち営業利益、経常利益、当期純利益はいずれも予定どおりです。通期予想の進捗率はまだ25パーセントほどですが、前年同期比で見るといずれの項目も大きく伸びているのがおわかりいただけるかと思います。また、予定どおり進んでいるからこそ、利益面の通期予想は修正していないのだとご理解ください。
また、経常利益15億円を達成し、前期の経常利益10億円との合計、つまり2期合計で25億円というプライム市場へのステップアップの基準を達成しようと思っています。
2022年8⽉期第2四半期 営業利益増減分析
営業利益の増減分析です。前年同期比で総利益は約9億2,000万円増加し、費用は約4億6,000万円アップしました。費用面の増加は、主に人件費と販管費です。人件費は事業拡大に伴う拡充や、ヘルスケア事業の立ち上げに伴う新規採用が要因です。販管費は租税公課の増加によるものが大きな要因となります。結果として、上期の営業利益は約4億5,000万円の着地となりました。
2022年8⽉期第2四半期 BS対前期末⽐較
バランスシートですが、この半年で約60億円大きくなりました。スライドの右側からご説明します。冒頭でお伝えしたとおり、昨年12月に公募増資を行い、資本金および資本剰余金で約36億円増加しました。
負債の部では短期借入金が20億円、長期借入金が10億円増えました。資本金の増加分との合計で60億円の増加です。それに対応する資産は、現預金が16億円、販売用不動産が45億円増え、合計で約60億円となりました。
つまり、増資資金に加えて借入を行うことで、今後につながる販売用不動産の仕込みが進んだということがおわかりいただけるかと思います。
2022年8⽉期第2四半期 プロジェクトパイプラインの詳細
我々のプロジェクトパイプラインについてお話しします。我々はバランスシートを使って開発するのではなく、SPCを活用してオフバランスした状態で開発および運用を行っています。バランスシートからは現在どれくらいの物件が開発中・運用中なのかが見えてきません。したがって、12ページのスライドでご説明します。
前期末の時点で943億円分のパイプラインがありましたが、この半年でプラス721億円の1,664億円となりました。増加の内訳としては、物流で400億円、ホテルで23億円、その他のレジファンドやヘルスケアで290億円です。
これらの増加により、現時点では1,664億円のパイプラインが我々の手元にあるということになります。半年でプラス76パーセントということで、極めて急ピッチで伸びているのがおわかりいただけるかと思います。
2022年8⽉期第2四半期 プロジェクトパイプラインの推移
過去2年半のパイプラインの増加をグラフで示したものです。順調に積み上がってきており、2年半で約6倍になりました。2年前はホテルだけで積み上げていたパイプラインですが、この2年間で物流が主軸となり、この半年では新たなセットタイプとしてレジデンスとヘルスケア施設が入ってきました。
成長エンジンが1基、2基、3基、4基と増え、推進力が増しているのがおわかりいただけるかと思います。
2022年8⽉期第2四半期 AUM進捗
中期経営計画に対してどれくらい進捗しているのかを図で示したものになります。5年後に当期純利益100億円を達成するにあたり、1つの指標としてAUM(運用残高)を採用しています。AUMが約6,000億円になると、当期純利益100億円が可能になります。逆に言いますと、当期純利益100億円のためには6,000億円のAUMが目安になるということです。
6,000億円への成長カーブを示したものが赤色のグラフです。それに対して、現状でどれくらいのAUMが見えているのかが13ページでお示ししたパイプラインになります。この半年間の成長を維持するとパイプラインがどれくらい積み上がるかを示したものが、赤色のグラフより上にある点線のグラフです。
現状は6,000億円に対して道半ばと言いますか、まだ3合目付近です。しかし、半年で720億円アップして1,660億円になったペースを維持すれば、5年後ではなく、4年後の2025年には6,000億円が見えてきます。
どれくらいのペースで走れば中計を達成できるのかを、我々経営陣だけでなく全社員も体感し、自信をつけることができました。この経験と自信こそがこの半年での一番の収穫だったと私は考えています。
FAV HOTEL|ターゲットとコンセプト
事業の内容に移ります。物流、アパートメントホテル、その他事業ですが、物流事業に関しては統括役員の杉本からのちほどご説明します。私からはアパートメントホテルとその他事業についてお話しします。
先ほどお伝えしたとおり、私どもは「FAV」というブランドを展開しています。「FAV HOTEL」のコンセプトは、「広くて、安くて、かっこいいホテル」です。4名から5名程度で泊まっていただいても、スーツケースをゆったりと広げることができるくらいの面積を確保しています。
したがって、家族や友人同士のグループ旅行などに最適な空間を提供しています。また、高校や大学のスポーツ遠征、合宿などにも適していると思います。
各部屋に洗濯機やキッチンも備えているため、1泊だけでなく、2泊、3泊する際も非常に便利にご利用いただけます。なぜ多人数向けホテルを展開しているのかと言いますと、大きな需給ギャップがあり、不足しているからです。
みなさまも経験があるかと思いますが、私は家族で旅行に行く際に不便さを感じることが非常に多いです。家族でゆったり泊まれるホテルがなかなか見つけられません。海外の人と話しても、そのような声が非常に多いです。日本には大きな部屋が圧倒的に不足しているため、我々が提供しています。
FAV HOTEL|ポジションニングと運営の特徴
広い部屋ということは宿泊代が高いのではないかと思われるかもしれませんが、安いです。我々は部屋単位で料金を設定していますが、1部屋あたり1万円台後半です。つまり、4人で泊まった場合は1人あたり4,000円台で泊まることが可能です。
なぜそれほど安い設定が可能なのかと言いますと、省人化を徹底的に追求し、オペレーションコストを削減しているからです。例えば、チェックイン・チェックアウトは基本的に機械で自動化しており、人件費を徹底的に抑えています。
また、1階にレストランエリアを設けているホテルは、レストランを無償または低い賃料で貸しており、その代わりにレストランスタッフにフロント業務を依頼することもあります。このように省人化をとことん進めているからこそ、1万円台の料金設定が可能となるのです。
FAV HOTEL|計画中/開発中パイプライン
広くて安いのはおわかりいただけたと思います。しかし、デザインやクオリティがいまいちだったり、安かろう悪かろうになっていると思われているかもしれません。スライドの写真は我々が手がけているホテルの一例ですが、デザインにもものすごくこだわっています。
我々はデザインは価値だと考えています。インハウスに優れたデザイナーもいますが、外部の有名なデザイナーにも依頼しています。スライドに載せている建物の写真はイギリスの有名なPDPというデザイン事務所にお願いしたものです。
PDPはイギリス、香港、東京で主に超高級マンションなどを手がけているデザイン事務所ですが、我々のコンセプトに賛同してくださり、「FAV HOTEL」のデザインも多く手がけていただいています。
FAV HOTEL|プロジェクトパイプライン⼀覧
「FAV HOTEL」のパイプライン一覧です。弊社の今期末の8月までに開業するものも合わせると7件、9月以降に開業するものが10件で、計17件が現時点でのパイプラインとなります。
コロナ禍だからこそ、新型コロナウイルス感染拡大前までは買えなかったような土地を獲得するチャンスでもあります。今後も「FAV HOTEL」を積極的に展開していこうと思っています。
FAV HOTEL|供給環境:定員稼働率
ホテル事業に関して、最後にこちらの数字を紹介させてください。日本全国のホテルの平均稼働率は新型コロナウイルス感染拡大前は65パーセントでしたが、過去2年間では23パーセントです。
一般的なホテルが黒字になるためにはビジネスホテルで40パーセント前後、シティホテルで60パーセント前後の稼働率が必要だと言われています。したがって、残念ながら世の中のホテルのほとんどが赤字運営となっています。
しかし、先ほどお伝えしたとおり、我々のホテルはすべて黒字です。15パーセントや、ものによっては10パーセントの稼働率でも黒字になります。
徹底的に省人化を進め、ローコストオペレーションを行っているため、コロナ禍でも黒字で回すことができています。それが「FAV HOTEL」です。マーケットが回復してきたら高い収益性を実現できると確信しています。みなさまも広くて、安くて、かっこいい「FAV HOTEL」をぜひ利用してみてください。
3. その他:ファンド事業 レジデンスファンド
その他事業に移ります。レジデンスファンドについてです。先ほどお伝えしたため割愛しますが、半年で230億円の取得がどれくらいのペースになるのかについてお話しします。
昨年、J-REITで住居系のアセットがどれくらい買われたのかと言いますと、約1,700億円です。J-REITは全部で61銘柄あります。その中で住居系並びに総合型は32銘柄です。単純計算になりますが、1,700億円を32銘柄で割ると、1銘柄あたり55億円前後を1年で取得していることになります。
一方で、弊社は半年で230億円分のレジデンスファンドを組成することができました。これがどれくらいのペースなのか、なんとなくおわかりいただけるかと思います。今後もレジデンスファンドの組成を積極的に進め、デジタル証券など多岐に渡る投資機会の提供を模索していきたいと思います。
3. その他:ヘルスケア関連施設開発事業
次にヘルスケア事業についてです。こちらも先ほど少し紹介しましたので、事業内容については割愛しますが、マーケットについて少しお伝えします。スライド右側にも記載していますが、2030年に向けて、約60万戸の高齢者住宅が必要だと言われています。とんでもない数字です。
もちろん、すべてを新築でまかなう必要はありませんが、キャピタルマーケットや機関投資家などの資金を活用しないと、到底実現できる数字ではありません。誰かがこの課題を解決しないといけないのです。そこで、我々が解決することにしました。来期以降は、ヘルスケア事業も我々の収益の柱にすべく進めていきます。
3. その他:再エネ発電施設開発事業 実績
再エネ事業についてです。スライドに記載した内容は、我々の過去の実績になります。現在は北海道で陸上の大型風力発電の計画を進めており、経産省や電力会社と協議を進めているところですので、計画が固まった段階でみなさまにお伝えしたいと思います。
3. その他:海外事業 重点エリア
海外事業についてです。新型コロナウイルスの影響で渡航制限があるため、新たな案件に取り組むのは非常に難しい状況ではありますが、インドネシアのジャカルタ郊外で戸建て事業を進めています。ローカルパートナーと提携し、中所得者向けに300戸程度の戸建て事業を進めており、現在は事前の販売活動を始めたところです。
ある程度の販売実績が積み上がった時点でプロジェクトを本格的に前進させるというプランで進めているため、こちらについても具体的な収益計画が固まった時点であらためて開示します。以上が物流事業以外の事業内容となります。
ここからは、物流事業の統括役員で、かつ三菱HCキャピタルさまとのJV会社であるLFDの代表取締役でもある杉本から、事業内容についてお話しします。
LOGI FLAG|コンセプトと施設タイプ
杉本亮氏:みなさま、2022年8月期第2四半期の決算説明会にお越しいただきまして、誠にありがとうございます。物流事業について、私からご説明します。物流事業については、これまで2つのコンセプトで進めてきました。1つが環境に配慮したコールドチェーン、つまり冷凍冷蔵倉庫です。この開発を他社やほかのデベロッパーに先駆けて展開しています。
もう1つが、市街化調整区域という、不動産を開発するのがなかなか難しい区域がありますが、その区域に対して弊社が持っているノウハウを活用し、開発しています。これら2つのビジネスモデルで展開してきています。
さらに、2つのコンセプトにプラスワンということで、今後を見据えて展開していきたいのは、Eコマースが必要としているようなラストワンマイルの施設です。テクノロジーを用いた自動倉庫やEコマースはどんどん発展してきており、今後はこちらを展開していきたいと思っています。
LOGI FLAG|環境配慮型の物流施設開発に向けた考え⽅
そのような中で、1つのトピックをお話ししたいと思います。先ほど、環境に配慮した冷凍冷蔵倉庫を開発していくとお伝えしましたが、こちらに関してです。今年2月に、開発ファンドを1つ立ち上げていく中で、滋賀銀行さまと接点を持つ機会があり、その中で弊社が取り組んでいる環境に対する姿勢を非常に高く評価していただきました。
物流施設ももちろんそうですが、環境に優しいということで、滋賀銀行さまがこちらに対してコーポレートローンを提供くださり、コミットメントラインを締結しています。
スライド右側のように、弊社で開発を進めている冷凍冷蔵、環境配慮などに対して評価いただいたと考えており、今後もこのようなパートナーと広く事業提携していきたいと考えています。
LOGI FLAG|物流施設開発に向けた中⻑期構想
先ほど2つのコンセプトにプラスワンということでご説明しましたが、足元では、冷凍冷蔵倉庫の開発と市街化調整区域の開発により、順調にAUMを拡大し、積み上げができています。今後は中長期的なところを見据えて、テクノロジーを活用した開発を進めていきたいと思っています。
この中長期的な構想ですが、昨年3月に、物流事業本部内に2つのプロジェクトチームを立ち上げて検証しています。1つは、ラストワンマイル施設をどうにか開発できないかということで検証を続けています。もう1つは自動倉庫チームで、その名のとおり、倉庫の中を自動化できないかと検討を続けています。
この中で、ラストワンマイル施設の開発はもう少し検討・検証が必要であると思っています。しかし、自動倉庫に関しては、何か世の中に貢献できるものが弊社にあるのではないかということで、昨年9月に自動倉庫チームを率いていた堀内を部長に据え、新事業部を発足させて取り組んでいます。今すぐに何かができるわけではないのですが、今後1年から2年を見据えて、自動倉庫の開発に着手したいと思っています。
LOGI FLAG|需要環境:低いEC化率と増加し続ける物流ニーズ
21ページは決算説明会で毎回使っている資料ですが、物流施設に対するトレンドを示しています。Eコマースが発展していることはみなさまご承知のとおりかと思いますが、こちらを数字に落としています。
スライド左側のグラフから、世界的にもEコマーストレンドで右肩上がりに成長していることがわかります。世界的に見るとEC化率が20パーセントくらいと言われており、中国は約30パーセント、アメリカは約15パーセントと言われている中で、日本はまだ8パーセントです。そのため、ここはまだまだ伸び続けると考えています。
なぜ物流施設が必要かというと、Eコマースでは物流施設を借りることが彼らの売上に直結するからです。Eコマースをしている方は物流施設を探し続けていますので、需要はまだまだ旺盛です。
なお、スライド右側のグラフは、Eコマースの発展に伴って宅配便の需要が伸びていることを表したものです。
LOGI FLAG|供給環境:冷媒関連の動向と冷凍冷蔵倉庫の建替需要
もう1つ、需要だけではなく供給面についてお伝えします。22ページのスライドも決算説明の度に使っていますが、冷凍冷蔵倉庫に関するものです。スライド左下に記載していますが、2030年に向けて特定フロンを使った冷凍設備の全廃が義務づけられています。その想定でいくと、2020年までに特定フロンを使った施設はかなりなくなっているだろうという想定でした。しかし、現実はまだ半分くらいが特定フロンを使っているということですので、ここの建て替えはこれから進んでいきます。
さらに、スライド右側の円グラフは、東京都に限ったものですが、築年別の冷凍倉庫を示しています。築30年以上で約4割、築40年以上でも約2割ありますので、ここの建て替えも今後進んでいくと考えています。
これがなぜ弊社にとってビジネスチャンスかと言いますと、こちらの施設を建て替えるにあたって、既存の中小企業の冷凍冷蔵事業者の中には、建て替えられない会社が出てくると考えているからです。
もちろん大手企業の中でも、建て替えではなく賃貸に切り替える動きも出てくると考えていますので、そのような意味では今後供給の制約が事業者側に発生すると思っています。需要も供給もよいと考えていますので、こちらの事業に取り組んでいます。
LOGI FLAG|プロジェクトパイプライン⼀覧
少し戻り、パイプラインについてご説明します。物流事業を立ち上げたのが2020年6月です。そこから約1年半の成果ですが、現在12プロジェクトを推進しています。
これ以外にも、足元で契約はしたもののまだこの一覧に持ってきていないものや、買い付けさせて売り渡ししてもらっているもの、例えば調整区域の取りまとめで行政側から取りまとめの事業者に選定されているような案件などもあり、ここに記載できていないものも数多くあります。
そのような中でこの第2四半期は、スライドの8番、9番、12番が契約決済できたものになります。上から順番に着手できたものとなっていますが、大型化が進んできていることも見て取れるかと思います。最初はかなり小規模で始めましたが、少しずつサイズもアップしながら成長しています。
この15件(非開示を含む)を合わせると、AUMでは1,000億円近くになります。この1,000億円という規模を競合他社でイメージすると、例えば、住友商事さまが展開している「SOSiLA」や、伊藤忠商事さまが展開している伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人のようなJ-REITが、現在AUMで1,000億円くらいです。今はまだ開発フェーズですが、J-REITを作れるくらいのAUMがたまってきています。
今後順次開発フェーズが終わって収益化し、賃貸フェーズに移っていきますが、そのタイミングでREITといいますか、大型のコアファンドを作っていくことも考えていきたいと思っています。今年度というよりは来年度以降の課題です。
霞ヶ関キャピタルとして取り組んでいるのはこのようなことですが、これができるのは、多様なバックグラウンドを持った魅力ある人材が集まっているからだと思っています。
簡単ではございますが、霞ヶ関キャピタル2022年8月期第2四半期のご説明でした。ご清聴ありがとうございました。