連結損益計算書

佐野健一氏:みなさま、こんにちは。株式会社ビジョンの佐野です。本日はご視聴いただきましてありがとうございます。それでは、2021年12月期決算説明を始めさせていただきたいと思います。

4ページが連結損益計算書になります。2021年12月期の売上高は181億円でした。昨年が166億円ですので、14億4,600万円増えたかたちになります。また、営業利益は、昨年は1億300万円でしたが、11億500万円と大幅に増加しました。

経常利益は、昨年が2億2,700万円だったところ、9億1,500万円増の11億4,300万円となりました。最後に、親会社株主に帰属する当期純利益は、昨年は特損の関係上で11億8,300万円のマイナスでしたが、今年はプラスの7億2,900万円というかたちで着地しています。

営業利益の増減要因

営業損益の増減要因についてです。まず、グローバルWiFi事業は、ご存知のとおり昨年は第4四半期で2019年同月対比で25パーセントほど海外渡航者が戻るのではという計画を立てていましたが、残念ながら戻ることなく、そこの25パーセントが反映されませんでした。しかし、それ以外の国内Wi-Fiのような部分でリカバリーし、空港検疫所の水際対策も引き続き実施していることにより、売上は増加しているという結果です。

一方、情報通信サービスに関しては、電力事業への参入を発表していましたが、電力が高騰し、現在も不安定な状況が続いています。我々は小売と取次という二本柱で持っていましたので、状況を見てポートフォリオを少し変えようということで、小売から取次のほうに変えたというかたちになります。

また、ストック、もしくはサブスクリプションの、自社サービスの強化のところで、年間のストックが売上総利益で10億円を突破しました。その分、先ほどの電力の影響もありますが、情報通信のほうは売上が横ばいです。また利益については自社サービスを増やしているため、短期ではなく中長期的にその収益を増やしていこうと振り切って取り組み始めているため、昨年の利益を下回っています。

また、原価に関しては、こちらに記載のとおりの数字です。減価償却、レンタル資産自体の特損を計上していることもありますが、ここは第4四半期に復活することを前提に端末を準備したり、オプションを準備したりということも併せて行っています。

販売管理費に関しては、広告自体が減少しているものの、きちんとターゲティングした広告を積極的に展開しています。一昨年は急に新型コロナウイルスの感染が拡大したため、さまざまな大きな変化がありました。昨年は1月からすでにコロナ禍にあったため、それに合わせたかたちでの運用を実行してきました。

セグメント業績

セグメントの業績について、グローバルWiFi事業からご説明します。2020年に約72億7,000万円だったものが、90億7,000万円となり、17億9,200万円増えています。先ほどご説明したとおりの要因によって引き上げられています。

一方、情報通信は、先ほどお伝えしたように88億円から88億円と横ばいです。また、利益のところはグローバルWiFiはマイナス9,000万円だったところが、プラスの10億3,300万円となりました。

情報通信サービス事業は、15億2,000万円だった利益が11億1,600万円となり、こちらは4億円ほど減っていますが、先ほどもお伝えしたとおり、自社のショットのビジネスからストック型へのビジネスの転換をしているため、ここは押し下げられています。一部、電力の最初の頃に売ったものも入っていますが、ものの先行投資がはやっているというかたちになります。

グローバルWiFi事業 業績推移

グローバルWiFiの業績の推移ですが、こちらは先ほどもご説明しましたが、テレワークの増加、また、緊急事態宣言が発出されたことによるレンタル期間の延長なども増えました。「グローバルWiFi for Biz」においてもテレワーク兼用として、現在も新規の契約をいただいています。

グローバルWiFi事業は2012年にスタートし、国内Wi-Fiは2010年からスタートしていますが、引っ越しや入院、出張、さらにコロナ禍で需要が増えたというところでは、自宅の固定回線を複数人で使っている関係で帯域を圧迫している、またスピードが遅くなるなど、さまざまな問題が生まれています。

そのようなリスクを排除するために、もう1台ポケットWi-Fiを持って安定通信を得るというかたちでのマーケットニーズが増加しています。空港検疫所出のニーズは先ほど説明したとおりです。

また、第4四半期に端末およびオプションの購入を実施しています。3年前の2019年に177億円だった売上高が72億円まで下がり、そして現在90億円に上がっています。利益も33億円だったものが、マイナス9,000万円まで下がり、そして10億3,300万円まで、回復という表現が正しいのか分かりませんが、昨年、一昨年とさまざまなかたちで取り組んできたことを学習し、売上を伸ばしたとご認識いただければと思います。

情報通信サービス事業 業績推移

8ページは情報通信についてです。こちらも3度目の説明になりますが、売上高は横ばいで、利益は減少しています。ただしストックは10億円を突破したということで、長期的な収益の確保に舵を切っている状態です。

通期業績予想

10ページは、2022年12月期の業績の予想についてです。現在も新型コロナウイルスのオミクロン株の感染拡大が続いており、海外渡航が復活していない状況です。昨年の12月の取締役会で承認された数字であり、後ほど要因も細かくご説明していきたいと思いますが、第4四半期に海外渡航者が25パーセント程度戻るであろうと見越しての数字の折り込みになっています。逆に見れば、状況が好転して早く回復すれば、プラスの要因になっていくだろうと考えています。

また、12月第4四半期自体も同じような状態が続くのであれば、それより前からさまざまな手を打っていかなければいけないという状況は相変わらずです。11億500万円だった利益を14億700万円とし、昨年比27.4パーセント増という数字を目指しています。

セグメント別通期業績予想

セグメント別での通期業績予想です。グローバルWiFi事業では90億7,000万円だったものが108億1,500万円と17億4,400万円増加し、情報通信サービス事業では88億400万円だったものが、111億3,700万円と増加しています。

グローバルWiFi事業自体の利益はまだ非常に読みにくい状況が続いていますので、10億3,300万円だったものを横ばいの10億2,100万円として予算を組んでいます。また、情報通信サービス事業は11億1,600万円だったものを14億2,600万円と、こちらは増加を予想しています。

現在、例えばICチップや半導体の問題など、さまざまな環境の変化がありますので、その状況下に合わせて販売する商品のポートフォリオを少しずつ変え、ニーズの高いものを積極的に販売していくというかたちを取っています。

通期業績予想の前提

13ページは、通期業績予想の前提条件について3つ挙げています。1つ目の外部環境では、現在新型コロナウイルス感染拡大の第6波が来ています。第7波、第8波があるのかないのかによってももちろん左右されますが、あったとしても、ある意味ウィズコロナということで、この状況下でも事業を伸ばしていけるベースはみんなで力を合わせて作ってきました。しかし、その部分は渡航がスタートすれば大きな変化があることになります。

2つ目のグローバルWiFi事業も同様です。先ほどお伝えしたように、第4四半期で25パーセント回復と予想しています。水際対策については、出国がスタートした後も、インバウンドの入国の際は引き続き対策が必要であろうということで、12月までは継続すると見越しています。また、国内の需要については、「グローバルWiFi for Biz」に関しては引き続き積極的に販売していきたいと思います。

3つ目の情報通信サービス事業は、半導体の不足の影響がありますので、メーカーをバランスよく活用し、お客さまのニーズに合ったものをバランスよく調達していきながら、支持される状況を作り出していこうと考えています。

また、「ビジョンでんき」に関しては、スタートしたものの、新規獲得をいったん停止していますので、価格の高騰の安定化が起きるまでは、取次でお客さまにサービスを提供し続けていこうと思っています。この3つが今期の業績予想の前提になっているとご理解いただければと思います。

グローバルWiFi for Biz積極拡販 ~渡航回復時の競争優位性~

15ページは「グローバルWiFi for Biz」について記載しています。こちらを引き続き積極的に売っていきます。

国内Wi-Fiの販売強化 ~グローバルWiFi事業~

国内Wi-Fiは、2010年からスタートしているものですし、さまざまなニーズをキャッチアップしていくことができていますので、ここも引き続き積極的に取り組んでいこうと思っています。

超高速通信5Gプラン提供開始 ~渡航回復時の競争優位性~

現在5Gプランはありますが、残念ながら海外に行く人が少ない状況ですので、渡航状況が回復したらきちんと差別化を図っていきたいと思っています。

ワールド eSIM提供開始 ~渡航回復時の競争優位性~

ワールドeSIMの提供も開始しました。こちらもリリースしているものの、渡航者がいない状況のため、その間にブラッシュアップできるものはしっかり行いながら、お客さまに選ばれるよりよいサービスとして作り上げていきたいと考えています。

Vision WiMAX ~顧客基盤を活かしたサービス~

19ページは「Vision WiMAX」についてです。こちらは3年契約でお客さまに導入いただいています。長期での使用は短期よりコストパフォーマンスが若干よいため、「Vision WiMAX」を使うというニーズも引き続きありますので、こちらも積極的に展開していきたいと考えています。

サービス「通訳吹替.com」 ~顧客基盤を活かした新サービス~

「通訳吹替.com」に関しては、私が海外投資家向けに進めており、各上場企業がどんどん導入してくださっています。また、イベントなどで同時通訳や逐次通訳、資料等の作成の場面など、グローバルに渡航できない環境の中でも、グローバルと折衝する時にお役に立っています。

いずれニューノーマルなものになっていくと思いますので、お客さまとのリレーションシップをしっかり継続し、来るべき回復に向けて積極的に展開していきたいと考えています。

売上総利益構成 情報通信サービス事業

情報通信サービス事業の売上総利益の構成について、2020年と2021年では変化が起きています。

スライドの円グラフに記載のとおり、赤色で示している移動体通信事業が20.8パーセントのウエイトを占めていましたが、2021年には25.7パーセントとなりました。要因として、コストとセキュアの問題の2軸がありますが、テレワークが増え、企業が会社携帯と個人携帯を分けていくということが明確に起きてきています。また、さまざまな調達が大変だったOA機器に関しても、若干ポイントを伸ばしている状況です。

固定通信に関してはモバイルの普及があるため、マーケット自体は急拡大していくものではなく、若干減っています。会社に出勤しないことや新しい支店の開設、お店の開設が減っていることが影響しており、このような売上構成比率の変化が起きている状況です。

移動体通信事業 ~顧客・時代のニーズにあった商材・サービス提供~

先ほどからご説明している移動体通信事業の法人携帯が、2008年もしくは2009年ぐらいからスタートし、「法人携帯.com」という名前で展開しています。そもそも法人携帯という一般名詞はその当時ありませんでした。そこで、我々が「法人携帯」という新しい造語を作り、新しいマーケットを形成し、お客さまが名前を見た瞬間にご理解いただけるようなサイト作りをしていこうと取り組んできました。

携帯電話からスマートフォンへのマーケットのチェンジや、独自のオリジナルのサポート体制を作っています。単純に安く買えるだけでなく、万が一壊れてもすぐに使えるようなバックアップ機を法人向けに提供するなど、さまざまなサービスを作っています。先ほどの10億円を突破したストックの部分で大きく影響しているものです。

自社サービス(月額制)販売好調 ~顧客・時代のニーズにあった商材・サービス提供~

「VWSシリーズ」はサブスクリプションになりますが、引き続き自社サービスとして、積極的に展開しています。

自社サービス(月額制)販売好調 ~顧客・時代のニーズにあった商材・サービス提供~

ホームページも同様に、サブスクリプション型のホームページ制作サービスを展開しています。

ストック収益及び自社サービス 売上総利益推移 情報通信サービス事業

ストックの変化についてです。自社サービスに力を入れ始めた2019年から大きく変化し始めています。10億円というラインのため、まだまだ小さな数字ですがポイントがあります。

この10億円は、単純に利用するお客さまが増えているだけではなく、利用するお客さまと長期的な関係が形成できていることが一番重要だと考えています。そのような長くお付き合いができるお客さまが増えれば増えるほど、我々が得意とするクロスセル、アップセルが将来価値を生んでいくことになります。

例えば、コピー機も3年から5年のサイクルで買い替えがあるものになり、その保有数が多くなればなるほど、将来価値、将来収益は高まります。よって関係が長期的に続いていることが非常に大事になります。

これはあくまで情報通信サービスのストックを切り出したかたちになるため、グローバルWiFiは「グローバルWiFi for Biz」を展開し、売上のポートフォリオ自体を、しっかり定額で下支えできる収益モデルを強化していきたいと考えています。

グランピング事業 ~3つ目の柱となる事業の育成~

3つ目の事業の柱に育てていくため、まずグランピング事業が正式に「VISION GLAMPING Resort & Spa」とネーミングが決まり、この1月1日から、鹿児島の霧島にあるグランピング施設をグループ化しました。

第2弾として、夏に山中湖で富士山の絶景が見える素晴らしい土地を購入することができたため、そちらに新たな施設を作ります。ドームテントでプライベートゾーンになっており、源泉掛け流し露天風呂やテントサウナ、水風呂であれば、鹿児島で言うと霧島の天然水の水風呂、山中湖で言うと富士山の天然水の水風呂があります。

現在、「サウナー」という言葉ができるくらいブームになっているサウナをセットにしたプライベート空間で、調査機関によってすべて日本初であるという認定をいただきました。

株式会社あどばる子会社化 ~顧客・時代のニーズにあった商材・サービス提供~

新しくグループ化したあどばる社は、テレワークのスペースや、貸し会議室を提供しています。大型の貸し会議室というよりは小型のものが多いです。

テレワーク自体、ご自宅でできない環境にある方々も多くいますので、そのようなニーズをきちっと捉えて、我々のお客さまのクロスセル商品や新しいリードを獲得できる商品として、サービスを積極的に提供していきたいと思っています。

以上が決算に対するご説明になります。引き続き、SDGsも含めて積極的に持続可能な世の中を作っていくことが、我々の未来の成長にもつながるという意識をしっかり持ち、より社会に必要とされる企業を目指してこれからも邁進していきたいと思っています。

引き続き、よろしくお願いいたします。ご清聴ありがとうございました。