2022年3月期第3四半期決算説明会

平野洋一郎氏(以下、平野):みなさまこんにちは、アステリアの平野です。本日はご多用のところ、第3四半期決算説明会にご参加いただきまして誠にありがとうございます。

それでは、私から今回の第3四半期の内容について、スライド資料を使ってご説明します。まずは、今回の決算概要からお話しします。当社は3月期決算ですので、今回は第3四半期、4月から12月までの決算についてお話しします。

今回の決算は、一言で言いますと増収、そして大幅な増益となります。利益については、3つの利益とも上場来最高益という内容です。

売上については、デザイン事業が前年同期比で減収となりましたが、ソフトウェア事業の好調により増収となっています。利益については、ソフトウェア事業だけでなく、投資事業が好調であったことにより、売上は6.7パーセント増、営業利益は110.9パーセント増、つまり2倍以上の営業利益となっています。

ソフトウェア事業 売上収益推移と好調の要因

その中でも、当社の創業来の事業で好調なソフトウェア事業の中身についてお話しします。こちらのグラフに売上収益の推移と、好調の要因を記載しています。ご覧いただいてわかるとおり、ソフトウェア事業はトップラインが大幅に伸びています。

中身についてですが、「ASTERIA Warp」はテレワーク対応や新しい法律の施行に伴う連携のニーズが増加しています。また、新しい製品の「Platio」「Gravio」は、コロナ禍に伴う遠隔化や自動化、さらにはDXの進展によるニーズが増加し、この売上増を牽引しています。

各事業の第3四半期

3つの柱になる事業について、第3四半期の状況をご説明します。ソフトウェア事業については先ほどお話ししたとおり、前年同期比で14.4パーセントの増となり、その中身はライセンスの売上が絶好調というところです。さらに、サブスクも順調に伸びています。

デザイン事業は、残念ながら前年同期比76.3パーセントとなりました。要因としては、引き続きコロナ禍による海外顧客のダメージが影響していますが、四半期ごとで見ると、第3四半期は回復の兆しが表れています。

投資事業は、第3四半期に新たにJPYC社の評価益を追加計上しました。合計で6億9,500万円の評価益の計上となっています。

投資事業

ここまでのおさらいも含めてご説明します。まず、Gorilla社(Gorilla Technology Inc.)が第2四半期で評価益を計上。Imagine社(Imagine Intelligent Materials Limited)も同四半期に評価額の減少を計上しています。これに加えて、第3四半期ではJPYC社(JPYC株式会社)の評価額の増加を新たに計上しています。

ソフトウェア事業①

ソフトウェア事業をご説明します。先ほど、ライセンスが絶好調というお話しをしましたとおり、前年同期比で33.4パーセント増となっています。こちらは実際のところ、私たちが想定したよりも大きいため、「絶好調」という言葉を使っています。

そして、サブスクです。「ASTERIA Warp Core」も順調に3割増となっています。このような背景を踏まえ、「ASTERIA Warp」 事業全体では過去最高の売上15億円を突破する結果となりました。

ソフトウェア事業②

次に「Handbook」です。すでにお知らせしているとおり、松屋銀座のオンライン研修での導入などを発表しました。

「Platio」についてはニュースが書ききれないほどありますが、新しいCMなど、みなさまにお話ししていた史上最大のプロモーションを積極展開しています。さらに、「Platio」のファミリーとして「Platio Connect」という新製品も発表しました。

「Gravio」は、コロナ禍の需要で売上が約2.3倍と大きく伸びています。背景として、新型コロナウイルスだけではなく、人手不足などの社会課題への対応もあります。

ソフトウェア事業③

特にこの伸びを牽引する、ライセンス以外の、いわゆるサブスクリプションについてです。サブスクリプションの販売はMRR、つまり月額売上高です。スライドにはリピート売上高の推移を24ヶ月の月次でお示ししています。ご覧のとおり、「ASTERIA Warp Core」「Platio」「Gravio」が非常に強い伸びを示しています。

唯一、「Handbook」のみがステイからやや減少となっていますが、すでにご案内しているとおり、この第4四半期に新世代の製品を導入予定です。また、「Platio」は今でも勢いがありますが、当社史上最大の販促プロモーションを実行中で、第4四半期も継続していきます。

販売管理費の推移と内訳

経費についてです。販売管理費の推移と内訳は、昨年にコロナ禍という特殊な要因がありましたので3ヵ年でお示ししています。今回の販管費は、中期経営計画「STAR」に基づき、人件費にまつわる費用およびマーケティング費用、広告販促等の先行投資が十分にできているという結果になっています。結果、15億3,900万円と予定どおり増加しています。

販売管理費の変化/構成比の推移(3ヵ年比較)

科目別のブレイクダウンがこちらになります。人件費は3ヵ年で見ると、順調に採用が進捗しそのケアもできています。

スライド右上に記載の旅費交通費は大きくダウンしています。アステリアグループにおいては、旅費交通費を使わない働き方を推進しています。具体的には、基本的にテレワークで仕事を進めるスタイルです。

この第3四半期は、秋頃に新型コロナウイルスの感染者数がだいぶ減りましたが9割以上のテレワーク率を維持し、旅費交通費なしでも十分にお客さまのニーズに応えていくことを実践しています。

左下の広宣販促費は、お話ししたとおり、しっかりと増やしています。現在、これまでになかったようなメディアを使って新しい製品、サブスク製品のプロモーション、認知度向上を行っています。最後に右下の地代家賃ですが、テレワークを基本としていることで減少傾向になっています。

このような中で、このコロナ禍にしっかり適応して進めていることがおわかりいただけると思います。

売上収益から営業利益までの内訳

売上収益から営業利益までの内訳です。先ほどお話しした販管費、さらに売上原価は製品サービスの原価とアーンアウトで構成されますが、アーンアウトはまったくありません。そして、先ほどお伝えした投資事業による投資益は、投資先評価益他ということでその他収益費用に計上され、結果として営業利益は9億7,300万円となっています。

営業利益/税引前利益/四半期利益

営業利益から四半期利益までの関係性をお示ししたグラフとなります。特筆すべき点はございません。

経営指標の推移(前年同期比)

みなさまに毎回ご報告している当社の経営指標です。私たちも非常に注視している項目となりますが、売上指標はさらに上がり83.9パーセントです。売上総利益は一般的に粗利と言われるものです。

次に、スライド右側の営業利益は45.7パーセントとなっています。左下のサブスクの売上率も上昇し、21.9パーセントです。なお、こちらはサブスクのみを計上しています。残りの、例えばサポートなどのリピートで入ってくるものは計上されていません。リピートの売上率はさらに大きな数値となっています。

最後に、右下の海外売上比率は残念ながらデザイン事業が前年同期比で落ちていることにより下がっています。

財政状態計算書

財政状態計算書です。日本基準で言う貸借対照表で、英語で言うバランスシートです。ご覧のように、きわめて健全な内容となっています。自己資本比率も67.6パーセントと、今後の積極的な投資に耐えうる健全な財務体質と言うことができます。

キャッシュ・フロー計算書

キャッシュ・フロー計算書です。トータルは前年同期比で1億円ほど増え、こちらも潤沢な現預金を有しており、今後の投資活動などに使っていく計画です。以上が、数値にまつわるご報告です。

ソフトウェア事業 アステリア史上最大のプロモーション①

ここからは、この第3四半期を中心に、その後の情報も含めてトピックスとしてお伝えします。

まず、好調なソフトウェア事業は、アステリア史上最大のプロモーションを実行中です。すでにご覧になった方も数多いのではないでしょうか? 「Platio」には、元AKB48の前田敦子さんを起用し、好感度と注目度を上げる宣伝を行っています。

ソフトウェア事業 アステリア史上最大のプロモーション②

また、TVやタクシー、さらには交通広告も「女神編」として第2弾を行いました。また、この第4四半期には「 猫の手も借りたいお客さま、企業のみなさまに『Platio』」ということで、「3日でアプリ」として第3弾を行っています。こちらは、声優に『鬼滅の刃』の日野聡さんを起用するなど、非常に注目度の高い内容となっています。実際にビデオをご覧ください。

(動画はこちら よりご覧いただけます)

ソフトウェア事業 TV,タクシー,ネットCM(大都市圏で展開)

このようなCMを、大都市圏を中心に地方も含めて展開する予定です。

ソフトウェア事業 「ノーコード」推しで大型対談

さらに、「ノーコード」推しということで、これは「Platio」にまつわるものです。日経新聞をご覧になった方はいるでしょうか。1月28日の全国版の朝刊8面です。DX推進協会の代表理事、森戸裕一氏との対談を展開しました。非常に大きな反響がありました。

また、サイボウズの青野慶久社長ともDXおよびノーコードについての対談を行い、こちらは2021年12月3日に配信し、現在はアーカイブを展開しています。こちらもどんどんページビューが伸びており、非常に興味深く見ていただいています。

ノーコードを理解すると、いかに「Platio」が役に立つかが理解されるということで、私たちはノーコードも「Platio」と同様に推し、認知を上げることを行っています。

ソフトウェア事業 初の駅ジャック広告・プロモ

第4四半期には、アステリア初となる駅のジャック広告、さらにプロモーションも行っています。先ほどの猫を使った動画プロモーションで、スライドに掲載しているのは名古屋駅の写真です。首都圏の駅にも展開予定ですので、見られる機会がこれから多くなると思います。

ソフトウェア事業 アステリア史上最大のプロモーション③

このようなかたちで、「Platio」の例をご紹介しましたが、アステリア史上最大のプロモーションに関しては、「ASTERIA Warp Core」や、これから発表する「Handbook」の新世代版でも大きなプロモーションをかけ、この中期経営計画の第2年度、第3年度の大きな成長に投資していきます。

ソフトウェア事業 新製品: Platio Connect

プロモーションだけではなく、製品もどんどん進化しています。新製品として、Platioファミリーの「Platio Connect」の提供を開始しています。こちらは、「Platio」をさまざまな企業システムとつなぐことができる製品です。ですので、モバイルの中にとどまることなくモバイルを使ったDXの推進など、モバイルとシステムの連携が可能になる製品となります。

私たち自身が得意とするのみでなく、私たちのパートナーのみなさまの得意分野(提案領域を広げることができる新製品)となっています。

ソフトウェア事業 Warp: 新バージョン、新アダプター

また、主力の「ASTERIA Warp」は12月に新バージョンの提供を開始しました。そして、新しいアダプター、つまりつなぎ手も増やしています。SAPというシェアNo.1のERP(統合ソフト)がありますが、こちらは2027年問題を解決することができるアダプターです。

さらには、暗号資産をつかさどるブロックチェーン、Ethereum新アダプターは、暗号資産のERC20という仕様に対応し、さらに投資先でもあるJPYC社が発行する注目の日本円連動型ステーブルコインJPYCにも対応しています。

ソフトウェア事業 続々と増える採用事例

採用事例も続々と登場しています。「ASTERIA Warp」ではリコーの事例として、「kintone」との連携があります。さらに、「Handbook」では松屋銀座が集合研修をオンラインに移行した事例があります。「Platio」は、ペットフードロスに活用された事例で、最近注目を浴びている食品ロスというテーマにも対応しています。

ソフトウェア事業 Gravio: 徘徊検知ソリューション

「Gravio」はAIカメラを使った徘徊検知ソリューションで、LINEとの連動で通知ができるものです。こちらは、Gorilla社のAIテクノロジーを使ったソリューションとなっています。

このように、ソフトウェア事業はプロモーションだけでなく製品そのもの、そしてお客さまへの展開もしっかりと伸長していることをご報告します。

投資事業 成長戦略「4D」にフォーカスした投資

次に、投資事業です。投資事業はすでにご案内しているとおり、ソフトウェア事業と同じく「4D(Data、 Device、 Deventralized、 Design)」にフォーカスした投資を行っています。「4D」は私たちが考える、毎年の流行廃れに左右されないITの成長の根本です。5年、10年と続く非常に根本的な流れとなっています。

投資事業 2021年末時点でAVF投資先は4社

米国テキサス州プレイノ市を中心にこの投資をしていますが、2021年末時点でAVFの投資先は4社です。JPYC社、Gorilla社、Imagine社、そして、アメリカのWorkspot社(Workspot, Inc.)になります。それぞれの現状についてお話しします。

投資事業 Imagine社が民事再生を開始

まず、バッドニュースからいきます。バッドニュースはImagine社で民事再生の開始となりました。こちらは、すでにコロナ禍で事業進捗が遅れていることをご報告していましたが、自力での事業継続が困難となりオーストラリア版の民事再生の開始となりました。

ただし、こちらは第2四半期ですでに全額評価減していますので、この民事再生の開始による当社の営業益、そして、AVFの成績には全く影響がありません。このようなことも見越した評価減をすでに計上済みです。

投資事業 JPYC社が出資によりQ3に評価増

次にJPYC社についてです。先ほども少しお話ししましたが、なぜ評価益が計上できたかというと、同じくステーブルコインに関するものです。

アメリカドルに連動するステーブルコインでUSDCというものがあります。これを発行するCircle社からの出資があったため、会社の価値、バリュエーションが上がりました。その価値をもって、当社の評価益を計上している状況です。これは第3四半期に新たに計上したものです。

投資事業 Workspot社が急成長(1,571%)

次に、Workspotです。すでにニュースでご存知の方もいらっしゃるかと思います。第3四半期、「Deloitte Technology Fast 500」において、北米地域のスタートアップを500位まで評価する部門で、第99位になりました。

なんと、シリコンバレーでは30位以内に入っている状況で、1,571パーセントの成長が見られるという発表でした。つまり、15倍以上の成長ということになります。現時点ではまだ企業価値算定をしていませんので、AVFの評価損益は未算入ですが、上がることは間違いない状況だと思います。

投資事業 Gorilla社がNASDAQ上場を発表

次に、Gorilla社です。すでに報告したとおり、米国NASDAQへの上場を発表しています。こちらも、つい先週の金曜日に2つのアップデートがありました。

1つ目は、Gorilla社のNASDAQ上場にあたって、上場時に発行する新株を引き受けるPIPE(Private Investments in Public Equity)という投資があります。日本でも類似のIPO株がありますが、今回のケースではすでに上場している会社と合併するSPACです。このPIPE投資を最低50百万米ドル募集する必要があったのですが、それを集める前提を達成しました。正確には50.5百万米ドル集まり、上場に向けて大きな進捗がありました。

また、そのアナウンスの中で、上場スケジュールについては、従来までは2022年第1四半期(1月から3月)と言われていましたが、2022年第2四半期(4月から6月)と記載されています。ただ、私たちの評価益にどのような影響があるかというと、すでに短信にも記載していますが、私たち自身は38億円の評価益というものを非常に慎重に計算して出しています。

どのようなことかというと、このようなスケジュールや内容のズレも、リスクとして勘案した上で計算しています。つまり、織り込んだ上で数値を出していますので、このアナウンスについては、特に私たちの予想値を変更する必要はない状況です。

お気づきの方もいらっしゃったかと思いますが、いろいろなリスクを見た上で38億円と計上していますので、上場スケジュールが第2四半期ということに関して影響がないと現時点では判断しています。

投資事業 AVF-Iの新規投資先

第4四半期に入ってからのお話になりますが、AVF-1の新規投資先についてです。投資先との契約によってプレスリリースはできませんが、ポートフォリオとしてご紹介します。

投資事業 イーロン・マスク率いるSpaceX

1月末にSpaceX社(Space Exploration Technologies Corp.)に200万米ドル、日本円で約2.3億円の出資を完了しています。

投資事業 ロケット打ち上げ事業が有名

ご存知の方も多いと思いますが、イーロン・マスク率いるSpaceX社は、ロケット打ち上げ事業で世界をリードしています。

投資事業 分散型衛星インターネットに着目

SpaceX社はロケット打ち上げ事業でもNo.1ですが、私たちがAVFで注目しているのは、これ以上に新しい取り組みである分散型衛星インターネット「Starlink」です。すでに衛星1万2,000機が承認されており、さらに3万機の承認を申請中です。また、すでに1,700機が打ち上げられています。

あまり日本では話題になりませんが、これが実現すると、私たちの投資領域「4D」のDecentralizedである、分散型インターネットが実現するわけです。ここに、私たちはこの事業に共感と成長性を覚え、出資しました。

投資事業 SpaceXを加えて出資先は5社に

ご説明したとおり、現時点でAVFの投資先はSpaceX社を加えて5社となっています。SpaceX社は投資したばかりですので、この損益の反映は来年度以降となります。

中期経営計画

今日は特にソフトウェア事業と、投資事業についてトピックスをお話ししました。このように私たちは、すでにみなさまと共有している中期経営計画「STAR」に沿って、この第1年度もしっかりとした成長を続けています。

特に、スライドに記載の「S」「T」「A」「R」のうち、「S」のサステナブルにおいて、最近動きが1つありましたのでご紹介したいと思います。

企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)に係る大臣表彰

先週木曜日、企業版ふるさと納税である「地方創生応援税制」において、私たちアステリアは大臣表彰を受けました。

数多くの企業が企業版ふるさと納税を行っていますが、私たちは単なる寄附にとどまらず、自治体のDX推進など自社の事業を通じた継続的な支援が評価されました。これは私たちが推進しているSDGsを事業に組み込んで進めていくことに通じます。

具体的な納税先は、多くの方がすでにご存知かもしれませんが、熊本県阿蘇郡小国町、そして、秋田県仙北市です。全国の自治体のモデルとなるべき、そしてこの成功事例が全国にある1,700以上の自治体に役立つと考えて、私たちが集中的にいろいろなご支援、応援をして自治体DXの推進を行っており、これからも推進していきます。

まとめ

今日の説明会のまとめに入ります。まず1つ目が、増収そして上場来の最高益です。第3四半期としての上場来最高益を記録しました。

2つ目が、デザイン事業は前年割れとなっていますが、その他の2つの事業、ソフトウェア事業と投資事業が好調です。

3つ目に、共有した中期経営計画に沿って、ソフトウェア事業への積極的な投資が実施されているというご報告でした。

このようなかたちで私たちアステリアは、中期経営計画第1年度、この第4四半期の締めに向かって、さらに事業成長のために邁進していきます。

4月からは東証プライム市場に上場となります。ぜひ、投資家のみなさま、そして、株主のみなさま、引き続きご支援、ご指導、何卒よろしくお願いいたします。以上で、私の説明といたします。ご清聴いただきまして、誠にありがとうございました。

質疑応答:Gorilla社のNASDAQ上場時期について

司会者:最初の質問です。「Gorilla社のNASDAQ上場はいつになるのでしょうか? 今回、上場が遅れると発表がありましたがなぜですか?」こちらは20から30名の方に同様のご質問を頂戴しています。

平野:ご質問ありがとうございます。Gorilla社の上場時期について、つい金曜日ですが、「遅れる」というアナウンスではなく、「現在クロージングは第2四半期である」というかたちで記載がありました。

これはなぜかというと、何か問題があったわけではなくしっかり進捗していますが、上場日は勝手には決められないためです。SECの審査があって、その審査によって上場日が決まります。東証でも審査には時間がかかることは、みなさまご存知のとおりだと思います。東証の場合、上場日はだいたい1ヶ月くらい前にならないとわかりません。

NASDAQのSPAC上場の場合、実はSECの許可が出てから株主総会を開催します。これまでに約3週間、そこから株主総会の承認を得てから正式なSPAC合併となり、やはり数日かかりますので、1ヶ月弱という日程になります。

私たち自身がGorilla社についてわかるのは、しっかりと進捗しているということです。上場に向けたPIPE投資の引受先、50.5百万米ドルがすでに確定しましたので、あとはSECの審査を待つのみです。

この審査を待って、プラス1ヶ月弱程度で上場になります。私自身が取締役ですので、そこに向けてできることはしっかりと取り組んでいきます。現時点では待ちというのが正直なところです。

質疑応答:上場延期で業績予想を修正しなかった理由について

司会者:同じくGorilla社の上場に関して、複数の方よりご質問をいただいています。「今回、上場が遅延したにもかかわらず、業績予想を修正しなかった理由を教えてください。」

平野:これは、ご質問があって当然だと思います。私たち自身が発表した時に、SPACからの発表のとおり、第1四半期と記載して発表、公表しています。これを修正しなかった理由は、先ほど少し触れたとおりです。実際には、私たちの計算は、リスクをいくつも織り込んだ上で計算してシミュレーションし、38億円という予想値を出しています。

この予想値は、スケジュールがズレることもリスクの1つとして勘案しています。ただ、上場をしようとしている会社自身が、第1四半期をターゲットとして申請して進捗があるという状況でしたので、これを発表した時点で私たちが言うわけにはいかないのです。私たち自身がその遅れもリスクに入れていることは、外部には言っていませんが実際にはリスクはあると考えて、それを含んだかたちで計算しています。

私たちがなぜそのようなリスクを見込むのかというと、ここ1年から2年のSPAC上場の申請からの期間なども研究しているからです。もちろん会社の内容が期間に一番左右するわけですが、そのような中で、どのような値、幅を見るのがよいかを考えて、業績予想を出していますので、この業績予想は、実はズレてもそう大きく外すことがありません。

実際に上場したとしたら実際の金額よりもかなり小さな金額であり、「なぜ、そんなに小さいのですか?」と逆にお問合せもいただいていましたが、リスクを見込んでいたためです。今回の変更は、一定のリスクを見込んでいた範囲内でしたので、再度シミュレーションもした上で、現時点では業績予想の修正は必要ないと判断しました。

質疑応答:評価益の計上時期について

司会者:複数の方より今回の上場延期に関するご質問です。「Gorilla社上場の時期が4月から6月の場合でも、アステリアの第4四半期に評価益が計上され、上方修正を出した通期業績予想程度を見込んでいるという解釈でよいでしょうか? Gorilla社上場による利益は、来期にさらに織り込まれるという解釈になるか? また、今期の業績予想の利益予想は、上場完了後の利益より控えめな数字で算出しているのでしょうか?」

平野:先ほどのご質問の、より具体的なかたちかと思います。現状、第2四半期は4月から6月ということになります。この場合でも、アステリアの第4四半期には評価益が計上される予定です。

なぜなら、すでにGorilla社がSECに申請し、かつ上場時の投資家まで確定している状況です。仮に3月に入らないとしても、上場が現状より非常に確度が高くなっています。

その状況において株価はわかりませんが、その企業の評価は、上場の予定がない未上場の企業とは大きく算定方法が違います。その中で上場のリスクを見込んだ数字と、私たちがこれからの計画の両面から算定した数字として、現在の38億円という予想になっています。

したがって、「見込んでいるという解釈でよい」が答えになります。もしも3月末までに上場した場合には、その株価に基づくものを全額入れることになりますが、4月以降になる場合には、この部分は来期に営業益が加算されることになります。

来期にさらに織り込まれることだけを考えますと、あくまでも仮定ですが、当社としては2期にわたってこの投資益を得ることができるという形態になります。したがって、上場による利益は4月から6月の場合には、来期に織り込まれることになります。

質疑応答:上場後の持分について

司会者:続いてのご質問です。「今回、予定どおりNASDAQに上場した場合の、新Gorilla社の株数は約6,200万株です。そのうちアステリアの持分は、14.8パーセントの約900万株という理解でよいのでしょうか?」

平野:具体的な株数そのものは開示していませんが、14.8パーセントは上場前の株数です。上場にあたっては新しく発行する株数がありますので、若干下がります。

上場時にどのくらい発行するかは、まだ確定していませんが、大きく変わるわけではなく、これより若干下がる程度と予想しています。

質疑応答:Gorilla社上場に伴う為替について

司会者:Gorilla社上場に伴う為替についてのご質問です。「Gorilla社は円安になれば評価額が上がるという認識でよろしいでしょうか? 最近は円安トレンドにより1ドル115円以上で推移しています。米国の利上げもある状況です。Gorilla社の評価について計画値の想定レートを教えてください。また、1円の円安でどのくらい増益になるのでしょうか?」

平野:まず、為替とGorilla社の利益についてですが、円安になれば評価額が上がるためYESです。業績予想のシミュレーションでの想定レートは115円です。そのため、これより大きくなることがあれば、さらに上がることになります。

具体的にいくら上がるかまでは読み切れませんが、基本的には大きく円高になることはないという予測で計算しています。1円あたりの影響については複数の要素が絡むため具体的な数字をお伝えすることはできません。

質疑応答:Gorilla社の海外売上について

司会者:Gorilla社の海外売上に関するご質問です。「Gorilla社は海外の売上が多いのですか? また、Gorilla社は米ドルでの取引が多いのですか?」

平野:Gorilla社の業容に関しては、Gorilla社の情報のため、私がお伝えできることは限られています。Gorilla社の海外売上の割合はお伝えできませんが、台湾での売上にとどまらず、オーストラリアや中東などでの売上もあります。

すでに開示されていることですが、米国とヨーロッパの事業を上場後に展開していく予定です。また、通貨に関しては私からお伝えすることはできませんが、必要に応じて、もしくは上場後に開示されると思います。

おそらく為替を気にされているのだと思いますが、Gorilla社そのものの為替に関しては、私たちが今想定している上場益には関係ありません。私たちに関係があるのは、先ほどご質問いただいた円ドルレートになります。Gorilla社の取引が多い・少ないということは、私たちの上場益に直接的に関係があるものではないことをお伝えしておきます。

質疑応答:Gorilla社がアステリアの連結子会社になる可能性について

司会者:続いてのご質問です。「Gorilla社はアステリアの連結子会社になる可能性はありますか?」

平野:Gorilla社は現在 NASDAQ上場を目指しており、1ビリオン(10億)米ドルに近い評価額が公表されています。より正確には708百万米ドルです。そこがアステリアの連結子会社になることは、直ちには考えにくい状況です。

質疑応答:Gorilla社の上場時想定時価総額が修正される可能性について

司会者:続いてのご質問です。「Gorilla社は上場時の想定時価総額が発表されています。しかし、現在は成長企業には非常に厳しい市場環境のため、今後修正があるでしょうか?」

平野:上場時の金額について、実は発表されている金額は米国の新興市場もしくはSPAC上場のその後を考え、「元々は1ビリオン(10億)米ドルはいける」ということで、SPACはこのような上場を提案してきます。その中で市場が昨年から軟調であり、また、SPACの状況を鑑みて今の数字(想定時価総額)となっているため、現在の市況についてはすでに織り込み済みの数字だと考えていただいてよいと思います。

昨今、IPOの数に関する記事などが出ていますが、ぜひご理解いただきたいのは、Gorilla社はIPOではないということです。IPOとはInitial Public Offeringの略で、自力で上場しオファリングすることです。一方、こちらはSPAC上場という手法であり、Gorilla社を買収する会社があります。つまり、すでに上場しているGlobal SPAC Partnersという会社が指定の時価総額でGorilla社を買収します。

Global SPAC Partnersが提案し、これにGorilla社が賛同して現在SECに提出されているところです。そのため、上場後の株価についてはわかりませんが、上場時の株価が調整されることは現時点では考えていません。

質疑応答:Gorilla社の評価額について

司会者:評価益に関するご質問です。「Gorilla社の上場に伴い、業績の修正を想像していましたが、Gorilla社の評価額は合計でいくらになると予想し計算していますか?」

平野:少し誤解があります。業績の修正予想を出していませんので、もしかして1月のことでしょうか? 1月の修正予想であれば、開示文書に書いてあるとおり、38億円です。

質疑応答:Gorilla社株の売却可能性について

司会者:続いてのご質問です。「Gorilla社株は売却できる期間になれば、一部売却なども考えていますか?」

平野:Gorilla社に出資しているのは、アステリア本体ではなくAVFのため、当然これは運用という考え方になります。AVFというファンドとして、現金化については比較的積極的に行っていくことを考えています。

質疑応答:AVFの運用に関する考え方について

司会者:続いてのご質問です。「AVFの運用に関して、Gorilla社の株を担保にさらに他の企業への投資を行なっていくのでしょうか? また、現在の悪い相場環境をチャンスと見ていますか? それとも環境が悪いため安全に運用していく考えですか?」

平野:投資家としての資質を問われるご質問です。AVFは相場にはあまり投資していません。私たち自身の資金・ファンドのサイズはそれほど大きくないため、私たちの考える成長戦略「4D」に沿って、その会社の成長性を判断することが第一になります。

その成長性は、もちろん相場環境に左右はされますが、相場が悪くてもIPOしていく会社や買収されていく会社はあり、ゼロにはなりません。そのような中でも私たちの考える未来の姿に合致した会社に対して投資していくということです。

最初のご質問の「Gorilla社の株を担保に他企業へ投資を行うか?」というところについては、ファンドの性格上、さらにそこを担保にということは考えていません。一方で、現金化したものに関しては、さらに次の投資に使っていくことを考えています。ただし、いずれにしても現時点での考え方になります。

質疑応答:SpaceX社への投資の理由について

​​司会者:SpaceX社に関するご質問です。「ついにアステリアが本物の星を繋ぎにいったと驚いています。ペガサス経由かと思いますが、なぜ今SpaceX社なのかあらためてAVFとしての選定理由を教えてください。」また、「SpaceX社への投資は事業との相乗効果はないと思いますが、純粋な投資になるのですか?」と、同じようなご質問をいくつかいただいています。

平野:さっそくのご質問をありがとうございます。まず私たちはAVFについて、「4D」に的を絞って投資をしています。「4D」の中の「Decentralized」は、中央集権ではない非中央集権型のインターネットの繋がりです。インターネットは現在地上では比較的、非中央集権の繋がりになっていますが、宇宙では限られた衛星などしか繋がらず、誰もが使える状況ではないのです。

これを実際にどこからでも繋ぐことができるのが「Starlink」です。このDecentralized Internetに共感と未来性を感じているのが、この投資の理由です。

「すぐにはシナジーがないですか?」というご質問ですが、AVFはすぐ目の前にシナジーがなくても5年、10年という長いスパンの中でシナジーがありそうな、私たちが目指す方向である「自律・分散・協調」の世界を作っていくベースとなる技術や会社は視野に入っています。

そのため、投資ではすぐにシナジーがなくても、私たちの考える将来像に対しての貢献がありうるし、そのような知見やネットワークがあること自体が私たちの事業のプラスになると考えています。

質疑応答:評価益を元にする広告投資について

司会者:評価益を元にする広告投資についてのご質問です。「Gorilla社の評価益を元に多額の広告追加投資を決定されましたが、これは事業年度単位の比較を考えた時に来期も増益基調とするという点で有効な手法であることは理解しています。

しかしながら費用対効果の悪化や、評価益を計上できなかった、さらには評価益を計上することになった事業年度の広告投資や資金繰り、Gorilla社の評価益自体の妥当性などのリスクがあると思いますが、その点はどのようにお考えでしょうか?」

補足として、「現時点で計上されている評価益は期末時点の見積もりとして、どのレベルなのでしょうか? 期末時点の上場後の時価として予想される評価なのですか? 上場後最低でも維持されるであろう時価、もしくは上場がずれ込むことも想定したあくまで上場予定の会社としての評価なのかが気になります。」といただいています。

平野:当社の新しい事業モデルではソフトウェアに大きな先行投資が必要となっています。今、サブスクが普及するにあたって、この回収が遅効する状況になっています。

その中で、多くのクラウド会社は赤字を計上してでもユーザーを獲っていくことを考えていますが、私たちの考えは違います。私たちは、当社の知見の深いところに対する投資事業を通じて、そこでの利益を先行投資に回すという新しいモデルを考えています。

これは誤解されるのですが、ソフトバンクとは異なります。ソフトバンクグループはみなさまご存知のとおり、すでに投資会社になっています。私たちはこれとは異なり、ソフトウェア事業が柱にあり、それを支えるデザイン事業と投資事業というかたちをとっています。

そのため、早くに投資ができるさまざまな工夫をする中、投資事業を始めており、その成果が出てきています。私たちは儲かれば投資するのではなく、「4D」という私たちの知見の深いところに投資をするかたちをとっています。

これは一般的な投資よりも非常に効率がよいと考えています。費用対効果に関しては、日本の現在の会計は年度単位になっているため、その中でそこにしっかり合致するように考えています。

私たち自身は3ヵ年計画を持っています。みなさまに中期経営計画とお伝えしているもので、1年だけで考えるのでなく、3ヵ年でこのゴールをどのように達成するのかという視点で考えています。

評価益を計上できる、できないに関しては、おっしゃるとおり非常に難しいところです。最終的にどのようなステータスになるかにより、さまざまな金融上の計算をしながら、監査法人にも認められる計上が必要になってきます。

また、以前から他社ではさまざまな不祥事などもあったため非常に(監査は)厳しくなっています。そのような中でも複数のシミュレーションをして、複数のプロフェッショナルの意見を聞いています。そして今回の件についても監査法人と会話をした上で、通期での評価益は変更しないことにしています。

そのため、私たちがこの評価を変更しないのは、4月から6月の上場であってもこの評価益になるという予想が現在すでにあるということです。また、上場した場合の数字は計算していただければ、だいたいわかります。先ほどは80億円以上とお伝えしました。あとは為替などにもよりますが、非常に大きな数字となります。

差分は4月から6月の場合、来期になるということです。これ自体は当社の中期経営計画の観点から見れば、どちらかというとより投資ができる状況になると考えています。

質疑応答:Workspot社の上場可能性について

司会者:Workspot社に関するご質問です。「Workspot社の上場への動きはありますか?」

平野:Workspot社は急成長しています。リモートデスクトップの会社ですが、私からは 何もお伝えできないというのが回答になります。現時点で私は役員にも入っていないため、実際発表されている資料以外に関しては、私たちは関知できる立場ではありません。Workspot社の上場に関しては、公の情報が出てくるのを待つことになります。

質疑応答:Imagine社の経営状況について

司会者:Imagine社に関するご質問です。「先日、Imagine社のホームページを見たところ、サイトのニュースやコンタクトのタブを開こうとしても見られない状況でした。現時点で会社の経営は順調なのでしょうか? グラフェンの開発、運用の進捗状況はいかがでしょうか? また、Imagine社はその後、状況は改善しましたでしょうか?」

平野:これは先ほど私の説明でも触れましたが、一言で言えばImagine社は順調ではありません。昨年、評価減をした時はまだ活動しており、「なんとかコロナ禍の中でも行っていこう」とトライしていました。しかし、先ほどお伝えしたとおり、この第3四半期に、日本で言うところの民事再生の手続きに入っています。

現時点ではもう活動ができない状況ですので、新しいスポンサーを探して、そちらで再生していくということです。私たち自身は第2四半期の段階で、すでに状況が遅れていることを見越して、Gorilla社と同じようにリスクも勘案した上で、Imagine社の出せる減損はすべて済んでいます。そのため、第3四半期の民事再生においては、減損は一切ないという状況です。

一方で、技術に関しては以前からお話ししているとおり、やはり新型コロナウイルスの影響で開発が進んでいないという状況です。ただ、1つはっきり申し上げると、Imagine社は特許を持っています。それをベースに製品化できるような、ハードウェア系のスポンサーを見つけて再生していくという状況です。

現在、AVFでは今後の減損はないという状況です。もし何かよいことがあればプラスにはなり得ますが、マイナスはないという状況です。

質疑応答:五味廣文氏の社外取締役の継続について

司会者:当社役員に関するご質問です。「アステリア社外取締役の五味廣文氏が新生銀行の取締役会長に就任されますが、就任後も社外取締役は継続されるのでしょうか?」

平野:正直、最初にニュースが出た時には私たち経営陣も驚きましたが、五味さんは本日も決算取締役会などを行い確認しています。すでに新生銀行の取締役会長に就任されていますが、まず任期ということでは、当社の取締役は6月の株主総会までは間違いなく継続し、途中で辞任することはないという確約を得ています。

また、その先は株主総会次第ではありますが、留任で引き続き取締役候補となることについては同意いただいていますので、候補として推薦させていただいて、株主のみなさまのご判断を仰ぎたいと考えています。

質疑応答:中期経営計画「STAR」策定後のソフトウェア事業の進捗と今後の想定について

司会者:中期経営計画に関するご質問です。「国内ソフトウェア事業に関して教えてください。中期経営計画『STAR』1年目の仕込みの年が終わろうとしていますが、ソフトウェア事業単体の進捗の総括と、現在、社長が感じる今後の想定は当初よりよいのか、悪いのかなどをあらためてうかがいたいです。」

平野:まだ1年目は終わっていませんし、ソフトウェアは第4四半期がかなりキーになる時期ではありますが、この第3四半期までということでいうと、まずライセンスの売上が非常に伸びています。先ほども少し触れましたが、これは当初計画よりかなりよいということです。しかも、販売価格が高額であるライセンスは売上への貢献度が大きいので、全体を牽引しています。

それに加えて、私たちが力を入れている「ASTERIA Warp Core」「Platio」「Gravio」もしっかり伸びています。もちろん、新型コロナウイルスという追い風がありましたが、この流れは止まらないと考えています。現時点では、3月末も同じような状況で締められるのではないかと考えています。

質疑応答:M&Aの仕込みについて

司会者:M&Aに関するご質問です。「アステリアのPERの許容度は伸びると期待しています。他方、ハイテク銘柄には厳しい相場環境が続いています。セクターのPERの許容度は見通し難いですが、M&Aには追い風とも取れる環境です。M&Aの仕込みもぜひ進めていただきたいと思っていますが、お考えはいかがでしょうか?」

平野:これは中期経営計画の発表を行った時にもお話ししました。この中期経営計画期間においては、2019年から行っている「Asteria Vision Fund」の投資に加えて、M&A、つまり連結対象にすることもしっかり進めるために、国内にも担当を置いています。

特に、このコロナ禍で国際間の移動がなかなか難しいということで、日本のM&Aに関しての取り組みを強化しているところです。現在まだ1件もご報告できていませんが、この中期経営計画期間中は、私たちのソフトウェア事業、デザイン事業、さらには投資事業を絡めて、新しいM&A、そして仲間を追加し、積極的に「スピードを買う」といったことを進めていきたいと考えています。

質疑応答:営業利益・税引前利益・親会社に属する利益の進捗率の低さについて

司会者:業績予想に関するご質問です。「本日の決算発表の営業利益、税引き前利益、親会社に属する利益について、1月13日に発表した業績修正の金額までの進捗率が非常に低いです。この理由を教えてください。本日の決算短信を見ただけでは、明日の株価が心配です。Gorilla社の評価額が3月31日に確定するため、単に第3四半期ではまだ計上ができないからでしょうか?」

平野:ご質問の中に答えがありましたが、1月の業績予想の修正は開示しているとおり、Gorilla社の評価益38億円を計上するということで、予想の修正をしています。この計上というのは徐々に行うものではなく、3月末時点で計上するものであり、その時点の予想になります。ご質問の最後のほうにあったとおり、進捗率が低いのは3月末にならないと計上されないということが理由です。

質疑応答:株価4桁を付けていくために必要な評価について

司会者:株価に関するご質問です。「今後、4桁を付けていくには、どのようなことを評価されていくことが必要だと思っていますか? なかなか答えにくい質問ではあると思いますが、社長としての考えをお聞かせください。」

平野:こちらは答えにくいことはなく、やはりベースとなるのは中期経営計画をしっかりと実現していくことです。その中身は3つの事業です。ソフトウェア事業を中心に、デザイン事業、投資事業をしっかり伸ばしていくということになります。ソフトウェア事業には4つ製品がありますし、現在仕込み中のブロックチェーンもありますので、このようなところを伸ばしていきます。

また今回、「Platio」はファミリー製品「Platio Connect」を発表しています。このように1つの幹からさらに枝を伸ばしていくことも考えていますので、よりレベニューソースやトップラインを伸ばしていく可能性が上がっていくと考えています。

また、業績を伸ばしていくだけでなく、株価には将来に対する期待が含まれます。そこに対して、はっきりとご理解いただけるようなメッセージや実例などを、私たち自身が出していくということがあるかと思います。

例えば、私たちが取り組んでいるブロックチェーンは、社内のR&Dセンターで開発していますが、まだ特に評価されていないのではないか、組み込まれていないのではないかと思います。子会社のアステリアART(アステリア Artificial Recognition Technology合同会社)も、ロボティクス向けのAIを開発していますが、まだ外部には特に発表していません。このようなところを発表できるようになると、未来に向かった評価がまた少しずつ立っていくのではないでしょうか。

私の正直な気持ちを言うと、4桁というのはまったく問題ありません。「今、その手前なのに何を言っているんだ」とおっしゃるかもしれませんが、現在のベースとここからの数ある成長の種を考えると、4桁はまったく問題がないと考えています。その先どこまでいけるかということが、私の関心事となっています。ぜひご期待ください。

質疑応答:「Platio」の販売促進費の用途について

司会者:「Platio」の販売促進、市場最大のマーケティングに関するご質問です。「『Platio』の販売促進で、『Asteria Vision Fund』以外の利益以上にお金を使う予定になっていましたが、こちらは何に使うのでしょうか?」

平野:ソフトウェア事業およびデザイン事業の利益にお金を使う予定になっています。これはまさに、「Platio」「Gravio」「ASTERIA Warp Core」の販促です。

その内容は先ほどお話ししたように、認知を取るためのTVや交通広告、さらにはリードを取るためのネット広告と、対談のようなイベントです。主なものは先ほどのご説明のとおりです。先行してポジションと市場を取っていくということです。

私たち自身は他のクラウドベンダーのように、「そのために赤字になっても仕方ない」とは一切思っていません。私たちの事業ポートフォリオの中で賄うことができる先行投資をしっかり行っていく考えです。まだこのようなモデルを行っている会社が少ないため、なかなか理解しづらいかもしれませんが、私自身は新しいモデルの1つだと考えています。

質疑応答:This Placeの新規顧客受注と大型案件の進捗について

司会者:This Place(This Place Limited)に関するご質問です。同様の質問を複数の方よりいただいているため、1つにまとめています。「年末の個人投資家説明会でDusan氏が話していたThis Placeの新規顧客受注と大型案件の進捗はどのようになっていますか? 想定どおりなのか、想定より遅れているのか、案件として消滅したのかをおうかがいしたいです。また、遅れていたり消滅していたりした場合は、This Placeとクライアントのどちらに原因があったのか教えてください。」

平野:未公開のことをお話しするのはなかなか難しいのですが、Dusan氏がお話ししたのでお伝えしますと、実際にIT系の企業で進捗しています。現在、特に問題はないですし案件も進めていますが、発表となるとお客さまの合意が必要になりますので、もうしばらくお時間をいただきたいという状況です。

質疑応答:This Place顧客企業のBP社の好調について

司会者:同じくThis Placeに関するご質問です。「This Placeの顧客企業であるBP社はかなり調子がよいようですが、何か案件はあるのでしょうか?」

平野:BP社は昨今の原油の動きなどによって、調子がよいと聞いています。内情まで理解しているわけではないのですが、案件は継続的にあり、私たちのほうでお手伝いさせていただいている状況です。ただし、BP社の調子がよい一方で、ヨーロッパではこのような化石燃料系の企業に対する風当たりが強く、私たち自身がどのくらい踏み込むかは、今後の検討事項となります。

質疑応答:This Placeの日本進出について

司会者:引き続き、This Placeに関するご質問です。「This Placeの日本進出について状況を教えていただけますでしょうか?」

平野:日本進出については、以前から共有している中期経営計画に記載のとおりです。中期経営計画期間中に日本でのデザイン事業を始めるということで、現在準備をしているところです。はっきりした場合にはアナウンスします。

質疑応答:海外売上を大幅に上げる施策について

司会者:海外売上に関するご質問です。「海外売上比率の前年同期比が、20.1パーセントから14.4パーセントと下がっています。創業時から海外市場を意識した経営をされているかと思いますが、海外売上を大幅に上げる施策はありますでしょうか?」

平野:海外売上は、今回、指標としても下がっており、これはひとえにデザイン事業の不振によるものです。こちらに関しては今の海外売上もそうなのですが、「大幅に」というところですと、1つはM&Aになってくるかと思います。

それに加えて、私たち自身の製品「Gravio」は、グローバルGravioチームを組んでおり、現在、テキサス、シンガポール、香港、ロンドンに人員を配置して、マーケティングを開始しようとしています。次年度はさらに力を入れていくというところで、既存のソフトウェア製品の海外販売や、M&A(による買収先)を通じた販売などによる売上を考えています。

質疑応答:「ASTERIA Warp」の売上が伸びた背景について

司会者:「ASTERIA Warp」に関するご質問です。「『ASTERIA Warp』が30パーセントの伸びということですが、こちらはどのような背景によってこのような伸びになったのでしょうか?」

熊谷晋氏(以下、熊谷):先ほど平野の説明にもあったように、30パーセントの伸びというのは、これまでにないほどの非常に大きな伸びで、まさに絶好調と言えると思っています。ライセンスのビジネスは非常に長いスパンがかかるものですので、やはり大きくはこれまでの営業活動の結果だと思っています。

第1四半期、第2四半期に関していうと、大型の新規案件を取れていたというのがポイントになります。そして、この第3四半期は、既存のお客さまからの追加の大型案件が取れていました。これらは1つの商談、案件によっての特需というかたちではなく、複数の商談が取れているというところがポイントになっていると思います。

ライセンスの場合は一時的な売上ですので、また新規を取っていかなければいけないところはあるのですが、第4四半期および来年に向けて、確実な受注および種まきを進め、この好調を維持していきたいと考えています。

質疑応答:「ASTERIA Warp」の状況について

司会者:同じく「ASTERIA Warp」についてのご質問です。「『ASTERIA Warp』のサブスク版『ASTERIA Warp Core』も好調ですが、直近の状況について教えてください。」

熊谷:「ASTERIA Warp Core」も非常に好調です。ただし、上期は期待値ほどの売上が上げられず、伸びに欠けていた面もあります。本日ご説明したように、「Platio」のみではなく「ASTERIA Warp Core」に関しても、プロモーションコストをかけています。

そして、第3四半期はかなり伸びが出ています。また、先ほど平野がご説明したチャーンレート(解約率)の解説にもあったように、「ASTERIA Warp Core」の解約率をかなり低く抑えることができています。ですので、新規を伸ばしつつ解約率も抑え、ビジネスをさらに伸ばしていきたいと考えています。

質疑応答:「Handbook」の新製品投入による売上について

司会者:続きまして「Handbook」に関するご質問です。「他の製品と比べて、『Handbook』は伸びに欠けているが、第4四半期の新製品投入による売上回復はどのくらいのスパンで期待すればよいでしょうか? 『Handbook』の性質上、新製品が発表される前に今の契約を解約し、新製品に備える動きはしないと思っていますが、心配です。」

熊谷:「Handbook」の新製品は、今は未発表のため、詳細はお伝えしづらい部分もありますが、企業向けの製品・サービスですので、発売後すぐに売上が上がっていく消費財ではありません。そのため少し長いスパンでお考えいただき、既存のお客さまの新サービスへの移行や、新たな需要の開拓に努めていきたいと思っています。

質疑応答:「Platio」の売上状況について

司会者:続いて「Platio」に関するご質問です。「『Gravio』は売上約2.3倍と説明がありましたが、『Platio』はどうですか? 売上状況を教えてください。」

熊谷:「Platio」は「Gravio」と比較すると、もう少し売上があります。そのため2.3倍とまではいかないものの、2倍近くの売上があり、非常に好調な売上を維持しています。

ただし、先ほどの「ASTERIA Warp Core」とは反対に、第3四半期はチャーンレート(解約率)が上がっています。解約率を抑える対策とともに、先ほど少しお話しした「Platio Connect」の積極的な拡大販売を図ります。そのことによって、単純に「Platio」を使用するのみではなく、企業におけるデータとのつなぎを行い、私たちが得意とする部分までカバーすることで、新たな需要を開拓し、解約も抑えたいと考えています。

質疑応答:バーチャル株主総会について

司会者:バーチャル株主総会に関するご質問です。「アステリアは、日本で初めて動議の機能まで付加した、完全オンライン型株主総会ソリューションを持っています。今年も総会の集中月が近づいています。昨年は法改正が遅れ、総会の集中月に間に合わない残念な状況でした。今年は総会ソリューション元年だと思うが、状況はいかがでしょうか?」

平野:バーチャル株主総会についてご説明します。昨年法律がなんとか整い、バーチャル株主総会が開催可能な状況になっています。

ただし、詳しい方はおわかりかと思いますが、現時点では法律が整ったと言っても、会社法が変わったわけではありません。産業競争力強化法で、付加的に開催可能になっている状況です。現在私たちは、経済産業省とともに、根本的なことに取り組んでいるところです。

また、完全オンライン型とありますが、私たちが提供するのは、専門的には「出席型」と呼ばれる(決算説明会のように)オンラインで見るのみでなく、本人確認も行い、質問も動議もしっかりできるものです。しかしながら現時点では、この「出席型」という形式に対して、まだまだ敬遠する会社が非常に多いと感じています。

その理由としては、株主総会を実施するのは総務部門であるためです。総務部門では「株主総会を完全なバーチャルで行ってよいものか」と、二の足を踏むケースが多いようです。かなり関心は高いですが、勉強で終わっている状況と思われます。

その対応の第一歩として進めているのは、「参加型」です。つまり、配信を行ってみましょう、ということです。配信のみであれば、(万が一トラブルが起こっても)株主総会の成立要件などは関係しないため、比較的気軽に実施することが可能です。

私たちが推進している出席型のバーチャルオンリー株主総会を実現するソリューションは、すでに完成していますが、総務部門の受け入れや法律のバックアップ、株主総会成立要件のための付帯的な法の整備も必要となってきます。したがって、当社のソリューションの利用が直近の株主総会シーズンで突然増えることはないと思われます。

ただし、今後の方向性としては間違いはありませんし、私たちが見据えているのは、もっと大切なさまざまな方法です。これにブロックチェーンが活躍するのは、間違いないと考えています。急速に普及することはなくても、まずは技術の面を進め、そして経済産業省などと組みつつ、環境整備をしっかり進めていきたいと考えています。

質疑応答:ブロックチェーンのビジネス展開について

司会者:次もブロックチェーンに関するご質問です。「書籍『ブロックチェーンのトリセツ』を読了し、ブロックチェーンは将来、有望であることを深く理解しました。ついては、さまざまな分野で採用され、未来社会のインフラ基盤となり得るブロックチェーンを介して、どのようなビジネス活動を展開していくのか教えてください。

例えば、不確実性を有する令和社会において、取り組むべき課題、あるいは未来のあるべき理想的な社会の構築に向けた今後の取り組みなど、持続的な成長を見据えた中長期的な事業戦略の展望についてメッセージをいただければと思います。特に、数値化できない御社の強みと認識している非財務的な要素について興味があります。」

平野:アステリアがブロックチェーンに取り組んでいる理由は、他の多くのブロックチェーンに取り組んでいる企業とは、おそらく違います。他の多くの企業は、仮想通貨・暗号資産を起点とし、それをいろいろなかたちで使うことを想定しています。昨今ではNFTなどもあります。

他社はこのような視点ですが、アステリアは2015年に上場企業として国内で初めてブロックチェーンにコミットした時から、創業時より掲げている「自律・分散・協調」という社会を作る基盤になると考えています。そのための技術開発や研究を進めています。

現時点では、自社開発のブロックチェーンも持っており、「Gravio」などに組み込んでいます。また、一部で「Slack」の連携などの実験もしています。いずれにしても、私たちが今行おうとしているのは、仮想通貨・暗号資産とは違います。

私はブロックチェーン推進協会の代表理事も務めていますが、アステリアとしては、まさにご質問のように「自律・分散・協調」を実現する社会インフラとしてブロックチェーンに着目しています。

これが何を実現するかと言いますと、インターネットが情報の非中央集権化を実現したように、ブロックチェーンは価値の非中央集権化を実現していきます。その時に必要なソフトウェアが「つなぐ」ソフトウェアです。このようなものを提供していくのが私たちのかたちです。

ですので、いろいろな暗号資産をベースとしたビジネスとは一線を画して、私たちは社会インフラを目指し、その中でつなぐ価値を提供し、創業の時から考えている方向性に一致させたいと考えています。

中期経営計画の一部にもそのイメージを描いており、「YouTube」などでも「自律・分散・協調」の考え方を取り上げているため、詳しくはそちらをご覧ください。

質疑応答:Web3.0に移行後の業績について

司会者:次のご質問です。「最近よく、近い将来Web2.0からWeb3.0に変わるという記事や報道があります。Web3.0の世界に移行すると、アステリアの業績にはどのような影響がありますか? 『ASTERIA Warp』などの売上が劇的に増加する可能性もありますか?」

平野:Web3.0はWeb2.0の時と同じように、流行るとさまざまな解釈が出てきます。

「Web3.0の世界に移行するとどうなるか?」というご質問ですが、まずある日突然移行することはありません。今後、メタバースなど、新しい世界を実現していくいろいろなものがWeb3.0に含まれるわけです。

私たちの事業にどう関係があるかについてですが、まず新しい物事が起こると、そこには必ず「つなぐ」という需要が発生します。そのため、移行する時には必ず私たちの出番が出てきます。ただし、それがある日突然起きるわけではないため、突然「ASTERIA Warp」や「Platio」が売れるということはありません。

またご質問にはありませんが、Web3.0の世界では、ブロックチェーンが非常に重要な役割を果たします。繰り返しになりますが、インターネットが情報の非中央集権化を実現したように、Web3.0では価値の流通が始まります。

これにはもちろん、暗号資産のようなものも含まれますし、非中央集権型のアプリケーションである「DApps」のようなものも含まれます。このような時に、そのリアルワールドとのつなぎ、既存システムとのつなぎも非常に需要が高まります。

この度発表したJPYCとのつなぎは、未来のWeb3.0の世界での価値の流通と、現在のシステムのつなぎを実現する、Ethereumアダプターの新バージョンです。この発表時に、おそらくほとんどの投資家の方が「何の意味があるの?」と言うと思います。

実際に目先では1円にもなりませんが、その先で発生してくるのです。「Web3.0が重要」と言う方々は、流行りで注目されようということではなく、その先の世界を見据えて言っています。その需要に対して、私たちもプロダクトを準備していきます。

実は今年の6月25日で「ASTERIA Warp」は、20周年になります。私たちのプロダクトは、その時のニーズに応えるのみでなく、未来のニーズにも応えていく使命があります。しかも、それは2年や3年ではなく、5年から10年のニーズに対応するものです。現に、「ASTERIA Warp」は20年経って、今でも大きく成長しています。「Handbook」は12年経ち、今でもキャッシュカウとして私たちの事業を支えています。

Web3.0の世界に何が起こるかは、しっかり考えながら取り組んでいます。しかしこのようなプロダクトを作ることを考えると、すぐ業績に結びつかないことが、私としても歯がゆいところです。しかし布石を打つことができるため、私たちの構成や事業は、非常に価値の高いものだと考えています。

DXに関するご意見

司会者:以上で質疑応答を終了しますが、ご意見を1つ頂戴しました。「まだ私はアステリアホルダーとしての歴が浅いです。動物医療に従事しており、人手不足とDXを痛感していますが、日々の診療や事務業務に追われて、なかなか進められません。DXの必要性を強く感じています。どうか、がんばってください。」

平野:ご意見をいただき、誠にありがとうございました。

平野氏からのご挨拶

平野:本日はご多用のところ、私たちアステリアの第3四半期決算説明会にご参加いただきまして、誠にありがとうございました。

現在はコロナ禍や世界的なさまざまな情勢、長期的には気候変動など、不安要素がかなりある状況です。もう守るのみでは大きな成長、そして社会への貢献が期待できない時代になっています。

そのような中で、いかに未来のニーズに応えるか、そのためには未来を見て未来を考えて、頭が擦り切れるほどイメージをして、そこに対して投資をすることが大事な時代になってきています。

未来は不確実で、なかなかわかりづらいです。そして、私たちの取り組んでいることも過去のみのことではないため、わかりづらく、理解しづらいかもしれません。ただし私たちは、私たちが考えた未来、そして社会への、世界への貢献でチャレンジを続けます。

私たちの知見、ソフトウェアとその周辺のエキスパーティーズ、つまり私たちの持つ力を最大限に活かし、これからもソフトウェアで世界をつなぐことの実現のために邁進し続けたいと考えています。

不確実性のある世界に対して、私が創業時から考えていることは、投資家のみなさまのリスクマネーを手にし、一緒に未来を作っていくことです。横に座っていただき、未来に向かってドライブしていくことを切に願っています。

これから中期経営計画の第1年度が終わります。第2年度は、第3年度に向かってさらにアクセルを踏んでいきますので、投資家のみなさま、そして株主のみなさま、これからもどうぞご支援、ご指導を何卒よろしくお願い申し上げます。本日は、誠にありがとうございました。