2021年7月期決算説明会
金武祚氏:みなさま、こんにちは。この度は、Webではありますが、決算説明会にご参加いただき本当にありがとうございます。
私たちは、創業からちょうど24年を迎えたことになります。一言で言いますと、私たちのレベルは本格的な成長期に入る時期だと思っています。
私たちは今まで、食品・化粧品・創薬の三本柱でした。今後は、後ほどご説明があると思うのですが、「1Kプロジェクト」として、中期的、具体的には5年以内に売上高1,000億円を目指しており、今そのような会社になろうとしているわけです。
そのためには、従来の食品・化粧品・創薬にプラスして、より食品的な仕事ということで、食糧問題に関係する「アグリ・ニュートリション」という部門を、これから強化すると決めています。それについては、昨日も記者会見を行った次第です。
もう1つは、食品以外の部門、すなわち非食品部門として例えば化成品部門の準備もしており、今後はそれがかたちになろうと思います。
目標は「売上高1,000億円」ですが、売上高だけではなく、規模拡大と同時に利益確保というバランスを見ながら、企業経営を進めようと思っています。
本日は、常勤の取締役全員が一緒に参加していますので、具体的な数字のことや今後のビジョンについて、みなさまとコミュニケーションできれば幸いだと思っています。何卒よろしくお願いいたします。
2021年7月期連結業績 2021年7月期ハイライト
益田和二行氏:それではさっそくですが、始めさせていただきます。よろしくお願いいたします。決算発表から随分経ちますし、市場の反応もいくつかあったため、2021年度7月期の件については本当に簡単にご説明したいと思います。
まずは売上、利益ともに過去最高を達成することできました。スライドには、ROEが約57パーセント、営業キャッシュ・フローが60億円など、いろいろなことを記載してあります。今まで、いろいろな投資をして「利益率がどうだ」というようなご指摘も多々いただいていたのですが、2021年度期だけを見れば、我々としても非常に満足のいく結果が得られたと考えています。
その他、スライド下に記載の機能性素材事業や通信販売事業、バイオメディカル事業については、後ほど詳しくご説明していきたいと思っています。
2021年7月期連結業績 連結売上高
スライドに詳しい数字を記載しています。進捗率を見ると、バイオメディカル事業は一時的な金額ではあったのですが、すべての事業部においてプラスを達成することができました。トータルとしては増収率が約204パーセントということで、約3倍以上の売上を達成することができたという結果となっています。
2021年7月期連結業績 セグメント利益
スライドはセグメント利益です。機能性素材事業では、完成品の売上構成が増えたことなどのいろいろな要因があったのですが、若干の減益となっています。通信販売事業では、今まで投資した分が回収できたことや、コロナ禍における広告宣伝がうまく機能したことにより、前年同期比872.3パーセントというかたちになっています。バイオメディカル事業は、一時金が入ったことによって前年同期比127パーセント増となりました。トータルでは前年同期比666.6パーセントと、非常に驚異的な伸びを示すことができました。
結果としてはこのようなかたちになるのですが、「長期的にどのような利益を出していくのか」というのが今後の課題になると思いますので、結果は結果として、我々もしっかりと分析して次につなげていきたいと考えています。
2021年7月期連結業績 営業利益増減分析
経費の内訳です。売上原価、研究開発費があり、ダントツで多かったのは広告宣伝費で、人件費等があります。割合としては、広告費が一番大きく圧倒的です。
このあたりについては、いろいろな方にご意見をいただいています。「どのあたりが適当なのか」というようなご指摘もあったのですが、我々は全体の売上高に対して、この投資額が正しいか・正しくないかを判断しているわけではありません。
広告媒体1件1件について「これが何ヶ月、何年で本当に回収できるか」を見ています。そのため「量が多いから多すぎる」「量が少ないから少なすぎる」という議論は、我々としては正直なところ少しナンセンスかと思っています。
今後も、1件1件しっかりと利益が取れているのであれば積極的に投資しますし、取れていないのであれば、抑えて違う方法を模索します。そのようなところは、広告費が10億円であろうが、50億円であろうが、100億円であろうが、200億円であろうが、1件1件をしっかり見ていけば怖くないと思っています。適正か・適正ではないかをグロスで判断するという考え方は、今後も我々はしていかないつもりです。
もう1点、指摘事項としてあるのは「研究開発費が少なすぎるのではないか」ということです。これに関しては、我々もそう思っています。今まではずっと「自分たちのできることを自分たちでやる」というスタイルでした。しかし、今後は研究開発のスピードアップも含めて外注先の活用や、データベースの活用など、新しいテクノロジーの活用にもう少し積極的にお金をかけていきたいと考えています。
今までは「足し算」の中で研究してきたようなところがあったのですが、これから加速させるために、いろいろな外部機関とのアライアンスなどの大きな枠組みに投資して、スピード感を出して、もっとダイナミックに進めていこうと考えています。
そのため、この数字を見ると「少なすぎるのではないか」というご指摘もあるのですが、人件費の半分以上は研究開発の人件費に充てています。今までの延長上で進めてきたということはご指摘のとおりかと思いますので、今後の課題として非常に強く認識しています。
2021年7月期連結業績 四半期営業利益
四半期ごとの数字になっています。先ほどと一緒で、本当によく言われるのが「投資が多い・少ない」ということです。
そのような物量的な話ではなく、先ほどもお話ししたように、研究開発であれば「これは将来的にどのようなプラスがあるのか」、広告宣伝であれば「1件あたりの単価はどれくらい、LTVはどれくらい、限界CPはどれくらいなのか」ということが重要です。
規模が大きくなっていっても、一人ひとり、もしくは1件1件、そして、お客さまやクライアント、通信販売での末端のお客さまも含めて、しっかりと分析することが大事だと思っています。
「額が多くなって利益が出たからよい」ということではなく、本当に1件1件の効率を上げていき、「することはする・しないことはしない」というようにコントロールすることで、今後もしっかりと成長路線に乗せていけると確信しています。グラフは四半期ごとの数字のため、参考程度にご覧いただきたいと思っています。
以上がだいたいのお話で、もう決算書にも出ていますし、グラフを見れば一目瞭然だと思いますので、このあたりで機能性素材事業の話題に移りたいと思います。
機能性素材事業 アイテム別売上
利益が少し下がった領域でもあるのですが、これは「踊り場」的なものと捉えています。今までは素材を売っていたのですが、OEM、すなわち完成品で買っていただくビジネスに転換する時期に来ています。
自社で通信販売を手がけているということもあり、「ファーマフーズで商品設計までしてくれないか」「あなたにうちの商品のデザインから、なにからなにまで全部を任せたい」というお客さまが増えてきており、今ちょうど転換期に来ていると思っています。
細かい数字になりますが、売上としては本当に徐々に伸びてきています。来年以降どのように伸ばすかについては、次のページでご説明します。
機能性素材事業 ファーマギャバ
ファーマギャバは単純に言いますと、海外の比率が増えています。北米での売上がものすごくありました。昨今のコロナ禍の中で在宅率が高くなり、人とのコミュニケーションも少なくなって、ストレスが溜まったり寝られなくなったりなどの気持ち的な問題が出てきていると思います。
そのような中で「ファーマギャバ」のリラックスや快眠というところが時代と非常にマッチングし、数量的に伸びてきています。後々ご説明しますが、しっかりと許認可を取って、食品への展開を計画しています。
「サプリメント大国」といわれるアメリカですが、食品に入った段階で3倍から4倍、もしかしたら10倍くらいの市場があると思いますので、そのあたりまでしっかり伸ばすために、今は実績を作っているところです。
機能性素材事業 OEM
OEM事業は、要はデザインしてパッケージまで仕上げて、コンセプトごとお客さまに販売する事業になっています。ダイエット食品やパウチゼリーなどで、原料で売るよりも利益率はどうしても下がってくるのですが、数量的には売れた場合のリターンも大きいということで、非常に力を入れてスタートしたところです。
しかしながら、売上にはけっこうなインパクトがありました。今後は売上の拡大、および利益の拡大ということで、どうしても量を売らないといけません。その分は、「メイドインジャパン」「日本で売れている・日本のNo.1商品」という我々の実績を踏まえつつ、海外を伸ばしていくことで、利益の調整は十分可能であり、無限の可能性があると考えています。
機能性素材事業 機能性表示食品受理件数
機能性表示食品の受理件数は、昔は難消化性デキストリンに負けていたのですが、今はGABAが圧倒的に多く、「機能性食品=GABA」「機能性食品の代表」と言ってもよいくらい数が増えてきています。
また、登録するだけの商品ではなく、しっかりと販売され、今も継続的に売られているものが多く、そのような意味でもGABAの今後の可能性というものを十分に感じています。来期以降も、アメリカを含めて進捗させる重要なビジネスという位置づけになっていくだろうと考えています。
通信販売事業 アイテム別売上高
スライドは通販の売上高の数字となっています。前半は「ニューモ」の調子が大変よかったです。「ニューモ」やヘアカラーは巣ごもり需要ということで、時代にマッチしていると思います。
言うまでもないのですが、前半は本当に3ヶ月、4ヶ月回収が可能なくらい安く広告が買えていたため、その間にできることをしたということです。
現在は、かなり適正な価格に戻ってきていますが、いまだに1年回収を維持しています。成長のスピードは鈍化するかもしれませんが、まだ伸びる可能性は十分にあると考えています。その他の商材もかなり育ってきていますが、そのあたりは後ほどお話しします。
通信販売事業 定期顧客件数
顧客人数は80万人くらいのところをうろうろしている状況ですが、実際には今もうおそらく80万人くらいで、微増というかたちで伸びてきています。これを見て「増加数が鈍化しているのではないか」と言う方もいらっしゃるのですが、急激に増やすと離脱率というのも一定層出てきます。
通販を手がける方であればわかっていただけると思うのですが、足した分がどんどん上に積み上がっていくようなビジネスではありません。この80万人をキープしつつ、できるだけ早く100万人くらいを狙っていけば、国内最大規模の通信販売の販売網も築けるのではないかということで、今そのあたりを目指して進めています。
通信販売事業 ニューモのCPOについて
先ほどご説明したように、コロナ禍によって広告費がかなり安かった時に、広告を大量に買いました。そのような意味では前期は非常にCPOがよく、要はキャッシュ・フローがものすごく速い回転で回って、利益にも大きく貢献したことになります。
これを取った時点で、我々としては財産のようなもので、2年目以降も一定層残った分はすべて利益として出てきます。今期の利益にも大きく寄与するべき商品ではないかと思っています。
「今はテレビの広告が少し減ったね」というようなことを聞いたりもするのですが、別の商材を充てないといけないということもありますし、前回のように安い広告があるわけではありません。厳選して、先ほどお話しした80万人を、微増のままキープするような経営を進めている状況です。
通信販売事業 広告宣伝費と定期顧客数
スライドは、先ほどのグラフを1つにしたもののため、このようなかたちになります。
通信販売事業 広告宣伝費と売上高
実際には、広告宣伝費と売上高が上がってくる日にはタイムラグがあるため、単純に広告費を使った月の売上高が上がるわけではありません。だいたい、期がずれて売上や利益が立ってくるため、参考程度にご覧ください。
例えば「去年したことが今年の利益に貢献する」「今年あったことが来年の利益に貢献する」というような答え合わせの時期、タイムラグというものがあります。そのような意味で、この投資額をご覧いただくと、今期も十分に期待していただけるようなリターンがあるのではないかと考えています。
ただし、そのうちすべてをキャッシュとして残しておくわけではなく、新しいテストを行ったり、先ほどご説明した研究開発に回したりということも、積極的に進めていきます。
数字上はどのように出るかはわかりませんが、例えば「今期は売上が600億円あって、利益が同じくらい残る」ということは、かなり売上を伸ばして利益を確保するということになりますので、少し冷静に見ていただくと、それが悪いことではないとわかっていただけるのではないかと思っています。
通信販売事業 四半期業績推移
「後から利益がついてくる」というのがグラフでわかるような状況になっています。先ほどお話ししたように、グロスで見るのではなくて、1個1個、「20万円、30万円の投資が1年回収かどうか」「一人ひとりのお客さまに対して、ちゃんと1年回収できているか」を細かく分析していけば、それがたとえ100倍、1,000倍、10,000倍でも、しっかりとコントロールできると私は確信しています。
現在、取締役の井上を含めて、そのあたりをしっかり計算しています。1件1件細かく見ることで、大きな売上を作っていけると言っていますので、期待していただきたいと思います。
バイオメディカル事業 2021.1抗体医薬に関するライセンス契約を締結
スライドはいつも出している図ですが、今どのような状況にあるかと言いますと、非臨床のところで独占的ライセンス契約を取っています。次のところにいくと、臨床試験はフェーズ1に行くか行かないかというところですが、このあたりはビジネスモデルとして以前から記載してあるようなかたちで進めています。
今のところは5.7億円ということになるのですが、それをいただいて、次の研究に進めるかどうかについて日々尽力している状況です。
バイオメディカル事業 四半期業績推移
今回はライセンスが1回入ったため、売上がドンと上がりました。それ以外は、研究開発に投資、投資、投資というようなかたちで、これくらいの金額を作っているというのを、参考までにご覧いただければと思います。
2022年7月期連結業績予想 連結売上高のセグメント別ポイント
スライドは2022年度7月期の予想売上高の数字となっています。機能性素材事業は微増で29億円です。通信販売事業は約430億円から514億円ということで、プラス80億円となりました。
バイオメディカル事業は、予定として今のところ大きな契約の時期ではないため、1億円ということです。本日は、この作業着を着ていますが、私は明治薬品のほうに来ています。新しい仲間として加わった明治薬品で60億円となります。加えて、越境ECで2億3,000万円というかたちで、予定を立てています。
さまざまなことを記載してあるのですが、これはどちらかと言いますと、これまでの延長上の部分もあります。後ほどのスライドで、詳しくご説明していきたいと思っています。
簡単にご説明すると、機能性素材事業のところはGABAに注目して、引き続き海外、アメリカを中心に力を入れていきます。加えて、先ほどお話ししたように、最終商品での販売を海外・国内ともに進めていきます。
通信販売事業は、「ニューモ」やヘアフォーム、ヘアカラーなど、調子がよいものはきちんと現状維持できるようにします。「あたりの広告」もいくつか出ており、実はシャンプーやまつ毛美容液、第3類医薬品も非常に好調に売れているため、このようなものを上乗せして、500億円を超えて514億円ということです。
バイオメディカル事業は、今PAD研究センターを作り、PADに特化しようということで進めています。とにかく新しい技術、新しいターゲットに、分子量の大きさも変えてトライしていると聞いています。投資先行になるとは思いますが、そのような新しい挑戦をしていくところにもっと投資していこうと思っています。
明治薬品は、昨年の売上が50億円強だったと思います。こちらは自社で販売できる体制を作ろうと思っています。よい商品がたくさんあり、歴史もある会社です。販売先がまだ少ないため売れていない商品もたくさんありますし、過去に登録を取って今は置いている登録済みの医薬品もいくつかあります。そのようなものを1つずつ精査して、まずは手っ取り早く我々のダイレクト通販で展開し、売上でプラス10億円を作ろうと考えています。
私自身は30億円や40億円を目指したいと思っていますが、医薬品の登録が間に合わないなど、いろいろな問題があるため、とりあえず今年は昨年の売上に10億円プラスするかたちで考えています。ですので、来期以降は指数関数的に伸ばしていけると確信しています。
越境ECは、明治薬品で先行して進めています。越境ECにファーマフーズの商品を載せて、1つの足がかりにしようと考えています。
2022年7月期連結業績予想 広告宣伝費について
広告宣伝費です。先ほどお伝えしたとおり、「ニューモ」は回転率が早く宣伝費を回収できました。他の商品への展開もしっかり進めていこうと思います。最近はロート製薬の商品を販売していますが、我々が販売している「博士ルーペ」からロート製薬のアイケアサプリへの定期率が非常に好調で、主力商品に育つくらいの勢いになりました。
その商品だけでロート製薬の定期購入者数を半年で超えるのではないかというほどの勢いで、先方も非常に驚いています。ロート製薬の商品を我々のECで定期購入していただくという売り方です。
また、まつげ美容液も非常に好調で、今は生産が追いつかない状況です。「ニューモ」の初動に近い勢いで売れているためこちらも期待していますが、新しいことを行い、新しい売上で積み上げていくことが大事だと考えています。商品開発も含めて今後もしっかりと取り組んでいきたいと思っています。
2022年7月期連結業績予想 連結利益
業績予想は微増となっています。冒頭で金がお伝えしたとおり、5年間で売上高1,000億円を考えています。売上も作って投資も行わないといけないということですので、投資にしっかりと回すために利益は微増にしています。
しかし先ほどお伝えしたとおり、売上が伸びて、1件1件の投資効率が合っていれば近い将来に絶対に返ってきます。そのような意味では、利益に残すのではなく未来への投資を重視して、1件1件しっかりと見て投資しているということをご理解いただければと思っています。
2022年7月期連結業績予想 株主還元
それらを踏まえると、株主還元についてはスライドに記載の数字のとおりになります。
TOPICS ファーマギャバ ハラール認証取得
TOPICSを簡単にお伝えします。「GABAが海外でも売れている」というお話がありましたが、ハラールの認定が取れました。これにより、東南アジアへの販路拡大などが可能になるため、このようなものをしっかりと取って海外展開していきたいと思います。
こちらは実は非常にすごいことなのですが、「すごい」と言わずに売上を上げていきたいと思っています。
TOPICS 越境EC(中国)
越境ECです。先ほど少しお話ししましたが、自社で越境ECを行うためにいろいろなことに取り組んでいます。今回、M&Aを行った明治薬品が一歩も二歩も進んでおり、越境ECで非常によいラインを持っています。
独自の路線もそのまま続けますが、ファーマフーズの商品を掲載することでより相乗効果が上がるのではないかということで、販路の活用を考えています。
TOPICS ロート製薬アイケアサプリを販売開始
先ほどお伝えしましたが、「博士ルーペ」「ロートⅤ5粒」のクロスセル実施についてです。我々は「ハスⅤ」という医薬品を販売しており、そちらも調子はよかったのでうすが、製造の関係でなかなか量産ができないということがありました。
そのため、ロート製薬との提携を機に「目薬のイメージになるロート製薬のサプリメントを売らせてくれませんか?」とお話しして売り出したところ、非常に好調です。具体的な数字で言いますと、1年間で100万袋を超えて、200万袋は売れるのではないかという勢いで今一番売れています。
ただし、ロート製薬の商品を販売するだけでは意味がないため、今後の展開をもう少し広げていけるように知恵を絞って、莫大なリストをどのように活用していくかを考えている状況です。
TOPICS 注目の新商品
最新の商品です。スライドの一番上から、まつげ美容液の「MATSUGE★DELUXE」、エッグプラセンタを独自の成分で配合した来月発売予定の「Egg placenta」、11月にはエッグプラセンタ配合の美容液を予定しています。
また、これも1つのテーマとして進めていますが、GABAは脳機能に有効ということで、2月には脳のサプリメントの「ノウベルQ」を発売予定です。
近い将来に発売予定の商品に関しては順調に進んでいますので、あとはしっかり広告宣伝費をかけて、売上を伸ばしていくだけだと考えています。先ほどお伝えしたとおり、まつ毛美容液が非常にたくさん売れているため、楽しみにしていていただければと思っています。
中期経営計画2026 中期経営目標
中期経営計画です。「新価値創造」ということで「1Kプロジェクト」を行っています。これは社内でも共有しており、この場にいる幹部はもちろん、従業員一同、全員で行うと決めたものです。3番までありますが、まず1番からご説明します。
中期経営計画2026 新製品を創る-GABA、ニューモ、デルマQ2に続くヒット製品
「新製品を創る」というのは当たり前のことですが、よい商品がないとなかなか売ることができないということで、スライドのとおりに考えています。新素材の開発としては「ワインセラミド」「リピスマート」や新しい糖鎖などをしっかりと進めていきます。
抗体はずっと研究してきているため、バイオメディカル部をはじめとした自己免疫疾患に特化した次世代のターゲットを見つけて、どんどん試していきます。
そのような流れで行うことで、「ファーマフーズ=アラジンテクノロジー」が「アラジンテクノロジー=抗PAD(※)抗体、自己免疫疾患」になって、自己免疫疾患と言えばファーマフーズの名前が出てくるような研究所にしていきたいと考えています。
そのために、世界中からPADに関するありとあらゆる情報を集めて、我々にできることは何かを模索している状況です。
中期経営計画2026 新製品を創る 次世代抗体をバイオファウンドリで生産
その中心となるのが「アラジンテクノロジー」です。これはニワトリを使った技術です。冒頭でもお伝えしましたが、今まではどちらかと言いますと手作りで、自分たちでできることを一生懸命進めてきたようなところがあります。
逆に言いますと、やり方としてはスピードが遅い、もしくは古いと感じた方もいらっしゃると思いますが、今まではできるだけのことを行ってきました。
ただし、それだけではなく、外部の機関、他企業、大学などを含めて、アライアンスなどもこれから積極的に行い、技術の加速、そして我々の技術を活用してもらうことでスピード感を出して進めていきたいと思っています。
中期経営計画2026 新市場を創る-新たな豊かさ、健康の市場
「新市場」についてです。ブランド強化、海外市場、国内市場などありますが、正直に言いますと当たり前のことしか記載していません。当たり前のことを行うのが一番難しいということで、社内でもこれをブレイクするためにどうしたらよいかを考えています。
例えば、東南アジアが伸びていることはだれでもわかることですが、何から進めたらよいのか、人はどうするのか、物はどうするのかなどを1つずつ潰していく必要があります。地道になると思いますが、そのような市場を創っていかないといけないと思います。
その中の1つが認証取得です。先ほど「ハラールを取りました」とお伝えしましたが、アメリカで「GRAS」認証を取らないとまったく意味がありません。これを取ることによって、市場は10倍にも20倍にも広がると思いますので、必ず「1Kプロジェクト」の間に取得して、売上に貢献したいと考えています。
「GRAS」を取得しない限り、努力型ではなんともできない部分があるため、そのようなところをしっかり進めていきたいと思います。
最近はSDGsも叫ばれています。ユーロ圏などではSDGsへの取り組みがないと企業活動ができないなど、世界的なトレンドとして挙がっています。我々としては今後は「SDGsの本質は何か」にフォーカスして、しっかり発信していきたいと思います。
中期経営計画2026 新市場を創る 未利用資源のアップサイクル
我々は今まで未利用資源を活用してきました。卵殻・膜、ワイン素材の「ワイン澱(セラミノール)」、青バナナを使った「バナファイン」、鶏の足を使った「HAS−Ⅱ(ハス・ツー)」など、これらは究極の持続型環境資源だと思っています。
「捨てていたものを再利用する、もしくは未利用のものを再利用することに価値があるのであれば」ということで行ってきました。ただし、そのような考え方が当たり前だと思ってきた部分もあるため、最近の言葉に直すと、SDGsの一貫として捉えていただけると思います。このような取り組みについてしっかり発信できていなかった部分がありますので、しっかり発信して、みなさまに支持されるような企業になっていきたいと思っています。
先ほどお伝えしたとおり、流行りなどではなくて、本質的にどのように貢献できるのかを社内でもしっかりと議論しています。今後はそれも発信していきたいと考えています。
我々の一番の強みは未利用資源の活用に尽きると思います。このあたりはみなさまにしっかりとアピールできる、もしくは世の中の役に立てるような取り組みにしていきたいと思っています。
中期経営計画2026 新市場を創る 天然物からの新価値創造技術を農業へ
三洋化成工業との資本提携や技術提携で挙がったお話ですが、冒頭でお伝えしたとおり、食糧問題に貢献していくことを課題に挙げています。
農作物の生産や流通のことになると我々もどのように関わればよいのかわからないのですが、農産物の生育を早める、収量を増やすなど生産性を上げたり、食物が持っている力をもっと上げていくなど、やや間接的になるかもしれませんが、そのような分野で三洋化成工業と協業して、世の中の役に立つことをしっかりとアピールしていきたいと思います。
また、冒頭でもご説明した化成品事業についてです。こちらも未利用資源になりますが、卵殻・膜を使った繊維などをしっかりと活用することで、「未利用資源を使ったんですよ」で終わらずに、そこからもう一歩踏み込んで、「機能がよくなる」「肌触りがよい」「使い心地がよい」「商品としても十分に耐えられる」というところまで持っていき、新しいビジネスに進んでいければと考えていますので、こちらも期待していただければと思います。
中期経営計画2026 新組織を創る -新製品、新市場を創造する人材/組織
「新組織を創る」についてご説明します。やはり「人が支えている」と思うところもあるため、安心して働ける給与水準に変えたり、成長できるいろいろなプログラムを組んでいきます。
「給料が一番高い会社になりたいよね」ということは従業員の前でもお話ししています。我々の水準だけではなく、一般にも見えるように水準を上げていくためにはもちろん利益を出さなければなりませんが、給与を上げることでよい人材を確保して、新しいことにどんどんチャレンジするというサイクルができる会社になっていこうということで、今も取り組んでいます。
実はM&Aもその一貫です。新しい血が入ることによって新しい価値観が生まれます。互いにないものを補うことで、いろいろな交流を深めてよりよいものが残り、よいものに昇華していくこともM&Aの強みだと思っています。
また、今までにない人材を確保するために、我々に直接関係のない顧客分析やAIのセンサーなどの分野でコラボレーションできないかを、近い将来、そして遠い未来も含めて話し合っている最中です。
まだ具体的なお話ではありませんが、例えばそのような会社とアライアンスを行う時に、まったく無知な人間だと一緒に議論することもできないため、そのような人材を育てたり探したりしています。
2つ目は、Global Solution Team(GST)です。こちらは今までも行ってきましたが、海外の方が多いです。あまり多くは言えませんが、男性や女性、人数の縛りもなくしていこうという流れの第一歩として、Global Solution Teamを進めています。
海外から来ても活躍できる環境をしっかり作ることや、「海外から来られた方が幹部にいないのは不自然だ」という考えを全体会議の中でも伝えているため、今いる方を含めて、もっともっと本当の意味でのグローバルな組織に変えていこうということで進めています。
3つ目は、M&Aやアライアンスです。先ほどもお伝えしたとおり、新しいことを行わないと小さくこじんまりと固まってしまうため、常に新しいことを入れて新しいことにチャレンジすることが必要で、新しい組織は後からついてくるのではないかと考えています。
これまでM&Aは2社と行いました。1社はポーラ化粧品からM&Aを行ったフューチャーラボ、もう1社は今回の明治薬品です。私は2社とも経験していますが、非常にポテンシャルがあります。
このポテンシャルを売上にどのようにつなげていくか、ファーマフーズとの連携をどのように行うかによって、語弊があるかもしれませんが、「売上は簡単に上がる」と思えるところもいくつかあります。
「簡単に」というのは、時間的に早くできるという意味です。そこにはもちろん苦労があると思いますし、失敗もあるとは思うのですが、すぐにお互いに200億円くらいの規模にはできるのではないかと思います。
まずは売上を作らないと組織もついてこないため、そのようなところでしっかりと200億円規模の会社に育てて、ファーマフーズで600億円を目指します。その結果、人が育ち、給料も上がります。「よいことしかないのでは?」と、我々は非常に楽観的に考えているため、また応援していただければと思っています。
中期経営計画2026 新組織を創る M&A、アライアンス
スライドに記載の表は、今まで行ってきたM&Aとアライアンスについてです。三洋化成工業や明治薬品がありますが、先ほどお伝えした認知機能の部分がアイ・ブレインサイエンスという会社になります。我々のGABAの素材や脳機能を研究していく上では十分なパートナーになり得るのではないかと考えています。
その他はどちらかと言いますとかなり完成された会社ですが、今後期待できるところで最も成長の変化率が大きいところはこのアイ・ブレインサイエンスのような企業だと考えています。アイ・ブレインサイエンスと協業して、診断とソリューションを組み合わせた我々の成功モデルとしての着地点を見つけて、しっかりと売上につなげていけるように進めていきたいと思っています。
中期経営計画2026 数値目標
まとめです。M&Aを通じて成長率としては20パーセントずつ増やしていきたいと考えています。儲けた分はしっかりと還元していかなければならないということで、株主への還元策として、20パーセントを必ず使えるようにしていきたいと思います。
20パーセントよりも多く取らせていただく時はまたご相談するかもしれませんが、基本的にはこの方針で進めたいと思っています。
営業利益は1,000億円の10パーセントで100億円を目指します。少し大胆ですが、我々は達成できると思っています。スライドに記載の売上や利益の目標は、明治薬品とM&Aを行った数字のため、これらの目標は達成できるのではないかと思います。
新価値創造を300億円くらいとして、それを次の成長路線に乗せていきます。1,000億円を超えると急激には伸びないと思いますが、7対3の法則で、3割は新しいことで稼ぎ、7割は既存を伸ばす、もしくは守るというサイクルを、1,000億円まではしっかりと回していけるのではないかと思っています。
また、M&Aなどの数字はこの中には入っていません。これは縁の問題がありますので、縁があればもっと飛躍できるチャンスがあると思います。ですので、そのようなアンテナを高くしていきたいと考えています。
今の取り組みで1,000億円を達成するのは十分可能ではないかと思っていますので、みなさまのご理解と今後のご支援を、何卒よろしくお願いしたいと思います。私のほうからは以上となります。ありがとうございます。
※PAD(Peptidylarginine deiminase): 標的タンパクのアルギニンをシトルリン化する酵素。生体内に5種類のPADが存在し、各種疾患との関連が報告されている。