2021年5月期決算説明会

石田満氏(以下、石田):社長の石田でございます。本日は銚子丸決算説明会にご参加いただきまして、ありがとうございます。社内で換気もしっかりさせていただいておりますので、マスクを外してご説明いたします。

お話に入る前に、先日発生しました熱海市の豪雨による土砂崩れ等の被害者のみなさまにお見舞いを申し上げるとともに、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。コロナ禍でなお大変になったということで、本当に他人事ではなく思っています。

そして、毎年のように襲ってくる豪雨や猛暑等の原因となる環境破壊による気候変動に対して、強く危機感を持つと同時に、いかにも微力ではありますが、我が銚子丸も「SDGs元年」と位置付けて、取り組みについての検討を始めているところです。

「できるところから」というお話になりますが、がんばって目標を定め、行動を起こしていきたいと考えています。それでは、決算の概要からご説明します。

業績ハイライト

お手元の資料の4ページです。第44期決算の概要については、第3四半期までは予想を若干上回る実績で推移しました。

しかし、2度目の緊急事態宣言の発出、まん延防止等重点措置などに基づく協力要請、そして同重点措置対象区域内に所在する店舗に対するアルコール提供禁止等の影響によって、第4四半期の業績が予想を大幅に下回り、前期比で1.6パーセントの減となってしまいました。

営業利益においては、広告宣伝費・販売促進費の抑制、不要不急の経費の圧縮等によって、ご覧のとおり前期比で741.7パーセント増と、利益に関しては数字を残すことができました。当期純利益についてもご覧のとおりの数字で、3億7,800万円を計上することができました。

2021年5月期 トピックス①

2021年5月期、第44期のトピックスについてご説明します。2020年4月に、QRコード決済「PayPay」を導入しました。QRコード決済は、顧客利便性の向上と非接触型決済の拡充を目的として進めていたところです。「PayPay」を全店で導入することで、おおいに進んだかたちになります。

2020年5月には、デリバリー需要の急拡大に対応して「出前館」を15店舗に導入しました。現在、74店舗に導入済みです。

2021年5月期の上期は、7月に銚子丸オンラインショップを開設しました。まだまだの部分はありますが、その年のおせちの販売では大変効果があったと考えています。

2020年7月には、同じくデリバリー需要のさらなる拡大を見据えて「Uber Eats」を15店舗に導入し、2021年7月9日現在は85店舗に導入しています。いずれにしても、専門業者の地域外の部分もあり、全店をカバーしてはいない状況ですが、85店舗と74店舗ということでおおいに進めています。

2020年8月には、テイクアウト専門店の第1号店を渋谷区の初台にオープンしました。10坪弱の小さいお店ですが、現在堅調に推移しています。

2021年5月期 トピックス②

2021年5月期の下期についてご説明します。2020年11月には、オンラインのお持ち帰り予約サービスを導入しました。同時に銚子丸アプリを作成し、配信を開始しました。

お持ち帰りの予約サービスについては、従前はお客さまからのテイクアウトの受注作業を電話で行っていたため、大変効率化しました。

銚子丸アプリについては、クーポンの配信等が大変効率化しました。紙媒体からの脱却という面で一歩前進したと考えています。

2020年12月には、テイクアウト専門店の第2号店となる千歳烏山店をオープンしました。世田谷区ということと、駅から至近にあって大変よい立地だと考えての出店です。

翌年2021年3月には、同じくテイクアウト専門店の第3号店として荻窪店を開店しました。まだ3店舗ではありますが、世の中の要請に対してしっかりと応えていけるように、この業態を大切に育てていこうと考えています。

2021年4月には、銚子丸全店でデジタルサイネージを導入しました。従前は、上手・下手もありましたし、ホワイトボードへの手書きの作業にかなり手間がかかっていました。本部から一括でデータの配信ができ、店舗での修正も可能ということで非常に効率化し、できばえも標準化してきれいにできるようになりました。

そして2021年6月、ウィズ・コロナ、アフター・コロナの時代を見据えた業績回復のため、組織を改変しました。DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に向けたプロジェクトを立ち上げて、今順調に進んでいるところです。

新型コロナウイルスの影響

新型コロナウイルスの影響についてご説明します。何度もご説明していますが、まずは店舗営業の継続に向けて感染しない・させない営業を徹底するということで、ソフト・ハード両面で感染防止策を徹底してきました。

「ウィズ・コロナ時代の営業体制への移行」というところは、縷縷ご説明したとおり、テイクアウト専門店や既存店のテイクアウトの強化、デジタル媒体等の活用を進めてきました。

3番目の、コロナ禍にあっての「従業員の生活保障と人財の安定確保」というところでは、緊急避難的ではありましたが、休業手当の支払いや、各種助成金の制度の活用として両立支援等助成金、雇用調整助成金等を活用しました。また、会社としても「劇団員特別貸付金制度」を新設し、一時の凌ぎに利用していただきました。

また、営業体制を再構築して、時間で働いている方たちにもシフトができるだけきちんと回るようにシフト組みについて指示を出し、従業員の収入減を最大限回避しました。

経費の削減については、これも何回かご説明しましたが、役員報酬の一部返上、管理職手当の減額、そして家賃の減額交渉等を行いました。経費については、広告宣伝・販売促進費の大幅な削減を行い、細かなところでも不要不急の経費を抑制しました。

以上のような行動を起こし、新型コロナウイルスの影響を最小限にとどめるよう進んできました。

店舗政策:テイクアウト専門店の出店を推進

店舗政策についてご説明します。出店はテイクアウト専門店の3店舗です。大規模改装として、既存店の「すし銚子丸」西船橋店を2021年2月に改装しました。

第44期は、不採算の心配のあったお店を5店舗閉めることになりました。「鮨Yasuke」大手町プレイス店は、みなさまに話題にさせていただきましたが、我々の経験不足に加え、2万4,000人近くいると言われていた在館人口が、コロナ禍でほぼ10分の1に減り、売上の立たない日が出てきたため閉めました。

「江戸前すし百萬石」の新小岩店は大箱で大変広いお店だったため、どうしても非効率を改善できませんでした。「すし銚子丸 雅」アトレ松戸店についても、JRのテナントとして入居しましたが、なかなか我々の思ったとおりの状況にはならず、条件交渉等も聞き入れてもらえない状況にあったため、思いきって閉めました。

既存店「すし銚子丸」の船橋店、八千代店も閉めましたが、これは従前の売上ボリュームが新型コロナウイルスによって取れなくなってきた中で、近隣店とのカニバリで、なお不利な状況になってきたため決断せざるを得ませんでした。今期も出店で伸ばしていく予定ですので、後ほどご説明します。

エリア別売上

エリア別の売上はご覧のとおりの数字ですが、コメントすると、従前より1店舗あたりの売上高のパフォーマンスがあまりよくならなかった埼玉県の店舗については、どうするかをしっかりと検討して対策を打っていくつもりです。

問題があるとすると千葉県の店舗です。我々は千葉県の会社ですので、千葉県には従前の銚子丸の成長を支えてきた店舗が多いのですが、1店舗1店舗の生産性はまだまだアップの余地があるということで、各店の生産性アップを主眼に手を入れていく予定です。

東京都と神奈川県については、なお一層よい数字が残せるようにがんばっていきます。

既存店売上高 前期比

次ページ以降は、既存店の売上高、客数、客単価についてのご説明です。スライドの青い線グラフをご覧になってわかるとおり、第3四半期までは堅調に進んできました。また、前年の落ち幅の大きい第4四半期については、当然のように客数・売上ともに大きく跳ねている状況です。客単価は、それを逆転したかたちで推移している現状です。

大きく違う点としてコメントをするならば、テイクアウト・デリバリーの比率がかなり大きくなることにより、客数と客単価から、この年は特徴的であったと考えています。いずれにしても、第4四半期において、前年はとても悪いことが象徴的なグラフになっています。

営業利益の変動

続いて、営業利益の変動についてご説明します。先ほどお伝えしたとおりになりますが、新店の売上は微増となっています。既存店の売上については、大きく下がった中でも、売上原価の減少、広告宣伝費・販促費の減少、水道光熱費、地代家賃、そしてその他の経費が減少しており、営業利益は6億300万円となりました。

売上原価と主要な販管費(通期)

損益表をご覧ください。スライド中央の右側あたりに記載している2021年5月期について、売上高は177億9,400万円となりました。今期終わりの4月・5月が少し振るわなかったため、前年比で98.4パーセントとなりました。

販管費及び一般管理費をご覧ください。販管費及び一般管理費は前年比で94パーセントとなり、コストを削り、最後の営業利益を出したかたちになります。

スライドの一番左側の数字を見ていただくと、まだ前々年の2019年には追いついていない状況です。我々も厳しい状況を認識しながら進めていこうと決意を新たにしている次第です。

売上原価と主要な販管費(1Q-3Q)

スライドの15ページは、第3四半期までの売上原価と主要な販管費に関する数字です。一言で説明しますと、「ここまでは、だいたいがんばれた」と言えます。

売上原価と主要な販管費(4Q)

スライドに記載の第4四半期については、第4四半期で売上高を落としたことが表れています。結果はご覧のとおりであるため、説明は省かせていただこうと思いますが、確かに第3四半期までは堅調でした。第4四半期において、前々年比で83.6パーセントという売上を出してしまいましたので、少し悪い数字になりました。

貸借対照表の状況

貸借対照表についてご説明しますと、借り入れた40億円のうち、30億円の借入分がまだ返済前であるため、この現金及び預金の中に入っているということになります。

また、それでも何億円かは多いのではというお話が出てくるかと思いますが、これは2020年5月期に売上を相当落としている関係で、2020年5月期が低い数字となりました。2021年5月期は、5月15日が土曜日であったことにより、期ズレを起こしている部分がありますので、少し多く見えている状況です。

そのため、資産の部で言いますと、売掛金などが増えています。負債の部で言いますと、未払金などの数字が乗っている状況です。

キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの状況はご覧のとおりです。営業キャッシュ・フローはプラスになりました。投資キャッシュ・フローは若干のマイナスです。財務キャッシュ・フローについては、先ほどお伝えしたとおり借入金が残っているところで、現金及び現金同等物についてはご覧の数字になっています。

2022年5月期 通期業績見通し

最後に、通期の業績見通しです。少しご説明が必要かと思いますが、公表している2021年5月期の売上高は、スライドの中央に赤色で記載している177億9,400万円です。今期の予想として公表しているものは、スライド右上の179億5,300万円です。

こちらは新収益認識基準が適用されています。従前は従業員割引を含めたクーポンや割引の分を経費で落として、売上はそのまま立てていましたが、今期以降は売上からマイナスして計上するかたちに変わるため、このような発表の仕方になっています。

スライド中央の数字をご覧ください。今期に目指している数字は、従前の考え方では売上高184億300万円を予想して動いており、3.4パーセントのプラスで考えています。ですので、3パーセント強の上乗せ目標で進めていくところです。

「営業利益は減ってしまうじゃないか」ということになると思いますが、一時的に交渉して下げていただいた家賃や種々の経費が戻ってくる部分もあり、営業利益については若干のマイナスになります。

経常利益、当期純利益についてはご覧のとおりの数字です。当期純利益については若干のマイナスですが、3億6,200万円を予定しています。

この前提としては、スライド下部に記載のとおり、「すし銚子丸」の成功モデルとしての出店を3店舗、テイクアウト専門店としての出店を7店舗予定しています。テイクアウト専門店は7店舗出して、「都合10店舗にはしてみたい」と考えて進めているところです。

既存店の改装は、大規模改装を5店舗で予定しています。生産性の向上を目指した機械化等がまだできていないお店については、そちらも計画的に実施していきます。

既存店の前年比は103.7パーセントで考えています。「従前よりも随分上乗せしたじゃないか」と思われるかもしれませんが、そのようなことではありません。前々年が悪かった分、しっかりと取っていける数字ということで103.7パーセントを予想しています。こちらの数字を目指して1年間がんばっていきますので、どうぞよろしくお願いします。

2022年5月期業績達成に向けて

今期の見通し、方策等についてご説明します。縷縷お伝えしたとおり、緊急事態宣言等の影響により期末に近いふた月に大変厳しい営業を強いられてきました。リベンジを期しての今期の施策についてご説明します。

実は社内では今期と来期の2年を勝負の年と位置付けています。なぜこの2年が勝負の年なのかをお話しします。特に、原価率の低減に関しては、本部のみならず、店舗での努力の賜物と思っています。

人件費においても、労働時間の管理が板についてきており、この1年間で店は少なからず利益体質になりました。その努力は店舗の劇団員の実力となり身についたと考えています。何をすれば利益が出せるかをつかんだ者も多いと思います。

会社としても、新しい売り方である、テイクアウト専門店を出店しました。また、既存店の大規模な改装に加えて、セミセルフレジやオーダー端末、デジタルサイネージの設置など、お客さまの利便性の向上や省人化、効率化に向けた投資を積極的に行いました。

つまり、今期以降で戦う体制が整ってきた状況です。戦う体制が整い、働く劇団員の実力が磨かれたため、少し言葉が過ぎるかもしれませんが、現在の銚子丸は、コロナ禍の前より格段に強くなったと言えるのではないかと思います。

さらに、この夏以降については、ワクチン接種が進むことによりイートインも戻ってくる上に、テイクアウトでつかんだお客さまもリピートしていきますので、繁忙期では大きな波がくると見ています。

アフター・コロナ時代を見据えた店舗拡大戦略 ‐ I

アフター・コロナ時代を見据えた店舗拡大戦略についてです。大波を迎えうつための戦略として、まずはテイクアウト専門店の出店を7店舗まで拡大する予定です。

アフター・コロナ時代を見据えた店舗拡大戦略 ‐ II

すし銚子丸成功モデルの出店攻勢として、通期3店舗の新規出店を計画しています。

アフター・コロナ時代を見据えた店舗拡大戦略 ‐ III

既存店については、通期5店舗の大規模改装を予定しています。また、専門業者によって可能な地域であれば、デリバリーもセットで進めたいと思います。そのほか、昨年に開始した、銚子丸アプリのブラッシュアップにも手をつけ、お客さまの利便性の向上を図りつつ、新規顧客の開拓を進めていきたいと考えています。

ウィズ・コロナ時代に対応した新しいサービスの拡充 ‐ I

売上の向上のために、プラスオンとなるサービスについてです。今期以降において、出張回転寿司を復活させ、ECサイトの活性化を進めていきたいと考えています。

コロナ禍により、出張回転寿司は休業状態でしたが、高齢者のワクチン接種が進むにつれて、介護施設さまからのご注文が増えてきました。

また、ご家族や職場での小規模な集まりにおいて、利用いただく機会も増えてきました。大人数での集まりやパーティーなど、今まで我慢を強いられてきたような需要が解き放たれてくるのではないかと思っているため、今後は期待できると考えている次第です。

ウィズ・コロナ時代に対応した新しいサービスの拡充 ‐ II

ECサイトの運営に関しては、もう少し時間がかかる見込みですが、専門家の招聘や専門部署の立上げなど、大きく伸ばせる体制をつくり、ECサイト強化による市場拡大を目指していきたいと思います。

ウィズ・コロナ時代の銚子丸劇場の深化 ‐ I

そうは言いましても、当面の稼ぎは既存業態の収益になりますので、既存店の磨き直しが最大のポイントとなります。なぜなら、コロナ禍により、食の市場は大きく変化し始めているからです。冷凍食品の進化に加えて、便利な調味料の出現や、調理家電の進歩もあいまって、ものすごい勢いで自炊が増えました。

この状況はコロナ禍の後も定着すると言われており、自炊が増えると外食が減ると見込まれています。中食も含め、家での食事が増えて外食が減るということです。また、外食に対する消費者の心理や行動にも変化が表れてきており、外食の目的はぐっと絞られています。

家庭では作れないものやそこに行かないと味わえないもの、また、その時、その場ならではの雰囲気や店員とのふれあいなど、体験としての外食に絞られてくるのではないかと感じています。

このような土俵において各社が戦っていく中で、勝ち残るためには、お客さまの期待値を超える商品・サービスを提供すること、そして、ご来店からお食事をしてお帰りになるまでの時間的価値を豊かなものにするなど、まさに良質な外食体験の提供が求められると考えています。

従前から私たちの「真心を提供し、お客様の感謝と喜びをいただく」という経営理念の実行方法として、良質な外食体験の提供を掲げていました。しかし、このコロナ禍で拍車がかかり、日々の営業をより一層アップグレードしなければお客さまの支持を得られない状況になってきたと考えています。

本来、我々外食企業の存在価値とは、外食体験によってお客さまが「生活の豊かさ」「幸福感」を感じることにあります。「今日来てよかった!」「明日もがんばろう!」と明るく前向きになっていただくことが私たちの社会貢献であり、社会的な役割だと思っています。

お客さまが「ありがとう」と言ってくれたり、本当に喜んでお帰りになる姿を見て役立てたことを実感でき、劇団員もうれしくなるというのが、外食企業で働く者のやりがいです。

銚子丸の強みは、職人の握るおいしいお寿司と銚子丸劇場です。それを外さずに磨きをかけ、「食材頼みのおいしい」にとどまらず、職人や職人からきちんと教わった方たちが握ることを重視しています。

銚子丸劇場といっても、このコロナ禍では感染しない・させない営業のために大声が出せないなど、さまざまな制約を守らざるを得ません。しかし、マスクに隠れることのない歓迎感を表現し、お客さまに全力で理念を売ることをなんとしてでも実行していきたいと考えています。

良質な外食体験とは、銚子丸の経営理念を実現するための実行方法としての位置付けです。つまり、理念を実現するために、安全安心でコストパフォーマンスの高い商品や家族的なサービスが溢れるよい雰囲気、また、清掃の行き届いた清潔な空間を提供し、今までより一段階上のレベルでこれらを実行できるように、あらためて教育訓練を徹底します。

ウィズ・コロナ時代の銚子丸劇場の深化 ‐ II

従前の研修指導課を新設のおもてなし部の中に入れ、もう一度お客さま目線で接客や作業、オペレーションを見直すこととしました。部長には常務取締役を充て、強力に推進していきます。

また、従来の教育ツール「立志塾」に加えて、双方向のやりとりができる新たな教育ツールの導入なども検討しており、単に「教えた」「教わった」ということから、「励行できているか」の確認まで行えるようになると考えています。

加えて、ウィズ・コロナ、アフター・コロナ時代の店舗拡大戦略確立の足がかりとして、デジタルトランスフォーメーションの推進に向けた社内プロジェクトを立ち上げ、各店並びに全社の利益体質の強化を図っていきます。

このコロナ禍でお客さまの心は冷え切っています。我々は良質な外食体験を提供することで、お客さまの心を少しでも温めて差し上げられたらと思っています。そのためには、真の付加価値を提供することが必要だと思います。

うまく言えませんが、真の付加価値とは、「おいしい」「楽しい」「うれしい」などの一段上にある「満足感」のことだと考えます。これを感じてもらうことが銚子丸の経営理念の目的だと思っています。

みなさまに向けたご説明としては多少青臭いと思われるかもしれませんが、今こそ創業の精神に立ち返り、「お客様の感謝と喜びをいただく」という営業を貫きたいと考えています。

このコロナ禍にあって、お客さまは待ちに待って事前期待高く銚子丸にやって来ます。その期待を裏切ることなく、しっかりと良質な外食体験を提供できるよう、教育訓練に全力を傾注し、ワクチン接種後のビッグウェーブが来るならば、その波に乗って倍速で前進しなければならない時と考えている次第です。

どうか応援していただきたいと存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。

質疑応答:出店の見通しとデジタルサイネージの活用について

質問1:出店の長期的なスタンスやペースについて教えてください。今期についても、イートインの回復が見えてきた場合は上積みの余地があると見てよいのでしょうか?

また、デジタルサイネージの活用について、もう少し詳しく教えてください。効果のある活用方法や使い方、課題についてどのように感じていらっしゃいますか?

石田:出店の長期的なスタンスについては、私の説明の中でいつもお話ししていますが、どうしても堅実なペースになっていきます。しかし、今期・来期についてはできるだけ出店の投資を行い、ワクチン接種後の大きな波をしっかりと掴んでいくつもりでいます。

今日お伝えした成功モデルでの3店舗、テイクアウト店の7店舗、改装5店舗は、この2年くらい(2022年5月期、2023年5月期それぞれ)の数字です。それ以後は状況を見ながらですが、成功モデルで2店舗、加えてテイクアウト店も継続的に複数店舗を出していけるペースかと思っています。

イートインの回復が見えてきた場合については、もちろん状況によるのですが、イートインが増えてテイクアウトが若干減りぎみになる傾向は、当然バランスとしてあるわけです。しかし、それでもテイクアウトをモバイルなどでご予約される新しいお客さまは必ず付いているため、そのような意味では、若干ではありますが上乗せになると考えています。

デジタルサイネージの活用については、まだ広告宣伝としてのソースをなかなか送り込めていないのが現状です。

現状としては、ホワイトボードに書いていたおすすめを、しっかりときれいな状態でお客さまにお知らせすることと、定番で扱っているサーモンや、新しい取り組みの富山の白えびなどの特徴的なソースがあった場合に、きちんとお知らせするということで動いています。

この後はデジタルサイネージを使って、我々の取り組みなどを予告的に告知できる状況も作っていければ、みなさまがご覧になり、なおおもしろいものになっていくと考えています。

質疑応答:良質な外食体験の訴求について

質問2:良質な外食体験の訴求について、銚子丸を知らない人にどのような手段でアピールしようとお考えでしょうか?

石田:あまり具体的でない部分もあるかと思いますが、銚子丸をご存じない方に対してアピールしていく方法は、今まであまり勉強していませんでした。

今回、先ほどの説明にはありませんでしたが、従前の販促のチームを「お客さま創造課」という顧客創造の責任を持つ課に変えました。従前のチラシ・紙媒体の一本槍から、SNSなどのデジタルツールを使って、お客さまと双方向で対話しながらお知らせができるようなことを専門にさせようと考えています。

女性部署と考えており、マネージャーは女性を任命しました。デジタルツールを使って、まだ銚子丸にお見えになっていないお客さまにしっかりと銚子丸を認知していただける工夫を、これから進めていこうと考えています。