2022年2月期第1四半期決算説明会

古川保典氏:代表取締役社長の古川でございます。本日はお忙しい中、当社の2022年2月期第1四半期決算説明会にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。

本日は、昨日に適時開示しました、2022年2月期第1四半期決算補足説明資料に基づいてご説明します。どうぞよろしくお願いします。

説明の流れになりますが、最初に2022年2月期第1四半期の決算についてご説明します。 そして、今期のトピックス、第1四半期の財政状態、経営成績についてご説明し、次に事業別説明、今期計画に対する進捗をご説明させていただければと思います。

業績推移

第1四半期の業績推移についてご説明します。第1四半期は、売上、利益ともに順調な推移となりました。売上高は11億5,400万円となり、通期業績予想対比で27.0パーセントの進捗となります。

また、営業利益は1億2,200万円となり、通期業績予想対比で29.3パーセントの進捗となります。経常利益については、1億2,900万円となりました。これは、通期業績予想対比で30.9パーセントの進捗となります。

事業別売上構成

続いて、事業別売上構成についてご説明します。半導体事業の売上が一番大きく、全体の48パーセントを占めています。次に、ヘルスケア事業が36パーセント、光計測・新領域事業が16パーセントとなっています。

貸借対照表

このスライドは、貸借対照表についてです。2021年2月期期末と2022年2月期第1四半期の総資産を比較しますと、21億4,100万円の増加となっていますが、これは主に、IPOに伴う公募増資などにより現金及び預金が増加しました。あわせて、純資産も増加しています。

今期のこれまでのトピックス

このスライドでは、今期のこれまでのトピックスについてまとめました。4月5日に、東京証券取引所マザーズに上場しました。また、4月12日に第21期2月期決算発表を行い、5月28日に第21回定時株主総会を開催しました。

6月に入りますと、プレスリリースを3件出しました。6月18日に、半導体材料であるGaN薄膜成長用に適した新材料単結晶基板「SAM」のサンプル出荷開始について、プレスリリースを出しました。

6月24日には、業務提携先であるデンマークのNKT Photonics社と共同開発したフェムト秒レーザ「OneFive ORIGAMI 03XP-3P」の国内販売開始について、プレスリリースを出しました。

7月2日には、経済産業省によるサプライチェーン対策のための補助金採択について、プレスリリースを出しました。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、昨年は中止となったOPIE’21という展示会に、6月30日から7月2日にかけて出展しました。

展示会:OPIEʼ21

展示会についてご説明します。OPIEは、光関連の専門展示会として国内最大級の規模を誇ります。欧米のパビリオン出展やアジアの新興メーカーの出展もあり、国際的な価値を高めている展示会です。

今年も開催が3日間の中、来場者は7,000人を超えました。当社は2006年より毎年出展しており、当社としても、製品のプロモーションや最新技術の動向調査の場として重要なものと位置づけています。

今回は、新製品である「SAM」のサンプルやフェムト秒レーザ「OneFive ORIGAMI 03XP-3P」のプロモーションを行いました。また、当社の社員は技術セミナーの講演も行いました。

サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金 採択

7月2日にプレスリリースを出しました、「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」の採択についてご説明します。

こちらは経済産業省の補助事業です。生産拠点の集中度が高い重要な製品について、サプライチェーンの強靭化を図ることで、サプライチェーン途絶のリスクを回避することが本事業の目的です。

サプライチェーンを強靭化する方法として、「国内生産拠点等の整備を進めることにより、製品の円滑な供給を確保する」ことなどが挙げられています。 当社の製品である紫外線レーザの部品の一部は、主に海外より輸入しており、供給が途絶えますと、紫外線レーザの生産に支障をきたす恐れがあります。また、この紫外線レーザは、世界の半導体製造工場では欠かせない存在です。ですので、当社製品の供給に影響が出ますと、半導体の製造そのものに影響が出る可能性があります。

補助金では、対象経費の3分の2が補助されます。これは、山梨における第4工場新設費用の一部にあたる、約7億3,000万円分を申請しています。

第1四半期の財政状態、経営成績について

続いて、第1四半期における全社的な財政状態と経営成績についてご説明します。第1四半期における世界経済は、先進国の一部を中心に新型コロナウイルスワクチン接種の進展に伴う経済活動の再開により景況感が改善する一方で、新型コロナウイルス感染症の新たな変異株による感染拡大が、景気回復への減速要因となるという懸念も浮上しています。

これに対する日本経済は、新型コロナウイルスワクチン接種の遅れから、景気回復への出遅れが鮮明になっています。加えて、東京オリンピック開催による人流増加が新型コロナウイルス感染症の再拡大を招き、ひいては経済活動に悪影響を及ぼす懸念も囁かれています。

このような状況の中、当社の当第1四半期においては、新型コロナウイルス感染症による影響は軽微であり、売上は概ね順調に推移しました。

製品の市場別では、光計測・新領域事業においては、一部製品で納品の延伸が発生したものの、概ね堅調に推移しました。半導体事業においては、単結晶とレーザ装置がともに前事業年度後半に引き続き好調を持続しました。

ヘルスケア事業においても、PET装置向けのシンチレータ単結晶の売上が、前事業年度後半の水準を維持しました。

事業別説明【光計測・新領域】

ここから先は、事業別のご説明となります。まずは、光計測・新領域事業についてです。はじめに、売上高および業界動向です。光計測・新領域事業の第1四半期における売上高は、1億8,000万円となりました。これは、通期予想に対して、34.4パーセントの進捗となります。基礎研究用途、結晶やデバイスへの新型コロナウイルス感染症拡大の影響は限定的です。

当社は、研究開発活動のパイプラインとして、15ほどのテーマに取り組んでいます。そのうち、GaN基板用単結晶のサンプル出荷については、6月18日に適時開示しました。また、MicroLED(フェムト秒レーザ)の国内販売開始について、6月24日に適時開示しました。

それぞれの詳細については、次のスライド以降でご説明します。

事業別説明【光計測・新領域】‒ SAMサンプル出荷 ‒

「SAM」は、半導体材料であるGaN薄膜単結晶(以下、GaN)の成長に適した単結晶基板です。「SAM」をGaN成長の基板として使うことで、完全性の高い膜を構成することが原理的に可能となり、高性能なGaNデバイスの実現が期待できます。

GaNは、青色発光ダイオードとして普及していますが、最近では可視光レーザやパワーデバイス用の半導体材料としても研究開発が進み、一部で実用化が始まっています。国内外の複数の機関へサンプル出荷をしています。

事業別説明【光計測・新領域】‒ UVフェムト秒レーザ出荷 ‒

続いて、2021年6月24日に適時開示した、フェムト秒レーザについてご説明します。こちらの製品は、弊社とデンマークのNKT Photonics社との業務提携による、超短パルスUVレーザ開発の製品化第一弾となります。

このレーザは、NKT Photonics社製の赤外フェムト秒レーザ「ORIGAMI」と、当社製の「高信頼性波長変換モジュール」を搭載した、紫外フェムト秒レーザです。

1030nmの赤外光、515nmの可視光、343nmの紫外光の3波長の光を、同じレーザヘッドから出力できます。また、PC制御でこれらの波長選択が可能であることを特徴としています。

有機ELやMicroLEDなどのディスプレイ製造プロセスや、電子デバイス用フレキシブルプリント基板加工、医療用のステントなどのデバイス製造といった、さまざまな分野での微細加工用レーザとしての応用が期待されています。

事業別説明【半導体】‒ 業界動向 ‒

次に、半導体事業についてご説明します。近年、半導体は、5G、ビックデータ、AI、IoT、自動運転、ロボティクス、スマートシティ、DXなど、デジタル社会を支える重要基盤であり、安全保障にも直結する非活的な重要な戦略技術として、各国が生産基盤を囲い込む産業政策を展開しています。

このような中で、コロナ禍により需要が増加している電子デバイスや通信、車載などの幅広い用途や、製品向けの半導体の供給不足が発生しています。この半導体需要の増加に対応するため、半導体メーカーのintel、tsmc、SAMSUNGが半導体工場の新設を表明しています。世界各国で、半導体メーカーによる量産工場の建設計画や着工が進んでおり、2021年から2022年にかけて、そのファブの数は29に上ります。

半導体量産工場の新設に伴い、半導体製造装置需要そのものの成長も期待されています。国際半導体製造装置材料協会(SEMI)の2021年6月2日の発表によると、半導体製造装置の2021年第1四半期の販売額は236億ドルとなり、前期比で21パーセント増、前年同期比で51パーセント増と、大幅な伸長となっています。

事業別説明【半導体】

このような業界動向において、当社の半導体事業の第1四半期売上は、5億5,400万円と堅調に推移しました。通期業績予想に対しては23.9パーセントの進捗ですが、第1四半期売上予算に対しては20パーセント超となっています。先ほどご説明した業界動向のとおり、当社の半導体事業も強含みとなっています。

事業別説明【ヘルスケア】

続いて、ヘルスケア事業の業界動向についてご説明します。PET検査装置市場は、2020年は16億3,500万ドル、2025年は20億6,300万ドルと、年平均成長率4.8パーセントの伸びが予想されています。

当社ヘルスケア事業においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、前期上半期は需要減となりましたが、その後、前期の下半期より需要が回復しています。今期第1四半期も、引き続き高需要が継続しています。

ヘルスケア事業の第1四半期における売上高は、4億1,800万円と順調に推移しています。これは通期予想に対して、29.1パーセントの進捗です。第1四半期売上予算に対しては、約35パーセント超で強含みとなっています。

事業別説明【ヘルスケア】今後の展望(頭部専用PETの動向)

アルツハイマー型認知症の新たな治療薬が米国で承認されたことから、その診断に特化した頭部専用PETの本格的な需要の拡大状況を注視しつつ、具体的な対応を検討していきたいと考えています。

アルツハイマー型認知症の患者数は、2020年時点で先進国で2,200万人、新興国で3,200万人と、年々増加しています。

頭部PET検査は、アルツハイマー型認知症の原因物質であるアミロイドβを精度よく検出する検査方法の1つとして、着目されています。

以上が事業別説明です。ここから先は、今期予算に対する進捗についてご報告します。

今期計画に対する進捗【人員】

人員計画に対する進捗をご報告します。採用計画に関しては、順調に推移しています。半導体事業およびヘルスケア事業における増産に対応するため、人員の増加を図っています。今期は30名の増員を計画していますが、4月に入社した7人の新卒採用を含めて、第1四半期で20人増員しました。

今期計画に対する進捗【研究開発費】

続いて、研究開発費についてご報告します。今期第1四半期において、1億100万円の研究開発費を投入しました。これは、通期計画の38.3パーセントに当たります。概ね計画どおりに進捗しています。

今期計画に対する進捗【設備投資】

最後に、設備投資についてご報告します。今期第1四半期において、1億4,100万円の設備投資を投入しました。これは、通期計画の7.8パーセントに当たります。

2022年2月期の投入は第3四半期以降に本格化する予定で、現在計画どおり準備を進めており、概ね計画どおりに進捗しています。

私からのご説明は以上です。