2021年2月期決算説明会

平松正嗣氏:株式会社平和堂、代表取締役社長、平松正嗣でございます。本日は、2020年度(2021年2月期)の決算についてご説明を申し上げます。まだまだコロナウイルスが拡大しています。そのため、今回このようなかたちで決算の説明をさせていただきますこと、ご容赦いただきたく存じます。よろしくお願いいたします。

それでは概況の説明をいたします。本日の内容は、業績結果の総括、連結、単体。そして、2021年度の見込み。さらに経営ビジョンと経営方針、配当方針というかたちで説明をさせていただきます。また、資料後半に補足の資料がございます。また後ほどご覧いただければ幸いに存じます。

決算総括

決算の総括です。連結、増収増益。営業収益と当期純利益につきましては、過去最高でございました。単体につきましては増収増益。営業収益・営業利益・経常利益・当期純利益、過去最高でございました。

連結経営成績 2021年2月期(年間)

それでは、業績結果の詳細をご説明申し上げます。まず、連結の経営成績(年間)。先ほど申し上げました増収増益ですが、増収はコロナ禍の影響を受けまして、中国百貨店事業、及び国内飲食事業、あるいは国内の衣料品の小売事業、非常に厳しい状況でございましたが、一方で「巣ごもり消費」により、食品・日用品中心に小売業が伸長しました。その結果、増収となってございます。

また、増益につきましては、単体売上高好調による粗利率・粗利高が増加しました。それと、グループ全体の経費の見直し。その結果、増益となってございます。営業収益4,393億円、前期比101.3パーセント。営業利益140億円、前期比134.2パーセント。経常利益150億円、前期比132.3パーセント。親会社株主に帰属する当期純利益97億2,400万円、前期比159.4パーセントという結果でございます。

連結業績概況 2021年2月期 四半期推移

連結の四半期ごとの流れでございますが、第1四半期は営業収益から利益各項目すべて、前期を大きく下回ってございます。第2四半期・第3四半期・第4四半期の流れの中では、増収及び前期を上回る利益という流れになってございます。

第1四半期が前期を下回った大きな理由、1つは中国の百貨店事業の影響でございます。中国は、会計期間が1月から12月になってございます。つまり、1月・2月・3月が中国の第1四半期になりますけれども、1月から中国でコロナウイルス拡大が報じられるようになり、私ども湖南省長沙・株洲にあります4店舗においては、1月29日から1ヶ月、2月の終わりまで営業を止めるかたちになりました。食品は営業を続けましたけれども、1ヶ月間の営業を止めたということです。

それから、国内においては国内飲食業、国内は2月21日からですから3月・4月・5月の第1四半期、最初の3月の部分から影響を受けましたけれども、4月8日以降の自粛ということで、一気に国内飲食業が数字を落としました。その結果、第1四半期については先ほど申し上げました、前期比すべて、営業収益から利益段階まで未達という結果になってございます。

それ以降、第2四半期以降は、それぞれ十分な売上あるいは利益という流れではないものの、実際の動きとしては回復基調ということもございましたので、結果としては、第2四半期・第3四半期・第4四半期含めて営業収益は前期比を超え、利益的にも超えた。このような流れになってございます。

連結設備投資状況

この間の設備投資につきましては、1つ、まず連結子会社。前期比でマイナス85億円と、大きなマイナスがあります。それと、単体の「その他」の「その他」の項目がマイナス21億円。この2つにつきましては、その前の年、平和堂の「久御山食品センター」の立上げと、富山「ファボーレ」の増床。この2つの大きな投資の翌年ということで、大きく下がってございます。

それから単体「既存店舗」の「改装」のところがマイナス10億円という数字ですけれども、これにつきましては、コロナの自粛という流れの中で、昨年5月以降の改装をいったん止めました。その止めた部分については9月以降、下期に延期したわけですけれども、ただ単純に足されたわけではなくて、実際にはズレていきましたので、結果として10億円のマイナスというかたちになります。

そして、新店についてはプラス18億円。これは昨年、3店舗展開いたしました。特にその中で、いわゆる多層階総合のお店、「平和堂石山」を展開しました。これは32億円の投資ですので、これが金額的には非常に大きな部分になります。あとITに関しては、いろいろと今進めていますDXのプロジェクトの中で、ITの費用が増えてきた。こういう流れになってございます。

連結投資内容

少し投資内容について。先ほど申し上げました3店舗。「ららぽーと愛知東郷店」は、ららぽーとの中に初めての出店になります。これは食品スーパーとして出店いたしました。「平和堂石山」は、もともと多層階のGMSでしたけれども、あらためて、この地域にとっては衣食住遊すべて含めた店づくりが重要ということで、総合的な店を作りました。「フレンドマート米原駅前店」については、260坪の食品専用のスーパーを作りました。

それと加えて「CoCoRoPlus」、若い女性が主なお客さまですけれども、この化粧品中心のコスメショップにつきまして、平和堂内ではこの10年展開してきていますけれども、外部出店をスタートしている2店目ということで、大阪の南の「ららぽーと和泉」に出店をいたしました。それと関連の子会社の中で、ダイレクトショップの中で始めていました「エニタイムフィットネス」の事業、3店舗の出店をしました。これが投資の内容となります。

連結投資内容 (旧総合スーパー生まれ変わり)

今、「フレンドマート米原駅前店」「平和堂石山」というお店のお話をしましたけれども、少し補足の説明をいたします。もともと平和堂、1957年に設立をされてから、1968年以降、琵琶湖の周りにお店、いわゆる多層階のGMSを展開してまいりました。それから50年ほど経った中で、我々として、お店の周りの商圏状況が大きく変わっていることを含めて、現在の商圏に合わせて、新しいコンセプトのお店に切り替えていってございます。

数年前から始めています。ちょっと早めにやったのは長浜で、これは2014年ですけれども、地元の食品を中心とした部分に加えて、長浜といえば黒壁とか、非常に観光客の方が来られるところですので、お土産専門のエリアを設けたり、というお店を作ってございます。

それから、2018年に近江八幡のお店。これは1972年に建てたお店ですけれども、そこを壊しまして、そこはマンションになりました。すぐ近くに「フレンドマート」、食品スーパーを設けました。「フレンドマート八幡鷹飼店」というお店であります。

それから、2019年には大津の駅前も壊しまして、マンションと、1階のところに「フレンドマート」を設けました。ここについては県庁所在地がありますし、官公庁が非常に多いということを含めまして、乗降客が非常に多いわけですけれども、朝の出勤をされる方の需要を含めて7時開店と、「平和堂」としては非常に早い開店時間。そして、夕方にはちょっと1杯飲んで帰っていただいたらどうだろう、ということで、飲食もOKというお店を作ってございます。

それに加えて、先ほど申し上げました石山のお店は、京阪神のベッドタウンということもあって、マンションが非常に増えています。ということもあって、衣食住遊含めた総合のお店を作って、コミュニティの中心にもしていきたい、というかたちにしてございます。

米原については、商圏が非常に薄いエリアではあります。しかし、地元の方々の食生活というところで260坪の「フレンドマート」を作った。そういうかたちで、商圏に合わせてスクラップ&ビルドをしてきている、という流れでございます。

連結キャッシュフロー

キャッシュフローですけれども、営業キャッシュフローは321億円。先ほど申し上げました営業結果から、非常に大きな数字になってございます。そのプラスに対して投資の部分としては、先ほどご説明申し上げました、さまざまな投資があります。キャッシュフローとしてはマイナスの118億円です。

加えて、有利子負債については投資のバランス、キャッシュのバランスの中で、今回、減らしていますので、その分で大きくマイナスになっている。こういう構造で現状の期末残高となります。1つだけ、キャッシュフローの中でプラスの部分ですけれども、持っていた株式を1つ売ってございますので、その分で約6億円ほど。残りの10億円ほどは、保証金と敷金を含めた戻りが、若干のプラスとして入っています。

連結フリーキャッシュフローの推移

これを流れで表しますグラフにしてみました。2011年からのグラフで見ていただきましたらわかりますように、流れとしては基本的には、投資は営業キャッシュフローの範囲内で進めてきていますので、フリーキャッシュフローということでいくと、プラスに振れて流れていました。

前々期(2020年2月期)のタイミングにおいて、いったんマイナスにいきましたのは、先ほどお話ししました「久御山食品センター」、そして富山の「ファボーレ」の大型投資の影響で、ここではいったんマイナスになりました。しかし昨年度は先ほど申し上げたかたちで、またプラスになってございます。

連結経営指標

経営指標としては、利益関係の項目については、営業利益高そのものも上がりましたし、経常利益高も上がっていますので、トータル的に、その結果として数字は上がってございます。資本周りについては、先ほど申し上げた流れの中で利益が出てございますので、こちらも増えています。

一番下のネット有利子の負債比率が大きく減っていますけれども、ここについては計算上、有利子負債が減って現金が増えるとなると、その比率が下がるということですので、今回そういう流れがございましたので、大きく数字が減ってございます。

連結 会社別コロナ禍関連費用処理

コロナ関係ということで整理をしてみました。コロナの影響ということで、大きく1つは特別損失と特別利益。この2つで出てきている分があります。それともう1つは、テナントのみなさんの家賃について減額した分がございます。この減額の処理の部分がございます。まず、テナントの賃料減額、約2億円ありますけれども、これについては私どもの営業収益の中、営業収入という項目の中の減というかたちで取り扱ってございます。

特別損失については、各社ここに書いてありますような内容で計上しています。特別利益については、いくつか関連子会社で、今回のコロナの影響を受けたことによる補助金等を受けたところを含めて、特別利益として上がっている部分がございます。このようなかたちで、コロナ関連の費用の処理はすでに進めてございます。

単体経営成績 2021年2月期 (年間)

それでは、単体の業績についてご説明申し上げます。当社の場合、主な部分、単体の影響が非常に大きいわけですけれども、単体については、冒頭に申し上げました増収増益、すべての利益項目が過去最高という結果になりましたのは、1つは、やはり食品・日用品中心の「巣ごもり需要」が非常に大きく伸びた。

衣料のように、例えば卒業式であるとか入学式であるとか、そういったハレの日の衣料、あるいは通常のファッション、外着といったもの、あるいは「旅行に行こう」。こういった部分で需要が減った、あるいは、場合によってはほとんど需要がなくなった部分もございましたけれども、先ほど申し上げた食品・日用品の大幅な増加の結果として、増収になってございます。

もう1つ、販管費の部分でございますけれども、販管費については、1つは販促政策の変更で、もともと販管費についての、ある意味圧縮をかけてきていた部分もありますけれども、加えて、コロナ禍の影響によって広告費が下がった。また、これまで進めてきています生産性の改善で、人件費の抑制ということもありまして、トータル的に販売管理費についても圧縮されたという結果でございます。

その結果が、単体の場合、営業収益3,897億円、前期比104パーセント。営業利益135億円、前期比141.2パーセント。経常利益150億円、前期比138.2パーセント。当期純利益94億8,600万円、前期比115.5パーセント。こういうかたちの結果となってございます。

単体業績概況 2021年2月期 四半期推移

四半期ごとで見ますと、先ほど連結の場合、第1四半期、大きく前期比未達でしたけれども、単体の場合は「巣ごもり需要」の増分が大きかったですから、結果としては第1四半期・第2四半期・第3四半期・第4四半期、すべての四半期において数字としては上がっている。

最後、第4四半期の当期純利益だけ、前期比61.8パーセントとなっていますけれども、これについてはその前の年に1つ、関連のところで、合併することによって利益が発生したところがありましたので、その裏返しというところもありまして、61.8パーセントとなってございます。

単体売上高 増加要因

売上高の中身ですけれども、基本的にそれぞれの事業項目から見まして、先ほど来申し上げています、食品が大きく伸びた。それから、住居関連の中でも「巣ごもり需要」に関連するところ、あるいは、コロナの対応商品といったものについて増えた。一方、衣料については非常に大きくマイナスになりました。その結果、我々としてプラス・マイナス含めて、最終的に先ほど申し上げた数字となってございます。

単体営業利益 増加要因

利益につきましては、売上高が増加したことによって粗利率が増加した。これは非常に大きなプラスでございます。それと粗利率が改善されています。この1つ、大きな部分は、生鮮食料品の廃棄ロスが減ったというところで上がってございます。在庫評価の方法が変更されたというところで、今回マイナスになっていますけれども、それに加えて、ここにありますようなかたちです。

あとは経費面です。人件費が16億3,000万円上がりましたというところが、非常に大きな部分ですけれども、最終的にはこのようなかたちで大幅な増益となりました。

人件費の増加が16億3,000万円となっていますけれども、実際には昨年の上期に、このようなコロナ禍の中でお店を継続するという部分については、従業員の日々の対応の結果であるということですので、上期に特別感謝金として3億6,000万円ほど。それから、期末に同じように特別賞与金として13億円ほど。トータル16億6,000万円ほどの支給をしてございます。その部分が、これに含まれているということでございます。

つまり、それを除くと、通常の運営ということでいくと、人件費については増加していないことになります。

単体 業績概況 2021年2月期 販売管理費

先ほど申し上げました販管費の中身というところで、今、広告宣伝費の部分については1つ、コロナの宣言下においてチラシを中止したというのはありますけれども、実はその前から販促方針の施策を変えていました。チラシの回数であるとか、あるいはタイミングを変えることによって、もともと我々の販促の考え方を変えていこうということで、すでにそこでの抑制は始まっていました。

そこの部分があり、加えて、宣言下の時にチラシを一部中止したというところで、数字が大きく下がっているということになります。先ほど、人件費の話は申し上げたとおりであります。

単体 生産性向上対策

この内容の中で、先ほどの人件費のところを少し補足いたしますけれども、生産性向上対策というところでグラフを描きました。この折れ線グラフ、3本の棒がありますけれども、2018年2月期を100とした時に、毎年、一番下の緑の総労働時間と書いてある部分ですけれども、これがどんどん減っています。今回の部分で93くらいになっていますけれども、ここが下がっている。

一方で、一番上の部分、単価とあります。上のほうに上がっています。106から107くらいまで上がってきていますけれども、その結果、総労働時間と単価から直接人件費の計算が成り立つわけです。見ていただきましたらわかるように、真ん中の線は少し増えて、昨年度の部分では若干100を切った、という流れになっています。

これは生産性の向上ということで、3年前から業務改革を進めています。1つ大きなのは、店舗での30パーセントの作業の低減を今、進めています。また、本部においても、さまざまな業務改革を進めています。これはまだ途中ですけれども、途中経過上も実際の部分としては下がってきているということで、単価は上がりますけれども総人件費ではあまり変わらない、というのが現状になってございます。

2022年2月期 業績予想

これを踏まえまして、連結・単体の内容になりますけれども、新年度スタートしていますが、2022年2月期(2021年度)の計画についてご説明を申し上げます。業績の予想としましては、営業収益として連結4,450億円、前期比101.3パーセント、増収予想をしてございます。営業利益165億円、前期比117.5パーセント、増益を見ています。経常利益177億円、前期比117.6パーセント、これも増益を見込んでいます。そして、純利益については99億円、前期比101.8パーセント。連結については増収増益という予想を組んでございます。単体についても増収増益で計画を組んでございます。

この前提ですけれども、現状、まだまだコロナの影響は続いています。コロナの影響の続きかなということの予測として、一定の経済活動をしながら、何回か波動が上がったり下がったりしていますけれども、これは今年も繰り返されるであろうと。

ワクチンの接種が、いずれにしても上期はなかなか難しい。進み方としてはスローだと思いますし、下期に進んできたとしても、まだまだその影響は続くでしょうという前提の中で、ただ一定の経済活動は進みながら、でもコロナ禍の影響、つまり巣ごもりの需要もあるでしょうというところです。昨年の第3四半期、つまり上期は大きなコロナの影響を受けて、第1四半期は特にそうですが、第2四半期で少し上がってきて、第3四半期はけっこう人の動きはありました。しかし、「巣ごもり需要」という問題もありました。この両方の部分で動いた第3四半期の業績を一応前提として、我々は社内予算を組んでいます。

この前提を踏まえた部分から、今回の最終的な予想というかたちに持ってきてございます。実際にアップダウンの部分は、中身によって、これは先ほどご説明したように、会社によって違いますし、あるいは部門の中で、衣料なんかは昨年ものすごく落ちましたけれども、おそらく上期、今年はもう少し上がるであろうとか。つまり、プラスとマイナスというものを考えていく中での、今回の予想となってございます。

ただ、まだまだコロナ禍の影響が現状の、先ほど申し上げたものよりも悪化しないとは言い切れませんので、そういったものを考慮した部分で、特に国内の、昨年大きな影響を受けた外食事業であるとか、あるいは中国の百貨店という事業については、リスクを加味した内容となってございます。

2022年2月期連結設備投資計画

投資については、大きな部分として新店、計画の分で、前期比で39億円マイナスになっています。これについては、先ほど申し上げました3店舗、新店舗ということで、特に「平和堂石山」の32億円という大きなものが入っていましたけれども、今年度、スタート年度は新店は1店舗ですので、その分が大きく下がっているということです。

改装につきましては、昨年は上期いったん中止をしたというところで、マイナス10億円の影響を受けていましたけれども、今年は改装は進めていくということですので、昨年と比べるとプラス11億円となります。

それともう1つ、IT関係。プラス16億円ということで、大きくプラスになっていますけれども、これについてはさまざまな取り組み、いわゆるDXと言われる部分で言えば、例えばAI発注であるとか、あるいは販促のためのアプリ開発であるとか、そういったものを含めてIT投資が増えています。

連結投資主な内容

投資の部分ですけれども、新店は「フレンドマート草津大路店」、今日、4月2日にオープンとなりますけれども、スタートします。それと前期も1店舗、外部出店いたしました「CoCoRoPlus」につきまして、3店舗目が出店する予定になっています。それと、これも前期にも若干ありましたけれども、「エニタイムフィットネス」。子会社のダイレクトショップが展開していますけれども、今年は6店舗の出店計画ということで、これがお店の投資です。

それに加えてシステムの部分として、先ほど申し上げたAI発注と、こういうHOPマネーの機能拡充であるとか、こういったところへの投資ということになります。

中⻑期ビジョン①

少し、経営ビジョンについてお話をさせていただきたいと思います。3年前、60周年を迎えた時に、平和堂として「100年を目指そう」「100年企業になろう」という方向性を持ちました。その時に、「じゃあ『100年に向けて』ということで、どういう企業になっていくんだ」「やはり、地域になくてはならない存在であるということを、今後もしっかりとそこを目指していこう」と。

実際にはそれは何かというと、「その地域の生活全般に目を向けたかたちでの事業活動であるとか、あるいは、さまざまな地域活動を進めていきましょう」ということで、地域密着のライフスタイル総合企業。「総合」とは、今、「全般」と申し上げた部分でありますし、「創造」とは、やはり生活は未来に向けてですから、新しく、楽しいというか、安心安全な、あるいは、そういった街づくりを含めてつくっていこうではないか、という企業を目指すというふうにしました。

基本的に、この中長期ビジョンの中身としては、経営理念をベースにして、我々としては、人をしっかりと基盤として持って、先ほど申し上げたかたちで、「地域になくてはならない存在になっていくんだ」「そこを実現するんだ」ということを今、目指してございます。

中⻑期ビジョン②

この中長期ビジョンを考えた時に、当然、日本全国で少子高齢化とか、いろんな話があります。しかし重要なことは、我々が成長していくためには、地域が元気であること。この「地域が元気」ってなんだということですけれども、これは地域が活性化している、あるいは地域経済が回っているということが前提です。この部分がなければ、平和堂が成長するのは難しいです。

また、平和堂が成長することで、その地域の元気に貢献することもできる。そういうかたちの動き、活性化を推進していこうじゃないか、ということであります。地域の健康のために、この「地域共創ループ」という言い方を社内でしていますけれども、所得が増え、消費が増え、また活性化されて、雇用が増えという、こういう展開を増やしていこうということであります。

この1つの事例として、昨年スタートしたのですが、地域の課題の中の1つに、後継者不足による生産能力の低下という部分があります。これの一例に、農業があります。農業は、滋賀県にとっては非常に重要な産業ですけれども、ご多分に漏れず、担う人が減ってきているという中で、我々としてはやはり食は重要ですし、滋賀県としての農業の重要性ということから、「新しい、若い就農者の方々が増えるような動きをしたい」ということで、「平和堂ファーム」をスタートさせました。

「平和堂ファーム」の目的は、基本的には今申し上げた、「新しい就農者を増やしたい」というところであります。もちろん加えて、野菜を中心にやりますので、滋賀の野菜の、魅力ある野菜も増やしていきたい。かつ、それを進めていくために就農者を増やすためには、スマート農業であるとか、やはり「参入したい」と思われるような農業を考えていく必要性がある。

ということで、我々自身がその動きをして、それを学んで、その学んだ分を地域の方々と一緒になって進めていきたい。そういう思いで1つ、事例として進めていったということでございます。こういう考え方で、いろんなかたちの動きを進めていきたい。当然、今やっている小売業であるとか飲食業であるとか、今進めている分もすべて生活全般に関わる部分ですから、しっかりとその部分も進めていくということであります。

中⻑期ビジョン 平和堂が実現したい世界

ビジョンを少し言葉で書いてみました。実現したい世界。「人々が暮らしていく中で、その地域が住みやすく、健康的で活気があり、助け合いの精神が息づいている。そのため、高齢者にとっても不自由の少ない、将来を担うお子さまにとっても伸び伸びと育ち、子育て苦労も軽減されるような環境、雰囲気がある。地域の文化を大切にし、環境の保全の意識も高い。それらの状況は、活発な地域交流と心地よい人と人のつながりがもたらす」。こういった世界を実現しようじゃないか、ということであります。

中⻑期ビジョン 平和堂成⻑のターゲット

具体的に動く中で3つ、テーマを今回挙げています。「健康」「子育て」「高齢者」。これは、それぞれ、すでにもちろん我々としても、取り組んでいることはいろいろあります。ただ、今まではそれぞれの部署であるとか、あるいはいろんなイベントであるとか、あるいはいろんな関わり合いの中で個別にやってきていました。

それを、この3つのテーマについては全体の像といいますか、目指すところをもう少しはっきりさせて、いろんな動きを社内外含めて連動・連携させて、動きを大きなかたちにしていきたいということで、3つを進めていきたいということであります。

健康については、「平和堂健康ラボ」ということでまず、「健康ということはどういうことなんだ」と、正確なより正しい知識を我々としては持ちながら、それを踏まえてどういう動きをしようかということで、「平和堂健康ラボ」を立ち上げています。

子育てについては、我々として「らぶきっず」という今、会員の部分がありますけれども、これを全社的な動きとしていこうということであります。

高齢者については、もちろん「健康寿命≒平均寿命」を目指す。これによって生涯元気で生き生きな、そういった取り組みを進めてまいりたいということで、この3つを取り上げてございます。

中⻑期ビジョン 企業行動の基準

それとやはり当然、現時点、企業行動の基準ということでは、サステナビリティは非常に重要であります。これも現状、例えば廃プラスチックの対応、あるいは食品ロスということでは、すでにプロジェクトを組んで進めてきていますけれども、それにとどまらず、もう一度「地域社会の課題は何か」「地球規模の課題は何か」という中で、我々がグループ全体で、あるいは地域のみなさまと取り組んでいくことを、我々としては整理をして、しっかりと進めていきたい。

何事においても基本的な部分としては、「ものを大切にする文化」を進めていきたいと考えています。

中⻑期ビジョン 事業基盤

それともう1つ。事業基盤を支える部分として、やはりDXは重要であると思います。お客さまへの新しいお買い物体験を提供したり、生産性を向上したり、データを利活用したり、あるいは人と人、モノと人をつないでいく。こういったものにDXは非常に重要だと思っています。

配当及び株主還元の考え方

最後に、配当についてお話を申し上げます。今回、先ほど来ご説明しました業績改善を含めまして、2021年2月期の期末の配当としましては、現状の18円を3円増配して21円とする。年間通じて38円とします。ということで、これについては今回の株主総会に承認をいただく予定にしてございます。

以上の内容が、私どもの業績の内容でございます。この後、資料として補足資料、いろいろ入ってございます。内容を確認いただければ幸いに存じます。どうも本日はありがとうございました。