2021年3月期第2四半期決算説明会
荒井透氏:荒井です。よろしくお願いいたします。今年度も、みなさまには大変ご迷惑をおかけいたしており、あらためまして、深くお詫び申し上げます。大変申し訳ありません。
当第3四半期ですが、昨年公表いたしました不適切行為による大きな影響もなく、好調に進捗することができました。この第3四半期の決算を踏まえて、のちほどご説明いたしますが、本日、通期業績を上方修正させていただきました。
今後も、継続した成長を実現するために、企業として正しい行動ができる会社にした上で、事業成長を実現させていく所存です。みなさまにも、引き続きご支援賜りますよう、お願い申し上げます。それでは、竹下より業績等についてご説明いたします。
2021年3月期 第3四半期(10-12月) 業績概要
竹下隆史氏:はい。竹下でございます。どうぞ、よろしくお願いいたします。それではまず、資料3ページの業績サマリーからご説明させていただきます。赤枠が当第3四半期、3ヶ月の結果となります。
新型コロナウイルス感染症の影響による作業遅延があるものの、受注残高を順調に消化したことで、売上高・各利益が前年同期比で増加いたしました。
受注高は、前年同期の大型案件が剥落したことで減少しました。具体的には、第4のキャリアさまで115億円、自治体案件で40億円が剥落しております。
個別の数字をご説明いたします。受注高は428億4,600万円で、前年同期比で21.9パーセント減となりました。売上高は487億2,400万円で、前年同期比で19.8パーセント増となりました。
売上総利益率は27.5パーセントで、前年同期比で0.1パーセントポイント減となりました。販売管理費率は16.9パーセントとなり、前年同期比で1.9パーセントポイント減となりました。
利益面では、営業利益は51億5,400万円、経常利益は39億6,400万円、親会社株主に帰属する当期純利益は27億4,800万円と、それぞれ前年同期比で増加いたしました。
なお、営業外費用として、昨年公表しました不適切行為に関する調査費用として約3億円、新型コロナウイルス感染症対策の支援を目的とした医療機関への寄付金として約10億円を計上しております。
寄付金につきましては、別のページでご説明いたします。受注残高は1,068億8,800万円で、前年同期比で5.4パーセント増となりました。
2021年3月期 第3四半期累計(4-12月) 業績概要
続いて、4ページの第3四半期9ヶ月累計の業績サマリーをご説明させていただきます。赤枠が当期の結果です。新型コロナウイルス感染症の影響があるものの、売上高・各利益が前年同期比で増加いたしました。
ビジネス内容では、GIGAスクール構想を含むスクールシステム・テレワーク拡大・セキュリティ対策・クラウド基盤等が堅調に推移しています。
個別の数字をご説明いたします。受注高は1,445億1,800万円で、前年同期比で3.1パーセント減となりました。売上高は1,311億4,700万円で、前年同期比で6.6パーセント増となりました。
売上総利益率は27.8パーセントで、前年同期比で0.9パーセントポイント増となりました。販売管理費率は18.8パーセントとなり、前年同期比で0.1パーセントポイント減となりました。
利益面では、営業利益は118億1,900万円、経常利益は104億5,100万円、親会社株主に帰属する当期純利益は72億6,100万円と、それぞれ前年同期比で増加いたしました。受注残高は前ページで説明したとおりです。
マーケット別 受注高・売上高・受注残高
続いて、5ページ、マーケット別の受注高・売上高・受注残高について、ご説明させていただきます。紫色はエンタープライズ市場です。新型コロナウイルス感染症対応へのご要望が強く、テレワークの拡大・セキュリティ対策・クラウド基盤が堅調に推移しました。
緑色は通信事業者市場です。サービス基盤や法人事業の支援、テレワークの増加に伴う回線の増強を中心に展開いたしました。
赤色はパブリック市場です。GIGAスクール構想を含むスクールシステム・セキュリティ対策・クラウド基盤ビジネスが好調に推移いたしました。一方で、ヘルスケアは新型コロナウイルス感染症の影響で、低調な推移となっております。
青色はパートナー事業です。受注高はパートナー各社が新型コロナウイルス感染症の影響を受けたことで低調となりました。一方で、売上高は昨年度に受注した第4のキャリア向け案件が9ヶ月間累計で42億円売り上がったこともあり、前年比で増加しております。
商品群別 受注高・売上高・受注残高
次の6ページは、商品群別の受注高・売上高・受注残高です。上から順に、水色が機器、オレンジ色がサービスとなっております。
統合サービス事業が進捗し、サービス商品群の売上高が増加いたしました。機器商品群については、受注高は昨年度の大型案件が剥落したことで減少しました。一方で、売上高は新型コロナウイルス感染症の影響による作業遅延があるものの、受注残高を順調に消化したことで増加いたしました。
セグメント情報
続いて、セグメント情報です。資料の7ページをご覧ください。上段が当期、下段が前期となっております。主に、通信事業者市場とパブリック市場において、セグメント利益が増加いたしました。両市場ともに、売上高の増加および売上総利益率の改善が寄与しております。
連結貸借対照表
続いてB/Sです。8ページをご覧ください。前期末との比較表を記載しております。なお、当第2四半期末と比較いたしますと、受注残高を第3四半期・第4四半期で売り上げていく中で、売掛金と棚卸資産が増加しています。現預金はこれに加えて賞与の支払いもあり、いったん減少しております。
為替レート等
続いて、9ページをご覧ください。為替レートについて、当四半期累計の平均レートは106.58円でした。1株あたり当期利益は85.70円となりました。連結の従業員数は98名増加の、2,547名となりました。
全国の医療機関への寄付について
続いて、10ページをご覧ください。第2四半期に、新型コロナウイルス感染症対策の支援に向けて、約5億円を医療機関へ寄付する旨をご説明いたしました。
第3四半期では、新たに約10億円を寄付いたしました。内容は、東京都医師会さまを通じて、指定二次救急医療機関84施設に向けたもので、検査機器等に利用されます。今年度は総額15億円としており、第4四半期は約2,600万円にて完了の予定です。
2021年3月期 通期業績の見通し(2021年1月28日修正)
続いて、12ページをご覧ください。通期業績の見通しにつきまして、本日上方修正させていただきました。
受注高は期初計画どおりの2,050億円、売上高は期初計画比で80億円増の1,980億円。売上総利益率は1パーセントポイント増の27.3パーセント、販売管理費率は0.3パーセントポイント増の17.7パーセント。
営業利益は20億円増の190億円、経常利益は5億円増の175億円、こちらは冒頭に申し上げました、営業外費用が影響しております。親会社株主に帰属する当期純利益は5億円増の120億円を見込んでおります。
2021年3月期 通期業績の見通し:マーケット別(2021年1月28日修正)
続いて、13ページをご覧ください。マーケット別の通期業績の見通しです。修正した通期計画および、それに対する第3四半期累計の進捗率を記載いたしました。括弧内の数字は、期初計画と比べた際の増減額となります。
GIGAスクールで好調なパブリック市場は、受注高・売上高ともに、期初計画比で大きく増加すると見込んでおります。エンタープライズ市場は、受注高は期初計画どおりの進捗を見込んでおりますが、売上高では期初計画比で微減となる見込みです。
通信事業者市場とパートナー事業は、受注高・売上高ともに期初計画比で減少を見込んでおります。なお、売上高においては注釈で記載しておりますが、その他の区分も期初計画比でプラス10億円となっております。
緊急事態宣言を受けた、当社の事業活動の状況
続いて、14ページをご覧ください。今月、緊急事態宣言が発出されました。この環境下における当社の事業活動の状況をご説明いたします。まず、今年度の当社の状況ですが、テレワーク勤務を原則とする新しい働き方に移行しており、第2四半期では平均で約70パーセント以上の社員がテレワークで業務を遂行しております。
今回の緊急事態宣言の発令以降は約85パーセントと、このテレワーク率がさらに上昇しておりますが、提案活動や構築活動、そして保守・運用サービスは極力リモートで実施することができております。
このような取り組みによって、受注・売上ともに順調に進捗しております。テレワークを含めた働き方改革は、来年度以降もお客さまからご要望いただくテーマだと捉えており、継続して当社が実践した知見もお客さまへお届けすることで、付加価値をさらに高めていきたいと考えております。
「納品実体のない取引」における再発防止策の進捗状況 - 1
続きまして、16ページをご覧ください。従前より取り組みを進めております「納品実体のない取引」における再発防止策の進捗状況をご説明いたします。
各取り組みにつきましては、対応済みのもの、対策実施中のもの、そして運用に入り、モニタリングしているものがわかるように丸印をつけております。大項目のうち、本スライドに記載の営業取引に関する基本方針、およびリスク管理体制の強化はすべて対応済みとなり、現在もモニタリング中です。
「納品実体のない取引」における再発防止策の進捗状況 - 2
続きまして、17ページをご覧ください。大項目の業務統制の強化につきましてはシステムへの実装を完了し、モニタリングを継続しております。この有効性の確認においては、直接取引案件のみ、支払い条件、変更手配、直送禁止、付加価値確認などの月次のモニタリングチェックも継続しております。
また、先般発覚した事案に関しての対策はすでに予備費運用の禁止、それに伴うプロセス変更、原価管理に関してのルール徹底を実行しております。
属人化の防止に向けた人事ローテーションにつきましては、特に顧客の担当期間に応じて、次年度での営業担当者のローテーションを引き続き検討に入っております。
最後の大項目のコンプライアンス活動の見直しにつきましては、すべて対応済みとなり、現在モニタリング中です。ビジョン浸透活動に関しましては、全社員参加型での双方向コミュニケーションを実行しております。以上が進捗状況です。
「ガバナンス・企業文化改革委員会」の活動(2020年12月16日公表)
続いて18ページをご覧ください。昨年12月16日に公表いたしました「ガバナンス・企業文化改革委員会」について、改めてご説明いたします。
当社は、先ほどご説明いたしました再発防止策に現在取り組んでおりますが、不適切な事案が繰り返し発生していることから、当社のガバナンスおよび企業文化などのよりいっそうの改革を目的として、外部有識者で構成される「ガバナンス・企業文化改革委員会」を昨年12月に設置しております。
本委員会の活動ですが、客観的なルートコーズの明確化から、そこからくる原因、対応を4つのスコープでの小委員会にて検証していただいております。
ガバナンスに関する小委員会では、経営としての牽制、管理、統制に関して検証をいただいております。内部統制環境に関する小委員会では、ルートコーズを踏まえた追加の再発防止策、およびディフェンスラインの検証をしていただいております。
内部監査等に関する小委員会では、内部監査に関して監査事項そのものも含めて検証いただいております。
企業文化改革に関する小委員会では、悪しき企業風土の特定とともに、先ほどの3つの小委員会での提言を実際の行動を伴う実効性のあるものとして会社に浸透させ、その浸透度合いを可視化して進める検討をしていただいております。
本年3月19日までに、本委員会からの検証結果、および再発防止策の追加提言等を受領し、公表いたします。この内容を真摯に受け止めるとともに、検討した上で、現在の取り組みに組み込むことで再発防止策のさらなる強化に努めます。
昨年4月から進めております、現在の再発防止策の有効性は確認しておりますが、より強固なガバナンス、内部統制等を行い、一歩一歩信頼の回復に、引き続き取り組んでまいります。私からの説明は以上となります。