通期業績推移

前績行氏:本日はオンライン開催になってしまったのですが、ダイトロン株式会社の決算説明会に参加いただきありがとうございます。本日は昨年の業績と、今年から始まる中期経営計画について、約40分間ご説明したいと思います。よろしくお願いします。

それではさっそくですが、資料をもとにご説明します。昨年度の通期の業績推移です。売上は574億円ということで、残念ながら前年同期比で93.2パーセント、営業利益は約24億円、前年同期比75パーセントで終了しました。

11月に公表した見込みに対しては、若干改善しています。売上では1.1パーセント、営業利益14.4パーセントと少しは改善しているのですが、前年比においては残念ながらマイナスになってしまったという状況です。

商品セグメント 四半期別業績推移

商品別のセグメントについて、少しご説明したいと思います。左が電子部品関係、右側が装置関係です。ご覧のとおり、第2四半期、第3四半期、4月から9月の期間で新型コロナウイルスの影響を非常に大きく受けてしまったという状況です。秋口より受注・売上とも回復をしつつあるという状況です。

通期財政状態、キャッシュ・フローの状況

財政状況です。自己資本比率は42.8パーセントと比較的健全な財務状況を継続しています。キャッシュ・フローの状況は見ていただいたとおりです。

報告セグメント別概況推移

報告セグメント別の状況です。海外事業が大きく影響を受け、前年比売上で70パーセントと30パーセントダウンしてしまったという状況です。

特に海外渡航等の制限で、設備の立上げができない状況が長く続いています。今もなかなか海外渡航できないのですが、そのような影響が非常に大きく出てしまったという状況です。国内においては比較的堅調に推移しているという状況です。

商品セグメント別 通期業績推移

通期の商品別の状況です。左側の電子部品に関しては年度を通じて前年比より少し伸びています。残念ながら製造装置は先ほどもお伝えしたように、特に海外を中心に低迷したという状況でして、前年比でダウンしています。

国内のお客さまにおいても、昨年においては新型コロナウイルスの関係で、設備投資に対しては非常に慎重になっていることが汲み取れます。この結果、電子部品は健闘しましたが、装置関係は非常にダウンしたという状況で昨年度は終わっています。

当社の事業構造

これが当社の事業構造について、一番わかりやすい表です。総利益率はなんとか20パーセントをキープすることができました。前年同期で見ますと0.3パーセントダウンしていますが、1つの目安である20パーセントを確保できたということです。また、海外比率が2019年は27.1パーセントという売上比率だったのですが、昨年は残念ながら20.5パーセントというかたちで終了しました。

2020年の電子機器・電子部品関係は全体の中の比率で73.3パーセントです。これは2019年に比べて大きく伸びていまして、2019年では66.2パーセントという比率が昨年は73.3パーセントと、電子部品関係が非常に好調に推移しました。言い換えれば、装置関係が非常に低迷したということです。これは先ほどからお話ししているように、海外での立上げがスムーズにいかなかったことが要因になっています。

地域別 前年同期比較 売上高

地域別です。国内は前年比でプラスですが、海外事業がやはり厳しい状況で、その中でも、やはりアジアが非常に金額的に大きく落ち込んでいます。

地域別 売上高推移

地域別のグラフです。ちょっとスケールが違うのでわかりにくいかもしれないのですが、日本以外は全て、前年比でダウンしています。その中でも、やはり我々の事業はアジアが占めるところが大きいため、そこでの落ち込みが非常に大きかったということです。

金額面でいけば、特にこのアジアの中の中国関係が非常に大きな影響を受けたということです。その中でも、半導体や部品関係の製造装置が非常に低迷しました。

四半期別 受注高推移 (商品セグメント別)

受注の状況です。先ほどもお伝えしたように、秋口から受注は改善傾向になっています。左が電子部品ですが、ボトムは第2四半期の4月から6月で、それから徐々に回復傾向になってきています。

装置関係も、第4四半期(10月~12月)は、かなりいろいろな引き合いをいただいて、受注につながりました。

電子部品等のお客さまの情報を分析すると、エンド(ユーザー)はやはりアジアの半導体やスマートフォン、自動車に関連した装置といったものが非常に活発に動き出したということで、電子部品等の受注がこの秋口から大きくなってきています。

四半期別 受注残高推移 (商品セグメント別)

受注残です。受注残のレベルは比較的高い状態で推移しています。左が電子部品ですが、このあたりはかなり高い水準で推移し、製造装置関係も比較的高い水準で推移しています。こちらをできるだけ早く立上げし、売上につなげていきたいという状況です。

特に、最近の傾向として出てきているのは、半導体や電子部品関係の納期が非常に厳しく、不足状態にあるということです。お客さまの先行発注(フォーキャスト)にもとづいて、かなり先々の注文までいただくようなかたちになってきています。

そのような面では、実需と受注に少し乖離があるのではないかと思いますので、在庫が増える可能性についても注意してオペレーションしたいと考えています。

通期連結業績予想

今までは昨年の実績です。これから今期の見通しについて、少しお話しします。売上が620億円ということで、前年比で8パーセントアップ。営業利益は26億円ということで、前年比で8.2パーセントアップというかたちで業績の見通しを立てています。

この見通しを作った背景として、上半期はやはり新型コロナウイルスの影響が大きく残ってくるだろうと考えています。下期にはワクチンの普及もあり、徐々に改善していくのではないかと考えていまして、そのような環境を前提とした計画になっています。

商品セグメント別業績推移・予想

商品セグメント別の見通しです。電子部品は引き続き堅調に推移し、装置関係も今年は昨年に比べて少し動けるのではないかと思っています。特に、海外での受注が比較的高い水準になっていますので、海外渡航もある程度可能になり、装置の立上げが昨年よりはスムーズにいくという前提で計画を立てています。

この見通しで、電子部品が72パーセント、装置が28パーセントというような構成で今期は計画しています。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響

当社においても新型コロナウイルスの影響を受け、いろいろな取組みを行っています。ただ、我々の仕事の内容は、商社部門もあればメーカー部門もありますし、地域も国内・海外において、かなり広いネットワークを持っていますので、地域や業種に応じた対応を、現場のマネージャーに権限委譲し、現場で決定できるかたちにしています。地域によってかなりの差が出ていますが、全体の取組みとしては、比較的スムーズにいっていると思います。

このような状況の中で、エレクトロニクス産業の動向についてですが、在宅勤務等がかなり進んで、パソコンが非常に売れたというようなニュースもあり、我々がずっと今まで目指している、5GやIoT・AIが本格的に普及し進んでいくだろうと思っています。

新型コロナウイルスの影響で、それが加速されているのではないかと思います。そのような面では、半導体や電子部品関係の需要がかなり大きく成長し、数年続くのではないかと考えています。それに応じて装置関係も必要になってきますので、非常に期待しているところです。

そのような内容については、後ほど、次の中期経営計画の中で、少し詳しくご説明したいと思います。

配当

配当です。何年か前から、中間配当もできるくらい、比較的経営が安定してきています。昨年度は中間で20円、期末で30円を予定しており、年間配当は50円、今期は中間で25円、期末で30円の55円で配当性向は34.9パーセントとなっています。

以上が今年の見通しです。配当性向に対してのポリシーは基本、今は30パーセントと公表していますので、それ以上を目指したいと考えています。

9Mの評価 ①定量面:業績

それでは、中期経営計画に関連した話をしたいと思います。この第9次中期経営計画(9M)は、昨年が最終年度でした。そちらのレビューを少し行いたいと思います。

定量的な業績ですが、2017年からの4年間、2020年までが中期経営計画(9M)です。この間、比較的順調に売上は拡大してきており、2014年から2019年までは6期連続での増収を達成。残念ながら利益はダウンしたのですが、そのようなかたちで推移しました。最終年度である昨年度は、残念ながら新型コロナウイルスの影響を受け、減収減益になってしまったという状況です。

この期間にグループ会社のメーカー部門2社を経営統合し、社名も「ダイトエレクトロン」から「ダイトロン」に変えました。「ダイトロン」は商標ですが、名前を変えることによってグループの一体化を促進したいということで、全体の総合力を高めるという4年間の取組みを行いました。

9Mの評価 ①定量面:経営指標

経営指標として対外的に公表している内容はこちらです。自己資本比率が50パーセント、ROAが4パーセント、ROEが8パーセント以上を目標にしています。達成できたものもできていないものもありますが、比較的近いところに行きつつあるのではないかと思います。

9Mの評価 ①定量面:事業構造関連指標

もう1つ、我々が重要視している指標があります。事業別の構成比やオリジナル製品比率、海外事業比率についても目標があります。

1つは事業別の構成比です。装置と部品の比率を25パーセント対75パーセントに持っていきたいということと、オリジナル製品比率を30パーセント、海外事業比率を30パーセントに持っていきたいという目標があります。事業別の比率は比較的それに近くなっているのですが、オリジナル製品比率や海外事業比率は今一歩で、もう少し努力していく必要があると思っています。

9Mの評価 ②定性面

定性面においては、この4年間、統合して総合力を高めるかたちで動きました。そのキーとなるのは、情報の共有化です。情報を共有して製販融合活動を前進させ、オリジナル製品の開発を進めてきており、総合力を高めるかたちでは若干前進できたのではないかと思っています。

あと1つは3社統合です。各社人事制度がさまざまでしたので、ここを1つにまとめました。エネルギーの要る仕事でしたが、そのような取組みを行い、人事制度を充実させました。あとは65歳定年も導入しました。

そのようなかたちで、ダイトロンという会社で総合力を高めながら、製販融合という少しユニークな、あまり他にない会社を目指していこうという取組みの4年間でした。

10M策定の前提 〜 事業環境と課題認識

このようなものをベースに、今年から始まる3年の中期経営計画です。第10次ですので、10Mと呼んでいます。まず、事業環境の前提です。これからの3年間、まず米中問題は引き続き、状況としてはあまり変わらないだろうと思いますし、新型コロナウイルスの影響は大きく残る期間ではないかと思っています。

ただ、先ほども言いましたように、この期間においては5G関係やIoT、AIが非常に拡大していく。それも速いスピードで拡大していく時期になってくるのではないかと思います。

そのような面で我々は「次のジャンプアップをする大きなチャンスの時期」とも思っていますし、成長と同じく、やはり高収益も目指します。成長と高収益という両面を目指していきたいということで、引き続きオリジナル製品の比率(向上)や、海外事業を大事に育てていきたいと考えています。

10M策定の基礎 1)経営理念

我々の経営理念です。基本的に我々は「人材が一番大事だ」ということで、経営理念の一番最初の項目として「社員の自己実現」を持ってきています。経営の基本は変わらず、人材を大事にしていくことは続けていきたいと思っています。

10M策定の基礎 2)グループステートメント

グループステートメントは「Creator for the NEXT」です。引き続き、こちらを使います。以前は「Coordinator for the NEXT」だったのですが、「Coordinator」から「Creator」へということで、メーカー部門も一緒になりましたので、「少しクリエイティブな部分を強化していきたい」という思いを込めて、この「Creator for the NEXT」をグループステートメントとしています。

10M策定の基礎 3)長期経営構想

スローガンは「技術立社として、グローバル市場で躍進する」と考えています。目指す企業イメージも、上の2つは対外的、下の2つは社内向けです。昨年度から上の2つを若干変えていますが、基本的には「技術立社として、グローバル市場で躍進する」「多様性でイノベーションを作り出していく」ということを考えていきます。

長期目標は前から出しているのですが、次のステップの1つとして1,000億円があるのではないかと思っています。

10Mの概要 1)業績目標

基本的な考え方は、やはり持続的な成長ということです。売上・営業利益を持続的に拡大していきます。特に人材や技術開発にフォーカスを当てた中期経営計画(3年間)にしたいということで、投資を行い、成長というサイクルにできるだけ早く入っていけるかたちに持っていければと思っています。

10Mの概要 2)目標とする経営指標

目標とする経営指標です。自己資本比率は変わりません。現状、42.8パーセントですので、50パーセントにしていきたいと思います。ROA、ROEは前回よりも少し上げています。9Mの中で少し達成できた分もありますので、目標は高く持って、こちらも継続して行っていくということは、かなり大きなチャレンジになります。新しい10年間の中期経営計画に入っていきますので、このような高い目標を持ってスタートしたいと考えています。

10Mの概要 3)4つの戦略基本方針

4つの基本方針があるのですが、こちらが達成のための基本的なところです。まず1つ目は、「事業構造の変革を推進する!」ということで、10年前に「2020VISION」を作りました。昨年「2030VISION」を作りまして、10年で1つのビジョンを作っています。これには、できるだけ若い方に参画いただいて作っていくわけですが、今までの10年間で「事業構造を変革していく」という取組みを進めてきました。

これは引き続き継続していく必要があると思いますし、第9次中期経営計画で行っていた「統合効果の最大化を推進する!」について。これはメーカー部門を統合して、製販融合というかたちをもってグループの総合力を上げるということなのですが、この上の2点は引き続いて行っていきます。そのようなものをベースにしながら、「注力領域・市場を明確化して、成長を加速する!」「持続的成長に向けたチカラを高める!」というようなところに取組んでいきたいと思います。

10Mの概要 4)戦略基本方針①−1

この内容を少し説明すると「事業構造の変革を推進する!」においては過去10年間、このような取組みを行ってきました。それまでは半導体設備やフラットパネルの生産設備等といった分野でのビジネスが、非常に事業の中で高い比率になっていました。

高い時には50パーセントを超えていたのですが、そのような状況になると、投資の後、非常に落ち込んでしまうシリコンサイクルのようなものに巻き込まれてしまうことがありました。

できるだけ事業の幅を広げて経営の安定を図るため、半導体・フラットパネルの設備産業の依存度を下げていこうということで、50パーセントを超えていたものが、今はだいたい35パーセントくらいまでになっています。その分、オートモーティブやメディカル、ロボティクスといった分野が徐々に伸びてきたという状況です。このように引き続き、10年間で事業の構造を変えていくように、引き続き、続けていきます。

10Mの概要 4)戦略基本方針①−2

それを測るKPIの1つとして、先ほど、事業別構成比がありましたが、その中に、今回は新規事業の項目を付け加えています。新しい事業を作っていくということで、これを5パーセントとしています。

成長と高収益を両方目指すという話ですが、利益という面では、メーカー機能を持っていますので、やはりオリジナル製品に付加価値が高い製品が多いため、そのような面でこちらの製品比率を高めていきます。前回は30パーセントだったのですが、内容を少し見直しまして、ここの25パーセントは我々の内部で開発・設計・製造を行っている内容に絞り込みました。

以前は輸入製品もここに含めていたのですが、輸入製品は外して当社で開発・製造したものを25パーセントとしています。成長軸として、成長という面でいけば海外事業、海外の市場でどれだけ事業を拡大できるかということが非常に大きなポイントになります。これは引き続き30パーセントで設定していきたいと思っています。

10Mの概要 4)戦略基本方針②

2つ目の基本方針は、統合効果を最大化するということです。ここに書いているとおり、第9次中計では中部工場(愛知県)を新設するなどの投資を少し行ってきたのですが、これからはどちらかというと投資の重点を変え、人材やネットワーク作り、製品開発というような分野に投資をシフトしていきたいと思っています。それらを行うことによって、オリジナル製品やネットワークが充実して、海外事業の比率も高まってくるのではないかと考えています。

10Mの概要 4)戦略基本方針③

3つ目の基本方針です。注力領域や市場を明確にして成長を加速するということで、こちらは今も取組みを行っている分野です。特に少し明るい色でマーキングしているところは、ウィズコロナ、新型コロナウイルスの関係で少し活発に動いている分野です。

ここは引き続き、それ以外の分もありますので、このような分野に注力しながら取組んでいきます。必要に応じて全社的なプロジェクトを組みながら、短期的に立上げていくようなことも行いたいと思います。

10Mの概要 4)戦略基本方針④

基本方針の4番目です。持続的成長に向けたチカラを高めるということでマーケティングのチカラやモノづくりのチカラ、新規事業を作りだすチカラ、コーポレート部門のチカラを強化していくことを考えています。

10Mの概要 5)具体的戦略①

まず、マーケティングのチカラを高めるという面では、今の事業の基本は約70パーセント以上が国内の事業になっていますので、ここはきっちりと強めていき安定した成長を行っていくということが必要になってきます。そのような面では地域密着が我々の基本方針になっていますので、国内のネットワークを充実していくことを考えています。

このコロナ禍でもやはり地域密着・顧客密着は有効と考えています。直接メーカーとつながっているため、このような状況でもお客さまからは近場にいるという安心感があるのか、最終ではどうしてもフェイス・トゥ・フェイスでの打ち合わせが必要になってきます。

地域密着のかたちと今回、このような状況の中でノウハウを蓄積しているリモートでのマーケティングを両方合わせることで、従来以上のチカラを付けていけるのではないかと考えています。あとは、国内のネットワークとして北海道や四国にも拠点を作っていきたいと考えています。

10Mの概要 5)具体的戦略②

海外ビジネスも非常に重要になってきます。従来は東南アジアを中心に投資をしてきており、こちらは引き続き行います。それ以外にアメリカや中国の中にも現在、出張所をどんどん作っているのですが、アメリカ・中国の中のネットワークをもう少し強化していきます。

新しい分野では、ヨーロッパにおいて実際にビジネスを行っており、ヨーロッパの拠点をできるだけ早い時期に整備していきたいと思います。特に海外は、その地域独自のビジネスをどうしても推進していく必要があります。

あと、電子部品のビジネスを海外において強化していくため、ネットワークが非常に重要になってくると思います。現状では、アメリカに工場を持って運営しているのですが、中期経営計画の中では、アジアの中で製造拠点の検討も進めていきたいと考えています。

10Mの概要 5)具体的戦略③

モノづくりのチカラを高めるという面では、先ほど少しお話しした中部工場において、(中部)第2工場まで完成しましたので、ここをきっちりと活用できるようなかたちにしていきたいと思っています。

昨年はほとんど動けない状況ですので、このような新型コロナウイルスの関係が少し落ち着いたら、もっと積極的に動いていけると思っているのですが、やはり、少し量のあるようなものや、中部工場を中心にした開発体制を強化していきたいと思います。

今、仕入先さまと連携したビジネスの拡大や、オリジナル製品における当社ネットワーク以外の代理店を使った販売も並行して強化していくことを考えています。

10Mの概要 5)具体的戦略④

ものづくりの力を高めるもう1つのポイントは、やはり「ダイトロン」というブランドで販売するオリジナル製品です。

これは今、メーカー部門の中ではだいたい50パーセントくらいなのです。残りは、お客さま仕様で作っているものが50パーセントくらいなのですが、できればこの「ダイトロンブランド」の製品の強化をもっと進めていき、ここに積極的に投資を行っていきたいと考えています。

これは装置関係も電子部品関係も両方です。このようなものを強めることにより、付加価値が上がることを目指しています。

10Mの概要 5)具体的戦略⑤

「新規事業の創出」ということで、新規ビジネスについてです。従来からGFD(グリーン・ファシリティー部)という部署があるのですが、こちらでは今、UPSという無停電電源装置を扱っており、停電が発生した時にバックアップする電源事業を行っています。

特に日本で、データセンター関係が非常な勢いで建築が進んでいます。その大型のデータセンターのバックアップ電源を我々は取り扱っています。特に、海外で非常にネームバリューのあるEATON社のUPSが、海外のお客さまである海外オペレーションのデータセンターから非常に引き合いがありまして、そのようなものを中心に現在展開しています。

こちらがかなりの受注残を抱えながら、データセンターは現在、2025年、2026年あたりまでの引き合いをいただいて進めているのですが、こちらはしばらく続くだろうと考えられますので、このような新しい分野に積極的にチャレンジをしながら新規事業の開拓を行っていきます。

それ以外に、やはりソフトウェアやECOに関連するビジネスは海外でも実際にビジネスを始めていますが、このようなものをさらに広めていきます。あとは、リカーリングビジネス(消耗品やメンテナンス事業)も、これに追加していくようなことを考えてやっています。

このような分野で5パーセント以上の新しい事業を作っていき、プラスしていきたいと思っています。

10Mの概要 5)具体的戦略⑥

コーポレート部門の力を高めるということで、いろいろな事業、新しい分野や新しい事業を行うにあたり、それをサポートする分野、コーポレート部門の力を高めていかないといけないと思っています。

先ほどからお話ししているように、人材は我々にとって非常に重要なものです。そのような「人財力」の強化という面では、評価システム(見直し)であったり(多様な)人材の採用を行っていきます。

毎年新入社員は、最近では20名以上継続して採用していますし、途中入社の社員の方も30数名、ほとんど毎年採用させていただいています。これを引き続き行いながら成長していきたいと思っています。新しいかたちでの働き方について(働き方改革)も、制度設計を積極的に行っていきます。

あとはコーポレート部門ということで、IT戦略。新しい基幹システムに変える時期がもう間もなくきます。また、財務戦略や広報戦略も行っていきます。今回このようなかたちで、ダイトロンを発信しているのですが、もう少しこのダイトロンブランドの認知を上げるような取組みやコーポレードガバナンスについても強化していきます。

おわりに…

このような取組みを行いたいと思っていますので、引き続き、みなさまのご支援をいただいて、ダイトロングループは、エレクトロニクス業界の「技術立社」として進化を果たしていきたいと思っています。みなさまのご支援を引き続きお願いします。本日は、どうもありがとうございました。