事業利益の採用

牧野祐子氏:2019年度第1四半期の連結業績についてご説明いたします。

今期から、事業からの正味の収益力を示す指標として、事業利益を採用いたしました。これにともない、従来、販売費および一般管理費と研究開発費に含まれていた減損損失を合算し、財務諸表上の減損損失として独立した勘定で表記しております。なお、事業利益は、営業利益から減損損失と「その他の収益・費用」を控除した金額でございます。

連結業績の概要|2019年度 第1四半期

まずはじめに、2019年度第1四半期の連結業績の概要についてご説明いたします。第2次中期経営計画の業績を牽引してきた新製品群が、引き続き大きく売上を拡大し、売上収益増加に貢献いたしました。「研究開発費投資前事業利益」は、前期比9.9パーセント増加し、計画どおりに推移しております。持続的成長に向けた研究開発費は大幅に増加し、臨床試験は計画どおりに進捗しております。

連結業績の概要|事業セグメント別

続いて、事業セグメント別の売上収益、事業利益についてご説明いたします。医療関連事業が、前期比で売上収益プラス10.5パーセント、事業利益プラス7パーセントと、増収増益を達成し、連結業績を牽引しております。

医療関連事業|売上収益

ここから、医療関連事業とNC関連事業についてご説明いたします。まず、医療関連事業の売上収益です。グローバル3製品と国内新薬の売上増加、とくに米国の「ジンアーク」が計画を大きく上回ったことが増収に大きく貢献し、前期比で199億円増加いたしました。

「エビリファイメンテナ」は、唯一の4週間持続性注射剤、双極性障害治療剤として、その有効性を訴求した結果、米国における売上シェアが拡大しております。「レキサルティ」は、米国において大うつ病に対するDTCによる処方増加、および2018年4月に日本で発売したことにより、売上が増加しております。「サムスカ」は、日本において利尿薬およびADPKD治療薬として、引き続き成長しております。

「ジンアーク」は、北米の2019年上半期計画に対して、62パーセントの進捗率で推移しており、期首計画を超える早さで成長しております。とくに、米国における疾患啓発活動により、大幅に処方が増加した結果、昨年よりさらにペースが加速しております。

国内新薬は、「ビラノア」「イーケプラ」「アブラキサン」が前期比で増加し、順調に推移しております。以上のおもな要因により、売上収益は2,094億円となりました。

医療関連事業|事業利益

次に、医療関連事業の事業利益についてご説明いたします。先ほどご説明したとおり、売上収益が199億円増加したことが、増益に大きく貢献いたしました。一方、「レキサルティ」や「エビリファイメンテナ」の売上増加にともない、共同販売費が増加いたしました。研究開発費は、「レキサルティ」「AVP-786」「センタナファジン」やビステラ社の開発品などに対する開発費が増加いたしました。以上の結果、事業利益は21億円増加の328億円となりました。

NC関連事業|売上収益

ここからは、NC関連事業についてご説明いたします。まずはじめに、2019年度からNC関連事業のカテゴリーの製品構成を変更いたしましたので、その変更点についてご説明いたします。

「その他」のカテゴリーに分類していた「OS-1」「ボディメンテ」「アミノバリュー」などの飲料を「機能性飲料等」、デイヤフーズ社製品を「機能性食品等」、「エクエル」「賢者の食卓」「賢者の快眠」を「サプリメント」と、それぞれのカテゴリーに振り分けましたので、ご留意いただければと思います。

それでは、売上収益からご説明いたします。「機能性飲料等」は、水分補給の有用性の訴求、各地域の特性やニーズに基づいたプロモーション活動により、製品理解が進み、「ポカリスエット」の海外売上が増加した影響などにより、7億円増加いたしました。

「機能性食品等」は、デイヤフーズ社のプラントベース食品の売上が堅調に増加しておりますが、競合参入の影響にともなうN&S社の売上減少と為替の影響などにともない、18億円減少いたしました。

「サプリメント」は、新規顧客の増加による影響で、「エクエル」の売上が増加した一方、米国中西部を中心とした厳冬にともない、流通が制限されたことや、在庫調整にともなう影響による「ネイチャーメイド」の売上減少がおもな要因で、4億円減少いたしましたが、現在は一過性の要因の影響もなくなり、順調に計画どおり進捗しております。

以上の結果から、NC関連事業の売上収益は前期比で3億円減少し、729億円となりました。

NC関連事業|事業利益

次に、NC関連事業の事業利益のおもな増減要因についてご説明いたします。売上収益は、先ほどご説明したとおり3億円減少いたしました。これからの重点育成領域である「ボディメンテ」「エクエル」、デイヤフーズ社製品などの新製品群への投資が積極的に進み、広告宣伝費は7億円、販売促進費は5億円増加いたしました。

デイヤフーズ社は、昨年より取り組んできた流通拡大と製品ラインナップの拡充が順調に進み、売上は10パーセント以上伸びています。その他の製品につきましても、第1四半期に、夏場の需要と今後の成長に向けた戦略に沿った十分な準備を行いました。これらの結果、事業利益は前期比15億円減少の66億円となりました。

2019年度 連結業績見通し

2019年度の連結業績の見通しでございます。上半期計画、通期計画ともに変更はございません。以上、2019年第1四半期の連結業績をご説明申し上げました。