サマリー

渡邉陽一郎氏:あらためまして、みなさんこんにちは。いつも多大なるご高配を賜りまして、誠にありがとうございます。本日は2019年3月期第2四半期の決算説明をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

まず、サマリーでございます。大きく4つのポイントに触れさせていただきたいと思っております。

1つ目に、2019年3月期第2四半期は、前期に引き続きまして自動車用のASA COLOR LED、内装照明用の部品、それと認証認識分野でご利用いただいていますRFIDタグ用ゴム製品の受注が好調に推移いたしました。

その売上高が増えたことによりまして、前期に引き続いて第2四半期で創業来最高の連結売上高と利益を達成いたしました。

3つ目に、それらを含めた通期の見通しでございますが、こちらも前期と同様最高益・最高売上高という予測を出させていただいています。

最後に、今後の我々の将来に対する先行投資を、前期に引き続いて今期も積極的にかけていこうということで、当初の見通しよりも多く、先行した投資をしていく予定でおります。

これらが、大きなサマリーになります。

会社概要

あらためまして、当社は埼玉県さいたま市大宮区に在しています株式会社朝日ラバーです。今年(2018年)で49期目になります。

工業用ゴム製品の製造・販売をさせていただきながら、主に車載用のゴム製品・医療用のゴム製品、その他の中ではスポーツだとか、先ほどの通信用のタグ用ゴム製品など。我々は、ゴムの使い道を広げていこうということを、これまでもこれからもやっていこうとしているメーカーでございます。

海外展開

自動車との歴史が長いこともありまして、日本は福島県に工場が4ヶ所、中国に工場が1ヶ所。全部で5拠点で生産をさせていただいていますのと、日本以外ではアメリカ・中国に販売拠点を設けながら、お客様に密着する活動をさせていただいております。

事業系統図

併せまして、ゴムというのは、ゴムの配合だとかいろんな機能を高めていく活動が源になります。その源をしっかり自分たちで作れるように、将来に向けた付加価値が描けるようにということで、この矢印の(一番)上に向かっております株式会社朝日FR研究所が、我々の源泉になっていきます。

ここから生まれ育った力が、下側にあるそれぞれのサイトのところでお客様に価値を提供していくような構図でございます。

Ⅰ-1.連結第2四半期決算実績(前期⽐)

連結第2四半期決算実績を報告させていただきます。

売上高は、9.4パーセント増の39億4,600万円でした。営業利益は25.7パーセント増の3億3,800万円でした。四半期純利益は29.7パーセント増の2億3,700万円でした。

下の段になりますが、セグメント別でご覧になっていただきますと、工業用ゴム製品と医療・衛生用ゴム製品の大きく2つに割った場合、工業用ゴム製品に属する製品が伸びたのが、この内容でございます。

Ⅰ-2.連結設備投資実績

第2四半期までの連結設備投資総額は、約4億9,000万円でした。予定どおり、投資はさせていただいております。

内訳としましては、車載・照明の分野に応用しています製品では、「ASA COLOR LED」を代表とする内装照明用の製品の投資が受注増により先行投資(を行っています)。併せまして、その他の中に入っていますタグ用ゴム製品も、非常に先行的に伸びたことがありまして、増産投資をかけております。

それと、昨年から掛かっております新基幹システムの入れ替えですが、これにつきましても継続して投資をかけております。これについては、今期いっぱいですべて完了する予定で進めさせていただいております。

Ⅰ-3.連結セグメント別実績-中期事業分野

先ほど話をさせていただいた売上高を中期の事業分野別に割った場合、どういう推移かというのが、ご覧いただいている8ページの内容になります。

大きく3つの分野で分けさせていただいておりまして、まず車載・照明分野は9.1パーセント増という内容でございました。医療・ライフサイエンスにつきましては、横ばいという見方を我々はさせていただいています。新旧製品の入れ替えなんですけども、横ばいの状況でございます。

その他の中身としましては、車載のスイッチ関連、スポーツ、RFIDタグ用ゴム製品、通信の関連がこの中に入ってきますが、とくにタグの関連が伸びていて、売上高としましては13.6パーセント増の実績でございました。

Ⅰ-4.主要製品実績-ASA COLOR LED

それらの中に含まれている、主要製品の状況について触れさせていただきます。

グラフは、四半期ベースで表現させていただいております。前期の4-6月から7-9月までの推移をご覧になっていただきますと、ずっと上っていって(その後は)下がっているようにも見えるんですが、これは市況もしくは新しい製品への作業という状況に応じての流れでありまして、その前の段の2016年度の第4四半期から眺めますと、1段上のところで安定した受注規模を描けるような状況にあります。

Ⅰ-4.主要製品実績-医療⽤ゴム製品

次に医療用ゴム製品ですが、ここは医療機器分野で採用いただいているゴム製品が中心でございます。ご覧になっていただきますとわかるように、ちょうど(四半期会計期間の売上高推移のグラフの)波打っているところの山で(2018年)7-9月は高いところに入っております。ここは、そのときの状況に応じた波がずっと続いている状況にありますので、今のところ横ばいの状況で見させていただいております。

その中身としましては、プレフィルドシリンジ(薬液充填済み注射器)用ガスケットと、併せて採血用・薬液混注用ゴム栓……我々はこれを回路製品と呼んでいますが、途中から薬液を入れるところの弁になるゴム製品が主(なもの)でございます。

Ⅰ-4.主要製品実績-スポーツ⽤ゴム製品

その他の中に含まれていますスポーツ用ゴム製品ですが、非常にテレビ等でもだいぶ報道され、また最近では女性の選手がワンツースリーの方を破って優勝されるなど、いろんな意味で活況でございます。昨年(2017年)の4月に新しく出させていただいた製品が、今でも非常に好調に販売・推移しております。

ちょうど時期的な都合がありまして、7-9月は下がっているように見えますが、基本的にここについては伸びているという見方をさせていただいております。

Ⅰ-4.主要製品実績-RFIDタグ⽤ゴム製品

最後に、RFIDタグ用ゴム製品です。

ご覧になっていただきますとお分かりのとおり、流れとしては今のところ上の方向に向かっております。一昨年(2016年)に新しい製品として出し始めて、製品の入れ替えがあったものが、昨年(2017年)海外を中心に広がってまいりました。それがさらに拡大して今期に至っているのが、この第2四半期までの状況でございます。

日本国内もそうでございますが、海外も含めいろんな意味でFAだとかもしくは自動化と言っても、人手に対して負担をかけないように効率を上げるのかという、そういう考え方が少しずつ広まっている証拠なのかなという見方をさせていただいております。

使っていただいています製品は、ゴムでくるんでいる部品になりますので、防水だとかクッションだとか、そういうゴムならではの機能が必要とされたところで応用していただいている製品でございます。それらの実績のほぼ大元になるところは、日本国内で生産している製品でございます。

Ⅰ-5.単体損益実績

そのことも受けまして、単体の損益としましては売上高・営業利益・四半期純利益ともに前期比プラスの結果となっております。

Ⅰ-6.連結⼦会社の損益実績

併せて、連結子会社の状況でございます。

朝日FR研究所以外のところにつきましては、先ほど申したとおり車載ビジネスを中心に、それぞれの地域に密着というかたちで展開しているところでございます。それぞれのビジネスの大元になる車載の関連は微増の状況でございますので、それぞれの売上高はプラスの状況でございます。

Ⅰ-7.連結貸借対照表の状況

連結貸借対照表の状況でございます。

107億円ということで、(2018年3月末残高から)プラス2億円という状況でございます。その引き当てにつきましては、自己資金を充当させていただいております。

Ⅱ-1.AR-2020VISION

それでは、「AR-2020VISION」中期(経営計画)の2期目の状況について触れさせていただきたいと思います。

Ⅱ-2.第12次三ヵ年中期経営計画(V-2計画)

あらためまして、このV2計画(の経営方針)は「『AR-2020VISION』に通ずる質的成長を求めて広く社会に貢献する」とさせていただいています。この前のV1計画の場合、「質と量を追いかけよう」ということを進めてまいりました。その結果を受けて、このV2は「質を追いかけよう」ということを柱にさせていただいています。

Ⅱ-3.スローガンと中期経営戦略

とくに、我々の大元となるゴムの使い道を広げていこうという意思を強く打ち出すために、スローガンの中にも「弾性無限」という言葉を使いながら、新しい使い道を広げていこうと追いかけております。

Ⅱ-4.事業分野計画

事業分野につきましては、先ほども第2四半期のところで触れさせていただきましたが、大きく車載・照明、医療・ライフサイエンス、その他とさせていただいております。

実際に第2四半期までの状況をご覧になっていただきますと、車載・照明とその他がほぼ相当ぐらいの規模の実績となってきておりまして、売上額を見た場合には、ほぼほぼ計画どおりの状況で推移させていただいております。

実際、それぞれの分野ごとの製品に対してどういうことを進めてきているのか、おさらいを含めながら説明させていただきたいと思います。

まず、今回の第12次中計のところで見ています車載・照明分野の着眼点としましては、今では「CASE」という「コネクティッド」から始まる電動化だとか、いろんなキーワードを、我々のところでも「つながる」とかの言葉に言い換えながら、キーワードとしております。

Ⅱ-5.分野別成⻑戦略-⾞載・照明①

そんな中、車載全般のところでの我々の役割は、屋外ではなく屋内のところで使用していただいている(ことです)。とくに内装照明だとか、中のスイッチだとか、パッキンでお世話になっているのが我々の主(な役割)です。その車載への採用状況は、国内のメーカーさんを通じて、どんどん海外のメーカーさんに採用していただけるような価値を提供できるように広がってきました。

実際、この中期(経営計画)で見た場合を米中と大きく3拠点で見た場合は、非常にこれからまだまだ伸び、我々としてももっと力を入れていく分野・地域であろうと見させていただいております。

そんな中、我々が今まで提供してきた価値をさらに磨いていく、質を高めていくことは当然必然のことで、その「価値を磨く」ということに対して、しっかり製品を新しく生み出していこうというのは(方針の)1つです。

2つ目が、先ほどのCASEの考え方。「感性認知支援研究」という言葉がここにあるかと思いますが、一般的には「ヒューマンアシスト技術」という言い方もされることがあるかと思います。

人との関わり合いを、どう捉えていくのか。我々は柔らかい言葉を使っていますので(別の言い方をしますと)人が接触するところに対して、どういう接触のあり方が今後生まれてくるのだろう。そこに通ずる信号を、我々はどういうかたちで伝達していくんだろう。それが、この中で我々が研究開発をはじめとする、それぞれのところに力を入れていく部分でございます。

まず、「ASA COLOR LED」。照明の関連ですが、前期から新しいパッケージを発売させていただいております。今までよりもちょっと薄型になっているパッケージで、よりユニットに対して使いやすい製品ということで、今プレゼンをさせていただいております。

当然車載というのは、プレゼンしてから採用になって、実際にそのものが我々の売上になっていくまでには、2年・3年という時間がサイクルとしてはかかるんですけれども、そこに対する考えをしっかりしていくという意味でも、投資は先行的に前期後半からさせていただいております。この前半のところにつきましても、その投資も含まれているものになります。

同じく「ASA COLOR LED」の中で、光に対してどんな意味を持っているのかと言うと、ただ光っているのではなくて、光が「心地良い」だとか「疲れる」だとか、もっともっと室内空間にいる、自動車の中にいる方に対して合った光を提供しようというのが、この研究の大元です。

昨年までサポイン事業をさせていただいて、埼玉大学さんと一緒に研究をしておりますが、今は車メーカーさん・セットメーカーさんにプレゼンして、「どう解釈しながら、どう展開していくのが妥当なのか」と、今度はマーケットインという状況に、この研究ステージは進んでおります。

まだまだ答えはこれからなんでしょうけど、車もいろんな意味で自動運転とかが変わっていますので、そういう中での室内空間に対して、我々はしっかり答えられる研究にしていきたい、その先につなげられるものを価値を見出していきたいと、強く進めさせていただいております。

2つ目に、真ん中(「ASA COLOR RESIST INK」)を飛ばしまして「ASA COLOR LENS」ですが、自動車のエクステリア市場に挑戦しようということを掲げて、進めさせていただいております。

先ほどの「自動運転」というキーワードで見た場合、外を歩いている方々が車が自動運転できているのか、人が運転しているのかわかったほうがより事故が起きにくいだとか、車がどっち向きで動いているのか、外からわかったほうがわかりやすいよねとか。いろんな車に対する「安全」「安心」や……さっきの「ASA COLOR LED」は「快適」が入ってきますけども、そういうキーワードをどう考えるかについて、この先の2020年以降に対して議論が深まってきております。

そういう中で、我々は今まで室内空間の中で使われるゴム製品を取り扱っている会社ですが、屋内から見た場合に何ができるのか、チャレンジさせていただいています。LENS(「ASA COLOR LENS」)につきましては、まだまだ樹脂やガラスが一般的です。

そういう中で、「屋内でのゴムは、どんなものが必要なんだろう?」「どういう価値を、材料に求められるんだろう?」ということを真剣に研究させていただいているのが、ここの内容でございます。

Ⅱ-5.分野別成⻑戦略-⾞載・照明②

飛ばした「ASA COLOR RESIST INK」でございますが、ちょうど(2018年)8月20日になりますが、「照明器具用白色シリコーンインキ塗膜」という題をもって、JISに認定されました。1年ちょっとの時間を経ながら、我々が中心となっていろんなメーカーさんに協力をいただきながら、JISを制定するにいたりました。

今みなさんがいらっしゃる天井のライトの蛍光灯の裏には、反射板があります。蛍光灯は、ただ光っているだけでは、当然光は効率良く下を照らしてくれません。後ろに光がいったときに、その光が反射されて下に降りてくる光まで取り出せれば、当然もっともっとエネルギー効率が良い照明に変わっていきます。

一般的には基盤にエポキシという材料が塗られていて、反射をしながらその光を取り出すのが、今まで(のもの)です。そこに対しまして、もっと寿命を伸ばしたい、もっと屋外で使えるようなものになりたい、付加価値を付けたところで使いたい。そういうところにニーズがあるだろうということで、2011年頃から我々はここをずっとやってきている中で、このJISを生み出すところに関われるまでにいたりました。

少しずつその業界の将来のありようというのが、理解されてまた変わっていこうとしている瞬間に差し掛かっているんじゃないかと思います。材料メーカーさんを含めて、いろんな意味で協力をさらに深めながら、この分野に対する新たな使い道を広げていこうという活動を積極的に、照明の関係でやっていきたいというのがこの中期(経営計画)であり、これからでございます。

Ⅱ-5.分野別成⻑戦略-医療・ライフサイエンス

2つ目の分野であります、医療・ライフサイエンスの分野でございます。

我々は大きく2つの製品(を扱っております)。「プレフィルドシリンジガスケット」は、注射器に使われるゴム。また、回路製品。先ほど申した、点滴をされている方が途中から薬液を注入するようなゴム栓のところで、我々は付加価値を高めようということで、やらさせていただいております。ここの考え方としましては、医療分野は国内よりも海外のほうが、生まれも育ちも開発力も含めたところで、規模的にも数段上のところにあります。

そんな中、我々は今、国内で提供させていただくOEMメーカーとして医療(分野)をずっとやらせていただいておりますが、新薬だとか創薬だとか新しい使い道がどんどん広がっていくことが、いろんな報道の中にも(あり、それを通して)みなさんのところにどんどん情報が展開されるような世の中に変わってきました。

実際にそのものを使いこなすためには、道具が必要です。その薬品に合った道具は一対のものになりますので、その道具と一緒になって提供できるパートナーとして我々が選ばれるためにも、そこでお使いになっていただけるような素材力。併せて注射器の、例えば摺動性の滑り性だとかいろんな機能を付与しよう。そういう機能を付与できる素材を開発していこうということで、やらせていただいております。

ここ1年半、いろんな意味でそのような開発・研究をやらせていただいておりまして、そのものにつきましても、「その状態がこうだったら良いね、こういう機能を持てるね」ということが、だいぶ分かるようになってきております。

それらを実際に具現化しながら、今度はメーカーさんにご覧になっていただきながら、どうなっているとマーケットインできるのかという段階に、このあと入っていくと見ております。

併せて、その市場は先ほどの(ご説明にあった)ように、いろんな道具が必要になってきています。今まではただのシャーレで培養していたものが、そのシャーレの上から細胞を取りやすいような、例えば「塗膜がされると良いね」(というご要望)だとか、もしくは今シャーレで実験をやっていますけど、将来は別のものになっていくかもしれません。

そういう形態が、これから実際に世の中へ普及していくようになるにつれ、「じゃあ我々は、どういうところで役に立つのか?」。これが、我々が継続してやっている理由でございます。

流体デバイスをはじめ、いろんなかたちでここに提案をさせていただいて、しっかりこのものについては今でも継続させていただいております。その先に先にの情報をしっかり取れる付加価値への提案がされていくことが、2020年以降の医療に対して我々がしっかり活躍できる入口、一歩だと思っております。

Ⅱ-5.分野別成⻑戦略-その他

最後に、その他の分野です。その他の分野につきましては、大きく2製品を取り上げさせていただいております。

卓球ラケット用ラバーにつきましては、先ほどお話しさせていただいたとおりです。オリンピックで活躍できるラバーをメーカーさんと一緒にしっかり開発していくのが、ここの姿です。

次に、RFIDタグ用ゴム製品です。我々がこの製品を始めて、大きく言うと10年ぐらいになります。先ほどの売上推移をご覧になっていただいたとおり、本当にインパクトが少しずつ出始めたのはここ2~3年前ぐらいじゃないかと思います。世の中が少しずつ変わっていこうという瞬間を、今踏んでいるんじゃないかと思います。

ただその変わり方は、いつも同じではなくて、その時代時代に合ったかたちに変化していくものです。我々もずっと世代を超えながら、新しい市場に対応できるような製品に切り替えながら、今の位置にいます。

これからもその範囲をさらに拡大できるような製品を出していくというのが、このあとの大事な取り組みじゃないかと思っております。併せて、使い方が広がりますと、当然今までのフィルムだけでは持たない。紙だとかそういう状況だけではもたない分野も生まれてきます。

その生まれてくる新しい使い道をいち早く埋めていくのも、自分たちの役割でありたいということで、ここにしっかり取り組んでまいります。

Ⅲ-1.2019年3⽉期 経営⽅針・経営戦略

その中期(経営計画)の1年半が過ぎた、このあとの内容を踏まえて、2019年3月期の見通しを報告させていただきたいと思います。                 

まず、2019年3月期の経営方針でありますが、「お客様にとって御役に立つ腕前を磨き鍛えて質を高める」とさせていただいております。昨年とほぼ同じ方針です。昨年やり残したことを、今期はやり残さずにしっかりやり切ろう、今やるべきことをしっかりやり切ろう、将来に向けた準備を仕込もうというのが、ここの意味でございます。

Ⅲ-2.2019年3⽉期連結決算⾒通し(前期⽐)

この3月期の連結決算見通しでございますが、(2018年)5月14日に開示させていただいたものと変えておりません。

売上高は、連結で3.4パーセント増の77億8,900万円を見通しております。営業利益は、前期比12.6パーセント増の6億3,200万円を見通しております。当期純利益は、0.3パーセント増の4億6,100万円を見通しております。

前期比増収増益という状況を予測させていただいております。

Ⅲ-3.中期事業分野別計画

中期事業分野別で見た場合のセグメントの内容におきまして、車載・照明につきましては、ほぼ横ばいという見方をさせていただいています。「もう少し、これは上にいくんじゃないか」というのが、当初スタートを切った中での報告であり、その内容でございました。ただ、市況影響は今の米中関連とかが、いろんな意味で関わってきていることは事実でございます。

お客様から見た場合、我々はだいたいTier2からTier3で、場合によってTier4の位置。だいたい、Tier3が多いんですけど。その位置にいる我々のところまで、その状況は少しずつ変化が必要になってきていると見受けられます。

実際に自動車の場合は、産地を変更するのは非常に大掛かりになりますので、いきなりポンと(変更できると)いうものではなくて、時間をかけてそこに対して動きを取ることになります。「変化をする」ということは、決して我々がそのまま受注を継続(できるということ)ではありませんで、そこに対して新たなVAが必要だということは間違いありません。

それらを含めてそのあとの状況がどう変わっていくのかを、もっと我々がしっかり理解しなければ、ここに対しての変化を正しくお伝えしにくいということで、現在の見通しをそのまま利用させていただいております。

医療・ライフサイエンスにつきましては、当初の報告のとおり、今期は前期からの入れ替えに当たる期になりますのでマイナスという状況になります。ここは、見込みどおりでございます。

今まで利用しているものが、新しい製品に入れ替わります。思ったよりも急に立ち上がっていただけておりますので、その普及は前よりも広がりつつあると思っております。来期に新しい製品をまた立ち上げていくところに対して、しっかり仕込んでいく下期という状況になります。

その他ですが、その他のインパクトで一番強いのは、やはりRFIDタグ用ゴム製品になります。

Ⅲ-4.主要製品の通期売上計画

27ページの一番下の段に、RFIDタグ用ゴム製品の前期通期との売上の比較を記載させていただいております。

前期の実績の5億6,800万円に対しまして、今期は9億5,000万円を見通しとさせていただいております。非常に急カーブで増産という状況が続いております。現在もその増産体制を高めていこうということで、積極的な投資も含めてかかっております。

Ⅲ-5.2019年3⽉期連結設備投資計画

これらの投資を含め、今期の連結設備投資の総額は、約10億5,000万円を見通しております。車載・照明、その他の中のタグ製品に対する投資がちょっと大きくかかっているのが、今回の状況でございます。

来期に向けたこれらの投資は、しっかり新しい製品に向かってつながっていくものだと考えております。今期はしっかりと準備しながら来期以降で刈り取るのが、今期の下期では大事なアクションプランで、各事業分野ごとに張り切ってがんばっております。

Ⅲ-6.2019年3⽉期配当計画

最後の段になりますが、2019年3月期の配当計画です。

先日決定しましたが、中間配当は10円を予定させていただいております。期末配当は10円を計画させていただいており、年間で20円を計画させていただいております。

ここにつきましては、しっかり我々は(みなさまに)お返ししていくのを、いろんな面でお世話になっている方々と一緒にしていきたいと考えております。また通期が終わった段階で、そこについての報告をさせていただきたいと思います。

ちょうどV-2計画が始まって1年半が過ぎて、前半戦の中でいろんな市況を受けて、また先日からある米中(貿易摩擦)だとかいろんな世界環境が変わっていく中で、このあとどうすべきかを、あらためて考えるときに入っているんじゃないかと思っています。

ただ、我々のテーマはその短いところの……「短い」と言っても、1年半とか2年とかも「短い」と言ってしまうんですが。短いところをもっての部分というよりも、2020年以降、我々は50期以降をどう過ごしていくのか、どうつなげていくのか。大きなテーマをもって、今のアクションプランとしています。

来期から2020年以降をどう描くのかという、新たな中期に向けての策定作業も開始されていきます。いろんな意味で、まだまだ我々の活躍できる分野が目の前にチラついていながらも、まだまだ付加価値・力量が到達できないところも多くございます。

そこに対して、しっかり応えられる会社になっていく。それを全社一丸となって進めていくのがこの中期であり、この単年度のラストじゃないかと思っております。今後ともいろんな意味で、みなさまからのご助言やご指導をいただきながらの活動になるかと思います。くれぐれも、よろしくお願いしたいと思います。

本日はお忙しい中、本当にありがとうございました。以上でございます。