商号変更 ~ 株式会社Cominix ~

柳川重昌氏(以下、柳川):どうも本日は、お忙しいところありがとうございます。

まず、今年(2018年)の4月1日に商号を「大阪工機」から「株式会社Cominix」に変更いたしました。商号に地域(大阪)が入るのは、グローバルということから外れておりますので、Cominixと(変更しました)。20年ほど前からブランド名として使っておりました。

変更から現在2ヶ月ほど経ちますが、海外からは良いイメージで、「良い会社になったね」というような声をいただいております。今ちょうど採用をしていますが、東京・関西も含めて応募する人が増えました。とくに東京が5割ぐらい増えたと思ってます。

会社概要

設立は戦後の1945年です。来年・再来年に75周年記念をやろうと思っております。6年前にJASDAQで上場いたしまして、昨年に一部にいったということでございます。

資本金が3億5,000万円です。売上高がこの(2018年)3月で235億円。連結で海外に販社が8つあり、人数は340名です。単体で言いますと183名です。

当社の属する業界について

業界は、卸売業の中の総合商社ではなく専門商社でございまして、その専門商社の中でも一般機械器具、いわゆる機械系が専門です。その中でも工作機械とそれ以外の工具の2つに別れておりまして、またその中の切削工具・金属を削る刃物を中心にやっています。

工作機械というのは、金属を削って自動車の部品などを作るわけですが、今年は非常に活況、前期が活況でして(市場全体の受注額は)1兆6,500億円とも言われてます。約3分の1ぐらいが切削工具の売上と(言われています)。

それ以外に測定工具ですとか、あるいは伝導工具、ベアリング、あるいはスパナやペンチの作業工具などがあるわけでございますが、今後の中心になるのが切削工具かなと思っております。

工具生産額の推移

日本の工具生産額の推移をスライドに書いています。

切削工具は金属を削るわけですから、非常に硬い材料です。一番メインなのが(グラフの)ピンク色の部分でございます。超硬という工具です。その次が、いわゆる従来から使われている鋼の非常に硬いもの。その次に使われるのがダイヤモンド。いわゆる鉄系以外、アルミや銅とかグラスファイバーとか、そういうのは最近は人工ダイヤで削られています。

焼入れ鋼とか鋳物とか、そういうものにはもっと硬いCBNという工具もございます。全部含めて超硬工具と呼んでいるんですが、自動車・電気製品・建機・航空機業界で使われます。

ものづくり産業で無くてはならないものです。これが無ければ自動車も電気も、何1つできない、建機もできない、農機具もできないというような商品でございます。

事業内容

超硬工具に特化した我々専門商社でございます。メインなのがタングステンカーバイド、タングステンが主原料で作られた合金でございます。

(売上高のうち)切削工具が63.5パーセントぐらいです。

もう1つ使い方がございまして、例えばビール缶とかコーヒー缶を作るにも金型のオス・メスがいるわけです。それも日本で300億個ぐらい作られているうちの半分ぐらいが我々業務してるわけです。それ(耐摩工具事業)が大体12パーセントです。

タイ・中国・フィリピン・ベトナム・インドネシア・インド、あるいはメキシコ。最近になってはアメリカ、そういう8ヶ国に提案営業を続けてきたということでそれが、(売上高の)2割ぐらい。

それともう1つ、我々の主力の仕入先が住友電工ということもありまして、いわゆる光ファイバー・光製品も扱っております。(売上高の)大体5パーセントぐらいです。これが我々のポートフォリオでございます。

切削工具とは

その中、一番中心になる切削工具でございます。

先ほども言いましたように、工作機械の一部なんですが、工作機械に装着されまして、100分の1ミリなど、精度良く削らないといけません。

これを実現する超硬工具が、タングステンカーバイドで作られた工具でございます。ですから、モノづくりのコアな工程における、生産性・経営に直結する重要な工具です。

この最適な工具選びそのものが、加工速度・精度など製品に非常に大きく影響するということです。

切削工具とものづくり産業との関係

一番多い顧客は、自動車(関係)です。自動車のエンジン・トランスミッションあるいはブレーキなどが全体の半分近く。あと、電機・電子。コンプレッサー、エアコンあるいは液晶機というものです。

それ以外のところにもたくさん使われています。エネルギー、それから造船です。航空機も非常に多いんですが、ジェットエンジンですとか、機体とかランディングをする場所とかいうところに使われてます。

建設機械の場合は旋回できる大きなベアリングがたくさん使われます。いわゆる機械というものには全て必要ですし、医療などにも非常にたくさん使われています。我々はものづくり産業を支えてると思っております。

特長と強み

その中で我々の特徴です。

ほとんど切削工具・超硬工具だけに特化してるということで、圧倒的な品揃え・商品力があります。生産性向上の提案力、販売形態、国内外のネットワーク、そういう4つの特徴をもっております。

特長と強み ~商品力~

具体的に、まず商品力です。

世界的にはサンドビックグループ、IMCグループ、アメリカのケナメタル、このへんが一番大きいんですが、日本では住友電工とか三菱マテリアルもシェアをもっています。

我々が扱っているメーカーを(スライド記載の円グラフで)水色に塗っています。サンドビックグループと言いましても3つのブランドございまして、サンドビックもありますし、Secoもありますし、Walterというのもり、その中でSecoとWalterを扱っています。

やっているものを全部集めますと、大体60パーセントぐらいのシェアのメーカーを我々は扱っています。国内外の商材厳選しまして、ユーザーニーズに応える商材を取り揃えているという意味で、商品力は日本で一番強いと思っています。

特長と強み ~商品力(Cominix商品)~

もう1つが、海外の専業メーカー10数社の総代理店もしております。これを、従来の「Cominix」というブランド名を使った「Cominix商品」として、ずっと扱っております。今回、ブランドと社名を一緒にしたという意味で、我々は商品力をもっていると考えています。

特長と強み ~提案力~

もう1つの強みが提案力です。

提案力と言っても、いろいろあります。

例えば物を作るとき、大体100円としますと、原価の構成は、工具費は大体5パーセントぐらいなんです。あとは工場の費用とか人件費とか材料費とか機械とか、そういう分布なので、工具費が2割下がっても1パーセントのコストダウンです。寿命が5割伸びたところでコストは2パーセント(ダウン)です。

そうではなくて、例えば、加工を2割スピードを上げる。そうすると、例えば1時間に100個できるのが120個作ったとしますと、材料だけは2割増えますが、それ以外の7割・8割の部分が2割コストダウンになるということで、(全体で)約14、15パーセントぐらいのコストダウンを提供しようということで、これを我々はずっと提案しています。

特長と強み ~2つの販売形態~

それと販売形態でございます。

日本のお客さんの構成というのは、大手から、一次下請け・中小・3人・5人・10人ぐらいの会社というふうになっております。

メーカー直販というのは一部、1割ぐらいございますが、(当社は)大手に対しては直販になってるところがあります。中堅・中小に対しましては、工具メーカーから卸商社やディーラーを通したりもしていますが。EC・通販も多少あるんですが、これはもっとちっちゃなところに販売しています。当社からは大手にもいっています。

問屋業と両方やってるわけでございますが、切削しかやってないのが特長です。切削には絶対強いということございまして、いわゆる提案力にしろ在庫にしろ知識にしろ全て違うので、大体のところで我々が勝ってきています。

それともう1つ、直販をしてる関係で、顧客の本当に困ってることがわかりますので、新商材が発掘できます。さらに量が売れますので、規模の利益があります。

特長と強み ~ネットワーク(グローバル化)~

もう1つの特長は海外です。海外も1990年あたりからどんどん電機メーカーや自動車メーカーとか出ていったんですが現地調達をはじめたのは2000年代です。

ですから、我々も2000年以降から顧客をフォローしていこうということで、タイから中国、メキシコ・アメリカにも日本と同じような提案営業をして、営業所も順番に作っていきました。

日本と同じような提案、切削工具だけの提案営業をしていこうということで、現在8ヶ国・26拠点に開設いたしました。結果的に海外展開により日系メーカーの海外拠点を開拓しまして、日本の営業にもプラスになっているという特徴がございます。

成長の軌跡

今後、成長戦略でございますが、今までずっと売上は伸びていました。

なぜ伸びたかと言いますと、1つは先ほど言いましたように商品力・商材を増強してきました。もう1つは生産性向上の提案力・提案をしてきました。さらにもう1つが卸と直販です。

そして、2000年以降、海外拠点を作った部分が極端に増えてきたと。そういうことでどこでもやってないオンリーワンのビジネスモデルを作りまして、競争力を高めていっております。

業界NO.1に向けた成長戦略

今後の成長戦略でございます。

成長戦略 ~販売方法(テクニカルセンター)~

1つは消費者でテクニカルセンターを昨年より設立しまして、そして在庫センターも設備してまいりました。

そういうことで切削工具には強いという評判も立ちまして、ルートがどんどんできました。なんのために作ってるかと言いますと、1つは顧客のテスト化と、海外のメーカーはなかなか日本にテクニカルセンターというのはできないので、我々がその代わりをしているということです。社員教育にも使っています。

新しい製品をどんどん扱い始めたのですが、とにかく自社でチェックできるので自信をもって売れるということで、非常にこれは大成功でした。直接の売上にはなりませんが。

成長戦略 ~販売方法(ロジスティクスセンター)~

もう1つが拠点をどんどん増やし、同時にロジスティクスセンター、約10万アイテムを在庫いたしまして、全国で、翌朝に届くような配送体制を作ろうと、商品の配送に全力をあげてまいります。

成長戦略 ~M&Aの活用~

もう1つがM&Aです。跡継ぎがいない、というところもたくさんございます。

海外についていけない、例えば20人30人ぐらいの工業商社でしたら、海外に向けるほどのそういう人材はいません。今まで5社、買収いたしました。どんなところを買収してるかといいますと、いわゆる商流のあるとこです。たとえはマツダに強いとか、あるいは日産に強いとか、久保田に強いとかです。

成長戦略 ~積極的な海外展開(シナジー効果)~

もう1つが、海外戦略です。例えばメキシコに工場を作る、アメリカに工場を作るというときに、我々には全部、拠点がございます。そういう案件に対してはすべてテーブルの上に乗せてくれます。

日本に強ければ海外にも強い。海外に強ければ日本にも強いということで、お互いにシナジー、国内拠点の開拓、こういうのにも役に立ってるということでございます。海外は20パーセントと30パーセントぐらいのつもりで我々は伸ばしていこうと、そういうふうに思っております。今は8ヶ国でございますが、もう少し、ロシアやブラジルも含めて考えているところでございます。

そういうことで、今後まだまだ成長はしていけると自信を持っております。

18年3月期 決算概要 ~損益計算書~

吉田昌弘氏(以下、吉田):それでは続きまして2018年3月期の決算につきまして私の方からご説明させていただきます。

まず連結のPLです。

まず売上高ですけれども235億9,500万円ということで、前年比12.9パーセント増というところでございます。全てのセグメントで増収というところでございます。主力の切削工具、あと海外事業が非常に堅調に推移いたしましてこのように前年比12.9パーセント増とことになっております。

売上総利益が47億9,100万ということでございまして、粗利率が20.3パーセントということでございます。前期が19.9パーセントでしたので0.4ポイントアップしているということでございます。ですので前年比はプラス15パーセントということでございます。

販管費ですけれどもこちらは39億4,900万円ということで、販管費率が16.7パーセントということでございます。前期が17.4パーセントでしたので、こちらも0.7ポイント減少しております。

その結果、営業利益が8億4,100万円ということで前年比57.6パーセント増ということになっております。

営業外の損益を含めた経常利益が8億3,700万円ということで、前年比58.2パーセント、最終の当期純利益が4億6,300万ということで、前年比で28.1パーセントの増ということでございます。

18年3月期 決算概要 ~セグメント別~

つづきましてセグメント別でございます。

まず、すべてのセグメントで売上は増収ということでございます。利益もほとんどが増益というところでございます。

切削工具の方から見ていきますと、売上高が149億9,300万円ということで前年比で9.7パーセントの増というところでございます。粗利率が19.7パーセントということで前年比で0.6ポイントアップというところでございます。セグメント利益が4億4,600万円ということで72.5パーセント増というふうになっております。

耐摩工具は(売上高)28億2,300万円ということで、前年比11.4パーセントの増、粗利率は若干下がりまして19.3パーセントということで、0.2ポイント下がっております。セグメント利益は2億9,200万円で前年比6.3パーセント増となっております。

海外は、46億3,000万円ということで、前年比26.3パーセントの増です。粗利率がこちらも若干減っておりまして22.8パーセントというところでございますけれども、セグメント利益が今期は黒字化をして、6,200万円の利益というところでございます。

光製品の売上高が11億4,700万円、こちらも前年比で11.7パーセントの増となっております。粗利率の方が2億3,800万円ということで、粗利率が20.8パーセントということで0.9ポイントアップということでございます。経費が増加したということもありまして、セグメント利益の方は3,900万円ということで減益という形になっております。

18年3月期 決算概要 ~セグメント別前年比較~

各セグメント別に、グラフに表したものでございますので、こちらは説明を割愛させていただきます。

2019年3月期 連結業績予想

つづきまして中期計画というところでございます。

まず今期2019年3月期の連結の業績予想でございます。

こちらは売上高が255億円ということで前年比8.1パーセント増を見込んでおります。

粗利が51億8,000万円ということで、こちらも前年比で8.1パーセント増を見込んでおります。

営業利益が10億5,000万円で前年比24.8パーセントの増、経常利益も10億4,000万円ということで24.3パーセントの増、最終の当期純利益が5億5,700万円で、前年比20.3パーセントの増を見込んでおります。

2019年3月期 業績予想 ~セグメント別~

つづきましてセグメント別でございます。

各セグメントとも増収ということで見込んでおります。

まず切削工具ですけれども、売上高が158億円ということで前年比5.4パーセント増というところで見込んでおります。

耐摩工具は、30億5,000万円ということで、こちらは前年比8パーセント増の見込みというところでございます。

海外は、53億8,000万円ということでこちらは前年比で16.2パーセント増の見込みです。

光製品は12億4,000万円ということでこちらは前年比で8.1パーセント増の見込みというところでございます。

中期経営計画 ~数値計画~

3ヶ年の中期計画でございます。

当社は3ヶ年の中期計画をローリング方式で見直しておりまして、今回は2021年3月期までの3ヶ年の計画を作っております。

2019年3月期は今ご説明させていただいた数字でございます。

2020年は売上高が28億円で営業利益が13億円ということで、(前年比で)9.8パーセント約10パーセントの増収を見込んでいます。

2021年3月期が売上高が30億円、営業利益が15億4,000万円ということで、こちらも前年比で10パーセントの増収を見込んでいるというところでございます。

決算の概要につきましては以上でございます。