会社概要

坂井英也氏:おはようございます。代表の坂井でございます。それでは、前期の着地と今期のご説明をさせていただきたいと思います。

まずは最初に、簡単に会社概要を申し上げます。

先週広尾に「the 3rd Burger」の6店舗目をオープンしまして、全体では71店舗になっております。「てけてけ」という鶏居酒屋業態で63店舗、「the 3rd Burger」で6店舗、当社創業業態の「心」で2店舗というかたちで展開しております。

沿革

沿革もご用意しておりますが(ご説明申し上げると)、とくに昨年はドミナントで出店してきまして、これからもドミナント展開を推進していくのですが、この(2018年)1月に、千葉県に(「てけてけ」の)初出店をしております。

経営理念

経営理念もご用意しております。「本当に美味しい料理」を提供すること。このあとも(資料を)ご用意しておりますが、そこを徹底的に追求していきます。当社ならではの美味しさを追求しつつ、それをリーズナブルな価格で提供し続ける。それをミッションとして、展開しております。

業態紹介:てけてけ

それぞれ展開している業態について、簡単にご説明します。

「てけてけ」業態は、鶏料理を主体として、現在は2,400円を若干欠けるような客単価で推移しております。塩つくねや(博多)水炊きなどを主体とした、カジュアルな居酒屋となっております。

業態紹介:the 3rd Burger

そして「the 3rd Burger」です。こちらは、バンズは店内で発酵させて焼き上げて、パティは店内で(生の)ブロック肉をカット・ミンチして焼き上げる。このような、本当にフレッシュなハンバーガーを核商品にした業態です。

当社の戦略:ISP戦略の進化・発展

こちらからは、当社の戦略でございます。

過去、我々は「ISP」と呼ぶ戦略で展開してまいりました。「In Store Preparation」の略です。店内での高い加工度を売りにする戦略なのですが、昨今の環境下の中で1年かかりましたけれども、これを進化させております。

当社の戦略:PISP戦略①

生産性の「Productive」を頭に付けまして、「PISP」に進化させております。いかに店内仕込・調理で美味しいものを提供しながらも、生産性を高次元で担保させ、そこで収益を確保していくか。そして、昨今の人手不足の環境を乗り切りながら、お客さまにご満足いただこうと。そのような戦略に、進化させております。

このPISPは、生産性向上のために店内仕込・調理と外部委託のバランスを追求ということで、過去の高級レストランもすべて、高い店内仕込・加工を維持しているわけなのですけれども。

そこにおいて低価格で販売しようとしたときには、非常に無理がきてしまう。ただ、大手外食チェーンさんのように、工場での加工品だけにした場合には、クオリティが担保されない。

当社の戦略:PISP戦略②

それを高次元で、我々なりの戦略を追求しております。ここから、具体的にご説明申し上げます。

我々は「カジュアルプライスPISPレストラン」と呼んでいるのですけれども。縦軸には、店内仕込・加工度の高さ。横軸には、価格帯を示しております。

ミドルプライスを維持しながら、底堅い収入を維持されている個人店さんもあれば、店内加工度を極限まで高めて、高価格を維持されて繁盛されている、中・高価格帯のレストランさんもいらっしゃいますけれども。そして、コンビニチェーンさんや外食チェーンさんが、価格を低めて店内加工度も低い中で、集客を確保してきた過去があると思っています。

我々は、この位置(資料の赤い部分)ですね。価格帯は落とし込みながら、加工度はある程度維持する。そこでクオリティを維持しながら、低価格の商品をご提供して、そこで新しいお店づくり・味づくりができないかということで、この1年は徹底して取り組んできました。その成果は、見えつつあります。

当社の戦略:PISP戦略③

PISP戦略の続きですけれども。それぞれのバリューチェーンを書いております。コンビニチェーンさんや外食大手企業さんは、仕込(加工)工程を自社工場や外部委託工場で施す。そして、店内で最終調理をするのみでした。

しかし我々は、外部委託工場を一部効率的に使いながら、かつクオリティは維持しながら(商品を)提供する。ないしは、店内で仕込から行う。そうすることによって、高い商品力を維持できないかということを、考えております。

こちら(資料下部の写真)は、「the 3rd Burger」の事例ですけれども。お店でバンズを焼くことによって……専門用語でメイラード反応と言うそうですけれども。(還元)糖とアミノ酸の反応によって、香ばしくなる。お店で焼くからこそ、その香ばしさが残る。だからこそ、お客さまにその美味しさが伝わる。

もしくは、(パティを)お店でミンチにしてお店で焼き上げるからこそ、そこの香ばしさがお客さまにダイレクトに伝わる。

当社の戦略:PISP戦略④

今軽く触れました「香気成分」について、かいつまんで少しお話ししたいと思います。

当社の戦略:PISP戦略⑤

我々は、「美味しさ」というものを科学しました。「本当に美味しいものって、なんだろう?」と。それを考えたときに、このアロマ・フレーバー・テイストに、美味しさというものは分けられるのかなと思っております。

口に入れる前の料理から立ち上がる香り(アロマ)。そして、口に入れた時の舌先の味わい(テイスト)。そして、飲み込むときの鼻にぬける香り、フレーバーですね。それらがそれぞれにおいて高いものがあれば、その商品は、お客さまに「本当に美味しい」と思っていただけると思うのです。

この真ん中の工程である、テイストの部分ですね。ここについては、昨今の技術革新の中で、本当に高いクオリティの冷凍食品や、コンビニチェーンさんの商品があると思います。ただ、外食ならではの付加価値は、このアロマとフレーバーにあるのではないのかと、我々は考えております。

具体的には、例えば我々は「てけてけ」業態で、鶏餃子という、我々の店舗でしか味わっていただけない、通常の餃子とは少し違う商品を提供しておりますけれども。通常の冷凍食品の餃子は、もちろん工場で成形されたり蒸されたりして、1回加熱されて、そして冷凍を施される。店舗で、また解凍しながら焼き上げたり、もしくは蒸されたりしますけれども、工場で加熱される過程で、香気成分が相当程度失われている。そして、再度加熱してお客さまの口に入るまでに、(そこでもまた)相当程度の香気成分が抜けてしまっているのではないのか。

我々は、お店で1回だけ最終加熱を行うことによって、このアロマ・フレーバーを担保することで、お客さまにとって「これはこの店でしか味わえない、クオリティの高い外食店舗でしか味わえない商品だ」というロジックにしていただくのは難しいかもしれませんが、感覚として、その美味しさを味わっていただけるのではないのかと考えております。

当社の戦略:PISP戦略⑥

そしてまた、PISP戦略の1つの商品戦略の根幹をなすものなのですが、世界規模のソーシング活動です。これも約1年ほどかかって、数字に表れつつあります。クオリティを落とさないものに限り、仕込作業を一部外部化する。もしくは商品自体を、世界各地にある、その食品を生産するうえで最高の国・最高の工場で作っていただく。

そうすることによって、お客さまの価値に還元していく。そして、当然原価引き下げも狙って、収益性を担保する。(これらは)一朝一夕にいくものではないので、これを完成させるために……もちろんまだ完成は見ていないのですけれども、1年かかりました。

ただ、1年かかった世界規模のソーシング活動を、足下で原価低減に直結させることに成功しております。今期は、保守的に見積もった予想数値をこの後お話し申し上げますけれども、外食産業トップレベルの原価・コストコントロール力だと言っていただける取り組みになっていると自負しております。

決算概要①

こちらからは、決算概要でございます。

売上は、既存店の昨対比で98.8パーセントという着地でした。メイン業態たる「てけてけ」業態は、ディナータイムではほぼ100パーセントだったんですが、ランチにおいて若干数字を落とし、最終的に98.8パーセントという着地になっております。新規出店は、22店舗の目標のうち、15店舗に留まりました。

売上原価は、コントロールに苦しみました。足下はなんとかコントロールできていますけれども、前期の数値で見たときには、(酒税法の)改正以降、原価率は1.2パーセントほど上昇してしまいました。

タブレットオーダー端末も「てけてけ」全店に導入完了しまして、人件費率で1.9パーセント程度の引き下げ効果になっております。

そして、営業利益です。大きな要因は、酒税法改正における影響と新規出店の遅れ。この2つにおいて、最終的にみなさまにご迷惑をおかけするかたちになりました。そこにおいて、期初発表予算に対して、66.9パーセントの着地となっております。

決算概要②

最終的な着地としては、(2018年1月発表の)下方修正の数値と比べたときには、それぞれ上回っています。63億円の売上高、そして2億円の営業利益で着地しております。

売上高の増減分析(前年比較)

こちらからは、売上高の増減分析です。(居酒屋業態では)前期に出店した店舗が、通期で営業したプラスの効果として、1.5億円。そして、新規出店分で7.3億円。そうすることによって、最終的にプラス8.7億円・63億円の売上高に着地しております。

営業利益の増減分析(前年比較)

営業利益分析を、こちらに書いております。基本的には、下方修正になった要因の半分が原価の高騰、もう半分が出店の遅れです。今期に関しては、そのような出店の遅れがないように、しっかりと準備をして、期をスタートすることができております。

【全社】既存店昨対比状況

既存店昨対比を、それぞれ書いております。先ほども申し上げたとおり、ディナーに関しましては、ほぼ100パーセントの着地。ランチに関しましては、96パーセントとなっています。

こちらに関しては、生産性向上の流れの中でランチメニュー改定を行って、そこにおいて一部のお客さまから、厳しい反応になるものがあったのかなということも、最終的にはわかっています。この(2018年)4月末のメニュー改定で、そのあたりもキャッチアップして、100パーセントを超える流れを作っていきたいと、現状は考えています。

店舗数推移

前期は15店舗の出店で、(全店合計は)前期末で69店舗となっています。

2019/2月期 業績予想

こちらからは、2019年2月期の業績予想でございます。売上高で84億8,500万円、営業利益で2億6,900万円を見込んでいます。

売上高・店舗数推移

新規出店目標を25店舗に設定しまして、予算を組んでいます。

出店情報①

こちらからは、出店情報です。過去は一都三県、とくに東京中心に展開してまいりましたが、昨今ですと、神奈川の大和駅などの郊外に出店網を広げています。今後は、次のドミナント立地たる大阪に出店いたします。「てけてけ梅田お初天神店」ということで、2018年5月8日にオープンを予定しています。

出店情報②

それ以外の出店情報です。昨年は、出店の遅れからご迷惑をおかけする着地となってしまいました。今後起こさないように、今期はもう期初から、しっかりと出店の仕込みを行っています。

すでに第1四半期で、10店の店舗の出店契約が済んでいます。そして、先ほどお話したように大阪(でも出店します)。まだ1号店ですので、(大阪には)出店余地がかなり残されていると思っています。

このあたり……すでに新規出店契約済みの10店舗と、新しいドミナントエリア大阪。ここにおいて、今期の25店の(新規)出店を確実なものにしていきたいと思っています。また、この10店舗以外にも、契約直前案件が3店舗あります。今期はしっかりと、掲げた目標を達成していきたいと思っています。

中期目標

そして、中期目標です。引き続き、2020年中の(首都圏を中心とした)200店(の展開)。これを目指していきたいと思います。オーガニックといいますか、自力の既存業態だけで200店舗を出店することは、多少難しい状況になってきています。

実は前期も、M&Aを検討した案件もありましたけれども、最終的にその案件はブレイクしてしまいました。今期も積極的にそのようなご縁を探していきながら、M&Aも含めたかたちで、2020年中の200店舗を目指していきたいと考えています。

2018/2期の取り組み:てけてけ

ここからは、(2018年2月期の取り組みのうち)その他の情報でございます。引き続き、オリジナルドリンクをご好評いただいています。それぞれの蔵元とダイレクトに契約を結ぶかたちで、オリジナルのお酒を導入しています。

また、生産性向上の中で、タブレット型端末(を導入しました)。そして、予約センターも稼働しています。これは、「てけてけ」業態の店舗では、ほぼ全店舗で営業中に電話が鳴らない(というものです)。

社内でのコミュニケーションの中で電話を使うことはあるのですが、それ以外は、電話は鳴りません。お客さまへのサービス・商品作成に集中できる環境を作っています。そのような取り組みで、昨今の採用難ないしは人件費高騰の中で、生産性を上げていきながら、コスト増をもたらさない取り組みをしていきたいと思っています。

2018/2期の取り組み:the 3rd Burger・その他

こちらは、「the 3rd Burger」の取り組みです。各種期間限定のメニューや、その他(メディアへの)露出もいろいろとございました。

(私からのご説明は)以上となります。先ほども触れさせていただいたとおり、前期に下方修正(を行った)ということで、非常に個人的にも、屈辱的な結果になってしまいました。今期はそのような下方修正をすることがないように、保守的に見て予算を作っています。

そして、とくにコストコントロールのところは、原価率を26.6パーセントと見ています。個人的に業界を見渡したときには、トリドールさんなどの25パーセント台の原価率が、非常に目を引きますけれども。そこに比するようなコストコントロールにしうるのではないのかと、見ています。

まずは、今期に掲げた26.6パーセント(の原価率)を目指して、確実な今期予算の達成を目指していきたいと思っています。ご清聴ありがとうございます。