決算概要(連結)

西村善治氏:みなさんこんにちは。それでは資料に沿って、日比谷総合設備株式会社第2四半期の決算について、説明をさせていただきます。

まず資料を1枚めくっていただきまして、決算の概要です。

今年(2017年)の第2四半期、昨年(2016年)の第2四半期、一昨年(2015年)の第2四半期、3つの期を並べて書かせていただいております。受注高につきましては、ほぼ3期とも同じ水準かと思っております。

売上高は昨年と比べますと6.4パーセント減っておりますけれども、一昨年とほぼ同じ水準です。

営業利益・経常利益は、昨年の第2四半期には非常に大型で利益の大きな物件が完成したということもございまして、そこと比べると減益というかたちになっておりますが、一昨年と比べるとかなりの増益となっております。

親会社株主に帰属する四半期純利益は、第1四半期に株の売却益を特別利益として計上したことにより、大きく増えております。

2018年度の目標と、現在実施中の第6次中計の目標の達成に向けて、順調な第2四半期だと見ております。

受注高 分野別・顧客別 (連結)

分野別・顧客別の受注額です。3期並べて書いております。

先ほどのスライドの数字と同じですが、NTTグループからの受注が例年より少し多いという状況でございます。

売上高 分野別・顧客別 (連結)

次のスライドをお願いいたします。続いて売上高です。

顧客別の売上高のグラフをご覧いただきますと、NTTグループが前の期と比べて増えております。これは期をまたいだ工事のうち、上期に完成したものが多かったためです。

損益計算書 (連結)

次をお願いいたします。連結の損益計算書です。

売上高の概要は一番最初のスライドでご覧いただいたとおりですが、売上総利益率は、1年前より落ちておりますが、かなりの水準を保つことができたと見ております。コストセーブなどの取り組みが効果を上げてきていると見ております。

株主還元施策の状況

次のページでございます。株主還元施策です。

当社は連結ベースでの純資産配当率(DOE)に着目した配当を実施しております。今年度は、第6次中計の利益目標をベースに、年間配当を60円と計画しております。中間配当は計画どおり、年間配当の半分の、1株当たり30円を実施することといたしました。

次に、自己株式の公開買付けです。株主さまへの利益還元の強化と、資本効率のさらなる向上を目指して、大株主が保有する一定量の自己株式を取得・消却をさせていただこうと考えております。

買付け予定株式数は500万株、発行済株式総数の16.1パーセントです。今のところご応募いただく予定の株式は370万株強で、発行済株式総数の12.3パーセントに相当いたします。

買付け価格はすでに発表しておりますが、(2017年)11月6日の終値が2,453円です。買付け期間は11月8日から12月6日まででございます。

第6次中期経営計画(2017.4~2020.3) 基本方針・基本戦略

今期からスタートしております第6次中期経営計画と上半期の実施状況について、簡単にご報告申し上げます。

第6次中計は「企業体質変革の定着と強化」を目指して、緑で囲った2つの丸を大きな柱といたしております。1つは「人財とICTへの投資による働き方改革」、もう1つが「ライフサイクル(LC)トータルソリューションの高度化」という2本柱です。

〔基本戦略〕 「人材とICTへの投資による働き方改革」

今日ご紹介申し上げたいのは「人材とICTへの投資による働き方改革」のなかの、主としてタブレットを使った現場管理業務の効率化でございます。

クラウドサービスを利用したタブレット端末による現場管理①

工事管理におけるタブレット端末の活用の1つが、現場書類のペーパーレス化です。

従来はスライドの写真のように、設計図面をはじめとする仕様書などの書類を現場に持ち込んで、いろいろな確認をしながら作業員に指示をしておりましたが、非常に大きな紙で、重いということもありました。

そこで現在、これをすべてタブレットに保存をして現場に持ち込むかたちにしております。

タブレットによる保存では、書類にしおりやマークを付けることができ、大量の書類も検索が簡単です。非常に軽いということもあって、現場で効率的な書類の閲覧が可能になっております。

クラウドサービスを利用したタブレット端末による現場管理②

例えば図面の変更があったときに、従来は紙に書き込みをしていましたが、その情報は現場の作業員や担当者になかなか共有できませんでした。

一度現場事務所に戻ってみんなに周知しないと、共有できなかったわけです。タブレット端末を利用すると、一人が現場に持ち込んで書き込めばクラウドですぐデータが上がっていって、ほかの人たちがそれを見ることによって、何に変更が起きたか、どこまで作業が進んだかということをすぐにチェックできるようになっております。

クラウドサービスを利用したタブレット端末による現場管理③

工事では、作業の開始や終業の確認のために写真を撮影します。タブレット端末の利用によって、図面に、どこで撮影したかというピン(撮影位置)を立てて写真を撮ることができるようになり、どんどん自動で報告書式の中に写真を入れていくことが可能になります。

1つのピンの場所で複数の写真が出来ますので、例えば着手前と着手後というようなかたちで、写真の整理も可能です。

クラウドサービスを利用したタブレット端末による現場管理④

作業員に現場で指示する場合も、タブレットに入っている図面や現場で撮った写真に、指示を書き込むことができます。このスライドの写真では、紫色のペンで、「ここを撤去する」という指示をしています。図面と写真を同時に見せることによって、作業員の理解も非常に早く、間違いのない指示ができるようになります。

指示の情報はクラウドで、どんどん上がっていきますので、現場事務所でも確認できますし、デスクでも確認ができます。

アプリを利用したタブレット端末による現場管理

パトロール点検票の例でお示ししておりますけれども、作らなければいけない書類の書式をタブレットで作りこんでおけば、例えば日付を入れるときには、プルダウンでカレンダーをクリックすると、すぐに記入できるようになります。

例えば、作業員の名前なども同じような方法で記入できます。パトロール点検票でよく指摘されるような事柄をプルダウンで入れておけば、それをクリックすることによって手入力せずに記載することが可能です。

クラウドですので、記入された情報はデスクで瞬時に確認することができます。

以上のような、タブレットを使った効率化施策により、少しでも現場での作業を減らしながら、効率よく仕事ができるよう取り組んでおります。

〔基本戦略〕 LCトータルソリューションの高度化 (注力領域での受注拡大)

第6次中期経営計画のもう1つの柱のLCトータルソリューションについて、いくつかご説明をさせていただきたいと思います。

まずは、注力領域として5つの分野について、積極的に取り組んでおります。ここでお示しさせていただいているのは単体の受注額ですので、連結の受注額とはちょっと数字が変わってきておりますが、分野別の受注はこのようなかたちで推移をしております。

今期は、根強いオフィス需要がありまして、この分野での受注が非常に堅調に推移をしております。

〔基本戦略〕「LCトータルソリューションの高度化」①

さまざまなLCトータルソリューションの中で、NTTグループをはじめとする主要なお客さまのビルの、元施工を担当させていただいた物件を中心に提案しているのが「ビルまるごと提案」です。

元施工した物件は何年に竣工したかということがわかっているため、一定の年月が経つと、だいたいこの辺が傷んできそうだという想定がつきます。そこでそのビルの設備を見せていただいて、劣化診断を実施するといったサービスです。。

ほかにも、信頼性向上のためのご提案や、省エネのご提案を申し上げます。ビルまるごとの設備の公開計画・整備計画をご提案しても、すぐには受注に結びつかないケースもございますが、いくつか受注に結びついてきております。

〔基本戦略〕「LCトータルソリューションの高度化」②

それから、オフィスビルや家電量販店を、短工期かつ低コストでホテルへ用途変更するという施工を、大阪で何件かやらせていただきました。

それをご覧いただいたお客さまから、コンバージョンの計画やリノベーションの計画があるということで、提案をしてほしいという要請がありまして、最終的に実施設計、受注にいたったという案件がございます。

このようなコンバージョン案件やリノベーション案件も、引き続き精力的に取り組みたいと思っております。

〔基本戦略〕「LCトータルソリューションの高度化」③

それから、過去の失敗事例も含めた技術情報、お客さまの設備状況に関する情報などを入れ込む、社内で「LCライブラリー」と呼んでいる取り組みがあります。

かなりストックが溜まってきたのですが、これまではなかなか使いこなすというところまでは、できていませんでした。ようやくその中から情報を引き出して、VE/CDの提案や、過去の例を組み立て直すかたちでのご提案ができてきました。それから、業務効率化につながるような現場での工夫をご提案し、非常に高い信頼を得たという案件が出てまいりました。

今後も、LCライブラリーに入っている情報をしっかり使って、業務の効率化につなげていきたいと考えております。

〔基本戦略〕「ソリューション技術の高度化」 ▷省力化・効率化技術

これは現在、他の会社と共同で特許を申請しているものです。360度の撮影が可能なカメラを使って、全体が収まるようなかたちで、現場の写真を竣工時に撮っていきます。

それを使いまして、従来は完成時に紙でお渡ししていた図面や取扱説明書をタブレットの中に入れ込み、写真や、それに紐付けた完成図・取扱説明書をお納めしております。

お客さまは現物を見て、必要に応じてクリックすると、画面上で図面や書類を見られるということです。これを「バーチャルツアーマニュアル」と呼んでおりまして、特許になればいいなと思っております。

非常に大きい現場ですと、何冊もファイルが溜まってくるのですが、タブレット1つで処理することができます。

これは現場で書類を作るうえでも、プリントアウトの必要はございませんし、書式を作って属性をはめ込めばどんどん進行していくので、非常に効率化へつながっております。

以上、第2四半期の業績のご説明と、今取り組んでおります第6次中期経営計画の柱である、2つの柱の中からトピックスをご紹介申し上げました。

ご清聴ありがとうございました。