今回のゲストは、FPの高橋忠寛氏

頼藤太希氏(以下、頼藤):こんにちは。

高山一恵氏(以下、高山):こんにちは。

頼藤:ゆる~くお金について語るラジオ、マネラジ!

(両者拍手)

頼藤:第37回ということですね。

高山:はい、そうですね。

頼藤:今回もスペシャルバージョンとしまして、ゲストを呼んでいます。本日のゲストは、高橋忠寛さんです! 僕たちの大好きな人です。

(両者拍手)

頼藤:こんにちは。

高橋忠寛氏(以下、高橋):こんにちは、よろしくお願いします。

頼藤・高山:よろしくお願いします。

頼藤:高橋忠寛さんは、株式会社リンクマネーコンサルティング代表の、ファイナンシャルプランナー(FP)と。今をときめく若手イケメンFPとしまして……。

高山:女性ファンが非常に多い、大変人気な方ですね。

頼藤:肩書きもいろいろありまして、「成功する資産運用ガイド」とか。

高山:いい感じの肩書きですね。

頼藤:(笑)。

高橋:なんか、つけていただきました(笑)。

頼藤:というわけなので……高橋さん、自己紹介をお願いいたします。

高橋:はい。ファイナンシャルプランナーの、高橋忠寛と申します。私は銀行を退職してから3年前に独立して、今は資産運用のアドバイスを専門とするファイナンシャルプランナーとして、活動しております。

頼藤:すごい。本もたくさん出していますよね。

高橋:そうですね。ありがたいことに、本を何冊か出させていただきました。

頼藤:あと、テレビにもひっぱりだこで。

高橋:テレビも、そうですね。大したことは、しゃべってないんですけど。

頼藤・高山:(笑)。

高橋:出させていただいてます。

頼藤:あとは、セミナーとかも(されていますよね)。春香クリスティーンさんと、セミナーで対談をされているので。バシッと、選挙について(お話しされていました)。

高橋:(笑)。

高山:頼藤さん、行ってましたもんね。

頼藤:行って、勉強してきました。というわけで、本日は仲良くしていただいている高橋忠寛さんと一緒に、お送りさせていただこうと思うんですけれども。僕は(いつも)「忠寛さん」って言ってるので、せっかくなので、忠寛さんって呼びますね。

「忠寛さんは、なぜFPになったのか?」というところから、どういう経歴(をお持ち)なのかも、詳しくお話しいただければと思うんですけど。

お客さん側につくアドバイザーが必要?

高橋:じゃあ、なにをやってきたかということから話をして、そのあとに、なぜFPかというところをお話しします。

私は大学を出て、最初は東京三菱銀行(現在の三菱東京UFJ銀行)というところに入って、法人営業を2年から3年ぐらいやってきました。「個人向けの仕事をしたいな」というところが、そのあとでFPになった理由ともつながるんです。

やっぱり私たちは、お金について知らないことが多くて。現場でいろいろなお客さまと話をしていると、知らないで損していることとか(があります)。あとは、法人取引というのはある程度、企業と銀行が対等になっています。お客さまも、複数の銀行を比較・検討しながら取引をしていくんです。

個人の方の取引は……どうしても、なにも知らない個人が、いっぱい情報を持っている金融機関から、いろいろな商品を提案される。そして、よくわからないままに決断をしているという状況を見てきました。もうちょっと、お客さん側につくアドバイザーが必要なのではないか? とか、一般の個人の方がもう少し、金融リテラシーやお金の知識を知っておくべきではないか? と考えました。

そういう教育の機会を提供していくことが必要なのではないかと、FPとして独立しようと思ったのが、銀行に入って2・3年目ぐらいのころですね。銀行の個人向けの現場でちょっと仕事をさせてもらおうと思って、(配属を)希望していたんですけど、なかなか行かせてもらえなくて。一時は、個人の地主さんとかの、相続のビジネスをやる部署に行ったんです。

(それでも)やっぱり資産運用とか、もうちょっと一般の方のお金回りの話をやっていきたいなと思って、たまたま縁があったシティバンク銀行に転職しました。(アメリカ合衆国のシティグループ傘下)シティバンクで、仕事を2・3年やってから独立しようかな……と思ってたんですけど、けっこう楽しくて(笑)。

日本の銀行と違って、やればやっただけの待遇を受けられて、ポジションが上がっていきます。お客さまも、けっこう金融リテラシーの高い経営者の方が多いです。お客さまと話すことで、自分のポジションが上がっていくのも楽しくて……なんだかんだいって、7年ぐらいシティバンクで仕事をしていました。

いろいろな会社の事情もあり、私の年齢も32、3歳になりまして。独立するのであれば、早めにチャレンジしたほうがいいんじゃないかな? ということもあって、3年前に独立して、今はFPとして活動してる……という状況です。こんな感じでいいですか?(笑)

頼藤:(笑)。

高山:すばらしいですよね。

頼藤:プライベートでは、2児の父ということで。

高橋:そうですね。ありがたいことに、子どもが2人おります。

高山:男の子と女の子ですか?

高橋:はい。5歳の女の子と、1歳の男の子がいます。

頼藤:1歳の男の子は、忠寛さんと同じ誕生日なんですよ。

高山:えっ。

高橋:そうなんです。36歳違いで、僕と同じ干支で、同じ誕生日という……恐ろしいですね。自分と同じ運命を背負ってたら、かわいそうかなと。

頼藤:どういうことですか(笑)。

高山:それ、かなりの運命ですね。

頼藤:すごいですよね。そして忠寛さんは、サッカーをやられているということで。

高橋:はい、運動ぐらいしか趣味がないので。体を動かすのは、学生時代にずっとサッカーをやっていて。社会人になっても、銀行の社会人リーグでサッカーをやっていました。ただ大学は、実はスキー部だったんです。あとは最近だと、あまり走ってないですけど……社会人になってから、マラソンをするとか。

体を動かすのは、とりあえずひととおり、なんでもやらないと気が済まないというか。なんでもやれるようになりたいなと思って、やってます。

高山:まさに、勉強もスポーツも(できて)、イケメンで……絵に描いたような人生という感じですけども。

頼藤:たくさん、努力はされてると思いますけどね。

高山:努力は、すごい方だと思います。

頼藤:スキー部のお友達が、僕のアフラック時代の先輩だったので。それで、その方を……。

高橋:頼藤さんが独立する前、アフラックにいた頃に、僕の友達が頼藤さんの先輩というか……隣の部署にいて。「FPでビジネスしたいっていう、生意気な子がいるよ」って(笑)。

頼藤:すみません(笑)。

高山:(笑)。

高橋:どんな生意気な子が来るのかなと思ったら、頼藤さんが現れて。

高山:生意気でした?

高橋:勢いがあって、いいなと思って(笑)。

高山:物は言いようですね(笑)。

頼藤:2014年の9月で、起業したばかりの時にお会いしました。僕が起業したのは、結局翌年の2015年1月だったので、本当に先輩ですね。

高橋:いえいえ。活動量でいったら圧倒的に(頼藤さんのほうが)。

頼藤:いやいや。本当に、忠寛さんはすごいんですよ。CFP(日本FP協会認定の上級資格)も、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)も、宅建も、行政書士も持っているんですよ。

高山:(そのうえ)住宅ローンアドバイザー(も持っているん)だよね?

頼藤:そう! 完璧ですよ。そして忠寛さんの会社は、投資助言業(の資格)を持っているんですよね。「投資助言業」というものを持っていないと、株の銘柄とかをお客さんにお話しすることができないんですけど。

高橋:なかなか投資助言業って、まだ認知されていないんですけれども。資産運用のアドバイスをするには、本来はこういう(投資助言業の)登録が必要なんですけれども。なかなか登録せずに(業務を)している方も多いですし、もうちょっと広がってくれるといいなと思います。

高山:助言業(の登録)を取るのって、難しいんですよね。

高橋:そうですね。いろいろな審査・経験・知識とか、あとは体制づくりですね。社内のコンプラの体制管理とか、内部監査をどうするかとか。そういう仕組みづくりが、けっこう大変だと思います。

頼藤:お金も、供託しないといけないんですよね?

高橋:そうです。法務局に、500万円の供託金が必要です。

頼藤:高いですよね。

高山:だけど、(投資助言業の登録があれば)「信頼できる資産運用アドバイザー」ということになりますね。

金融機関の関係者だからこそ、発信できること

頼藤:そうですね。そんな忠寛さんは、将来どういうふうになっていきたいのか、せっかくなので(聞かせてください)。

高橋:私はやっぱり、お金のアドバイスビジネスが、もうちょっと広がってくれたらいいなと思っています。

今、金融庁が改革を進めているものがあるんです。これまでの金融機関のサービスは、どうしても、お客さまの利益よりも金融機関側の利益が優先されてきた。これは、金融庁も認めています。やっぱり、お客さまの利益が優先されるビジネスが、広がっていってほしいと思います。

そのためには、(今は)金融商品を販売している人に相談すると、どうしても商品を売ることで、ビジネスが成り立つ仕組みなので。(お客さまが)自分にとってベストなアドバイスを得ようと思うなら、売り手(金融機関)に相談するよりは、第三者にちゃんとお金を払って相談したほうが、しっかりしたアドバイスが得られます。

世の中に、「情報はタダ」という認識があるんですけれども、やっぱり価値のある情報には対価がつくべきだし。そういった、良心的な志のあるアドバイザーが、増えてくれたらいいなと思います。

微力ですけれども、その先駆け的な立ち位置というか、活動ができたらいいなと思って、少しずつやってます。

頼藤:マネー界の若きリーダーとして、引っ張っていただければ。

高山:(笑)。

頼藤:そんな忠寛さんの想いをかたちにしたのが、『銀行員が顧客には勧めないけど家族に勧める資産運用術』

高山:これ、読みたくなるタイトルだよね。

頼藤:日本実業出版社から、定価1,400円で発売されているものですよね。

高橋:はい。悩みましたね、この本を出すの。

頼藤:(笑)。

高山:これ、けっこう銀行側にお世話になったと思うので……(悩まれたのでは)。

高橋:そうですね。やっぱり、僕の仲間もまだいっぱい銀行にいますし……金融機関でお世話になって、経験を積んでいろいろなことをさせていただいて、勉強もさせていただいて(今の)自分があるので。

決して、金融機関を叩きたいわけでも批判したいわけでも、なかったんですけれども。出版社とか本を出す側は、できるだけ目立つように、多くの人が興味を持つような内容にしたい。また、僕としては、ちゃんとしたことを伝えたいなということで……。タイトルとか、これでもだいぶマイルドになったんです(笑)。

ただ、どんないいこととか伝えたいことがあっても、(本を)手に取ってもらえないと伝わらないので。そういう意味では、ある程度アピールしていく必要もあるなと思いながら。アピールとか、得意じゃないので(笑)。

高山:(笑)。

頼藤:増刷になってますもんね。

高橋:ありがたいことに、少しずつ売れています。やっぱり、銀行の仲間とか金融関係者に悪いなという気もあったんですけれども。逆に、金融関係者のほうが評価をしてくれたこともあって。

(銀行の組織の)中にいると、「正しくない」「これってどうなのかな?」と思っていても、会社員だし、組織の一員としてなかなか変えられないところがあります。外部からでも、こういった(本を通して)ちゃんとしたことが世に出て、お客さんも賢くなる。正しいことが伝わることで、銀行も変わらざるをえなくなり、変わっていく。こういうことが期待できるので、FPの人や金融機関の関係者も(この本を)評価して、「こういうことを、ちゃんと伝えてほしい」と言っていただけたのが、うれしかったです。

頼藤:なるほど。

高橋:ただ、僕も金融機関にいた時は、そういうこと(売り手目線の金融商品や資産運用の案内)をやっていたので。「(そういうことを)やっていた人が、そういうことを書くのはどうなんだ?」という、厳しい意見を受けることもありました。本当に悩みました。でも、だからといって、自分が言わないといけない。やっていたからこそ言える部分もあるし、変わってほしいなという部分も含めて……申し訳ない気持ちもあったんですけど、伝えています。

FPの将来の道は「銀行員の先生的な存在」

頼藤:なるほど。ちなみに、銀行員が手数料とかを意識しないで……例えば、安いインデックス型(東証株価指数や日経平均株価の動きに連動させることを目標とした投資信託)とかを売るような世界になったら、銀行ってどうなるんですか?

高橋:僕は、銀行も相談料を取ればいいと思ってるんです。結局、銀行のお客さんでも、自分で判断ができて勝手にやりたい人には、安くていい商品を提供すればいいし。アドバイスが必要な人には、それに応じて、その人に「アドバイス料」……じゃないですけれど、そういうものを取ってやっていく。

そうすれば、お客さんにとっても、(ただ)コストの高い商品ばかり揃ってるより、(サポートが必要ない)わかっている人が、安い商品をそのまま使える。(一方)サポートが必要な人には、それなりのサポートに対価をもらって提供していく。そういうかたちにしていったほうが、お客さんにとってもいいと思うんです。

頼藤:そうすると、FPにとっては厳しい世界に……?

高橋:銀行が、ちゃんとしたアドバイスをできるようになって、そこで相談料を取ってライフプランの相談などもできるようになってしまうと(独立系のFPにとっては、厳しい世界になる)。金融機関に所属してやっていくFPは、別に(金融商品を)売るためではなくて、ちゃんとアドバイス料をもらって(活動して)いくことができるので。そういう意味では、どっちがいいかわからないですね。

独立して、自分で集客をやっていかなきゃいけないので。(組織にいることは)リスクもあるし大変な部分もあるんですけど、企業の中にいながらでも、そういうアドバイスをしてライフプランを見ながら、いろいろな提案ができるということです。

取扱商品も、組織にいたほうが、いろいろなものを扱えるので。もしかしたらそのほうが、FPとしてやりがいがあるってことにも、なるかもしれないので。あまり僕は、独立しているかどうかにはこだわってないんです。「質」として、ちゃんとお客さまのためになるアドバイスをやっているのか、単に(金融商品を)売りたいだけなのかというところが、大きな違いかなと。

頼藤:じゃあ、「銀行員の先生的な存在」が、FPの将来の道ですかね?

高橋:そうですね。FP的なやり方が、金融機関の担当者とか営業の方とかにも、もう少し入っていくといいと思います。そのためには、きちっと相談料とか口座管理料とかを取っていかないといけない。「アドバイスはするけど、高い手数料を回収します」だと、意味がない……というか、今と同じなので。そういう意味で金融機関も、もうちょっとコンサルティングの要素を盛り込んでやっていったら、いいんじゃないかなと思ってます。

頼藤:なるほど。どうですか、高山さん?

高山:もう、そのとおりですね(笑)。

頼藤:(笑)。忠寛さんには今回と次回、番組に出ていただくので、『銀行員が顧客には勧めないけど家族に進める資産運用術』については、次回お話しするとして。今回は、新刊の『ズボラでも「投資」って、できますか? ~元メガバンカーが教える お金を守り、増やす超カンタンな方法』について。これは大和書房から、定価1,400円で出ています。今日は(僕たちが)この中から質問して、ぜひリスナーの方に買っていただいて。

高山:たぶん、この放送を聞いている方って、(投資の)初心者の方も多いと思うので、参考にしていただければなと思います。

頼藤:そうですね。じゃあ本当に、初歩の初歩から教えていただくって感じで。

高橋:どんな本か、簡単に……いいですか、僕がでしゃばって?(笑)。

頼藤:(笑)。どうぞ、自由に話してください。

高山:今日は、忠寛さんの回ですからね。

高橋:タイトルに「投資」って入ってるので、「投資の本か」と思われる方が多いんです。本屋さんに行っても投資のコーナーにあるんですけど、投資に関することは(全体の内容の)実は4分の1ぐらいです。(そのほかには)保険の話とか、不動産の話。「家を買うのがいいのか」とか、住宅ローンの話とか。あと、税金ですね。税金は、確定拠出年金とか、運用に関するものもあります。また、相続とかの話もあるので。

マネーリテラシーとか、お金に関する知識全般が身につくというか、「知っておくといいのではないか?」という情報を、幅広く盛り込んでいます。そういう意味では、投資だけでなく、金融リテラシーが身につくと思います。

中身も、「山田さん」という、「ズボラで、お金のことなんか考えたことがなかった!」という35歳のキャラクターと、会話形式で進めていくものなので、すごく気軽に、ぱっと読める内容になっているかと思います。

頼藤:本当に、いろいろなことに答えていただいていますもんね。「お金の不安はなくなりますか?」「インフレになったら、どんな影響があるの?」「投資って、ギャンブルみたいなもの?」「円安にリスクがあるの?」「保険って、入ったらそれだけで安心じゃないの?」とか。

高山:初心者とかがね、よく思うような疑問ですね。

頼藤:そうですね。