2018年3月期第2四半期決算説明会

木下盛好氏:木下でございます。日頃は当社への暖かいご支援とご理解を賜り、誠にありがとうございます。また、本日はご多忙の中、当社の決算説明会にご臨席をいただきまして、厚く御礼申し上げます。

経営環境

それでは3ページをご覧ください。

当第2四半期累計期間における我が国の経済は、政府による経済政策などの効果により、企業収益や雇用環境に改善が見られ、個人消費においても緩やかに持ち直しております。

今後も景気の回復が期待されるものの、海外経済の不確実性や、金融資本市場の変動の影響など、我が国の景気を下押しする可能性が引き続き存在しております。

当社が事業進出しているタイ王国では、政府による公共投資の拡大により、GDP成長率は上昇、加えて輸出の拡大や観光収入の増加に伴い、外需が堅調に推移したことにより、緩やかな成長が続いております。

インドネシア共和国では、内需と投資の緩やかな回復により、4月から6月の実質GDP成長率は前年同期比5パーセントと安定した成長が続いており、経済は回復基調にあります。

下段左側の国内の市場・競争環境においては、バンク業態、ノンバンク業態の垣根を越えた競争構造が継続する中、個人向けカードローン市場は引き続き拡大しております。

このような競争環境の中、バンク業態においては全銀協が「銀行による消費者向け貸付に係る申し合わせ」を公表しました。

この公表を受けて、銀行各行は配慮に欠けた広告宣伝の抑制や、審査体制の整備などの対応を進めており、今後バンク業態の残高伸長率は鈍化することが予想されています。

一方、ノンバンク業態においては、市場が緩やかに回復する中で、利息返還請求は着実に減少しておりますが、外部環境の変化等の影響を受けやすいことから、引き続き動向に留意する必要があります。

下段右側に移ります。当社がローン事業を展開しているタイ王国では、パーソナルローン市場は安定成長を続けているものの、家計債務の拡大懸念を背景に、本年9月に個人向け融資とクレジットカードへの規制が強化されました。

個人向けカードローン市場の規模推移

続きまして、国内の個人向けカードローン市場の規模推移についてご説明いたします。

左のグラフには、個人向けカードローン市場の規模推移を記載しております。バンク業態主導による規模拡大により、2015年3月期に反転し、本年6月の速報値では、10兆4,600億円と引き続き拡大しております。

規模推移を業態別に見ますと、(スライド)右上のバンク業態の推移は、本年6月の速報値では、前年同期比8.1パーセント増加の6兆2,700億円と、引き続き成長を続けておりますが、本年3月に全銀協が公表した申し合わせによる銀行各行の対応などにより、今後は鈍化することが予想されています。

右下のノンバンク業態の推移は、長年にわたり縮小基調で推移しておりましたが、本年6月の速報値では4兆1,800億円と、前期末比で増加に転じました。

ノンバンク業態のうち、消費者金融業態の推移は2015年3月に反転後、本年6月の速報値でも2兆4,000億円と着実に拡大を続けております。

以上のことから、個人向けカードローン市場は引き続き拡大することが見込まれますが、今後のバンク業態の動向により、市場成長率が鈍化することが予測されるため、動向を注視してまいります。

決算概要

続きまして、決算概要についてご説明いたします。

営業債権残高を事業別に見ますと、ローン・クレジットカード事業は営業貸付金、割賦売掛金ともに順調に拡大し、前年同期比3.6パーセント増加の8,405億円。

信用保証事業は前年同期比11.8パーセント増加の1兆1,838億円。海外金融事業はEasy Buyの順調な業容拡大に、円安の為替影響が加わり、前年同期比15.9パーセント増加の1,991億円。業容全体では前年同期比8.8パーセント増加の2兆2,349億円となりました。

続きまして、連結業績です。営業収益を事業別に見ますと、ローン・クレジットカード事業は営業貸付金利息の増加に加えて、クレジットカード収益の増加を主因に、前年同期比2.9パーセント増収の696億円。

信用保証事業は信用保証残高の拡大を主因に前年同期比15.5パーセント増収、海外金融事業は、Easy Buyの順調な業容拡大に円安の為替影響が加わり、前年同期比8.0パーセント増収の245億円。営業収益全体では前年同期比6.6パーセント増収の1,289億円となりました。

連結営業費用は、金融費用がアコム単体の調達環境のさらなる改善により、前年同期比13.0パーセント減少したものの、貸倒関連費用は主要事業の業容拡大により前年同期比24.2パーセントの増加。営業費用全体では前年同期比9.5パーセント増加の906億円となりました。

以上の結果、営業利益は383億円、経常利益は388億円、親会社株主に帰属する当期純利益は344億円となりました。

なお、連結業績予想に対する第2四半期の進捗率は、営業収益50.2パーセント、経常利益54.1パーセント、親会社株主に帰属する当期純利益は53.6パーセントと順調に推移しており、期初に公表した予想の修正は行っておりません。

セグメント別構成比

続きまして、セグメント別構成比についてご説明いたします。

左上のグラフに記載の、中核3事業の営業債権残高の事業別構成比は、ローン・クレジットカード事業37.6パーセント、信用保証事業53.0パーセント、海外金融事業8.9パーセントとなりました。

右上に記載の営業収益は、ローン・クレジットカード事業54.0パーセント、信用保証事業24.5パーセント、海外金融事業19.1パーセントとなりました。

下段右側には営業利益の推移を記載しておりますが、ローン・クレジットカード事業は63.9パーセント、信用保証事業は18.1パーセント、海外金融事業は17.4パーセントとなっております。

ローン・クレジットカード事業の概況(アコム)

続きまして、ローン・クレジットカード事業の概況についてご説明いたします。

上段左側の営業債権残高は、ローン残高7,952億円、クレジットカード残高452億円、合計で前年同期比3.6パーセント増加の8,405億円となりました。

下段左側のローン口座数は、前年同期比2.4パーセント増加の146万3,000件と、通期計画の達成に向けて順調に進捗しております。

上段中央の営業収益は、営業貸付金利息の増加に加えて、クレジットカード収益の増加を主因に、前年同期比2.9パーセント増収の696億円と、こちらも通期計画の達成に向けて順調に推移しております。

上段右側の営業利益は、前年同期比6.7パーセント増益の245億円となりましたが、営業収益が前年同期比2.9パーセントの増加に対して、営業利益の増加率が高い要因は、金融費用の減少とその他営業費用の抑制によるものであります。

下段中央の期中平均利回りは、ローン・クレジットカード事業全体では15.11パーセント、うちローン事業は15.17パーセントとなりました。

下段右側の貸倒損失率は、前年同期比20ベースポイント上昇の3.05パーセントとなりましたが、第1四半期の3.14パーセントからは改善しており、債権内容は十分にコントロールできていると認識しております。

信用保証事業の概況(アコム)

続きまして、信用保証事業の概況について、連結ベースでご説明いたします。

上段左側の信用保証残高は、アコム1兆471億円、エム・ユー信用保証1,367億円、合計で前年同期比11.8パーセントの増加となりました。前期末比では4.8パーセント増加の1兆1,838億円と、業容拡大しております。

しかしながら、第2四半期以降、本年3月の全銀協の申し合わせを受け、提携先行はテレビCMの放映本数・放映時間帯の見直しや広告表現の変更などの、配慮に欠けた広告宣伝の抑制や、収入証明書類の取得基準の見直しなどによる審査体制の整備などの対応を進めており、第3四半期以降も残高伸長が鈍化する懸念があることから、引き続き動向を注意してまいります。

上段中央の営業収益は、アコム268億円、エム・ユー信用保証48億円。合計で、15.5パーセント増収の315億円。その右側の営業利益は、16.0パーセント減益の69億円で着地しました。

営業収益が前年同期比15.5パーセントの増収に対して、営業利益は前年同期比16.0パーセントの減益となった主な要因は、業容拡大に伴う貸倒関連費用の増加によるものであります。

下段右側の提携エリアは、全国47都道府県中41都道府県をカバーしており、下段中央の既存提携先数は、アコム30行、エム・ユー信用保証25行、合計で延べ55行となっております。

信用保証事業を行う当社グループにおいては、従来ローン事業で培った与信審査ノウハウを最大限活用し、返済能力を十分に調査した上で与信審査を実施しており、引き続き提携先行と信度あるコミュニケーションを推進し、さらなる審査体制の整備を図ってまいります。

海外金融事業のターゲット市場

11ページをお願いします。海外金融事業のターゲット市場と各国における事業概況を掲載しております。

タイ王国でローン事業を営むEASY BUYは、ノンバンクにおけるマーケットシェアは引き続き国内ナンバーワンであり、リーディングカンパニーとしてのブランド優位や、高い集客力などの競争優位を確立しております。

インドネシア共和国のBank BNPは、債権内容の健全性維持向上、内部管理体制の強化を推進しております。

本年5月にニュースリリースにて公表したとおり、フィリピン共和国への事業進出に向け、7月に伊藤忠商事さんとの間で合弁会社を設立いたしました。現在、来年の7月の事業開始に向けて準備を進めております。

また、ベトナム社会主義共和国におけるライセンスの申請状況につきましては、現時点において進展はございませんが、引き続き市場調査などを続けてまいります。

海外金融事業の概況(EASY BUY、Bank BNP)

続きまして、海外金融事業の概況についてご説明いたします。上段は、海外金融事業の業容・業績を円ベースで記載しております。海外子会社2社の営業債権残高は、EASY BUY1,545億円、Bank BNP446億円。2社ともに円安の為替影響を受け、合計で前年同期比15.9パーセント増加の1,991億円となりました。

棒グラフの下に為替影響額を記載しておりますが、EASY BUYがプラス154億円、Bank BNPがプラス26億円と、円安の為替影響により営業債権残高を180億円押し上げる結果となりました。

上段中央の営業収益は、EASY BUYが210億円、Bank BNPが35億円。合計で前年同期比8.0パーセント増収の245億円。その右側の営業利益は、前年同期比6.9パーセント増益の66億円となりました。

次に、中段はEASY BUYの業容・業績を、現地通貨ベースで記載しております。中段左側の営業債権残高は、前年同期比9.7パーセント増加の469億バーツ。営業収益は前年同期比8.8パーセント増収の64億バーツ。営業利益は前年同期比11.6パーセント増益の21億バーツと、業容・業績ともに好調に推移しております。

営業収益が前年同期比8.8パーセントの増収に対し、営業利益が前年同期比11.6パーセントと高くなった主な要因は、金融費用の減少によるものです。

また、ブランドイメージ向上・新規集客拡大を目的に、Umay+ブランドを積極展開することにより、新規契約数・営業貸付金残高ともに堅調に増加しており、通期計画の達成に向けて順調に推移しております。

本年9月に個人向け融資とクレジットカードに対して、与信制限基準の厳格化に関する法改正が実施されました。9月1日施行であることと、規制対象が新規顧客のみであるということから、本年度のEASY BUYの業績影響は軽微であると認識しております。今後の当社に与える業績影響については、引き続き精査してまいります。

下段には、Bank BNPの業容・業績を現地通貨ベースで記載しております。当第2四半期においても業容は縮小し、業績は減収減益になるなど、厳しい状況が続いております。今後も債権ポートフォリオの改善に努めてまいります。

配当方針、配当予想

17ページをお願いいたします。次に配当方針、配当予想についてご説明いたします。誠に遺憾ではございますが、中間配当につきましては、当初の予定どおり無配とさせていただきます。

期末配当につきましては、現時点では未定としておりますが、復配の条件は、経営の安定性・安全性の観点より、自己資本の拡充が最優先課題であり、自己資本比率を注視しつつ、利息返還請求の発生予想額と実績額の乖離幅を検証し、先行き懸念が解消された時点で速やかに復配させていただきたいと考えております。

当第2四半期までの中核3事業は安定的に成長しており、利息返還請求件数も期初予想を上回って減少しておりますが、利息返還請求問題は外部環境の変化、特定法律事務所の広告活動等の影響を受けやすいことから、足元の減少傾向のみで復配を判断することが難しい状況であります。

少なくとも、期末までの利息返還請求の発生予想額と実績額の乖離幅の検証が必要であり、その上で判断させていただきたいと考えております。何卒ご理解を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

中期経営計画(2017/3〜2019/3)の進捗

18ページをお願いします。最後に中期経営計画の進捗状況についてご説明いたします。

2019年3月期を最終年度とした現中計において、当第2四半期はちょうど折り返しの地点にあります。前半の1年半を振り返ってみると、中核3事業において中計目標はおおむね達成しております。

事業ベースでご説明いたします。まずローン・クレジットカード事業について、営業債権残高はクレジットカード残高の拡大を主因に、中計目標の達成に向けて順調に進捗しております。

中期経営目標を達成するためには、当期の計画達成が重要な位置づけになるものと考えており、とくに新客数および口座数の増加など、当期計画を着実に達成し、安定成長に向けた営業基盤を確立することが重要であると認識しております。営業収益、営業利益についても、中計目標の達成に向けて順調に進捗しております。

信用保証事業の概況(アコム、エム・ユー信用保証)

続きまして、信用保証事業についてです。信用保証残高は現時点において、当期計画を上回って進捗しております。

全銀協の申し合わせの対応状況により、今後残高伸長率がさらに鈍化する懸念がありますが、申し合わせの趣旨を踏まえて、引き続き提携先行との深度あるコミュニケーションを推進の上、中計達成に向けて取り組んでまいります。

営業収益は順調に進捗しておりますが、営業利益については貸倒関連費用の増加により、計画を下回って進捗しております。

海外金融事業の概況(EASY BUY、Bank BNP)

最後に海外金融事業についてです。EASY BUYの業容・業績は、現時点においては中計目標の達成に向けて順調に進捗しておりますが、引き続き与信制限基準の規制強化の影響を注視してまいります。

Bank BNPの業容・業績は、中計目標の達成が難しい状況ではありますが、引き続き経済環境、規制環境、政策変更などに対して柔軟に対応してまいります。

以上が、2018年3月期第2四半期における決算報告となります。今後も中核3事業の安定成長を目指すとともに、引き続き中期経営計画の達成に向けて邁進してまいります。みなさまの変わらぬご支援、ご指導を賜りますことをお願いして、私からの説明を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。