売上高と利益
森輝幸氏(以下、森):本日はお忙しい中、みなさまお集まりいただき、ありがとうございます。ただいまよりGMOメディア株式会社の、2017年12月期第3四半期の決算説明を開始させていただきます。
まず、ハイライトでございます。売上高・営業利益に関しまして、売上高32億4,900万円、営業利益2億9,600万円というかたちで、前年同期比では、それぞれ2桁で収益を落としてしまっております。
これは、前四半期にもちょっとご説明を差し上げましたけれども、アドネットワークのレギュレーション変更からバナー広告の減収が引き続き続いておりまして、そちらで大きく減収減益となってしまっております。
ただ、課金事業は堅調でございますし、あとアフィリエイトのアクティブユーザーも足元では伸びておりますので、いったんここは減収減益になっているものの、引き続き再成長に向けて取り組んでいる所存でございます。
2017年7-9月
まず、この第3四半期の事業のトピックスでございます。我々のサービスとしましては、まず「PointTown(ポイントタウン)」。こちらは引き続き、スマートフォンのアクティブが伸びております。そこに向けて、さらに我々の強みであるアプリを活性化していくために、O2Oの連携なども強化しております。
あと、パソコン向けのゲームプラットフォームでございますが、こちらは引き続き3ヶ月で7タイトルを、新規で導入させていただいております。また、女子向けのコミュニティの「プリキャン」でございます。こちらも画像の共有が基本なのですけれども、新しく小説の投稿サービスを、β版として(2017年)8月の後半に展開をしております。本格オープンは、10月ですね。
これらの結果としての営業成績ですけれども、メディア事業は残念ながら、先ほど申し上げましたバナー広告の減収が続きます。こちらを受け止めながら、堅調なスマートフォンアフィリエイトを伸ばしてまいりたいと考えます。
一方、課金は前年同期比で145パーセントと書いておりますけれども、こちらは自社ならびにネットワーク先も堅調に推移しておりまして、継続して拡大をしております。
その他メディア支援事業は、いったんいろいろ落ち込みましたけれども、顧客数・ネットワーク数も、徐々に増収増益基調に戻りつつあるという状況でございます。
対業績予想進捗
年度の当初に申し上げた開示見通しに対しては、売上高で65パーセント・利益で58パーセントという厳しい進捗でございます。ただ、まだ残された3ヶ月、とくに12月は広告的には季節要因でございますし、我々も(2017年)10月から新しい、株式会社NTTドコモさんとか株式会社クレディセゾンさんとかといろいろ取り組みをしています。
最終的になんとか、業績を開示見通しに届くように、引き続きがんばってまいりたいと考えております。ここまでが、(2017年)1〜9月の累計でございます。
損益計算書
まず、損益計算書でございます。売上高10億4,400万円・営業利益8,400万円というかたちで、前年同期比で見ますと2桁、20パーセント台でマイナスというかたちになっています。ただ、前四半期と比較しますと、売上高で約9.1パーセント。営業利益で4割近く戻しております。
若干、季節要因的には第2四半期よりも第3四半期がよく出る傾向はあるものの、いったん第2四半期から第3四半期でプラス方向に転じているということが、1つ前向きなご報告でございます。
貸借対照表
貸借対照表です。若干売上が下がった関係上、営業債権・営業債務も連動して縮小しております。ただ、ポイントタウン等を引き続き強化している関係で、ポイント引当金は継続して23.4パーセントというかたちで拡大しております。
セグメント別売上高推移
続きまして、セグメント別の売上でございます。メディア事業(赤色)は、前年同期では先ほど申し上げましたように減収しておりますけれども、前四半期比では(2017年第2四半期の)7億6,000万円に対して、(2017年第3四半期は)7億8,200万円と、2,200万円ほど売上を伸ばしています。
その他メディア支援事業(青色)は、昨年度(2016年)の第3四半期が4億円を超えております。こちらは一部大口の受注がございまして、第2四半期から第4四半期のうち、第3四半期にいちばん大きくヒットしております。そことの比較で見ますと大きく落としておりますが、こちらも第2四半期対比では、7,000万円ほど伸ばしているという状況でございます。
営業費用推移
続きまして10ページ、営業費用推移でございます。こちらは売上高に大きくリンクしている部分が、売上変動費(ピンク色)にありますけれども。今回の部分では、販促費の部分(水色)は第2四半期よりも4,000万円近く強化しておりまして、引き続き顧客接点の強化に向けて、費用の投下をしております。だいたい売上・業績と連動しているかたちでございます。
メディア事業 デバイス別売上高推移
続きまして、メディア事業のデバイス別売上の推移でございます。こちらは前四半期と比較しますと、スマートフォン(赤色)で約3,000万円成長しております。PC(青色)は逆に、700万円程度減少をしております。
まだ、やっとほぼPCとスマートフォンが、会社全体で約半分くらいまでになりました。ここからさらに、PCをなるべく落とさず、スマートフォンを成長させてまいろうということで考えております。
スマートフォン収益力強化
現在のメディア事業の取り組みについて、ご説明をさせていただきます。ECメディアのポイントタウンは、引き続きスマートフォン(会員構成比)を、まだ50パーセントを超えるまでは、どんどん強化してまいりたいと考えており、この場で定点報告をさせていただいております。
会員の構成比としては、やっと42パーセントまでまいりました。まだまだ世の中でいきますと、6割から7割というかたちに持ってきていなければ、だめだと考えています。引き続き、ここはさらに会員の構成比を強化をしてまいりたいと思います。
アプリも堅調にダウンロードが続いておりまして、前年同月比で129パーセントで、約137万ダウンロードを超えてきております。こちらも引き続きこのペースは維持して、スマートフォンの収益力を強化してまいります。
スマートフォン収益力強化
結果としてでございますけれども、(スマートフォンの)売上構成比で約44.6パーセントで、前年同四半期では約33パーセントでございましたので、10ポイント強伸ばしております。こちらは早期に50パーセント強と(なるように)、引き続き施策を進めてまいります。
ポイントタウン経由提携サイトの流通額
もう1つ、我々が指標に置いております、ポイントタウン経由提携サイトの流通額でございます。若干第3四半期は、夏場で流通に苦しむ部分が過去にありながらも前四半期比をクリアしてきたのですが、今回については、ちょっと下げてしまいました。
ただ、前年同四半期比でいくと(PCは)132パーセント、スマートフォンは(189パーセントで)前四半期に対しても成長してきております。引き続き、こちらの成長については第4四半期以降も取り組んで、ポイントタウン経由の流通を伸ばしてまいります。
スマートフォンを活用したO2O
O2Oという、スマートフォンを強化する中で、PCをスマートフォンの利用で置き換えていくことは引き続きのものでございますけれども、スマートフォンならではの展開・強化をしていきたいと考えております。
他にも、これからいくつかのかたちを考えてますけれども、(例えば)レシートですね。ショッピングをして、そのレシートを撮影する。スマートフォンでは、当たり前ですけれどもカメラ機能を活用しまして、レシートでお得なポイントがもらえるというサービスの「レシポ!」さんですね。
こちらと提携しまして、スマートフォンアプリを使い、お店でO2Oとしてマーケティングにさらに活躍していただくということで、こういった取り組みを強化してまいりたいと考えております。
O2O市場データ
釈迦に説法ではございますけれども、これからインターネット自身がどんどんリアルとの連携を実現してまいります。そこにおいてのマーケティングも、どんどんこちら(リアル)に流れてくると言われています。
2020年には、2,300億円を超える市場に成長しているということです。これは若干古いデータ(2013年のデータ)しか見当たらず申し訳ないんですけれども、さらにこれから倍以上の成長が見込まれる。これに対して、「お得」をリアルでも提供していくことを、我々としても追求してまいりたいと考えております。
ポイント交換メニューの拡充
あと、ポイントサイトに注力する理由の1つといたしまして、交換メニューを重視すること。「(ポイントを)何に換えられるかが非常に大事だ」と、ユーザーの声から出ております。そこで我々としましては、(2017年)9月6日から、「Google Playコード」(への交換を開始しました)。デジタルのコードが、iTunesも同様ですけれども、ユーザーには人気があります。
現在はコンビニチェーン等で、みなさまがリアルなカードをお買上げになられて、裏のスクラッチを削ってIDでコードをゲットされたり、もしくはAndroidのストアで購入されたりしているのですけれども。我々としてもスマートフォン強化の一環としまして、そちらのユーザーにGoogle Playコードを(交換先として追加しました)。
我々のユーザーも、だいたいiPhoneとAndroidが半々ぐらいでございます。今までiPhone用のAppleのコードはあったんですけど、(Androidの)Google Playのコードを、やっとこの(2017年)9月から投下することができたということです。こちらはまず初月から、ほぼ同じ程度立ち上がってきておりますので、こちらはユーザーの方に喜んでいただけるんじゃないかなと考えております。
ビットコインへのポイント交換額推移
あと、ここ半年で急に風向きが変わってきた仮想通貨に関しまして、我々は実は、2014年の12月、今から3年ほど前から取り組んでおりまして、交換メニューとしてスタートさせております。
当時はほとんど交換がなかったのですけれども、とくに(2017年)4月以降、いろんな法整備が進んでおります。まだまだ法律的には未確認な部分がございますけれども、この世界的な高まり、とくに日本国内での高まりを受けて、我々のユーザーの方々の交換がどんどん伸びてきております。
こちらのグラフは、2016年の6月を100とした指標でございます。我々からも、ポイントからビットコインへの交換がこれだけのグラフを(示しています)。(2017年)9月がちょっとできすぎかな? とは思うんですけれども、どんどん現金に換えるよりは(仮想通貨には)夢があるということかもしれません。交換額が伸びております。
(ビットコインに交換したユーザー)イコール、我々の中でのビットコインホルダーでございますので、こういった方々とこの先、何か他のビジネスができないかということも模索してまいりたいと考えております。
ECメディア基本戦略
あと、我々がECメディアに取り組んでいる中で強化しているポイントについて、改めて基本戦略ということでご説明をしたいと思います。
我々は基本、B2Cです。自社のサービスをコンシューマーの方に提供するビジネスが基本でございます。去年(2016年)・今年から、このB2B2C(を展開しています)。我々のシステム・ノウハウを他社さまにご提供して、そこから新たなコンシューマーセッティングを作って、収益機会を増やして最大化していく。このようなかたちで、展開をしております。
ポイントメディア B2B2C
まずポイントメディアは、今年(2017年)の春にローソンのポイントなどをやられているPontaさんと提携をしました。(2017年10月時点で)約半年ぐらい経っておりますけれども、こちらが着実に、アクティブユーザー数を増やしていっております。
アライアンス戦略
NTTドコモさんとも(「dポイント広場」に自社プラットフォームを提供したと)リリースをさせていただきました。ドコモさんが、さらにドコモ経済圏を強化していくかたちです。ドコモさんですからもちろん、いろんなリアルな提携をされておりますけれども、インターネットの中で、いろいろ広告を使ったユーザーにポイントを貯めてもらうと(いうことです)。
それがまたドコモ経済圏に返っていくということで、我々をパートナーに選んでいただきました。先週(2017年10月25日)から、こちらの提携がスタートしております。まだ始まったばかりでございますので、これから11月以降、いろんな取り組みをしてまいりたいと思っております。
こういったかたちが、我々が自社サイトで培ったシステム・ノウハウを他社さまにご提供するという流れでございます。
PCゲームプラットフォーム B2B2C
こちらは去年(2016年)から展開していますけれども、自社のゲームを他社さまにも提供していくこと。昨年「aima」という事業を譲り受けて、展開を始めました。この(2017年)春、@niftyさんに提供。そして先週(2017年10月26日)、セゾンポイントモールさんに提供を開始いたしました。
この展開を、これから第4四半期・来年に向けてさらに増やしていくことによって、我々のゲームのパートナーさんにより多くのゲームファンとの接点を使って、どんどん収益を伸ばしていただきたいと考えております。
PCゲーム課金トレンド
おかげさまで、課金のトレンドも堅調に推移をしておりまして、対前年同四半期比ですと、145パーセントというようなかたちで推移しております。これからこの第4四半期も、12月は季節要因でゲームの売上(を上げていきたいと考えています)。去年(2016年)も第4四半期はちょっと大きく出ておりますけれども、さらにもう一段上げてまいりたいと考えております。
10代女子向けマーケティング支援事業
あと、ソーシャルメディアでございます。こちらは我々で「プリキャンティーンズラボ」というかたちで、我々の接点である10代の方々・ユーザーに会社へ来ていただいています。今までも、サービスを活かしたいろんなインタビューをした結果を、世間さまにオウンドメディアというようなかたちで、自社発で発信をしております。
先日も(2017年)9月なんですけれども、新しい記事をアップしましたところ、NewsPicksさんで(反響がありました)。(資料右下の)6,360いいねは、Facebookさんですかね。
かなり反響をいただいたんですけれども、こういったことからたくさんお問い合わせをいただくようになってきております。こちらのマーケティングは、今までは広告収入がメインでございました。それは今も変わりがないのですけれども、新たなナショナルクライアントさまとの直接的なマーケティング支援といった事業を、これからは強化していきたいと考えております。
新たなる自己表現、創造活動の場を提供
それから、プリキャンは引き続き若い女性の支持を得ているわけですけれども、小説のサービスを(2017年)10月2日にリリースいたしました。小説自体は古くから、ガラケーの時代から他社さんでもあるサービスでございますけれども。
我々のサービスでは、画像の中に小説を書いて投稿されている方もけっこういらっしゃいまして、その方々にきっちり、もうちょっとちゃんと創造活動の場を提供したいなということで、スタートいたしました。
今回、我々としてはポイントが2つございます。1つ目は、ここに「PWA」と書いてございます。これはProgressive Web Appsというかたちで、アプリをダウンロードしなくても、ブラウザ上でほぼアプリのようなユーザー体験が得られる、新しいプログラムでございました。こちらで今回小説を始めたということが、1つ、ユーザーから大きな支持をいただいております。
それから2つ目は、ユーザーはダウンロードすることなく、アプリのような体験ができるということです。チャット形式が非常に普通の(若年層に親しみのある)コンテンツになってきております。こういった、会話・チャット形式でコンテンツの作成が可能になるというところが、我々のやる新しい取り組みになります。
さっそく一部が(2017年)8月の終わりからスタートしておりますけれども、現在約1,500を超える小説が投稿されております。こちらはどんどん読んでいただくというかたちで、新しい広告の収入・新しい事業の創造に、つなげてまいりたいと考えております。
総括(今後の方向性)
最後に、ちょっと総括になります。我々としては今年(2017年)4月以降、バナーの収入が落ち込んだことによって前年よりは収益をいったん落としておりますけれども、こういった取り組みによって、再成長に向けていきたいと考えています。
1つは、ECメディア。引き続きスマートフォンのところが非常に堅調に伸びたので、こちらを強化するとともに、B2B2Cのお引き合わせ。自社サイトの成長プラス、パートナーとのアライアンス展開で、拡大してまいりたいと考えております。
それから、シナジーの追求でございます。ポイントタウンや「ゲソてん」といった、自社の集客を活かした、新たな事業収益というようなかたちです。今までも展開をしておりますので、ここは引き続き、我々ならではの強みを活かせる新領域のサービスを展開してまいりたいと考えております。
それから広告事業は、季節要因のみならず、いろいろな外部要因等の影響を受けているのですけれども。課金は先ほどグラフでも見ていただきましたように、一定のユーザーさまから支持をいただきますと、急激に伸びることは難しいものの、安定した伸びができております。
そのため、引き続き広告事業プラス課金収入の拡大も目指してまいります。
さらに、スマートフォン領域の新サービス。今も開発しておりますけれども、新しいサービスを展開してまいります。
それから昨年度(2016年)、aimaという事業を他社さんから譲り受けました。引き続き我々としては、情報収集しながら、今期はまだできておりませんけれど、M&Aによる事業領域の拡大というかたちで、成長してまいりたいと考えております。
長くなりましたけれども、以上が第3四半期の決算のご説明でございます。本日は、どうもありがとうございます。
質疑応答:レギュレーションの変更について
質問者:ご説明ありがとうございました。今回、レギュレーションの変更がありました。これは定期的に出てくるものでしょうか? ビジネスによって、厳しくなる方向に移るという認識でしょうか? それとも、今回は一過性のものと認識しているのでしょうか?
森:ご質問ありがとうございます。一過性のものと認識しております。我々としては、バナー広告を見た・クリックした時点ではなく、最終的にはクライアントさんの成果までいくようなもの(を考えています)。ご提供に、もし今後影響が出ても大丈夫な方向で、収益を得ていきたいと考えております。
ただ、また次(レギュレーションの変更)があるというような認識は、私は持っておりません。
質問者:ありがとうございます。