2018年3月期第2四半期決算説明会 業績ハイライト

藤本隆氏:決算補足説明資料に沿ってお話をさせていただきます。

当第2四半期のハイライト数字です。数字は国際財務報告基準(IFRS)の数字です。 前年度の数字もIFRSベースに修正した数字になっております。

第2四半期の累計の実績は、対前年同期で大幅な増収増益となりました。当上期のガイダンスを大幅に上回り、先週業績予想修正をしたところでございます。

石油化学系事業は増収増益でございます。

エラストマー事業は、とくに第1四半期に売買スプレッドが大きく改善し、利益を大きく増やしております。

合成樹脂事業も海外を中心に販売を拡大して、対前年同期増収増益でございました。

多角化事業も増収増益でございます。

半導体材料事業は、半導体市場が好調でございまして、加えて主要な顧客での販売を増やしております。

ディスプレイ材料事業は、売上収益・営業利益を維持しております。

ライフサイエンス事業は、抗体医薬関連分野の事業立ち上げと、成長投資を継続いたしました。

業績ハイライト

スライド3ページは、(業績ハイライトの)コメントでございます。

連結損益計算書

第2四半期累計の連結損益でございます。売上収益は2,035億3,800万円、対前年同期比12パーセントの増収でございました。とくにエラストマー事業と合成樹脂事業と石油化学事業が売上高を増やしました。

売上原価は国産ナフサ価格の上昇・円安により増加しておりますが、対前年同期比プラス9パーセントと売上収益よりも低い増加率にとどまりました。売上原価率は2パーセント低下して、69パーセントとなりました。

その結果、売上総利益は635億9,800万円、前年同期比プラス19パーセントの増加となっております。

販売費および一般管理費は、416億5,900万円、前年同期比プラス4パーセントの増加でございました。人件費や試験研究費が増加しております。

その他の営業収益、営業費用、持分法による投資損益を足し引きしまして、IFRSベースの営業利益は233億6,500万円となりました。対前年同期比プラス84億円、プラス56パーセントの大幅増益でございました。

売上高営業利益率は11.5パーセントとなっております。

金融収益、金融費用では、為替差益の計上があり、為替差損を計上した前年同期に比べて19億円の収支改善、プラスの方向でございました。

そこから法人所得税56億円を引いた四半期利益は191億8,300万円、そこからさらに非支配持分を引いた親会社株主の純利益は179億7,000万円となりました。前年同期比プラス63億円、プラス54パーセントの大幅増益となりました。

連結財政状態計算書

連結の貸借対照表でございます。連結財政状態の計算書は、2017年の3月末と9月末の対比となります。どちらもIFRSベースの数字になります。

資産合計は6,090億円となり、3月末から305億円増加しております。

流動資産はマイナス81億円減少でございました。9月末金融機関休止による増加の影響がありましたが、投資による現金及び現金同等物の減少によって流動資産全体で減少しております。

非流動資産は3月末から386億6,200万円)増加しています。有形固定資産は主に、ハンガリーのS-SBR工場建設中のため増加しております。

のれんは、細胞株構築受託会社Selexis SAの買収などにより増加しております。

非流動資産の「その他」は保有している上場株式の増加分上昇しております。

負債は2,095億9,700万円となり、3月末から75億円増加しました。流動負債は15億円の増加でございます。9月末金融機関休止による増加要因がありましたが、原油価格の低下などにより、小幅な増加にとどまっております。

借入金は長期・短期合わせて約60億円の増加でございます。借入増に加えまして、円安影響による増加もございました。

資本の部にまいりまして、230億円の増加がございました。

親会社の所有者に帰属する持分は純利益による増加、有価証券評価差額金の増加に、配当による減少を差し引きし、209億円の増加でございました。

9月末の自己資本比率は62.9パーセントとなっております。

セグメント別損益:石化系事業

事業別の数字でございます。まずは石油化学系事業でございます。

エラストマー事業につきましては、業界の状況は、北米でのタイヤ販売が少し不振なのですが欧州・中国・日本は堅調でございました。国内タイヤ生産もここまでのところ前年同期から堅調に推移していると思います。

エラストマーのYoYですが、第2四半期累計のエラストマー販売数量は32万3,000トン、対前年同期約4,000トンの減少でございました。国内向け出荷は増加しましたが、輸出が前年同期より落ちまして、全体では前年同期比で減少でございました。

S-SBRは販売好調だった前年度の反動があり、プラス2パーセントの伸びにとどまっております。

第2四半期累計の売上収益は、946億円になっております。販売数量は減っておりますが、販売価格の上昇によりプラス113億円、プラス14パーセントでございました。

営業利益は86億円となり、対前年同期比プラス63億円の大幅増益でございました。とくに、第1四半期におきまして、前年度第4四半期の原料価格を反映した販売価格の改定が想定以上に進み、一方でコストも下がりまして、利益を大きく押し上げております。以上がYoYです。

QoQについてです。エラストマー事業は販売数量は増加いたしましたが、減収減益となっております。販売数量はS-SBRが伸びまして、プラス9,000トンでございました。

ですが、売上収益は、高い原材料価格をもとにしていた第1四半期の販売価格からやはり下がってまいりますので、対前年四半期のQoQではマイナス2パーセントの減収となりました。営業利益も売買スプレッドが大きく改善していた第1四半期と比較して、約30億円の減益となっております。

次に、合成樹脂事業でございます。業界の状況としまして、自動車向けが半分ぐらいなのですが、8月までの日本での自動車生産は対前年同期から増加ということでございました。

合成樹脂事業のYoYですが、第2四半期累計の売上収益は251億円となりました。販売数量が増加いたしまして、対前年同期プラス30億円、プラス14パーセントの増収でございました。

国内外で車両向けが拡大しております。営業利益は32億円となりました。数量増効果と価格効果により、プラス17億円の大幅増益となっております。

合成樹脂のQoQですが、QoQでも海外向けや雑貨向けの販売が増加して、売上収益は3億円の増収、営業利益も数量効果に価格効果が加わり、プラス3億円の増益となっております。

セグメント別損益:多角化事業

多角化事業でございます。多角化事業全体では増収増益でございまして、とくに半導体材料は好調でございました。

半導体材料が好調ということでシリコンウエハー(半導体素子製造の材料)の出荷面積が成長しているのですが、統計によって少し違いがありまして、IHSによると2017年度はプラス5パーセント、SEMIによるとプラス8パーセントぐらいなのですが、いずれにせよ好調でございました。

当社グループ製品も、ユーザー業界が好調でございまして、それに加えて主要顧客への販売が拡大しまして、売上収益が前年同期プラス66億円、プラス22パーセントと大きく伸びまして、369億円でございました。

主要製品ではその下にあるように、ArFレジスト、多層材料、その他リソグラフィ材料、CMP材料が好調でございました。

次にディスプレイ材料でございます。期初、パネルメーカーの稼働率は90パーセント程度と推定されています。大型液晶パネルの面積は、年度でプラス1パーセントぐらいの増加ということでございました。

それから液晶パネルの売上ですが、液晶パネルの生産拡大が続く中国市場向けなので、販売市場に特化しているのですが、やはり販売価格下落の影響がありまして、売上高・売上収益は275億円と、対前年同期比やや減少となっております。

品種別では下にあるように、保護膜その他のLCD材料が増加、配向膜は微増だったのですが、着色レジストは減少しております。

その他の売上収益は192億円。対前年同期比プラス11億円、プラス6パーセントの増収でございます。ライフサイエンス事業の増加とアートン材料の収益での増加でございます。

多角化事業全体での営業利益は、前年同期比プラス5億円、プラス4パーセントの増加でございました。

事業別では半導体材料が数量効果で増益、ディスプレイ材料の利益は前年同期並み。その他の部分はライフサイエンス事業での先行投資でのコスト増等がございまして、減益となっております。

半導体材料のQoQです。対前年同期の売上収益はプラス5パーセント、プラス20億円でございました。事業別ではやはり半導体材料が引き続き好調で、売上収益を伸ばしております。

ディスプレイ材料は売上をやや微増、ライフサイエンス事業のバイオプロセス分野で売上収益を増やして増収でございました。営業利益はプラス約6億円の増益でした。ライフサイエンス事業での増加・利益回復になどによるものでございます。

以上が多角化事業での収益でございます。

通期業績予想

2017年度の業績予想等でございます。

第2四半期までの実績が、売上収益4,100億円。営業利益430億円。親会社に帰属する当期利益は315億円といたしました。数字には、実行中の合成樹脂の事業統合の効果は含んでおりません。

下期の売上収益は2,065億円。営業利益は196億円を想定しております。営業利益は年度当初の計画並みでございます。

事業別ですと、エラストマー事業拡販努力による販売数量の増加を見込みますが、売上収益は原料価格の下落により上期並を想定しております。

営業利益は売買スプレッドが第1四半期の好調な状況から通常の状態に戻りましたので、上期からの減少を想定しております。

合成樹脂事業は、売上収益・営業利益ともに、下期も堅調に推移すると想定しております。

多角化事業は半導体材料事業とディスプレイ材料事業は、上期同様堅調に推移すると想定いたしまして、加えてライフサイエンス事業での拡大を見込んでおります。

減価償却費・資本的支出・研究開発費は、通年で年度当初からの計画数値の変更はございません。

前提数値ですが、円ドルレートは下期110円/ドル、末端価格は約4万円/KL、市況BD価格は1,200ドル/Tonの前提といたしております。以上の利益を計画しております。

【参考】セグメント別損益:四半期推移

スライド9は四半期ごとの推移。

【参考】営業利益 日本基準からIFRSの偏差説明

スライド10はIFRS。

IRカレンダー

スライド11は今後の予定でございます。それぞれあとでご覧になっていただきたいと思います。以上が説明でございます。よろしくお願いいたします。