2017年度第2四半期決算について ①<損益実績(連結)>

榮敏治氏:榮でございます。よろしくお願いいたします。最初に、2017年度第2四半期の決算についてご報告申し上げます。資料の左の上に数字が整理されておりますが、2017年度上期につきましては、売上高が2兆7,450億円、経常利益が1,576億円でございました。ROSは5.7パーセント。

当期純利益は991億円でございました。ROEは、年率換算で6.6パーセントでございます。ちなみに、有利子負債は2兆1,745億円ということで、D/Eレシオは0.71となってございます。

その横(の列)が、前年度(2016年度)上期の実績でございます。

(2016年度)上期と(2017年度)上期の比較はその横にありますけれども、売上高においては5,843億円の増収。経常利益については、1,296億円の増益となってございます。当期純利益についても、881億円の増益でございました。

ちなみに、有利子負債は2,240億円増となってございますが、日新製鋼株式会社の子会社化に伴う有利子負債の増でございます。それにも関わらず、D/Eレシオは若干改善いたしました。

(2017年)7月28日に(2017年度上期の経常利益の見込みを)1,500億円と出しておりますが、これとの差では、若干の増益でございます。当期純利益についても、同様でございます。

2017年度第2四半期決算について ②連結経常利益差異の内訳

次に、連結経常利益の評価といいますか、前年度上期との差異について簡単にご説明したいと思います。

(2016年度)上期と(2017年度)上期の比較については、約1,300億円増益したわけでございますが、ほとんどが製鉄事業の増益によるものでございます。1,150億円(の増益です)。

その要因が(資料に)①から⑨まで書いております。

①生産出荷につきましては、残念ながらマイナス290億円でございました。対前年同期との比較では、粗鋼生産規模がトラブル等により減産となりました。出荷については、(2017年)9月ですけれども天候不順がございまして、出荷がずれております。これについては、下期にキャッチアップできると考えてございます。

②販売価格・構成については、プラスの2,490億円となっております。

一方、③原料価格はマイナスの2,790億円ということで、②と③を合わせたマージンの変動という意味では、マイナスの300億円となってございます。少しご説明いたしますと、いわゆる主原料マージンと私どもが呼んでおります、鉄鉱石・原料炭の高騰に対する価格転嫁。これは完了してございます。

一方で今年(2017年)に入りまして、亜鉛だとか、アルミだとか。あるいはスクラップもそうですし、それからマンガンですね。そういった副原料の高騰が極めて大きく響いております。この部分が、マージンの縮小につながるかということでございます。

次の④コスト改善は、120億円程度積み上げました。

次の⑤在庫評価差が、プラスの1,190億円と非常に多くなってございます。これは前期(2016年度上期)がマイナスの590億円だったのに対して、今期がプラスの600億円と効いておりますので、行って帰って1,190億円の増益要因となってございます。

⑥グループ会社につきましても、これは日新製鋼の子会社化もありますけれども、本体同様、在庫評価差もあります。また、海外の原料権益からの配当といいますか、資源価格が高騰しておりますので、こういったものの配当増もございました。

それから、ブラジル経済が復興の兆しがありますので、我々の(出資している、ブラジルの大手鉄鋼会社の)USIMINAS社等の海外収益も改善しているということであります。

次に、⑦為替の影響。これは若干の円安がございました。これはストックの改善を含めまして、プラスの140億円ということになっております。

それから、⑧大分の厚板の火災影響。復旧に今年(2017年)の1月から8月までかかりました。この影響が、差としては100億円のマイナス要因として効いております。

⑨その他は、マイナスの200億円ということです。これは償却の増であるとか、あるいは物流費の増であるとか、その他もろもろをここでひと括りにしております。

鉄以外のセグメント(資料の2.)が、今回は大きく増益になっております。新日鉄住金化学株式会社をはじめとします、いわゆるセグメント会社ですね。マーケットの改善等がありまして、大きく収益を伸ばしております。

ちなみに、前回(2017年)7月28日の(連結経常利益の)見込みとの差が約80億円ということで、若干の増になっております。基本的にはこちらの資料に書いてあるような、いろいろでっこみひっこみありますが、在庫評価差等の期間差も影響しています。ただ、大きな変動はなかったと認識しております。

2017年度第2四半期決算について ③<諸元>

冒頭に、「生産出荷で少しビハインドした」と申し上げましたけども、資料の右上に、当社の諸元ということで、単独の粗鋼生産出荷量を書いてございます。

資料の上から2段目になりますけども、単独の粗鋼生産は、今年度(2017年)上期は2,009万トンでございました。昨年(2016年度)の上期は2,151万トンでありますので、マイナスの142万トン。これは、大小のトラブル影響が効いてございます。

鋼材出荷は1,872万トン。昨年度の1,968万トンと比べて、これも96万トンの減となっております。設備トラブルに加えまして、悪天候による出荷のズレが効いてございます。このあたりについては後ほどもお話ししますが、下期でキャッチアップする計画にしてございます。

その下が、鋼材価格です。(2017年度)上期の価格は平均で8万3,500円ということで、昨年同期、これは原料価格高騰前の6万8,000円と比べますと1万5,500円の上昇ということで、先ほども申し上げましたように、主原料高騰分がすべて価格転嫁できたと考えております。

為替は先ほど申し上げましたように、(2017年度上期は)111円ということで、4円の円安でございました。

2017年度第2四半期決算について ④<セグメント情報>

セグメント関係については、ご参考までに、資料の右下をご覧いただきたいです。

(そのさらに右下の)経常利益だけ見ていただきますと、今年度(2017年)については、エンジニアリングで19億円、化学で93億円、新素材で11億円、システムソリューションで107億円と、それぞれ前年同期(2016年度上期)と比べて増益となってございます。

続きまして、(2017年度)第2四半期末の配当について発表いたします。前回の見通し公表時点から、若干収益が好転してございます。

そのため、第1四半期の決算発表時(2017年7月28日時点)は25円と公表いたしましたけれども、5円増額いたしまして、1株につき30円の中間配当とさせていただきます。連結の配当性向は、26.7パーセントとなってございます。

なお、期末の配当につきましては、第3四半期の決算発表時に改めて年度見通しの当期純利益を踏まえて判断し、公表させていただく所存でございます。

以上、簡単ですが、第2四半期の決算でありました。

2017年度業績見通しについて ①<損益見通し(連結)>

こちらが、2017年度の収益見通しであります。資料のいちばん上に、総括を書いてございます。いちばん上の、右の端の欄をご覧いただきます。

(2017年)7月28日時点で、連結経常利益は3,000億円と公表いたしました。今回の見通しも変えてございません。

これにしたがいまして、(資料の左側に記載している)経常利益は、(2017年度)上期の実績は1,576億円でありますが、下期については1,424億円とさせていただいております。2017年度の3,000億円というのは、ROSで言いますと5.4パーセントとなります。また、当期純利益は現時点で1,700億円と見込んでおります。

ちなみに、2016年度の数字が横に書いてあります。上下(2017年上期から2017年下期見込み)、及び年度年度(2016年度から2017年度見込み)の変化について申し上げますと、上期下期で、売上高は1,100億円の増収。経常利益はマイナス152億円となっておりますけれども、実質的には一過性のものを除けば大きな増益と考えております。これについては、また後ほどご説明いたします。

年度年度(2016年度から2017年度見込みの)、売上もプラス9,672億円と、大きく増えております。これは日新製鋼の子会社化に伴うものと、それから価格が大きく上がっておりますのでこれに伴うものと聞いております。経常利益は1,250億円の増益となっております。

2017年度業績見通しについて ②連結経常利益差異の内訳 2017上期→2017下見

上と下(2017年上期から2017年下期見込み)の収益変動についての分析は、資料の左の※1をご覧になっていただきたいです。マイナス150億円ですが、製鉄事業(資料の1.)につきましてはプラス20億円ということでございます。

①生産出荷は上の(2017年度第2四半期決算について ②連結経常利益差異の内訳)の説明で申し上げましたが、(上期で)大きく減算していたものを、下期は(上期にあった)一過的なトラブルがなくなるという効果もございますし、出荷のズレも下期中に吸収すると考えてございます。この部分が、330億円の増益要因と考えております。

②販売価格・構成、原料価格のマージンにつきましては、下期についてもマーケットが非常に好調でございますので、550億円のマージンの改善を見込んでおります。

③コスト改善は、年間で500億円のコスト改善を目指して、下期で集中的に380億円のコスト改善を積み上げてございます。

④在庫評価差は、上期とも行って帰っての差であります。上期に600億円の在庫評価差が出ておりますが、下期にはマイナスの210億円ということで、行って帰ってマイナス810億円と大きく出ております。

⑤グループ会社につきましても、グループ会社の在庫評価益の動き、それから一部海外事業で立ち上げ中のものがありコストがかかっておりますので、こういったものも一部含まれております。

⑥大分の厚板火災影響はなくなりましたので、プラス100億円ということであります。

鉄以外のセグメント(資料の2.)はマイナス60億円。これは、上期・下期の見方の差であります。

2017年度業績見通しについて ③連結経常利益差異の内訳 2016年度→2017年度見

連結経常利益の年度年度(2016年度から2017年度見込みの比較)はプラスの約1,260億円ということで製鉄事業(資料の1.)が大数を占めておりまして、(資料の左側の)※2でご説明申し上げます。

①生産出荷は下期にキャッチアップするものの、年度年度で見ますと今年度(2017年)の上期の減算、あるいは出荷のズレによる減少分が吸収できないということで、残念ながらこのあたりはマイナス370億円であります。

②マージン(販売価格・構成、原料価格)については、380億円の改善であります。

③コスト改善は、500億円積み上げます。

④在庫評価益は、前年度(2016年)のマイナス、今年(2017年)のプラス。これもいってかえって、プラス780億円効いています。

⑤グループ会社は日新製鋼の影響、それから在庫評価益。そして上期と同じですけれども、原料減益からの配当の増。それから、USIMINASを始めとする海外収益のアップ。こういったものが、プラス約430億円であります。

⑥その他は償却・資産売却差・物理費の増・一部設備トラブルの影響もありますけれども。こういったものを全部ひっくるめて、マイナス500億円くらい効いているということであります。

鉄以外のセグメント(資料の2.)も上期同様、化学を中心に50億円の増益となってございます。

2017年度業績見通しについて ④<諸元>

資料の右が、当社の諸元でございます。2017年度で見ますと、当支社の単独粗鋼生産は(資料の)上から2番目ですが、4,160万トン。下期にかけて141万トン程度キャッチアップいたしますが、年度年度(2016年度から2017年度見込み)では残念ながら100万トン強、減になっていると。

鋼材出荷も下期は2,030万トン。(2017年度の)合計で3,900万トンということで、これも上下で下期にかけて158万トン程度の出荷増を見込んでおりますけれども、年度年度では78万トンの減となっております。

セグメント情報につきましては、先ほどの上期のところでご説明したものとほとんど同じ状況でございますので、説明は割愛させていただきます。

以上、簡単ですが決算発表とさせていただきます。