2017年度第2四半期 決算ハイライト

塩田聖一氏:それでは、2017年度12月期第2四半期の、決算概要の説明をさせていただきます。

まず決算ハイライトといたしましては、連結売上高は20億8,700万円、前年同四半期比が4.2パーセント減収。営業利益は2億3,300万円、前年同四半期比3.6パーセント増益ということで、連結ベースでは減収増益というところでございます。

CAD/CAMシステム等事業におきましては、まず当社の主力商品の1つであります「EXCESS-HYBRID II」のリニューアル開発をした商品が好調だったために、ここはプラス効果があったのかなと思っているところです。あわせて、政府の補助金関連の販売、OEM関連の売上増加が収益に貢献している状況でございます。

また、ストックビジネスの保守販売については高い保守契約率を維持しておりまして、こちらも堅調に推移した状況でございます。

一方、海外ではインドネシア・ベトナム地域で少し動きが活性化してきておりまして、これが少しこの上期においては数字に貢献したのですが、一方中国においては、代理店への移行によって拠点の管理コストを落としました。ただ、売上に関しては代理店がしたということで仕入れというかたちになりますので、そこは売上が減少したというところです。

CAD/CAMシステム等事業は、こういった状況から一応、増収増益になっております。

それから金型製造事業においては、昨年度は特需があり非常に業績がよかったため、それと比較すると低調になっているところです。ここがポイントで、計画に対しては予定どおりの推移でいっているのですが、前年同四半期比におきましては減収減益となりました。

CAD/CAMシステム等事業は増収増益、金型製造事業が減収減益、これを足し算した連結ベースでは、減収増益のかたちになっているということでご理解いただければと思います。

業績概要

そういった状況から、ちょっとくどい話になりますけれど、四半期の業績が売上高20億8,700万円、計画比が1.6パーセント減、前年同期比4.2パーセント減というところです。

営業利益につきましては、2億3,300万円、計画比11.1パーセント増、前年同期比3.6パーセント増。

親会社株主に帰属する四半期純利益が1億4,300万円で、計画比26.7パーセント増、前年同期比4.7パーセント増ということになっております。

事業セグメント別売上高の推移(仕向地別)

次は、仕向地別の売上高でございます。国内と海外に分けて話をさせてもらいたいのですが、まずCAD/CAMシステム等事業と金型製造事業の、2つに分けた話をさせていただきます。

CAD/CAMシステム等事業につきまして、まずそのなかの国内(青色のグラフ)は(売上高が)15億8,100万円ということで、前年同期比5.2パーセント増になっております。これは、東日本地域の大型案件が寄与していることと、当社の主力販売の1つであります「EXCESS-HYBRID II」が堅調に推移したところが大きいかなと思っております。

CAD/CAMシステム等事業の海外(水色のグラフ)については、先ほども申し上げましたが、中国の代理店をテクニカルセンターから完全にローカルの代理店にシフトしたということもございまして、管理コストが完全に低減いたしました。

ただ、仕切価格の販売ということになったので、ちょっと売上は減少しております。ただし、収支としては向上しているとお考えいただければと思います。

そういうかたちで海外に関しても、売上に関しては減少ですが、トータルすると増益で推移しているというところでございます。

金型製造事業(緑色のグラフ)につきましては、前年度に少し特需があり好調だったことを受け、今年に関しては通年の売上に戻ったというところで、減少しております。

ただし、自動車業界の活性化でピーク時の売上は約10億円弱ぐらいまでいっており、これぐらいのポテンシャルはあると、今回はっきり見えてきております。今後、ここは期待していきたいと思っているところでございます。

事業セグメント別利益の推移

事業セグメント別の利益率です。CAD/CAMシステム等事業の利益率(水色の折れ線グラフ)は先ほど言ったようなことから、1.4パーセント増の11.3パーセント。保守売上の増加、中国の代理店への切り替え、その他経費節減等に努めた結果、セグメント別の売上(青色の棒グラフ)とCAD/CAMシステム等事業の利益率も、向上した状況でございます。

金型製造事業の利益率(黄緑色の折れ線グラフ)は、減収の影響によって1.7パーセント減少の、10.4パーセントになっております。

これらの結果、連結での営業利益率は0.9パーセント増で、11.2パーセントとなっております。

財務状況

次が財務状況です。2016年度末と比較した資産の部は、現金及び預金が1億7,700万円増加しております。これは営業活動による利益分で、そのなかには海外子会社の配当分も入っている状況でございます。受取手形及び売掛金が、4,200万円減少している状況です。

負債の部におきましては、保守の前受金が1億2,600万円増加しているということで、それにともない自己資本比率が0.6パーセント減少し、52.2パーセントになっている状況でございます。

キャッシュ・フロー計算書

キャッシュ・フローの計算書は、こちらの資料に記載のとおりです。ポイントだけ説明させていただきますと、各事業の利益貢献にともないまして、営業活動によるキャッシュ・フローは3億6,600万円となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローにおいては、配当金の支払いで1億2,900万円のキャッシュの減少があるというところでございます。

以上により、当期末残高が2017年度の期首と比較して1億9,800万円増加しまして、20億2,600万円となっております。また、フリーキャッシュフローはここに記載のとおり、3億3,900万円となりました。

中長期事業方針

次に、中長期の事業方針について少しご説明させていただきたいと思います。

まず当社の基本戦略につきましては、「Global Niche Top」という、当社の存在意義がある世界市場のなかで頂点を目指していくということが、基本的な方向性です。それをより具体的にどういうかたちで進めていくかというところですが、大きく3つの戦略に分けて進めていっております。

1つ目が基本戦略①としまして、既存の基幹収益源(の維持・拡張)。国内のCAD/CAMシステム事業を長年やってきておりますので、ここは当社の一番強いところであると思います。その事業の維持・拡張に努め、圧倒的なかたちで2番手との差をつけていくというところを、基本的なロジックにしております。

2つ目が(基本戦略②としまして)成長する海外CAD/CAM市場の取り込み。これはとくに、今は日系企業主体でやっておりますけれど、ローカル企業の台頭にあわせたかたちで当社の製品をローカル企業さまへも提供していくことを、2番目の基本戦略として挙げております。

この①と②は、本当に当社が得意な分野でございますが、これらを推進していくことによって、(2015年~)2020年までの平均成長率を、最低5パーセントはキープできればと考えているところです。それから、2020年の経常利益率20パーセント・2020年のROE15パーセント以上を実現したいと考えております。

さらに基本戦略の3つ目、次世代収益源としての新規事業の育成。これもまたのちほど少しご説明申し上げますが、それを上乗せすることによって、さらなる成長を遂げていきたいと考えているところでございます。

中長期の方向性

少し図式化してPickUp1、2、3と書いてありますが、どういう方向性で中長期で成長を遂げていくのかという戦略を表しています。先ほども申し上げましたように、既存事業分野をコアにしたかたちで、そこからOEM事業(の拡張)、それから海外ローカル市場の開拓。

もう1つは、当社にはCAD/CAMの基礎技術がありますから、他社に負けない・真似しづらい社内の既存固有技術を活かして、新たな事業分野へ展開させていくという研究開発に、今取り組んでいる状況でございます。

それでは、こちらのPickUp1、2、3と書いてあるところの取り組み内容を、少しご説明させていただきたいと思います。

OEM事業について

まず、PickUp1です。OEM事業というのは、我々が持っているCAD/CAMのコア事業です。加工技術・加工技術ソフト・設計技術ソフト・パッケージング能力といった技術を他社でゼロからつくろうとすると、すごく長い時間やコストがかかるものですから、我々が黒子に徹したかたちで、OEMで提供していくというものです。

これを、当社の事業は3つの分野に分けて進めていっております。まず、金型とは違う分野でいきますと、試作市場。金型を量産する前段階での、試作市場を対象とした試作加工機向けの専用CAMというかたちで、OEM提供しております。

それから工作機械メーカーも(ございます)。やはり、自分たちの工作機を売るときには、基本的には独自のCAMソフトが一番効率よく加工できるということをPRするための、ソフトウェアを保有したいという思いがございます。そのため、当社のCAMソフトをOEMでご提供申し上げるというビジネスをしております。

それから、研削盤です。これは研磨の分野です。最終的に金型を含めて非常に精度が高いところになりますので、最後は研磨技術に頼るところですが、これも今機械化されていっております。より専用ソフトが必要だということで、そちらにソフトウェアをご提供申し上げているということです。

今は全部の売上のまだ5パーセントぐらいしか占めていないのですが、将来的には10パーセント以上まで、この事業を伸ばしていきたいと考えているところでございます。

海外CAD/CAM事業の状況

続きまして、PickUp2と書いてある海外のローカル市場のご説明です。先ほどから何度もお話し申し上げておりますが、海外戦略は当社としては3つに分けています。

1つ目がアセアン地域。タイCGSアジアという海外子会社を、現地のバンコクに持っております。アセアン地域はここを中心にして、とくにインドネシア・今台頭しているフィリピン・ベトナム・もとからあるマレーシアといった、日系企業が先に出ていったところでビジネスを進めております。

これにあわせたかたちで、ローカル企業への展開をより積極的に図っていくということで、現地技術員の教育等に力を注いでいっている状況でございます。

それから2つ目は、韓国・中国・台湾の東アジア地域です。韓国は、ほぼ日系企業がございませんので、大手企業さんに向けての販売展開を行っています。中国は、日系企業はまだ多いところでございますが、ここもローカル企業さんが台頭してきておりますので、これに対する適応を図っています。

台湾についても、わりと親日ということもありまして、日本のソフトウェアはけっこう利用されるケースが多いです。これも、今までの戦略を踏襲したかたちで進めていこうと考えております。

3つ目は、北米地域です。カナダのほうにCGSカナダという海外子会社を保有しております。そこで国内の、とくに工作機メーカーさんと共販体制をとって、販売促進をしていこうと考えているところでございます。

各海外戦略についての戦術ベースは、2つ持っております。1つ目は、当社の特異性とを活かしていこうということで、「APIサテライト構想」というものをやってます。ほかの欧米企業などはパッケージ販売だけです。大手企業さんは自動化が進んでいくということで、現地のローカル企業さんも、より自動化・自社専用のカスタマイズをやっていきたいと考えています。

これを日本でカスタマイズすると、大変なコストと時間がかかります。そのため、現地で完結できるような開発環境を現地代理店にご提供申し上げて、そちらで完結してもらおうという構想をもとに、進めていっております。

それから2つ目は、「テクニカルフランチャイズ構想」。当社のソフトは、右から左にすぐ覚えていただけるソフトではございません。地域の専門代理店を基本的には今から増やしていこうということです。この2点の構想をもって、促進していきたいと考えているところです。

積層加工技術による新規事業開拓

新規事業につきましては、3Dプリンタと呼ばれているものがあります。コンシューマー向けで、みなさんもよくご存じだと思います。このビジネス型積層技術の樹脂系・金属系といったところに、我々が持っているCAM技術の多軸加工技術と、積層技術を足す。新たなハイブリッドの加工技術分野に、今研究投資を進めているところです。

とくに金属系については、TRAFAM(技術研究組合次世代3D積層造形技術総合開発機構)という、国が非常にバックアップしている団体がございます。こちらに、CAMソフトメーカーとして参画させていただいて、日の丸システムで積層技術・加工技術をあわせた新しい機械をつくっていこうということで、今進めているところでございます。

通期の見通し

続きまして、2017年度12月期通期の業績見通しでございます。

通期の見通しは、国内につきましては企業の業績回復を背景に、国内製造業は堅調に推移すると見込んでおります。

海外につきましては、米国の政権運営の動向や東アジアの地政学的なリスクを除けば、IT投資への需要の拡大等を背景に、緩やかな回復基調が続くものと見込んでいる状況でございます。

2017年の取り組み

このような状況におきまして、重点施策は先ほど申し上げましたとおり、国内のCAD/CAMシステム事業、海外のCAD/CAMシステム事業、OEM事業/新規事業。それぞれについて、上期から活動を継続していることを、主力である国内CAD/CAMシステム事業を中心に経営基盤を強化しつつ、取り組んでまいりたいと考えている所存でございます。

2017年12月期第2四半期の進捗状況

2017年12月期第2四半期時点での、連結業績予想に対する進捗状況です。まず売上高につきましては進捗率が49パーセント、営業利益の進捗率が61パーセント、経常利益の進捗率が61パーセント、当期純利益の進捗率が33パーセントとなっております。

以上のとおり、売上高についてはほぼ50パーセントの進捗率で、営業利益・経常利益については6割を超えて推移しております。当期純利益につきましては、期末に繰延税金資産の回収等の可能性を見直す見込みのため、下期偏重の予想となっております。

それにより、(当期純利益の進捗率は)33パーセントということで5割を切っているとご理解いただければと思います。

連結セグメント売上予想

セグメント別の売上予想です。当初の予想から変更がないかたちで、通期の見込みを立てております。CAD/CAMシステム等事業は36億5,300万円、金型製造事業は5億6,400万円としております。

CAD/CAMシステム等事業では、各取り組みを実行することによって、通期で1億3,300万円の増収を見込んでおります。金型製造事業につきましては、何度もご説明しましたとおり、昨年度が非常に好調だったことから減収の見込みです。しかし、(売上の)進捗率としては50パーセントと、堅調に推移している状況でございます。

今後の成長イメージ(現有事業の拡張+新規事業)

今後の成長イメージでございます。現有事業及びOEM事業を合算して新規事業を除いた、2015年を起点とした2016年~2020年までの売上高年平均成長率は、5パーセントと想定します。2020年に経常利益率20パーセント以上・ROE15パーセント以上を目指していきたいと考えております。

また、成長率とは別に、AM-CAM事業・積層技術等の新たな研究分野をビジネス化することによって、さらなる成長部分を加算していきたいと考えているところでございます。

配当について

株主さまに対する、還元についてのご説明でございます。まず配当について。当社は株主のみなさまに対する利益還元を、経営の最重要施策の1つとして位置付けております。

2017年度の配当につきましては2016年度と同様、1株当たり期末配当10円を予定しております。

2016年度12月末の参考の財務指標としましては、EPSが24.78円、BPSが231.41円、ROEが11.1パーセント。配当額につきましては、内部留保や研究開発投資等を勘案しながら決定してまいりたいと考えている所存でございます。

(ご参考)ROEの推移

参考に、ROEの推移を掲載しております。ROEは昨年同期比で減益ということもありまして、2.1ポイント減少の11.1パーセントとなっております。ROEについては中長期の収益性を高めることで、2020年度をめどに15パーセント以上まで、引き上げていきたいと考えております。

ちょっと早足ではございましたけれど、以上で説明を終了させていただきます。今後も株主さまならびに投資家のみなさまのご期待に沿えるよう、経営陣・社員が一体となって、企業価値の向上を目指してまいる所存でございます。

本日はご清聴いただきまして、誠にありがとうございました。