2018年3月期 第1四半期決算概要

澤井健造氏:売上高は、ジェネリック医薬品市場の伸びが鈍化していることや、受託売上が大きく減少したこともあり、前年同期比2.1パーセント増の336億4,600万円となりましたが、受託分を除くと、前年同期比4.1パーセント増となりました。

利益面では、営業利益が前年同期比8.7パーセント減の53億7,600万円となりましたが、5月に買収を完了した米国のUpsher−Smith Laboratories, LLC社(以下、USL)のM&A関連費用13億2,000万円を除くと、実質的には13.7パーセント増となりました。

また、四半期純利益につきましては、前年同期比6.9パーセント増の46億5,600万円となりました。

営業利益の増減要因分析

営業利益の前年同期との差額の、約5億円の内訳です。主な増加要因としては、売上増にともなう粗利の増加で、約4億円。経費抑制あるいは期ずれによる販管費の減少で、7億円。一方、主な減少要因としては、変動費率のダウンや固定費増加で3億円。M&A関連費用で13億円となっております。

医療機関別 納入実績(単体)

医療機関別の納入実績です。病院・薬局とも採用金額の伸びは若干弱いものの、全体では前年同期比6.1パーセント増となりました。

収載年度別 売上高推移

収載年度別の売上高推移をご覧ください。とくに、2014年度以降に収載した製品の売上が順調に増加しています。今年度(2017年度)の新製品につきましては、想定どおりの推移となっております。

販路別 売上高推移

販路別の売上高推移をご覧ください。薬局・病院の両分野に、幅広い販売チャネルをもつ卸ルート(緑色のグラフ)が、前年同期比7.8パーセント増となりました。また、販売会社ルート(水色のグラフ)につきましても、1.3パーセントの増加となりました。

薬効別 売上数量動向

薬効別売上数量動向をご覧ください。売上数量は1.4パーセントと小幅な伸びとなりましたが、単価が比較的高い製品の販売策が奏功し、売上の伸びは数量の伸びを上回りました。薬効別に見ますと、構成比の高い循環器官用薬や中枢神経系用薬などが順調に伸びました。

2018年3月期 業績予想(IFRS)

IFRSベースの2018年3月期業績予想です。足元はほぼ計画どおりに進捗していることから、予想数値は変更しておりません。(米国の)USLの損益は反映しておりませんが、PPAなどの会計処理が確定次第、あらためて開示する予定です。第2四半期決算のタイミングまでに、公表いたします。

なお、第1四半期決算では、USLの5月末時点のバランスシートを取り込んでおります。詳細は、決算短信をご覧ください。また参考数値として、前期実績をIFRSベースに組み替えております。

【参考】2018年3月期 業績予想(日本基準)

ご参考として、日本基準ベースの2018年3月期業績予想を記載しております。

USLの取締役会メンバー

買収完了後の6月1日より、USLの新しい経営体制が、(資料に)記載のメンバーでスタートいたしました。現在は、両者のシナジーを早期に具現化するため、研究開発・生産・信頼性保証・IT・人事・ファイナンスなど複数のワーキンググループを通じて、PMIを進めているところであります。

USLとの協働ビジョンと戦略

新たに策定いたしましたUSLとの協働ビジョンと、戦略の概要についてご説明いたします。まず、Sawaiグループが、世界から認知されるジェネリック医薬品企業となることを両者の協働ビジョンとしております。USLの戦略としては、常に堅実なパイプラインを維持しつつ、競合優位性を確保した希少領域を狙います。

一方、沢井製薬としては、当社が有する製品や技術をUSLを通じて、米国市場で展開することにより、相乗的に収益を獲得します。そのために、米国市場での知財戦略の強化・製品ラインアップの拡大・安定供給体制の確立・販売チャネルの活用。それらを通じて、新たな企業ブランドエクイティを確立していきます。

その下支えとして、開発技術・製造処方の共有化や、双方の強みを活かしたオペレーションの効率化を図るとともに、コストコントロールやサプライヤーの共有化などで、協働メリットの最大化を狙います。

企業価値の向上と長期的成長を支えるための仕組みを構築し、国内事業に次ぐ第2の事業の柱の確立に向けて、両者一丸となって着実に取り組んでまいります。