2017年上半期TOPIX

矢﨑雄一郎氏:まずはじめに、2017年上半期のトピックスでございます。3つございます。まず初めに、治験製品の製造の開始でございます。

みなさま、お待たせしておりました、日本初のすい臓がんに対する樹状細胞ワクチンの治験がようやく始まりました。実際に、製造も開始しております。

2つ目のトピックが、資金の確保でございます。この治験を推進するための当面の資金が、確保されてきました。

3つ目のトピックスになります。収益事業のセグメントが黒字体質になってきた。この3つがトピックスでございます。

2017年上半期TOPIX

トピックス1の治験製品の製造開始について申し上げます。すい臓がん、免疫療法の実績で著名な大学であります、和歌山県立医科大学において、2017年3月に医師主導治験が開始されました。フェーズ1の治験登録者に対する投与につきましては、予定どおり行われております。

ここで改めて説明しておきたいのですけれども、我々のグループで毎年1,000人の患者さんに対して貢献しておりますが、薬事承認を通すことで1万人の患者さんに貢献することができます。私たちは、この治験を中長期的な戦略の軸として、取り組んでまいります。

2017年上半期TOPIX

続きまして、トピックスの2になります。当面の資金の確保の件でございますが、2段階のエクイティ・ファイナンスで、14億7,300万円を調達いたしました。1つ目が、モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社から、4億9,100万円の調達を行っております。

もう1つが、レオス・キャピタルワークス株式会社、藤野英人社長の運用する、ひふみ投信マザーファンドから、9億8,200万円の投資をいただいております。

2017年上半期TOPIX

トピックスの3になります。収益事業についてでございますが、これについてはかなりの体質の改善はできたと考えております。

もちろん、課題としましては自費診療の成長、そして利益についてでございますが、体質の改善は実現できました。2012年の12月期以来になりますが、ゴキブリの黒字化になっております。

売上高につきましては、これは症例数の減少によるものです。4億1,900万円のところ、3億800万円になりました。一方、営業利益につきましては、6,200万円の損失から300万円の黒字になっております。

2017年上半期TOPIX

これが、昨年から取り組んでまいりました、構造改革による固定費の圧縮と理解いただければと思います。

続きまして、これも医療支援事業でございますが、収益の安定化を実現しております。一方、売上高につきましては、細胞培養関連装置の受注というのが減少傾向にありまして、6億3,300万円のところが、4億3,000万円になりました。

営業利益につきましては、微増しておりますが、これは保険事業の売却によるものでございます。

続きまして、2017年12月期上半期の決算概況につきまして、説明いただきます。

小塚祥吾氏:取締役CFOの小塚です。どうぞよろしくお願いいたします。まず初めに、申し上げたいことがございます。

当社グループは、確かな経営改善成果の努力により、収益事業におきましては黒字体制に変化ができ、また資金面につきましても、当面の事業資金が確保できるなど、上半期におきましては我々が掲げた目標をおおむね達成することができました。

しかし、グループ全体での営業キャッシュ・フローの黒字化という、最大の経営課題は下半期へ持越しとなっておりますので、とくにこの点を必ず解決できますよう、この場をお借りしましてお約束させていただきます。引き続き、ご支援たまわりますよう、よろしくお願いいたします。

では、2017年上半期の決算概況。2017年度の損益着地予測についてご説明申し上げます。

2017年12月期上半期 損益概要(連結)

まず最初に、連結損益の全体像についてでございます。連結売上高につきましては、細胞医療事業において、昨年度に比べて症例数が減少したこと、医療支援事業において、細胞培養関連装置の受注販売が減少したことにより、前年同期比4億1,200万円減少の、6億3,800万円となりました。

また、各段階損益についてですが、主に細胞医療事業における経営の改造改革による固定費削減が功を奏し、営業損失は前年同期比1億6,900万円であったのに対し、当上半期は、1億100万円の損失に留まりました。

また、経常損失は1億2,500万円。親会社株主に帰属する四半期純損失は、3億1,800万円となりました。なお、この親会社株主に帰属する四半期純損失には、医薬品事業における減損損失1億6,100万円が含まれております。

これは、がん治療用再生医療等製品として、樹状細胞ワクチンの承認取得へ向けた、開発活動を実施していくための設備投資について、再生医療等製品の承認取得まで長期間使用することを予定しており、この期間中に収益獲得の見込みがないことを踏まえ、固定資産の減損にかかる会計基準を適用し、投資時に減損処理を実施したものでございます。

続きまして、連結貸借対照表についてですが、まず総資産額は2016年末に比べ、7,400万円減少し、14億6,300万円となりました。また、総負債額は主に借入金の返済が1億8,600万円あったため、2016年末に比べ2億6,100万円減少し、6億6,700万円となりました。

純資産額は、新株予約権の行使により、資本が4億9,200万円増加したものの、親会社株主に帰属する四半期純損失3億1,800万円を計上したため、1億8,600万円増加し、7億9,500万円となりました。

連結キャッシュ・フロー計算書についてでございますが、営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純損失2億8,400万円計上したものの、減損損失1億6,100万円。前払費用の償却6,500万円により、結果として5,500万円のマイナスとなりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、1億2,500万円のマイナス。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、第17回新株予約権の行使による収入4億8,000万円。借入金の返済1億8,600万円により、2億8,400万円のプラスとなりました。

その結果、2017年上半期末の現預金の残高は、8億1,200万円となりました。なお、参考情報としてお聞きいただければと存じますが、7月に実行された第三者割当増資による資本増加を単純に加えた場合、この連結現預金の残高は17億9,400万円となります。

最後に、2017年度の損益着地予測についてご説明申し上げます。上半期における業績の進捗状況に加え、下半期においても細胞医療事業において症例数が伸び悩むこと。

医療支援事業において、細胞培養関連装置等の受注販売の減少が予測されることにより、売上高は前回予想数値を大きく下回り3億5,000万円下回る見込みでございます。

各段階損益につきましては、2016年度末に未回収の延滞債権の回収について、一定額の回収は見込めることから、貸倒引当金の取崩し処理を実施できる見込みであるものの、売上高の減少による売上総利益の減少が予想されるため、前回予想数値を下回る見込みです。

なお、これらの着地予測の達成について、あるいは2017年度の課題解決の方法について、このあと矢﨑より具体的にご説明申し上げます。私からは以上です。

矢﨑:それでは、2017年下半期の経営課題、そして解決に向けた戦略についてご説明いたします。

今年の下半期における優先度の高い経営課題2つあると考えております。小塚からも説明がありました通り、2017年連結営業活動によるキャッシュ・フローの黒字化。もう1つが、治験製品製造のための追加の資金獲得になります。

JASDAQ市場における上場廃止基準というものがございます。まず1番を最優先課題として、現在も取り組んでおります。

これについてご説明いたしますと、戦略について3つございます。

まず1つが、医療機関の未回収の延滞債権を2017年度中に回収していきます。ある程度の見込みがございますので、これを確実に行っていくと。

2つ目が、細胞医療事業の症例数回復へ向けた施策の推進でございます。これが我々の課題でも常にございます。

まず1つ目が、現在重点地域というものを設定しまして、優良な医療機関をピックアップしております。これまでの連携医療機関というよりも、契約医療機関を増やす、このような準備をしております。

2つ目でございますが、医師及び医療機関とのネットワーク。要するに、我々の医療を実施する医療機関により患者さんをご紹介いただく、そのような取り組みもしております。

当社の免疫療法につきましては、すでに治験が開始されているということもございますので、そういった強みも活かしながら、実績もございますけれども、医師及び医療機関とのネットワークの強化をしていこうと考えております。

3番目になります。海外患者の受入の拡大でございます。近年、海外の患者さんが増えておりまして、医療機関においては約半分ぐらいが、海外から患者さんが来られているという状況です。

また、海外の代理店さんから当社の治療をご紹介したいというニーズも、たくさんございますので、そういった支援というのも強化をしてきたいと考えております。

キャッシュ・フロー黒字化のための3つめの施策でございます。これは、予算をきちんと守ってコストを抑える、そういったような取り組みを下期に向けて取り組んでまいります。

2017年下半期の経営課題の解決へむけた戦略

2つ目の戦略でございます。治験のための追加の資金獲得でございます。この治験を成功させるためには、約38億円の獲得が必要になります。23億円の追加が必要になってきますので、そのために2つの取り組みを行っております。

現在、企業とのアライアンスの締結による資金獲得ということでございますが、開発金あるいは資本の獲得というのを目指して取り組んでおります。

2つ目の、収益事業における営業活動キャッシュ・フローの獲得ということでございますが、前ページでもご説明した通り、症例の回復に向けた施策を推進していく、ということになります。

以上、昨年から今年にかけまして我々グループの体質の改善を行ってきておりまして、来年に向けてのステップアップにつなげていきたいと考えております。

繰り返しになりますが、私たちの新の成長戦略は薬事承認でございます。冒頭でもご説明させていただきましたが、現在1,000人の患者さんへ貢献しておりますが、この薬事承認で1万人の患者さんに貢献していくと、これに取り組んでまいります。

すい臓がんを1つの突破口として取り組んでまいりますが、すい臓がんだけでなく他の癌腫に横展開していくべき、取り組んでまいりますので、これからも引き続きご支援、ご指導をいただければ幸いです。短い内容ではございますが、ご清聴ありがとうございました。