2017年9月期第3四半期 ハイライト

宇佐美進典氏:本日はお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。当社2017年9月期第3四半期決算のご説明をさせていただきます。

まず最初にハイライトです。第3四半期であるこの4-6月につきましては、売上高、売上総利益、営業利益、のれん償却前営業利益と、すべての指標において前年同四半期を上回ることができました。

事業全体で見ると、アドプラットフォーム事業が引き続き全社の成長を牽引している一方で、第3の柱となる新しい事業を作るインキュベーション事業において、システムリニューアルが遅れ、プロモーション投資が第4四半期以降へずれ込むことになりました。

2つ目としては、当期の期末配当予想を1株当たり10円から15円へと修正しております。

3つ目としては、アドプラットフォーム事業における動画配信機能の一層の強化を図るため、一部の事業を再編いたしました。

主には、100パーセント子会社のゴールドスポットメディア社をfluct社へ、10月に吸収合併することになります。

3点目としては、7月25日付にて持分法適用関連会社Momentum社(持分比率20.4パーセント)の株式をSyn.ホールディング社へ売却いたしました。

この第3四半期におきましては、もともと広告閑散期ということもございまして、1-3月と比較すると、比較的落ち着いたクォーターになったと考えております。

第4四半期につきましては、来期への仕込みを意識しながら、短期と中長期のバランスを取りながら進めていきたいと考えております。

配当予想の修正

続いて、配当予想の修正について、もう少しご説明をしたいと思います。

2017年9月期通期業績予想が期初計画を上回る見通しであることから、期末配当予想を1株当たり10円から15円に修正いたします。

引き続き事業の継続的な成長のための投資を最優先としながらも、継続的な配当および機動的な自社株買いも実施することで、株主価値の最大化に努めてまいりたいと考えております。

アドプラットフォーム事業での一部事業再編

続いて、アドプラットフォーム事業での一部事業の再編についてです。こちらの目的といたしましては、主力サービスであるSSP「fluct」の動画配信機能の開発を強化するため、VOYAGE GROUPの100パーセント子会社であり、動画の第三者配信のツールやソリューションを提供しているゴールドスポットメディア社を10月にfluct社へ吸収合併いたします。

それにともない、ゴールドスポット社の事業計画を見直し、当四半期において、のれんの減損を約2.5億円計上しますが、通期の業績予想の修正は予定しておりません。

連結売上高 四半期推移

連結売上高の四半期ごとの推移でございます。売上高はアドプラットフォームを中心に拡大して、前年同四半期比では25.5パーセント増の61.9億円となりました。

連結売上総利益 四半期推移

売上総利益の四半期ごとの推移でございます。こちらは、売上高の伸びにともない、前年同四半期比で22パーセント増の18.6億円となっております。

連結売上高 四半期推移

連結販売管理費の四半期ごとの推移でございます。前年同四半期比では増加いたしましたが、想定ペースで推移しております。

連結営業利益 四半期推移

連結営業利益の四半期ごとの推移でございます。のれん償却前営業利益、営業利益ともに前年同四半期比では増益となり、それぞれ3.8億円、3.2億円となりました。

連結従業員数

連結従業員数でございます。4月からグループ全体で新卒が16名入社いたしました。引き続きアドプラットフォーム事業を中心に、採用を強化していきたいと考えております。

四半期連結損益計算書

四半期連結損益計算書でございます。(吹き出しの)コメントにもあるように、特別損失として約2.6億円を計上しております。

内訳としては、アドプラットフォーム事業におけるゴールドスポットメディア社に関するのれんの減損損失が主なものとなっております。

リリースにもありましたが、Momentum社の売却による特別利益につきましては、この第4四半期に計上されることとなっております。

四半期連結貸借対照表

四半期連結貸借対照表はご覧のどおりでございます。

今後の各事業における基本方針

続いて、通期の業績予想とその進捗についてご説明したいと思います。まず今後の各事業における基本方針はご覧のどおりでございます。

中長期での利益成長イメージ

中長期での利益成長イメージは、前期から今期については大きく投資を行い、それ以降の期において利益成長を図っていくと考えております。

短期的にはアドプラットフォーム事業を中心に利益を積み上げつつ、これらの先行投資をしっかりと中長期的な利益成長につなげていくことを考えています。

2017年9月期 連結営業利益予想

連結営業利益予想でございます。第1四半期から第3四半期までの累計は16.4億円となりました。今期は積極的に先行投資を行い、将来の利益成長に備える期という位置付けでもありますので、第4四半期においても来期を見据えて、必要な先行投資を積極的に進めていきたいと考えております。

2017年9月期 セグメント別営業利益予想の進捗率

セグメント別営業利益予想の進捗率でございます。ご覧のとおり、アドプラットフォーム事業、ポイントメディア事業ともに順調に進捗しております。

インキュベーション事業は第4四半期にプロモーション予算の配分をしているため、通期で見ると、ほぼ進捗どおりになる見込みでございます。

カジタク社との協業によるサイトのオープンは今10月頃を予定しておりまして、このプロモーションが来期以降発生していくだろうと考えております。

主要事業の概況

主要事業の概況でございます。当社の事業といたしましては、アドプラットフォーム事業を中心に、ポイントメディア事業、インキュベーション事業の、3つの事業から構成しております。

それぞれの事業について、ご説明を進めていきたいと思います。

アドプラットフォーム事業のビジネスモデル

アドプラットフォーム事業のビジネスモデルですが、日本最大級のSSpである「fluct」、その配信面を生かしたスマートフォンアドネットワーク「Zucksアドネットワーク」、動画アドプラットフォームの「CMerTV」を中心に行っております。

広告主については、ブランド系の広告主からパフォーマンス系の広告主を幅広くカバーするとともに、未来につきましても、PC、スマホのWeb、スマホアプリといったデバイス上でのプレミアムメディアから専門メディア、CGMなどを企画としております。

アドプラットフォーム事業売上高 四半期推移

アドプラットフォーム事業売上高の四半期推移でございます。この4-6月は広告閑散期ということもあり、1-3月と比較すると落ち込んではいますが、前年同四半期比で見ると、約40パーセントの増収となっております。

アドプラットフォーム事業売上高内訳 四半期推移

アドプラットフォーム事業売上高の内訳でございます。サプライサイドにつきましては、1-3月と比較すると落ち込んだものの、前年同四半期比では約19パーセントの増収となっております。

また、この四半期におきましては、各媒体社との取引の基準をより厳しくし、取引媒体の精査などの対応を行い、プラットフォームとしての健全化にも取り組んでおります。

デマンドサイドにおきましては、引き続き大口クライアントからの受注が続き、好調に推移いたしました。これにともない、前年同四半期比では約90パーセントの増収となっております。

アドプラットフォーム事業営業利益内訳 四半期推移

アドプラットフォーム事業営業利益内訳でございます。広告閑散期ということもありまして、粗利益の高い「CMerTV」の売上が伸びなかったこと。また取引媒体との条件交渉等により、売上総利益率が若干下がったものの、営業利益につきましては、前年同四半期比では約65パーセントの増益で2.5億円となりました。

トピックス

続いてトピックスでございますが、子会社であるCMerTV社が美容室に特化したデジタルサイネージ放送局「BEAUTINISTA TV(ビューティニスタ・ティービー)」を開局しております。

こちらは美容室の座席に、タブレット端末を設置いたしまして、ご来店された女性向けに良質な動画コンテンツ、動画CMを配信するサービスでございます。

今後の予定といたしまして、2020年までに美容室約1,000店舗に導入いたしまして、全国100万人へのアプローチを目指していきたいと考えております。

ポイントメディア事業のビジネスモデル

ポイントメディア事業のビジネスモデルとしては、ユーザーに対しては無料で使っていただいて、お得なサービスを提供していく一方で、サイトの中で広告掲載、またアンケート回答による収益を主な収益源としております。

当社の特徴といたしましては、アンケートでポイントが貯まる「リサーチパネル」、ショッピングでポイントが貯まる「ECナビ」、ポイント交換の「Pex」といったネット上でのポイント関連サービスを、すべて自社で保有いたしまして、結果として実際にショッピングを行っているF1F2層をベースにした会員データベースを構築しているところでございます。

ポイントメディア事業業績 四半期推移

ポイントメディア事業業績の四半期推移でございます。前年同四半期比で見ると、売上は若干の減収となりました。

この4-6月につきましては、年間を通じての広告閑散期であること、また売上総利益率の高いアドネットワーク売上の減少等により、前年同四半期比では減益となりました。

今期も進めておりますが、スマホ対応を進めていく中で、まだまだ苦しいフェーズが続くだろうという認識をしております。

今後はスマホシフトも合わせて、インキュベーション事業におけるEC領域の事業との連携を強化していきたいと考えております。

ポイントメディア会員数 四半期推移

ポイントメディアの会員数は順調に推移しておりまして、今、902万人となっております。

インキュベーション事業概要

インキュベーション事業の概要はご覧のとおりでございます。

インキュベーション事業 四半期推移

インキュベーション事業の業績の四半期推移でございますが、強化領域であるHR領域、EC領域の伸びにより、前年同四半期比では大きく増収いたしました。

営業利益につきましては、各事業のプロモーションが第4四半期にズレたものが多く、販管費が減少したため、営業利益の赤字幅が縮小いたしました。

HR領域はすでに通期ベースでも安定的に黒字化しておりますが、今後は採用を強化して、よりトップラインの拡大を目指していくかたちでございます。

EC領域は第4四半期においてプロモーション予算を投下し、事業拡大を目指していくかたちでございます。

また、カジタク社との協業によるシステムリニューアルが当初の予定よりも遅れておりまして、本格的なプロモーションは来期以降になる予定でございます。

FinTech領域での新しい取り組み

インキュベーション事業のトピックスでございますが、強化領域としてFinTech領域を掲げておりますが、ここでの新しい取り組みとして、確定拠出年金向けの匿名SNS「Monday α版」の実証実験を開始しております。

すでにFinTech領域に特化したファンドを今年の頭に立ち上げまして、2社の投資実績も出てきております。

引き続き、FinTech分野においてはベンチャーへの投資と事業開発をセットで進めていきたいと考えております。

以上でございます。