ハイライト

竹内康雄氏:みなさま多忙の中、本日はオリンパス株式会社2018年3月期第1四半期の決算電話会議に参加いただきまして、誠にありがとうございます。

それではさっそくですが、決算の概況についてご説明を申し上げます。

当社では今、2018年3月期第1四半期より財務情報の国際的な比較可能性の向上と、グループ内の経営管理精度向上の目的から、IFRSを任意適用しております。

比較分析のため、2017年3月期の第1四半期および2017年3月期の連結財務諸表につきましても、IFRSに準拠して表示しております。

2018年3月期第1四半期決算における主なポイントは、こちらの3点になります。

連結損益の実績は前年同期比では売上高は2パーセントの増収になりました。営業利益は若干減益となったものの、当期利益は12パーセントの増益となりました。

医療事業は、前年同期比では増収減益となったものの、おおむね期初の計画に沿って推移しております。科学事業・映像事業は、ともに前年同期比で損益が改善しております。

通期の業績見通しにつきましては5月2日に公表いたしました期初の計画から変更はございません。

2018年3月期 第1四半期実績 ①連結業績概況

それでは今第1四半期の決算概況について、詳しくご説明を申し上げます。こちらは連結の業績の概況となります。

売上高は前年同期比で2パーセント増収の1,718億円。営業利益は前年同期比5パーセント減益の127億円と増収減益とはなりました。ですが、年間の見通しに沿って進捗をしております。

当期利益は金融費用および税金費用が減少したため、12パーセント増益の101億円となりました。

2018年3月期 第1四半期実績 ②セグメント別概況

こちらはセグメント別の業績となります。医療事業は3パーセント増収となり、全社業績をけん引しております。

科学事業は7パーセントの増収に伴い、営業損益も前年同期比で5億円改善しております。映像事業は前年同期の営業損失から黒字に転換いたしました。

2018年3月期 第1四半期実績 ②医療事業

それでは、セグメント別の概況についてご説明いたします。まず医療事業ですが、売上高は前年同期比3パーセント増収の1,344億円。営業利益は9パーセント減益の232億円となりました。

消化器内視鏡分野は主力システムがプロダクトサイクルの後半に入っており、前年並みの売上となっております。

外科分野はラインナップの拡充効果により全地域で「サンダービート」が好調に推移し5パーセント増収となりました。

また、処置具分野はERCPや呼吸器関連製品の販売が好調であり、10パーセント増収という成長を維持しております。

営業利益については、プロダクトミックスの影響および一時的な要因を含む販管費の増加により、9パーセントの減益となりましたが、計画上の進捗どおりであり通期での利益目標に変わりはございません。

2018年3月期 第1四半期実績 ②医療事業(現地通貨ベース成長率)

こちらは医療事業の地域別成長率を四半期ごとに表したものです。

今第1四半期において、日本・北米・欧州は前年同期比横ばいでしたが、ほぼ期初の想定どおりに推移し進捗しております。

なお欧州につきましては、前年度の第4四半期が16パーセント成長と高い成長であったため、その反動による影響も出てございます。

アジア・オセアニアでは、中国を中心に2桁の伸びを継続し、順調に推移しております。

2018年3月期 第1四半期実績 ③科学事業

続きまして、科学事業の概況になります。今第1四半期の売上高は、前年同期比7パーセント増収の200億円。

営業損益は5億円改善し、6億円の損失となりました。資源価格の底入れ等もあり、主に非破壊検査装置機器の販売が好調に推移したことから、増収となりました。

営業損益は、売上の増加に伴い、損失幅が縮小しております。

2018年3月期 第1四半期実績 ④映像事業

映像事業の概況になります。今第1四半期の売上高は、前年同期比1パーセント減収の151億円。

営業損益は、前年同期の3億円の営業損失から一転して9億円の黒字となりました。営業事業全体では市場の縮小を受け、1パーセントの減収となりました。

一方でミラーレス一眼に限って見ますと、新製品を中心に販売が堅調に推移してございまして、14パーセントの増収となってございます。

営業損益については収益性の高いミラーレス一眼の増収効果に加えまして、在庫・経費を適切にコントロールしたことにより前年同期比で12億円改善し、9億円の黒字となりました。

財政状態計算書

財政状態になります。総資産は前期末とほぼ変わらず、9,669億円となりました。

資本は当期利益101億円の計上により前期末比67億円増の4,029億円となり有利子負債の削減も進んだ結果、自己資本比率は0.4ポイント改善し、41.5パーセントとなりました。

連結キャッシュフロー計算書

キャッシュフローの状況です。医療事業を中心としたキャッシュフローにより、営業キャッシュフローは201億円のプラスとなっております。

投資キャッシュフローは2017年4月に発表いたしましたImage Stream Medical社買収に伴う支出87億円により前年同期から83億円減少し、208億円のマイナスとなりました。

この買収に伴う投資支出を主な要因としましてフリーキャッシュフローは、7億円のマイナスとなっております。

次に通期の業績見通しについてご説明を申し上げます。

2018年3月期 通期業績見通し

2018年3月期の見通しにつきましては5月に公表した数値から変更はございません。

為替レートにつきましても通期で1ドルが110円、1ユーロが115円と期初の前提のままです。

今回前年の実績をIFRSベースに置き換えてお示ししており、2017年3月期の売上高はリース売上の会計処理変更などにより、75億円の差異が発生しております。

また、営業利益はのれんの償却停止による増益がある一方で、日本基準の営業外費用および特別損失が営業利益に含まれ、53億円の差異が発生しております。

IFRSベースでの今期の売上高は前期比3パーセント増収の7,660億円。営業利益は前期比11パーセント増益の790億円となる見通しです。

また、当期の配当につきましては、期初の配当予想を据え置き、2018年3月期期末配当として引き続き28円を予定しております。

2018年3月期 セグメント別業績見通し

セグメント別の業績見通しになります。期初はセグメント別の数値を日本基準で公表しておりましたが、本日は実績・見通しともにすべてIFRSベースに置き換えております。

医療事業は前期比5パーセント増収。営業利益についても、7パーセント増益を見込み、引き続き全社業績をけん引してまいります。

科学事業・映像事業も増収増益の見通しであり、3事業とも増収増益を見込んでおります。

設備投資および研究開発費

こちらは2018年3月期の設備投資および研究開発投資の見通しです。今期の設備投資は、北米・欧州・ベトナムの開発・製造・修理拠点の強化などを含め、700億円を見込んでおります。

研究開発費は消化器内視鏡主力システムの次世代後継機開発に向けて投資を進めるため、前期から8億円増加の800億円を見込んでいますが、効率化を進め、対売上高の比率は前期より3パーセント低下する見込みです。

以上が2018年3月期第1四半期の決算実績および通期見通しのご報告となります。

今年度は、当社は中期経営計画『16CSP』の2年目を迎えております。

『16CSP』公表時にお示しした医療分野における世界トップレベルのプレイヤーになるため生産性の向上および企業体質の改善により、『16CSP』の戦略達成と、その先の事業成長をより確かなものとするべく業務改革プロジェクトに取り組んでおります。

構造改革・意識風土改革を通じ『the greatest “Business to Specialist” Company』に。

素晴らしい高水準で高効率、高付加価値な業務運営能力ならびに会社社員ともに継続的に進化・成長する企業文化・体質の実現を目指しております。

引き続き、経営陣一丸となり、『16CSP』の最終年度2021年3月期の経営目標達成に向け事業戦略を推進してまいります。