2018年3月期第1四半期連結損益概要

日覺昭廣氏:はじめに、2018年3月期第1四半期決算の概要です。3ページをご覧ください。

当第1四半期の売上高は5,081億円と、前年同期比で6.3パーセントの増収となり、営業利益は389億円。5.2パーセントの減益となりました。経常利益は397億円と、4.9パーセントの減益。四半期純利益は261億円で、12.1パーセントの減益となりました。

営業外収支

4ページは、営業外収支について記載しております。営業外収支は9億円となりまして、新規設備操業開始費用は増加しました。しかし一方で雑損失が減少したため、前年同期比で1億円改善しました。

特別損益

5ページは、特別損益(について)記載しております。特別利益は2億円となり、前年同期比で6億円減少しました。特別損失は10億円と前年並みでした。以上の結果、ネットの特別損益はマイナス8億円となりました。

資産・負債・純資産

6ページは、資産・負債・純資産について記載しております。6月末の資産合計は、棚卸資産や有形固定資産が増加したことを主因に、2兆4,243億円と前期末比で275億円増加しました。

また負債合計は、有利子負債の増加を主因に1兆3,029億円となり、63億円増加しました。純資産合計は純利益の計上による利益剰余金の増加などにより、1兆1,214億円と、212億円増加しました。自己資本は1兆411億円です。有利子負債残高は7,434億円となり、D/Eレシオは0.71となりました。

設備投資額・減価償却費・研究開発費

7ページは、設備投資額・減価償却費・研究開発費について記載しております。当第1四半期の設備投資額は327億円となり、前年同期比で68億円増加しました。減価償却費は230億円で8億円増加しました。

研究開発費は158億円と、16億円増加しました。なお、2018年3月期から設備投資と減価償却費は、有形固定資産及びのれんを除いた無形固定資産の合計をお示しいたします。

セグメント別売上高・営業利益

8ページに、セグメント別売上高と営業利益の実績を示しました。機能化成品や環境・エンジニアリング、ライフサイエンスやその他は、前年同期比で増収増益となりました。しかし繊維は増収減益となりました。また、炭素繊維複合材料は減収減益となりました。

セグメント別業績(繊維)

9ページは、セグメント別の状況についてご説明をいたします。最初は繊維です。繊維セグメントは、売上高2,011億円となり、前年同期比で1.7パーセントの増収です。営業利益は176億円。0.8パーセントの減益となりました。

国内では産業用途の一部で需要が回復基調にあるものの、衣料用途は引き続き低調に推移する中、各用途での拡販に加え、「糸綿・テキスタイル・製品一貫型ビジネス」の推進をはじめとする事業の高度化や原価改善に注力いたしました。

海外では、東南アジアなどの一部子会社の業績が、中東向け輸出低迷などの影響を受けました。しかし自動車関連用途向けや衛生材料向けは、総じて堅調に推移しました。

セグメント別業績(機能化成品)

10ページに記載しておりますのは機能化製品セグメントです。売上高は1,912億円で前年同期比で9.4パーセントの増収をいたしました。営業利益は166億円となり、7.3パーセントの増益でございます。

なお、2017年4月から東レバッテリーセパレータフィルム株式会社を東レ本体に吸収合併したことに伴いまして、同社の業績は、2017年3月期まで国内子会社として開示していました。しかし2018年3月期からは東レ本体と海外拠点に分けて開示をしています。

事業の状況については、次のページでご説明をいたします。

機能化成品事業のサブセグメント別売上高

11ページには機能化成品事業のサブセグメントごとの売上高ならびにその構成比と、対前年同期比の増減率を示しています。樹脂・ケミカル事業は、自動車関連向けの樹脂の出荷が国内を中心に概ね堅調に推移しました。自動車以外の用途でも、ABS樹脂やPPS樹脂などの拡販を進めました。

フィルム事業は、リチウムイオン二次電池向けバッテリーセパレータフィルムが需要の伸長を背景に、出荷を拡大するなど国内外で堅調に推移しました。

電気情報材料事業は、有機EL関連材料の出荷が拡大しました。しかし高機能回路材料は需要が減少しました。商事は基礎原料の市況が前年同期比で回復したこと等を主因に取扱高を伸ばしました。

セグメント別業績(炭素繊維複合材料)

12ページの炭素繊維複合材料セグメントは、売上高が427億円と前年同期比で2.4パーセントの減収となりました。営業利益は57億円。41.6パーセントの減益となりました。

用途別の状況については、次のページでご説明をいたします。13ページです。

炭素繊維複合材料事業のサブセグメント別売上高

炭素繊維複合材料事業のサブセグメントごとの売上高ならびにその構成比と対前年同期比の増減率を示しています。

航空宇宙用途は、引き続きサプライチェーンでの在庫調整の影響はあるものの、航空機の建造機数は堅調に推移しており出荷はほぼ前年同期並みに推移しました。

スポーツ用途は、全般的に需要は依然として低調に推移しました。しかし秋モデルの生産シーズン需要を積極的に取り込みました。一般産業用途の圧縮天然ガスタンク向けは、本格的回復には至らないものの、回復基調となりました。

風力発電翼用途は、需要は堅調に推移したものの前年同期にあった、まとめ出荷の反動の影響がありました。

セグメント別業績(環境・エンジニアリング)

14ページに記載しておりますのは環境・エンジニアリングセグメントでございます。売上高は569億円。前年同期比で23.1パーセントの増収となりました。

営業利益は43億円。前年同期比で73.3パーセントの増益となりました。水処理事業では、国内外で逆浸透膜などの需要が概ね堅調に推移しました。国内子会社では、エンジニアリング子会社のプラント工事やリチウムイオン二次電池関連機器が好調でした。

セグメント別業績(ライフサイエンス)

15ページに記載しておりますのは、ライフサイエンスセグメントでございます。売上高は122億円となり前年同期比で2.9パーセントの増収でございます。

営業利益は6億円増益の8億円となりました。医薬事業は、「経口そう痒症改善剤レミッチ®」が、6月からOD (口腔内崩壊)錠の販売を開始した効果もあり、出荷を拡大しました。

一方、既存薬の「フエロン®」や「ドルナー®」の出荷は、代替治療薬や後発医薬品の影響を受けて低調でした。医療機器事業は、ダイアライザーの出荷が国内外で堅調に推移しました。

営業利益増減要因分析

16ページのグラフは、当第1四半期の連結営業利益が、前年同期に比べて21億円減益となった要因を分析したものです。増益要因としては数量増がプラス65億円。石化原料由来製品等の販売価格上昇がプラス25億円。

海外子会社の邦貨換算差はプラス4億円となり、合計でプラスが95億円となりました。一方、減益要因としては、石化原料由来製品等の原燃料価格上昇はマイナス91億円。

石化原料価格の影響を受けにくい製品の価格変動 (ネット)は、マイナス1億円となりまし た。営業費差はマイナス25億円となり、合計でマイナスが117億円となりました。

主要子会社・地域の収益状況

17ページでは、主要子会社の収益状況を示しております。東レインターナショナルは、繊維と機能化製品事業が好調でした。東レエンジニアリングは、プラント工事やリチウムイオン二次電池関連機器、及びエレクトロニクス関連機器が好調でした。

東南アジアの子会社では、繊維事業ではエアバッグ用テキスタイルは堅調に推移しました。しかし医療用途では中東向け輸出低迷の影響を受けました。機能化製品事業ではABS樹脂や電子部品向けフィルムが堅調に推移しました。

中国子会社は、繊維事業が総じて堅調に推移しました。機能化成品事業は、樹脂コンパウンド事業、TPCH(中国子会社)の販売は拡大したものの、原料価格上昇の影響を受けました。

韓国子会社は、繊維事業では品種高度化を推進しましたが、国内市場低迷と競争激化の影響を受けました。機能化成品事業は、バッテリーセパレータフィルム事業を、2017年4月から東レ本体に吸収した影響で、前期までは国内子会社が海外拠点の業績も連結して開示していたものを、当第1四半期から海外子会社として新たに組み入れたことが増収増益の主因です。

2018年3月期連結業績見通し

次に、2018年3月期連結業績見通しについてご説明をします。19ページをご覧ください。2018年3月期の業績見通しは、第1四半期の業績動向、ならびにプロジェクトAP-G2019の進捗状況等を踏まえ、2017年5月10日に公表した見通しを据え置きます。なお、7月以降の為替レートは1ドル105円を前提としております。

セグメント別連結業績見通し

20ページでは、2018年3月期の連結業績見通しをセグメント別に示しました。上段に売上高を下段に営業利益を示しています。しかしセグメント別についても期初の見通しを据え置きました。

設備投資額・減価償却費・研究開発費の推移

21ページでは、設備投資額・減価償却費・研究開発費の推移を示しております。それぞれ2018年3月期通期の見通しは、一番右の棒グラフで示しております。

こちらについては、見通し内容は期初から変更ありません。しかし設備投資額と減価償却費については有形及び無形固定資産の合計をお示ししております。ご説明は以上です。