2017年度1Q決算・上期見通しの概況

佐伯康光氏:それでは資料に沿ってご説明いたします。2枚組になっておりますけれども、一番上が2017年度第1四半期の決算についてでございます。

左上の損益実績のところをご覧いただきたいと思うんですが、2017年度1四期につきましては、売上高が1兆3,554億円、経常利益が1,079億円、ROSは8パーセントでございます。

また、当期純利益は713億円ということで、ROEは9.6パーセントとなってございます。ちなみに有利負債は2兆1,796億円となりました。

その右は、昨年の1四期の数字でございます。前年同期比との比較では、その右の欄をご覧いただきたいんですが、売上については3,043億円の増収、経常利益につきましては1,199億円の増益、当期純利益につきましては859億円の増益となってございます。

2017年度1Q決算・上期見通し

それでは1ページめくっていただきまして、2017年度の上期および年度の見通しについてご説明いたします。一番上の段が損益見通しでございますが、1四期は先ほど申し上げたとおりでございます。

2四期の見込みにつきましては、売上が1兆3,446億円、経常利益が421億円、当期純利益は137億円と見込んでおりまして、上期の合計の売上は2兆7,000億円、経常利益は1,500億円、ROSは5.6パーセント、当期純利益は850億円とみております。

1四期と2四期の経常利益に大きな差がございますが、これはもう基本的に在庫評価です。1四期において、大きな在庫評価益が出ておりますが、2四期はこれが消えるということでございます。

その横が昨年の上期ですけれども、経常利益が280億円、当期純利益は110億円でございましたが、前年度上期と比べまして経常で1,220億円、当期純利益で740億円と、それぞれ大幅な増益となりました。

2017年度の見通しとしては、3,000億円と考えております。このへんにつきましては、またあとでご説明したいと思います。

分析に入る前に、当社の非鉄のセグメントの状況についても簡単にご説明したいと思います。中段の参考、セグメント情報の、経常利益の欄をご覧ください。ちょうど真ん中、2017年の上期ですが、上から3段目のエンジニアリング事業です。

ゼロということで、残念ながら、オイル価格が低迷している中で、プラント関係の受注が追いつかないということで、少ないということで、今期はゼロとなりました。対前年でマイナス10億円のマイナスですね。

化学事業は50億円ということで、対前年で42億円の増益となっております。石炭化学工業は長らく低迷しておりましたけれども、ようやく改善のきざしも見えておりますし、機能材の事業も好調ということで、よい収益を上げております。

新素材事業は5億円ということで、ほぼ同レベル。また、システム事業につきましては105億円ということで、若干の増大でした。

システムソリューション事業につきましては、2016年度において、過去最高益を更新いたしましたけれども、足元もこの過去最高益をさらに更新する勢いで、順調に今収益を伸ばしております。以上がセグメント情報でございます。

これから、上期の諸元を中心に、あるいは再分析を中心にお話しいたします。下段の右側の、当社および全国の生産出荷等の諸元でございます。

当社の欄をご覧いただきたいんですが、連結粗鋼、上期は2,350万トン程度ということで、前年2,270万トンに比べて、80万トン増えてございます。これは主として日新製鋼連結に伴うものでございます。

一方、単独の粗鋼量につきましては、2,040万トンということで、2,151万トンの前年同期に比べまして、残念ながら110万トン程度減になってございます。鋼材出荷については1,940万トン程度。これも粗鋼生産同様、前年同期との比較では28万トン程度の減となっております。

価格は平均で8万3,000円で1万5,000円程度上昇していると。これは昨年の下期に上がりました原料炭を始めとする主原料の高騰が、ほぼこれでカバーされたレベルになっております。為替は110円程度ということで、昨年の107円に対しまして、3円程度の円安で見ております。

その下は全国の数字でございますが、粗鋼生産量は上期5,237万トン、これは経産省の見通しでございますけれども、昨年同期と比べてマイナス18万トンの減と。鋼材消費につきましては3,076万トン、これは当社の推定でありますけれども、昨年同期と比べまして51万トンの増となってございます。

経常損益分析(FY16/上期→FY17/上期見通し)

経常利益の差異ということで、その左側に前年同期との比較を書いております。連結経常利益の差異は1,220億円の増益と申し上げましたけれども、製鉄業はそのうち1,160ということで、ほとんど製鉄事業であります。要因別に1から9まで書いてありますが、生産出荷についてはマイナス130億円となってございます。

これは別報を立てておりますが、大分で火災事故を起こしました。これとは別に、一部の製鉄所でトラブルがあったということもございますし、これはスケジュール通りではありますけれども、一部の製鉄所においては大型工事を予定しておりまして、これの影響が大きかったと考えております。

次に、販売原料価格、マージン関連ですけれども、2の販売価格・構成につきましては、2,450億円の増益要因となっております。これは先ほど申しましたとおり、原料価格の高騰についてお客さまにお願いして、ほぼご理解を得られたということでございます。

一方、原料価格が2,730億円になっておりまして、これを見る限り、若干2と3の和でマイナスになっているということで、マージンが減少しているというようになっておりますが、これは今年の上期、主としては4、6月期でいいんですけれども、非鉄、金属原料を中心に、ちょっと高止まりしておりまして、このぶんのコストプッシュ要因が大きくなってございます。

コスト改善については120億円の改善。これは正直に申し上げて、当初計画よりは少し低いレベルになっておりますけれども、いろいろトラブル対応等で、修繕費を集中投入しようということで、意図的に集中投入いたしました。一方で、これを除くベースのコスト削減については順調に進んでおります。

もう1つの特徴は、5番の在庫評価差です。これは原料上昇局面でございますので、在庫評価差の差と言いますか、これは約1,090億円ということで、極めて大きいということであります。グループ会社については、480億円でありますが、これは在庫評価差も含む、一過的な利益も含む数字であります。日新の連結に伴うもの、あるいは海外事業の好転、こういったものを合わせまして、480億円となっております。

為替はストックの差、差の差ですね。円高の影響が少し小さくなったということで、差の差で130億円と。大分の影響が、前回の決算のときにもお話ししましたが、上期において100億円の減益になったということでございます。その他償却費の増とまとめておりますが、150億円ということです。

したがいまして、今期は大型工事であるとか、大分を始めとする生産設備のトラブル等で、量が少し出せなかったというのが残念なことではありますが、コスト改善は順調に進めておりますし、また、販売価格の改変につきましても、コストプッシュ分はほぼ確実に転化できたと考えております。

それでは、年度の見通し3,000億円。これについて少しお話をさせていただきます。上期は1,500億円でございますので、下期も1,500億円と言っております。

一方、上期の1,500億円の中には、かなり在庫評価益が含まれております。したがいまして、実力的には下期に向けて、かなり大幅に実力損益を上げていくという計画になっております。

まず第1点目は、生産出荷。これは上期、残念ながら少し数量落ちましたけれども、下期についてはこういった一過的なトラブル影響、あるいは工事影響がなくなりますので、増産が織り込まれております。また、コスト削減も順調に進んでおりますので、修繕費を除きまして、確実にコスト削減は積み上がるとみております。

合わせて、更なるマージンの改善と言いますか、これも前回の決算で申し上げましたけれども、再生産可能な適正マージンの追求ということを、5,000円パートン、マージン改善を目指して、今お客さまとお話をさせていただいております。

マーケットの環境はかなり我々にとってフォローである、需要が強いというのもありますけれども、まずはこれを今後とも生産を維持するためには、数千億規模の設備投資を継続する必要がございます。

何としてでもここはマージンの改善が必要ということで、申し上げているわけでございますが、詳細はちょっとお話しできませんけれども、下期には一部を織り込んだ計画となっております。3,000億円と申し上げましたけれども、3,000億円以上を目指してやりたいと、がんばりたいと考えております。

最後になりますけれども、一番下段に、剰余金の配当についてご説明いたします。2016年度の決算発表時は、これは今年の4月末でございますが、この段階では未定とさせていただきましたけれども、今期の業績見通しを踏まえまして、中間期については1株につき25円とさせていただく予定でございます。ちなみに、連結配当性向は26パーセントとなります。

以上、簡単ですけど、ご説明申し上げました。