2018年3月期第1四半期ハイライト

内田陽介氏:まず、こちらが2018年3月期第1四半期のハイライトでございます。

売上高は5億1,800万円。前年同期比1.4倍でございます。

営業利益、経常利益は同額で1億3,900万円。こちらは前年同期比1.8倍となっております。

四半期純利益は9,000万円。前年同期比1.8倍となっております。

売上高・各利益ともに、前年同期比を大きく超える状態で着地することができました。

事業全体のトピックスとしましては、まず、弁護士マーケティング支援サービスが順調に拡大し続けております。業績を堅調にけん引してくれている中核的な事業が、この第1四半期もしっかり伸びてくれたという状況でございます。

次に、今期は大きく投資して、しっかり伸ばしていくという計画の中核である、クラウドサインでございます。クラウドサインの導入企業数が8,000社、累計の契約締結件数が80,000件を突破しております。

非常に順調に導入者数が増えている背景の1つとしまして、プロダクトを今、非常に充実させております。このクラウドサインを広めていくためのエコシステム作りを積極的に進めております。

サイボウズさんが運営されている「kintone」というサービスや、「Box」などといったクラウドサービスとの連携を進めることによって、このクラウドサイン導入企業数が、今、日々増え続けているといった状況でございます。

2018年3月期 第1四半期 業績概要

次に、第1四半期の業績概要についてご説明します。売上高・各利益において、いずれの数字も前年同期比大幅の増収増益を達成しております。細かい数字につきましては、資料の数字をご覧のとおりでございます。

2018年3月期 通期予想に対する進捗

次に、通期予想に対する第1四半期の進捗をご説明します。

まず売上高は、2018年3月期の上期予想に対する進捗でいくと、49.9パーセント。ほぼ半分くらいの進捗でした。

営業利益は上期予想に対して約60パーセント。経常利益等も、ほぼ同じ約60パーセントという数字で着地しております。

通期予想に対する進捗率は、資料の一番右側をご覧ください。売上高(の通期予想に対する進捗率)は23パーセントです。また、営業利益は27.9パーセントとなっております。(連結の)通期予想に対しての進捗も、非常に順調なのではないかと思っております。

売上高がこの第1四半期、順調に推移しておりますが、(そこに関して)ご説明させていただきたいと思います。

一部の経費が期ずれをして、第2四半期に少し持ち越されるものがあること。また、会社全体の経費の見直しをしたところ、一部削減できる経費があり、その分が営業利益の押し上げに寄与していること。この2点が入ってきております。

売上高の四半期推移

次に、売上高の四半期の推移でございます。内訳がこちらの資料のようになっておりますが、弁護士マーケティング支援サービス(濃いオレンジ色のグラフ)を中心に、順調に拡大してきております。

各事業とも順調に成長してきておりまして、全体の売上高が、5億1,800万円という数字になっております。中核の弁護士マーケティング支援サービスは、おおよそ見立て・予想のとおりかなという推移で、ここまできています。

どの事業とも順調に推移してきておりますが、中でも、資料の一番上の税理士マーケティング支援サービス(灰色のグラフ)が順調です。現段階では3,800万円という数字ですが、毎月、過去最高の売上を更新し続けている状況です。

3、4年前の、弁護士マーケティング支援サービスの規模に近づきつつあるかなと思っております。これから似たような成長曲線を、この税理士マーケティング支援サービスでも実現していきたいと考えております。

販売費及び一般管理費の四半期推移

次に、販管費の四半期推移でございます。こちらは継続的な人材の採用がございますので、人件費が増加しているというところです。今回の資料から、前回の資料と一部変更を加えているところがございます。人件費の部分に、「役員報酬」を加えさせていただいております。

また、前回の資料までは「その他費用」と書いている部分が大きめになっていましたので、そこから切り出せるものを、いくつか切り出しました。業務委託費や家賃といった部分を、個別に開示しております。

従業員につきましては、第4四半期時点で106名でしたが、この6月で114名と、8名増員しております。そういった分で、人件費が増えてきているところでございます。

それに加えて、業務委託費ですね。業務委託費は第4四半期で、新サービス開発のために一部費用を使い、膨れ上がっていたところが元に戻ったこと。また、本来ここで外路開発しようと思っていた部分が、後ろにずれたこと。これらの影響で、費用が落ちているところがございます。

営業利益の四半期推移

上記を踏まえまして、営業利益の四半期の推移でございます。

先ほど申し上げたような、費用の期ずれなどがあったことによって、営業利益および営業利益率は、想定の数字を若干上回って推移しております。

営業利益は、1億3,900万円。営業利益率は、26.9パーセントという状況でございます。だいたいイメージとしては、売上で1,000万円くらい上振れて、費用で1,000万円くらい抑えられたかなと思っております。

貸借対照表

次に、貸借対照表でございます。こちらは資料をご覧になっていただくとおりですが、利益剰余金の増加によって、純資産が(前四半期末比で)1億1,500万円ほど増加しております。その結果、自己資本比率が88.3パーセントという、高い数字になっております。

月間サイト訪問者数の推移

次に、サービスの状況についてご説明させていただきます。

まずは、月間サイト訪問者数の推移でございます。

2017年6月の時点では、868万人のユニークユーザーとなっております。毎月、弁護士ドットコムニュースがどの程度ヒットするかというところのボラティリティ、変動が多少ございます。そのため、毎月多少(グラフが)ギザギザはしておりますが、全体としては、訪問者数が堅調に右肩上がりで推移してきております。

そして、我々の収益の源である、弁護士さんを実際に探している方々。つまり、弁護士ドットコムニュース以外のユーザーの方々も、非常に順調に右肩上がりで伸びてきているというところなので、直近のアクセスは、かなりいいように推移していると考えております。

有料会員について

次に、有料会員についてのご案内でございます。

まず、資料の左側。こちらが「みんなの法律相談」というQ&Aコーナーです。こちらの累計法律相談件数の推移が、56万件と積み上がってきております。毎月約10,000件ほど、このコンテンツが増え続けているという状況でございます。

そして資料の右側が、一般会員がどの程度有料会員として、毎月300円をお支払いいただいているかという推移でございます。サイト全体のアクセスが非常に好調であることを受けまして、現在10万9,182名の方が、有料会員になってくださいました。

この四半期で8,000名から9,000名ぐらい増えているということなので、ここが非常に順調に推移しており、売上の貢献の一部であったというところでございます。

会員登録弁護士について

次に、弁護士マーケティング支援サービスの中核となる、会員登録弁護士数のご案内でございます。こちらも、非常に順調に推移した3ヶ月となりました。

まず、(資料の左側の)会員登録弁護士数全体の推移ですが、国内弁護士の3分の1である1万3,000人を超えて、1万3,493名といった数字になっております。毎月順調に、こちらの数が伸び続けているというところですね。

この1万3,493名の弁護士のうち、何名の方が有料弁護士になってくださっているのかということを示したものが、資料の右側のグラフでございます。3,265名という数字になっておりまして、こちらも順調に増加してきております。

前回の決算発表の場でもご説明させていただいたかと思いますが、今年から、首都圏もしくは大阪に集中していた弁護士さんに対する効率的な営業から、全国の弁護士のみなさまに対する営業活動に、多少切り替えております。

今その体制を整備していることと、若干営業効率が少し下がるということがございます。この3ヶ月の伸び数を見ると、過去の伸び数よりも若干落ちているのですが、おおむね全体の計画どおりという進捗でございます。

クラウドサインの概要

次に、クラウドサインの概要でございます。クラウドサインについては、みなさんご存じの方も多いとは思いますが、中核となるサービスです。今期力を入れさせていただいているということもありますので、改めてサービスの内容について、少しご案内させていただきたいと思います。

こちらは、2015年の10月にリリースした、無料で利用することができる、日本初のWeb完結型のクラウド契約サービスでございます。従来の紙の契約書と比べたクラウド契約サービスのメリットですが、まずは大幅な契約締結作業のスピードアップ。生産性の向上というところが、非常に大きく挙げられるかと思います。

紙を製本して、押印をして、郵送して、返送をお待ちする。従来であれば1、2週間ぐらいは平気でかかっていたような作業が、このクラウドサインを使っていただくと、わずか数分で一気に完結してしまうところがございます。

それに加えてコスト削減という面では、(紙の契約書だと)郵送代・紙代・インク代など、非常にばかにならないコストがかかりますし、その契約書を作成する人件費もございます。

また、印紙代などもございます。(クラウドサインを使うと、)そういったものがほぼ限りなくゼロに近づいていく。大量の契約を締結するような大企業さまであればあるほど、コストメリットが得られるようなサービスとなっております。

さらに、締結した契約書がどこにあるのかを探すような経験や、(契約書が)どこかにいっちゃったなというような経験、みなさんもおありかと思います。そのような契約書の管理の面でも、(クラウドサインなら)クラウドに永久に保存されます。

それにより、コンプライアンス面での強化(が図れる)。うっかり自動更新してしまうようなことも、クラウドサインを使っていただくと、今後なくなっていくと思います。そういう意味でも非常に、時代のニーズに合ったサービスなのかなと考えております。

導入シーンは、ほぼあらゆる契約についてお使いいただけるというところで、多くの企業のみなさまに、今ご好評を得ているところでございます。具体的なビジネスモデルについては、ほぼ現段階ではフリーミアム(基本料無料、高度な機能は課金)に近いです。

「フリーバージョン」と「スタンダードバージョン」という、2パターンの契約体系がございます。(スタンダードバージョンで)有料契約していただきますと、月額固定で1万円を頂戴して、また、1契約について50円の従量制(の料金)を頂戴しております。

我々は、従来の契約書の締結だと、純粋なコストだけでも1契約あたり500円ぐらいはかかるのではないかという試算でやっております。そのため、1契約50円という従量制は、非常にコスト的な面でも強みがあるのかなと考えております。

導入企業数および累計契約締結件数について

クラウドサインの導入の進捗がこちらでございます。導入企業が、非常に順調に増え続けております。今年6月の時点で8,380社でございますが、先ほど申し上げたとおり、つい先日9,000社を突破したと、リリースに出させていただきました。

累計の契約締結件数も、資料にあるように毎月順調に伸びていて、累計で今8万2,637件です。これが(先日)9万件を突破したという状況でございます。こちらの契約締結の件数については、契約がわりと多くなる時期と、あまり契約をしない時期の波が、多少シーズナリティでございます。

現在、人材系の会社さまに、先行的に導入いただいているというところもございまして、1月から3月にかけて、契約締結件数が大きく膨れ上がるような傾向にございます。

このようなところもございまして、この3ヶ月は、前回の3ヶ月に比べると、純粋に伸びている数だけを見れば少ないです。しかし、毎回このように、シーズナリティで伸びていくようなサービスに、今のところなっております。

クラウドサインのトピックス

クラウドサインのトピックスでございます。現在、当初申し上げたとおり、このクラウドサインをさまざまな会社さまに導入いただくための、エコシステム作りに走っております。すでにさまざまなSaaSをご導入いただいている会社さまに、連携するようなかたちで、クラウドサインもご導入いただくことを進めております。

まずは、2017年5月リリースしたサイボウズさんのkintoneとの連携です。その次の月には、世界的にも非常に大きな会社である、Boxという会社さんと連携しております。シームレスにBoxの中に保管してある契約書が相手方に、クラウドサインを経由してお送りすることができるというようなサービスを開始しております。

また、3番目に書いてあるように、テラスカイさんとの業務提携をリリースさせていただきました。テラスカイさんと業務提携することによって、Salesforceさんに、クラウドサインを提供することができるようになりました。

こういうような各Saasさんからの連携によるクライドサインの広がりが、今後期待できるのではないかと考えております。

また、4番目に書いている、対応言語についてのご説明です。こちらをつい先ほど、プレスリリース、IR情報に出させていただいたところでございます。今までは日本語だけだったのですが、英語化対応を開始いたしました。

今までのクラウドサインは、世界中にいる日本人・日本法人に、世界32ヶ国でご利用いただいていた状態でした。これからは日本の会社と海外の会社が、それぞれの現地の言葉で契約締結ができるようになるような状態になります。

「クラウドサインサマー」というクラウドサインを、「この3ヶ月間でこういうことを開発します」と発表しております。その中で、英語版に続いて中国語版の開発もさせていただくということを出しております。

「サマー」と言っているわけですから、この夏中には、中国語版対応が開始されるのではないかという状況でございます。

また、以前リリースさせていただいた、クラウドサインペイメント。こちらについても現在開発中でございますので、夏の間にはリリースされるのではないかと考えております。

全般的に今は、サービスの開発・拡充に非常にコストをかけてやっておりますので、次の3ヶ月間にまた、いろいろ進捗をご案内できるのではないかと考えております。

各サービスの状況について

最後に、各サービスの状況についてご案内させていただきます。

まずは弁護士ドットコム・弁護士ドットコムNEWS・弁護士ドットコムCAREER・弁護士ドットコムPro。こちらの弁護士ドットコム関連のサービスでございます。全体的なサービスの、メディア力が伸びてきているところを背景に、マーケティング支援サービスが業績をけん引しております。

今まで我々がやっていたことが、一般ユーザーさんを多く集めて、弁護士さんのマーケティングを支援するところが中心でした。(冊子を示して)この『月刊弁護士ドットコム』という弁護士さま向けの情報誌。

これは月刊誌です。こちらについては、今までみなさんにご案内差し上げていたかちょっとわからないのですが、1年半前ぐらいから毎月1号、弁護士ドットコムの会員になっていただいている弁護士のみなさまに、毎月無料で、郵送にてご案内させていただいております。

こちらは非常にクオリティのいい雑誌になっています。弁護士のみなさまからしても、弁護士ドットコムというメディアの信頼度と言いますか、ブランドが非常に高まっている要因になっているのです。

今回我々は、今後マーケティングのご支援だけではなくて、弁護士のみなさまの事業に関する実務のお手伝いや、さらに生産性を高めていただくためのお手伝いなども、これからどんどんやっていきたいと思っています。

この『月刊弁護士ドットコム』と同時に、『Book for Lawyers』という別の雑誌を併せて、この7月からお送りさせていただいております。

弁護士さんは職業柄、毎月必ずといっていいぐらい、相当な額の法律書籍買われているのです。

それをばらばらと買うのではなく、このようなきれいなかたちで、書籍がどういう内容なのか、目次等も含めて全部ご案内する。しかも、これを全部一括で購入することができるというサービスを、開始させていただいております。

1部を定価で買うよりも、10パーセントほどこちら経由で買っていただくと、安く買っていただけるということを開始しております。こちらが非常に、登録弁護士のみなさまにご好評を得ておりますので、今後の会員増加等に寄与してくるのではないかと考えております。

次に、税理士ドットコム・税理士ドットコムProでございます。こちらはメディア力が伸びてきておりますので、先ほど申し上げたように、非常に順調に売上の成長が続いてきている。

そして、BUSINESS LAWYERSです。

こちらは企業弁護士・会社経営者・会社の法務担当者の方々を対象とした、企業法務メディアでございます。こちらもアクセスが今急増しております。

おそらく、前回3ヶ月前の決算説明会では、ユーザー数が16万人とご案内していたかと思います。しかし、この6月時点で、30万人を突破するような数字となってきています。

それだけ、メディア力が非常に伸びてきておりますので、今後のビジネスモデルとして、もう少しずつこれから検討を開始したい。この4月から、会員登録制を開始しております。

一部の記事や一部の機能は、会員になっていただかないとご利用できないことにしております。そうすると、どういうような会社の方々がBUSINESS LAWYERSをご利用くださっているかが、なんとなく見えてます。将来のビジネスのチャンスがここにあるのかもしれない、と考えております。

まだまだ、順調にメディア力が伸びておりますので、当面はメディア力・会員数を伸ばしていきながら、最終的にはここに弁護士ドットコムCAREERのような事業をくっつけていく。また、他にもさまざまなビジネスモデルがありうると思います。これらは将来の大きな事業になりうる可能性があるかなということで、順調に現在育成中でございます。

そして、資料最後にございますクラウドサインは、先ほどご案内した通りでございます。

私からのご説明は以上でございます。どうもありがとうございました。