平成29年3月期 決算概要(連結)
中島太氏:それでは皆さま改めまして、社長の中島です。
本日はお忙しいなか、当社の決算説明会にご出席いただき、誠にありがとうございます。限られた時間ではございますが、決算内容などにつきましてご説明いたしますので、よろしくお願いいたします。
最初に、平成29年3月期の決算概要。次に中長期経営計画の状況、そして最後に平成30年3月期の通期業績予想についてご説明申し上げます。
損益計算書
はじめに、平成29年3月期の概要です。これは平成29年3月期の連結損益計算書です。売上高は124億8,500万円と前期比13.1パーセント増加いたしました。
利益面におきましても、営業利益9億6,100万円、経常利益9億7,000万円、当期純利益6億8,600万円と2ケタの増収増益となりました。また、1株当たり当期純利益は、140円84銭と前期と比べ30円74銭増加いたしました。
サービス分野別売上高
サービス分野別の売上高です。まずシステムソリューションサービスはエンドユーザーのクレジット及びシステム基盤案件が拡大し、76億900万円と前期と比べ10億9,600万円増加し、当期の業績拡大に大きく寄与いたしました。
システムメンテナンスサービスは証券、銀行向け案件を継続受注したことなどにより、48億7,600万円と前期に比べ3億5,200万円増加いたしました。
業種別売上高①
次に業種別の売上高です。下のグラフは、金融、非金融別の直近3年間の売上高推移です。金融、非金融とも拡大傾向にありますが、特に非金融の拡大に注力しております。
業種別売上高②
非金融向けは流通のコンビニ案件が拡大。その他業種向けでは情報通信向けのシステム基盤案件が拡大しました。
顧客別売上高
顧客別のトピックスです。まずSIer経由の取引は前期比7.8パーセント増、売上高構成比では77.6パーセントとなりました。特に非金融向けは、流通のコンビニ案件及びシステム基盤の案件が拡大し、前期比20.3パーセント増となりました。
次にエンドユーザー向けの取引は前期比36.2パーセント増、売上高構成比では22.4パーセントとなりました。うち、金融業界向けはクレジットの既存顧客の基幹システム案件が拡大し、前期比32.5パーセント増となりました。
また、非金融向けは航空案件の継続取引が拡大。またその他業種の新規顧客との取引が拡大し、前期比45.9パーセント増となりました。
営業利益分析
ご覧のグラフは、連結営業利益において前年と比べて増益要因と減益要因を整理したものです。
前期の営業利益は8億5,100万円。当期の売上総利益の増加要因は、売上高の増収により2億6,900万円、加えて生産性向上などにより4,500万円であります。
一方、中計に基づいた人材育成、及び品質管理、並びに採用強化への投資を実施しております。また事業税などの経費増加もあり、当期の営業利益は9億6,100万円となりました。
受注の状況
次に、受注の状況です。当期の受注高は、127億1,300万円と前期比11.1パーセント増となりました。また受注残高は、23億6,800万円と前期比10.6パーセント増となりました。
右の棒グラフは、受注高及び受注残高の直近3年間推移であります。順調に拡大傾向です。
受注残高の状況
受注残高の内訳につきましては、まずサービス分野別ではシステムソリューションサービスで2億8,900万円増加。業種別では非金融向けで3億7,000万円増加いたしました。
システムソリューションサービスと非金融向けが受注残高の増加に大きく寄与いたしました。
中期経営計画『C⁴2022』の状況
続きまして2016年度から取り組んでおります中長期経営計画『C⁴2022』の状況をご報告いたします。
中長期経営計画目標値
まず、当中長期経営計画の目標値としましては、最終年度である2022年度において売上高220億円、売上高営業利益率10パーセント以上、ROE12パーセント以上を目指しております。
『C⁴2022』の柱
そのための主要の施策として事業拡大、生産革新、社内改革に取り組むものです。
事業拡大①
はじめに事業拡大につきましては、第2、第3の柱となる顧客づくり、非金融分野比率の向上、エンドユーザーとの取引比率の向上を目指しております。
これに対し、営業本部の体制を強化するとともに、重点としているお客さまへのアカウント営業を強化しました。また特にエンドユーザーの基幹システム案件への参入に向け、積極的な提案営業活動を行っております。
このような取り組みにより、重点顧客11社に対する売上高は、前期比12.3パーセント増加いたしました。
非金融分野の売上高比率につきましては23.3パーセントと前期比2.5ポイント上昇。またエンドユーザー取引比率につきましては、22.4パーセントと前期比3.8ポイント上昇いたしました。
当中計では非金融およびエンドユーザーの構成比率をそれぞれ30パーセントまで向上させる計画ですが、それに対して、当期は一定の成果を残すことができました。
事業拡大②
次に新規事業の創出につきましては代表的なクラウドサービスであるAWS(Amazon Web Services)を活用した案件を受注し、その効率的な活用に向けた研究を行い、事業化を検討してまいります。
またBtoC向けのビジネスにつきましては、小学生向けの教育アプリ『トライビット』シリーズを3本リリースいたしました。今後、小学校でプログラミング教育が必修化される予定であります。
当アプリはコンピュータの基礎を学べるアプリで次世代の情報化社会のIT人材の育成に貢献できればと考えております。
海外事業の創出につきましては、ASEAN市場をターゲットにしております。まずは大手SIerのお客様が海外進出する際に参入いたしました。今後当領域の拡大を図ってまいります。
生産革新①
生産革新につきましては、まず今後さらにパートナー活用を拡大してまいります。当期のパートナーの動員につきましては前期比15パーセント増加しております。
当社はパートナー会を通じ、当社の中長期に経営方針などの方向性を共有することにより、より多くのパートナー企業との友好関係の構築を図ります。
またオフニア推進室を新設いたしました。今後ASEANにおいてオフショアのラボ型開発拠点を開拓してまいります。
生産性倍増への作業標準化ににつきましては、オープンソースやパッケージ製品などのウェブ系生産性向上ツールの適用調査を行い、全社展開することで効率的な生産性向上につなげてまいります。
またノンプログラミング開発製品の活用にも注力しております。
生産革新②
全社QMS活動の強化に向けましては、プロジェクトの完了レビューを、品質、コスト、納期、及びリスク対策の観点で点数表化するなど見える化し、次期プロジェクトの運営に活かす取り組みを行っております。
加えて、不採算プロジェクトの未然防止に向けて、予兆となる事象をスクリーニングし、早期発見するための仕組みづくりを行っております。
また、顧客満足度調査の評価項目などの改善を行い、お客様からの要望をより的確に把握できるものといたしました。
新技術に関しましては、IoT関連に案件に参入しました。技術の研究を通じ、領域の拡大を目指してまいります。またブロックチェーンの研究にも取り組んでまいります。そして当該技術を活用した案件に受注につなげてまいります。
社内改革①
最後に社内改革の採用及び人材育成の強化については、新卒及びキャリアの積極採用を継続しております。
今年4月入社の新卒につきましては、計画どおり採用することができました。その他、海外事業の拡大を目指し、グローバル人材の育成にも取り組んでおります。
またご覧の表は、情報処理技術者試験制度などによる資格取得状況の一覧です。前期末に比べ、110資格取得数が増加しております。社内表彰制度の充実を通じて継続的に推進してまいります。
社内改革②
次に働きやすい職づくりにつきましては、残業時間の削減に継続して取り組んだほか、『くるみん』も取得いたしました。また社員数の増加や多様化に向けた新人事制度を試行しております。
また、社内インフラ整備に向けて、社内基幹システムのリニューアルに向けて着手いたしました。中長期経営計画で計画しているM&Aの実行に向けても体制構築をいたしました。
平成30年3月期業績予想
最後に平成30年3月期通期の業績予想です。
今期は成長への土台づくりと位置付けた中長期経営計画の第1ステップの最終年度となります。先にご報告の通り、これまで非金融及びエンドユーザーの拡大計画に対し、一定の成果を残すことができました。
また、新規事業及び海外事業の創出や生産革新、社内改革への取り組みにつきましてもその方向性を見出すことができました。
つきましては、当中計の実現をより確実なものとするために、来期から始まる第2ステップの取り組みである、飛躍への重点投資を今期から前倒しで行ってまいりたいと考えております。
それを踏まえ、今期の連結業績の見通しにつきましては、売上高は145億円と引き続き2ケタの増収を見込んでおります。
また、営業利益は9億8,000万円、経常利益は9億8,400万円、当期純利益は6億7,800万円と計画しております。なお、1株当たり当期純利益は139円13銭となります。
各業種別売上高の動向
売上高の構成比は金融向けが75パーセント、非金融向けが25パーセントと見通しております。銀行向けの新規エンドユーザーとの取引拡大や、証券、保険向け案件の受注領域の拡大を図ります。
公共向けでは、航空向け案件の拡大を見込んでおります。また、その他業界向けは、システム基盤案件や新規顧客との取引拡大を見込んでおります。
配当政策の基本方針
最後に当社の配当政策の基本方針につきましては、安定的かつ適正な利益還元を継続して実施すること。またその適正な水準の目安としては連結配当性向30パーセントと設定しております。
平成29年3月期につきましては前期より5円増配し、1株につき40円を予定しております。配当性向は28.4パーセントとなります。
また平成30年3月期の年間配当金につきましては、5円増配し1株につき45円を計画しております。配当性向は32.3パーセントとなる予定であります。今後もこの基本方針に基づき、安定的かつ適正な利益還元を継続して参ります。
以上でご説明を終わります。ご清聴ありがとうございました。