2017年3月期決算説明会

宮本進氏:かんぽ生命の宮本です。本日はかんぽ生命の2017年3月期決算電話会議にご参加いただき、ありがとうございます。

はじめに、お手元の資料に沿って決算概要をご説明し、その後、質疑応答とさせていただきます。

決算サマリー

1ページに今回の決算のポイントを、5点にまとめています。

1点目、当期純利益は885億円と前期比プラス4.4パーセントの増益を達成し、通期業績予想860億円を上回る進捗でした。

2点目、個人保険の新契約年換算保険料は、前期比4.7パーセント増の5,079億円。第三分野の新契約年換算保険料は、前期比12.4パーセント増の557億円でした。

3点目、個人保険の保有契約年換算保険料は、4兆9,796億円と前期末並の水準を維持しました。第三分野では、7,361億円と12月末比で15億円の増加に転じています。

4点目、足元の低金利環境を受け、ALMを重視しつつ、株式・外国債券などのリスク性資産への投資をした結果、リスク資産への総資産に占める割合は、9.9パーセントまで拡大しました。

5点目、EV(エンベディッド・バリュー)は前期末から2,046億円増加し3超3,556億円でした。

連結業績の状況

2ページ、連結業績の状況をご説明します。

経常収益は8兆6,594億円。経常利益は2,797億円。当期純利益は885億円でした。

通期業績予想と比べると、経常利益は90.2パーセントの進捗に留まりましたが、当期純利益では103.0パーセントの進捗となっています。

また総資産は80兆3,367億円。純資産は1兆8,532億円となりました。

連結財務諸表(要約)

3ページでは、連結財務諸表の要約を記載しています。詳細は決算短信等の資料でご確認ください。

契約の状況〔①:新契約年換算保険料〕

4ページからは契約の状況についてご説明します。個人保険の新契約年換算保険料は、5,079億円でした。

昨年8月の保険料改定の影響により、第3四半期では、一時的な落ち込みが見られましたが、年度末にかけて徐々に回復し、年間トータルでは、前期比プラス4.7パーセントの増加でした。

また、右のチャートの通り、第三分野の新契約年換算保険料は、前期比プラス12.4パーセントの557億円となり、前期を大きく上回る結果となりました。

本年4月には、標準利率の引き下げを踏まえ、再度保険料改定を実施しましたが、引き続き保障を重視した営業の定着に努めていきます。

契約の状況〔②:保有契約年換算保険料〕

5ページでは保有契約年換算保険料の推移を新旧区分に示しています。

左のチャートの通り、個人保険の新契約年換算保険料は、4兆9,796億円となり、前期末並の水準を維持しています。

また、第三分野の年換算保険料は7,361億円。このうち新区分は3,338億円となりました。

契約の状況〔③:新契約件数〕

6ページ、左のチャートは、新契約件数の推移、右側には、商品ごとの内訳を示しています。

当期の新契約件数は、前期比4万件増の244万件でした。

商品別では保険料改定の影響により、貯蓄性の強い養老保険、学資保険でやや減少しましたが、終身保険は保障ニーズをとらえた営業推進により、前期比で26万件増加しています。

契約の状況〔④:保有契約件数〕

7ページ、保有契約件数の推移と内訳を示しています。保有契約件数は新旧区分合算で、前期末から76万件減少し、3,156万件でした。

保有契約件数の減少が緩やかながら続いていますが、民営化後の契約である新区分の保有契約が積み上がり、旧区分を上回る水準にまで達しています。

資産運用の状況〔①:資産構成〕

8ページ、資産運用の状況についてご説明します。

昨今の低金利環境を踏まえ、運用資産の多様化を進めてきた結果、株式・外国債券などのリスク性資産の残高は7.9兆円。総資産費で9.9パーセントまで拡大しました。

中経において計画していた、10パーセント程度にほぼ到達していますが、今後もマーケット環境を注視しつつ、リスク性資産への投資を継続する方針であり、2018年3月末の総資産費は、12パーセント程度と見込んでいます。

右の表の通り、足元の低金利環境を受け、平均予定利率、利子利周りはともに低下しましたが、785億円の純材を確保しました。

また、キャピタル損益は511億円の損失となりましたが、価格変動準備金の繰り入れの減少と相殺され、当期純利益に与える影響は限定的です。

資産運用の状況〔②:有価証券の時価情報〕

9ページ、有価証券の時価および含み損益の状況を示しています。

国内金利の上昇を受け、満期保有目的や、責任準備金対応で保有する債権の含み益は、前期末比1兆7,594億円減少しました。

その他有価証券の含み益は、株式相場の上昇により、金銭の信託の含み益が増加した一方、内外金利の上昇により、債権の含み益が減少したことから、前期末1,178億円の減少となりました。

結果、有価証券全体の含み益は、前期末から1兆8,728億円減少し、7兆7,005億円でした。

経費の状況(単体)

10ページ、経費の状況についてご説明します。

当期の事業費は単体ベースで5,602億円となり、このうち約7割を日本郵便へ支払う委託手数料が占めています。

委託手数料の約半分は、契約獲得実績に応じて支払われる新契約手数料であり、残りの半分は保全・支払い等において支払う維持・集金手数料です。

当期の委託手数料は、民営化後、郵便局での新契約が順調に伸びてきたことや、お客様に保険金等の振込先口座を登録していただく取り組みを強化したこと等により、3,927億円でした。

また、右上のチャートの通り減価償却費は、今年1月の基幹系システムの公開等に伴い、476億円に増加しています。

健全性の状況

11ページ、健全性の状況についてご説明します。

経営環境の変化に伴うリスクに備え、将来にわたり健全で安定的な経営を確保するため、危険準備金2兆2,540億円。価格変動準備金7,887億円を積み立てています。

将来の逆ザヤ等を補う目的で積み立てている追加責任準備金は5兆9,610億円となっています。

リスク性資産への投資拡大等により、当期末の連結ソルベンシー・マージン比率は、1,290.6パーセントとなりましたが、引き続き高い健全性を維持しています。

EVの状況(速報)

12ページ、EVの状況についてご説明します。

当期末のEVは、3超3,556億円となり、前期末から2,046億円増加しました。当期の新契約価値は4月から3月の金利水準の平均に近い、2016年9月末の経済前提を用いて算出しています。

結果、前期2015年9月末前提に比べ、金利が低下したことにより、新契約価値は368億円となっています。

第3四半期からの増分が、112億円に留まっていますが、これは死亡率・事業費前提等を直近実績に更新したことによる影響。1年間分で約マイナス100億円が含まれているためです。

なお、本日時点では、第三者意見を取得していないため、速報版の開示です。EVの詳細は5月19日公表予定のEVレポートをご覧ください。

2018年3月期 連結業績予想

13ページ、2018年3月期の連結業績予想についてご説明します。

今期は3年間の中期経営計画の最終年度にあたり、当期純利益は中経目標の800億円程度を上回る860億円を予想しています。

また、配当予想は1株につき4円増配し、1株当たり64円。前期比プラス6.7パーセントとしています。

最後に、別途適時開示した固定資産の譲渡方針の決定について補足します。

本日開催の取締役会において、東京都港区三田にある旧東京サービスセンターの土地建物について、譲渡する方針を決定しました。

譲渡先等の決定は、入札とすることを検討しており、現時点で具体的な譲渡先・譲渡金額および時期は未定です。

これにより2018年3月期の当期純利益に、概算で300億円の増加が発生する見込みですが、詳細が定まっていないため、先ほどご説明した連結業績予想には、この影響を含めていません。

なお、本譲渡により特別利益が発生する場合に、特別配当を実施する予定はありません。今後、詳細が確定次第、業績等への影響も含め、速やかに開示していきます。

以上で説明を終わります。