2016年度 業績サマリー

別川俊介氏:それではさっそく説明に移らせていただきます。

今日は3つのインデックスございまして、昨日公表いたしました昨年度の決算概要、それから4月からスタートしてますけども、17年度の予算の内容、2019、17、18、19年度の3ヶ年の新しい中期経営計画の内容をお話しいたします。

まず決算の内容をお話しします。業績サマリーということですが、みなさんから見まして左が2015年度、真ん中の列が2016年度、右に前年との増減、単位億円です。

あとでセグメントの内容は個々にお話しいたしますけれども、受注が7,100億円ということでした。14年度に引き続いて7,000億円を超えたということを評価をしております。

一方、売上が6,740億円ということで、前年比265億円のマイナスです。2015年に初めて7,000億を超えたのですけれども、とくに昨年の上期は標準量産関係の受注が少し不振だったことです。それから為替の関係もありまして残念ながら7,000億円を下回りました。

営業利益は売上の減少に呼応いたしまして、484億円ということです。21億円前年比減少しました。利益率は同様に7.2パーセントは変わっておりません。

そのあとの営業外や特別損益、それから税金の各項目は前年比好転をいたしまして、最終の純利益は336億円ということで、前年比5億円の好転でした。売上利益率は5パーセントです。為替レートは前年に対して7円、円高の108円というレベルでした。

セグメント別営業利益

このシートはセグメント別の営業利益でございます。個々のセグメントは、またあとでも個別にお話しします。大きく増減のあったところだけをお話しをします。まず精密機械です。

プラスチック機械、それから半導体関連という系種が下にあるのですが、15年度好採算の売上が集中しましたが、今年度はそれに対して41億円の減少です。それにしても146億円というセグメントでは一番高い利益を出しております。

一番大変だったのは建設機械です。なんとか黒字化しましたが、前年比30億円の減少ということで北米のクレーン市場、それからショベルの中国・東南アジアの市場というのは昨年度よくありませんでした。

受注減の影響である売上減少や利益が悪化しておりますし、一部の中国売掛債権の処理というような過年度の処理もしております。

環境プラントが逆に33億円よくなっていますが、これは15年度にすでにお話してます、ボイラ関係の品質問題でコストアップが出たということ、それから今年は水処理の改修工事の売上増というような要因もありまして、前年比から好転しております。

連結賃借対照表

次はバランスシートです。このシートでは2点のみ、お話しします。まずネットの有利子負債ですが、前年3月末同様に3月末もマイナス0.4パーセントでありまして、有利子負債605億円に対し、現預金638億円とマイナスです。

それから自己資本比率ですが、純資産が4,000億円を超え、初めてですが、ちょうど50パーセントという自己資本比率にこの3月末になっています。

連結キャッシュフロー計算書

1年間のキャッシュの出入りを表します、キャッシュ・フローですが15年度それから16年度の単位は億円です。2016年度ですが、営業活動で380億円キャッシュを利得いたしました。

当期利益、減価償却費、それから運転資本も改善をいたしまして、とくに建設機械の棚卸資産等を改善をいたしまして、前年比より120億ほど好転をしております。その結果、前年比約200円億を上回る382億円という営業活動でのキャッシュを得ています。

そのお金を投資活動に逆に積極的に使い、260億円ということで前年比100億円のプラスでした。その結果、フリー・キャッシュ・フローは123億円のプラスでした。

地域別売上高

ここは地域別売上高ですので参考です。為替の環境もありますので個々の詳細は割愛しますけれども、全社を見ますと日本は50パーセントを少し上回りました。

前年比より増えております。日本のお客様の各市況が堅調だったということが、大きな要因だったというふうに思っております。

2017年度業績予想

それではこれから今年の業績予想に入ります。まず全体ですが2016年度の配当に触れさせてください。

16年度は先ほどの通り当期純利益336億円ということで1株当たり配当を16円とさせていただきます。当初の公表は14円でしたが、最終的に当期の純利益が増えましたので、16円とさせていただきます。2円分配当を増やしたということです。

17年度の表記は、一番右ですが受注7,200億円、売上7,100億円、営業利益510億円ときまして、当期純利益は320億円ということで前年より税金が増える等々がありまして、少し当期純利益は減らす予想になっておりますが、配当については配当性向30パーセントということで、16円ということにしております。

ここの表では14年、15年書いてございませんが、本中期計画で配当性向30パーセントということを決めました。この3年間、当初の配当の公表に対して最終的には当期純利益を増加することができまして、配当につきましても当初の公表よりも増配をできたということは、この中期経営計画の中で評価できると思っております。

それでは各セグメントに入りたいと思います。毎回、同じフォームなのですが、「受注」「売上」「営業損益」ということで、一番左に16年上・下、この17年度の上予算・下予算、そういう並びになっています。

機械コンポーネント

営業利益の上の折れ線グラフは、売上高営業利益率ということです。機械コンポーですけども、16・17年と共通するんですけれども、中小型の減速機、わたくしどもはギアモーターと呼んでいますけども、それは市況は堅調ですし、それからとくにロボット用精密減速機の市況が好調が続いてます。

わたし先週ヨーロッパに行ってまして、ドイツのミュンヘンに当社の子会社・工場があるのですが、そこでもこのロボット用精密減速機をやってまして時間があったので、すぐ近くに安川電機さんが工場を増設されていらっしゃいまして、おうかがいしまして当社も納めておりますが日本はもとより、中国・ヨーロッパでもこのロボット用精密減速機の市況は好調で受注・売上も増えています。

残念ながら、まだ採算には乗っておりません。これを早く採算に乗せていくことが大きな課題です。16年や17年も同様ですが、今一番市況が厳しいのは大型の減速機です。やっと中国等昨年の下期から、少しよくなってきていますが、前中期計画では、この大型減速機が大きく足を引っ張りました。

その中で、ヨーロッパの工場の再編やハンセンの孫会社化、日本であれば旧セイサであったり、大阪の工場と岡山のギヤボックスの工場を分社化・統合いたしまして、4月1日から新しい住重減速機でスタートをしてます。

労働条件の違い等も乗り越えて、そういう構造改革も国内外で打ってきております。利益的にはだいたい10パーセントぐらいの水準です。

精密機械

次は精密機械です。よくご存じだと思いますが、昨年プラスチック機械が非常によかったわけですが、需要の反動が少し出ているという中で、自動車・容器向けを強化していくという方針を書いております。この1、2年、プラスチック機械で評価をできますのは、デマーグ、これヨーロッパのドイツの会社です。

そこと当社のプラスチック事業部門の、いわゆるコラボレートが相当進んできたということです。

新型電動機の開発は少し遅れておりますが、受注増・売上増、期待したいと思っております。

一方、下の精密その他については、クライオ冷凍機とか半導体関係、それから機関銃とかいろんな事業をやっておりますが、クライオ冷凍機は堅調であります。半導体は、どうしても市況の波がありますが、ここにきて大分よくなってます。

とくにソニーさん向けの当社が、非常に強いイオン注入機の受注・売上が好調であり、ここもやはり同様に、利益率は10パーセントという水準を維持しております。

建設機械

建設機械ですが、ここは一番わたしの頭の痛いところで、例えば昨年の16年上期は赤字でした。油圧ショベルが一番しんどいわけですが、中国の需要がようやく頭打ちをしました。

今年に入りまして、工場の生産が少し追い付かないようなかたちになっておりますが、昨年はやはり、ここの売掛債権の処理等も含めて大きく足を引っ張りました。

ようやく17年の今年については中国・アセアン市場の回復傾向をしているということで、利益については黒字化は確実に図れると思っております。ただ、まだ大きな黒字のできる環境にないと思います。

それからモバイルクレーンです。16年度はリンクベルトの北米の市場が非常に厳しかったです。ここにきて少しよくなってきております。

17年度についてはあとでもお話しをしますが、日立住友重機械建機クレーン、HSCと略称で呼んでおりますが、ここが4月一日から連結化されるということで、この表の下のモバイルクレーンの受注・売上のところが大きく増えてますのはその要因であります。

産業機械

次は産業機械ですけれども、受注については産業用クレーンは16年も堅調でしたが、医療・プレス、タービンが、かなり減少いたしました。そのため前年比も減っております。

売上も16年度の売上は、一昨年の受注がよかったということもあり、非常に大きな売上でした。

利益も昨年度総合いたしますと10パーセントを超えましたが、17年度は受注の前期不振であった医療・プレス・タービン、それから産業用クレーンも少し受注高が減るということで、売上が大きく減ります。その結果、利益もかなり減少するという17年の予算になってます。

船舶

次は船舶ですが、16年度は3隻の受注であります。17年も厳しい市況という中で、4隻の受注を売り込んでおります。売上はだいたい4隻ベースということで、ある意味最小限の操業を続けております。

そういう中で、利益については昨年上から3、4パーセント、今年は5パーセントという利益水準であると。ここは受注高が固まっておりますので採算は大きく振れません。

環境・プラント

最後のセグメントの環境・プラントですが、16年度についてはバイオマスの大型の受注、灰処理の受注というような案件も決まりました。水処理でも大きな案件を受注いたしました。一方、売上ですが、お断りしないといけないのは17年が、かなり下回ります。

これは先ほど、ボイラの品質の悪化をお話しをしましたが、15年度大きな問題がありまして、その段階で受注をかなりストップいたしました。従って17年に限っては売上がかなり低くなります。

そのあと受注再開をしまして、かなりとっておりますので18年・19年は、受注高がかなりありますので、売上も増えていきます。

営業利益については、ここは水処理事業は菅工重ですので、どうしても上下売上とともにアンバランスですが、右に書いてあるようなこういった数字で17年については売上の中で営業利益も絶対額としては、やはり減っていくということです。

この内容は今お話しした通りですので割愛します。