成長施策
吉田昭夫氏:それでは次に、中期経営計画についてご説明をさせていただきたいと思います。17年〜19年のものになります。
20ページをご覧ください。当社が今認識すべき外部環境、成長施策をまとめたものであります。
当社では、国内事業拠点の拡充と、新たな成長マーケットである中国、アセアン地域での事業展開に向けた基盤づくりに取り組み、コストが先行しておりましたが、2016年度からいよいよ利益改善ステージに入りました。
新たに17年度を初年度とする中期経営計画を策定し、成長施策の推進に取り組んでまいります。具体的には、5項目、ここにあげさせていただいております。
1つが、アジアにおける成長機会の獲得。1つが、新たな国内需要の発掘。1つが、圧倒的な地域No.1モールへの進化。1つが、都市部における成長機会の獲得。
そして、これらの成長を支えるファイナンスミックスと組織構築であります。各施策の具体的な取組みを資料に記載させていただいております。
連結数値計画:中期3カ年経営計画(2017-2019年度)
それでは、この中期経営計画の目標数値、施策の詳細についてご説明を申し上げたいと思います。
23ページになります。ご覧の資料は、中期経営計画の最終年度19年度の目標数値のハイライトであります。
19年度の営業収益は3,400億円、営業利益は600億円を目指してまいります。営業利益の年間成長率は10.1パーセントを目指します。
先ほど説明いたしましたように、成長政策推進に伴う体制強化に伴うコストが先行しておりましたけれども、これまでの中期経営計画3カ年ごとの成長率は年率2.1パーセントにとどまっておりました。いよいよ成長ステージということで、この伸び率の設定をいたしております。
セグメント別の営業利益は、国内モール事業、プラス30億円の510億円。都市型ファッションビル事業、プラス28億円の40億円。海外事業は88億円増の50億円を目指してまいります。
連結数値計画:新規出店数・活性化モール数(国内)
ご覧の資料は、上段が3カ年の国内外への出店計画であります。国内モール事業では11モール、海外事業は15モールと、海外シフトが本格化してまいります。
都市型ファッションビルは、新規出店4、スクラップアンドビルド1、を計画いたしております。
既存モールにつきましては、引き続きリニューアルを進め、その中でも、3カ年で8モールの増床を計画し、計43モールの活性化を計画致しております。
連結数値計画:設備投資
17年度の設備投資計画です。国内で1,000億円、海外で500億円、合計1,500億円を計画しております。
国内事業では、モール新規出店で500億円、既存モール活性化で300億円、都市型ファッションビル事業で200億円、合計の1000億円でございます。海外事業は、中国で200億円、アセアンで300億円の、合計500億円を計画しております。
連結数値計画:資金調達計画と投資内訳
3カ年では、4,500億円の計画で、内訳は資料記載のとおりでございます。
17年度の投資1,500億円に対し、17年度の営業キャッシュフローで900億円、手元資金で100億円、デットやリース・リート活用等で500億円を計画しております。
中期3カ年での投資、4,500億円に対し、3カ年の営業キャッシュフローで2,800億円、手元資金で200億円、デットやリース・リート活用等で1,500億円を計画をしております。ネットD/Eレシオは、17年末時点で、1倍以下に収まる計画であります。
それでは、個別の施策について少し詳しくご説明させていただきます。本年の中期におきましては、3カ年の利益改善額における海外事業のウェイトが非常に高いということであります。この海外事業の施策について、本日は、少し丁寧に、詳しく説明させてもらえたらというふうに思っております。
アジアにおける成⻑機会の獲得:2017年度 営業利益改善計画
海外事業は本年17年度において、中国で34億円、アセアンで3億円、合計37億円の利益改善を計画し、営業利益黒字化を目指してまいります。
利益改善は、売上増加に伴う、歩合家賃の増収に加え、固定家賃や共益費等の固定賃料の改定、イベント等実施に伴う付帯収入の増収。空床区画の改善など、具体的な行動レベルに落とし込んで、実行をしてまいります。
アジアにおける成⻑機会の獲得:2017年1-2月 業績(速報)
中国事業の1月、2月の足元の2ヶ月間の営業数値であります。海外事業の営業利益改善額の大半、91.8パーセントを占める中国事業の既存店における、来店客数は115.5パーセント、専門店は121.2パーセント。
損益も速報ベースではありますが、海外事業全体で、2ヶ月累計で、とくにこの1、2月は春節等の影響もございますけども、昨年対比5億円以上の利益改善となり、この2ヶ月間トータルで、現在黒字化と、計画通りのスタートを切ることができました。
アジアにおける成⻑機会の獲得:ドミナント出店によるブランディングメリットの享受①
このように海外事業も好調になってまいりました。営業も、利益黒字化の達成に向けた施策について、ご説明させていただけたらと思います。
冒頭の映像にもございましたけれども、引き続き、中国では、北京・天津、江蘇・浙江、湖北、広東の4エリア。アセアン事業では、ベトナム、インドネシア、カンボジアの各エリアにおいて、いわゆる集中的に出店を進めるドミナント戦略を進めてまいります。
アジアにおける成⻑機会の獲得:ドミナント出店によるブランディングメリットの享受②
ドミナントの効果についての検証をみていただきます。
江蘇省蘇州を例にあげて説明させてもらえたらと思います。おおむね、オープン景気が落ち着きます、稼働5ヶ月後の1号店を100と設定した場合の、それぞれ、2号店、3号店の月坪賃料の比較であります。
1号店よりも2号店、2号店よりも3号店のほうが、効率が非常に高く、2号店3号店は、16年度には黒字。とくに3号店はオープン初年度から黒字を達成することができました。
これはドミナントが進んだことによりまして、ビジネスの展開ノウハウ、主脚力が高まったこと。また、テナント、地域のお客様に対するブランド力が上がってきたものだと考えております。
アジアにおける成⻑機会の獲得:競争力のあるモールの開発・管理運営
競争力のある海外でモールを管理・運用していくにあたって、これは一昨年から続けてきていることでありますけれども、これのクオリティをさらに高めていきたいと考えております。
5つほど、ポイントがございまして、1つが、モータリゼーションに対応している大規模な平面駐車場。これについては、非常に今、急速にモータリゼーションが、アセアン各国まで含めて進んでおります。持っております駐車台数の大小、使い勝手が、集客力に非常に大きな影響を及ぼしております。今後の開発についても、差別化要因として、追及をしてまいります。
2つ目が、売り場編集力による、カテゴリーディスティネーションであります。これは、国内でも先ほど広島・府中でも説明いたしましたけれども、現地マーケットに合致した、飲食空・食物販の大型ゾーンだとか、キッズやスポーツに特化したゾーンだとか、そのエリアの中でナンバーワンの編集ゾーンを作っていくということです。
3つ目が、とくに、国内以上にeコマースが進展している海外においては、モールならでは、リアル店舗ならではのエンターテインメント強化というのを推進しております。
4つ目が、集客力を高める施策と称しまして、いわゆる、日本で取り組んできた集客イベントをそのまま移植を各国にいたしております。
5つ目が、これが非常に重要なんですけれども、目に見えない部分かもしれませんけども、快適・安心・安全を重んずるということで、日本クオリティのクリンネスだとか、日本クオリティの接客だとか、これは、海外における大きな差別化要因ということで取り組もうとしております。
アジアにおける成⻑機会の獲得:営業収益の向上に向けた取り組み①
次に、トップラインの向上施策。ドミナントが進んでまいりましたので、個別モールではなく、エリアマーケティングという視点に切り替えてまいります。
とくにSNS等の拡散が非常に早い。よって、1つのモールでいい情報を発信することが、ほかのモールへ波及するということで、エリアマーケティングという視点を持ち、いわゆる、賃料拡大とコスト削減を同時にやっていきたいというふうに考えております。
アジアにおける成⻑機会の獲得:営業収益の向上に向けた取り組み②
次に、ブランディング効果による集客向上でありますけれども。これの視点は、我々の床価値が向上してきたという視点でありまして、これは、今後のテナント誘致、および、リプレイスにおける家賃の上昇、引き上げに使ってまいります。
とくに、最近のモールの進展の募集説明会では、我々の予定する区画の倍以上の企業様に参加いただけるようになりまして、初年度の入店条件が非常に良くなってまいりました。当初は、稼働3カ年目の黒字化という設計をしておりましたけれども、早くなってくるものと考えております。
アジアにおける成⻑機会の獲得:営業収益の向上に向けた取り組み③
次に、集客力を収益に結びつけるという視点で、いわゆる、モール空間をメディア媒体として活用してまいります。とくに、カンボジアでこれを進めました。カンボジアは、販促物にスポンサーがつくようになりまして、大幅な販促費の削減が収益に直結しているということで、こういったかたちでの付帯収入をあげてまいります。
アジアにおける成⻑機会の獲得:経営の現地化推進
以上、申し上げました施策を進めるにあたって、やはり重要なのは、現地スタッフの育成であり、現地スタッフが日本のスタッフと同レベルのクオリティの仕事ができていくようにしていくことが非常に大切であります。
現地スタッフは、地域のニーズや習慣をよく知っております。よって、モールに合わせたオペレーションが可能であること、現地のテナントとの交渉も非常にスムーズに進めることができます。個々人のモチベーションアップにもつながるということで、ここの部分のスキルアップを図り、営業強化をしていきたいと考えております。
アジアにおける成⻑機会の獲得:中期3カ年 新規出店計画
以上の取り組みを推進し、新規モールの出店を進めてまいりますけれども、17年度から19年度の3カ年では、中国で9モール、アセアンで6モール、計16モールの出店を計画いたしております。
19年度末には、中国22モール、アセアン12モールとなり、海外事業は34モール体制となります。年度ごとの出店計画は、お手元の資料の記載の通りでございます。
40ページ、41ページに、中国各エリアにおける既存店とすでに公表済みの新規出店計画をマッピング記載させていただきました。
アジアにおける成⻑機会の獲得:北京・天津エリア
アジアにおける成⻑機会の獲得:湖北エリア・広東エリア
アジアにおける成⻑機会の獲得:ベトナム・カンボジア
42ページに、ベトナム、カンボジア。
アジアにおける成⻑機会の獲得:インドネシア
43ページに、インドネシアの既存店とすでに公表済みの新規出店をマッピング記載させていただいております。
次に、国内事業であります。国内事業は、海外とはまた違った、マーケットの状況でございまして、従来の発想施策ではシュリンクすることは間違いないと考えております。よって、新たなマーケットに対応した取り組みを推進し、消費環境に左右されない強固な事業基盤構築を図っていくことが必要だと考えております。
新たな国内需要の発掘:国内マーケットの認識
国内事業における重要施策の1つ目は、今申し上げましたように、新たな国内事業の発掘をいかにしていくかということで、幅広い年代層のお客様のニーズや、地域特性への対応により新たな顧客層の獲得、潜在的な消費需要を掘り起こしていくこと、そして、国内で新たな需要創造、今まで、我々が取ってなかったマーケットのお客様を取っていくということであります。
具体的には、商業施設の淘汰が進んでおります。大型展閉店が進む地域における消費マーケットが入ってくるわけでありまして、この新たなMDを構築、新たなフォーマットを構築により、新たな需要層としてまいります。
新たな国内需要の発掘:商業施設の淘汰におけるマーケットの獲得
新たな国内事業の施策の1つ目ということで、具体的に話をさせてもらいます。今の淘汰という話でありますけれども、こういった淘汰により閉店が進んだ消費マーケットの取り込みをしていくという視点です。
小売業界は、ここ数年で、とくに、GMSだとか商業百貨店の閉店予定が次々に発表されているわけであります。閉鎖店舗の売上、発表されたものを累計してみますと、8,100億円、従業員数4万人規模と想定されます。お客様の利便性のみならず、地元テナントや雇用の側面も勘案して、新たにこういったものが創出されるということであります。
最近の例で申し上げますと、我々のイオンモール旭川駅前でありますけども、近隣の小型百貨店の閉店に伴い、同店に出店いただいた、閉店した百貨店に出店していました有力テナントを我々のほうへ誘致し、既存テナントにおいても、取り扱いブランドを拡充し、売上は、前期比2桁増と、大きく進捗をしていっています。
新たな国内需要の発掘:新たなMDの構築①
次に、これは先ほど申し上げましたMDの側面であります。いわゆる、コンセプトのはっきりした大型ゾーン、モールinモールという考え方でありますけれども。とくに、長久手の事例でありますけども、食物販、GMSとの連携、一大「食」のゾーン、こういったかたちでのカテゴリー創出を行っているというかたちであります。
新たな国内需要の発掘:新たなMDの構築②
次に、新たなこういったカテゴリーの構築を進める上で、他社にはない当社の強みといたしまして、約8,000社のテナント企業で構成されるイオン同友店会というものがございます。この同友店会と親密な連携を取りまして、こういったゾーニング構築、テナント・ミックスのコンテンツを構築してまいりたいと考えております。デベロッパー視点だけではなくて、出店する専門店さんと協業しながら作っていくということであります。
新たな国内需要の発掘:新たなMDの構築③
1つの視点は、こういった食の視点がございますし、もう1つの視点が、体や精神面の健康づくりをサポートするヘルス&ウェルネスの視点。これはシニアにも共通してくるものだと思いますけど、こういった層への対応をビジネスチャンスと捉えて、専門店と一緒になって作っていく。
また、当モールへの出店を契機に、ナショナルチェーンへ成長したテナントもたくさんございます。当社は昨年末で147モールを管理・運営しております。テナントにとっても、一挙に販路拡大が可能であることから、ローカルテナントの、これから事業を大きくしていきたい企業様がございましたら、積極的に取り組んで、我々のインフラを使って成長していくという基盤を作ってまいりたい、そういったことも進めていこうと思っております。
新たな国内需要の発掘:新たなMDの構築④
また、海外事業を拡充してまいりましたので、海外からのテナントの誘致、もう1つが、海外で成功したゾーニングというのの逆輸入を日本ですることも検討しております。
新たな国内需要の発掘:新たなフォーマットの構築
新たな国内事業の発掘の3つ目の視点でありますけれど、新たなフォーマットの構築ということで、これは地域と一体となった、地域発展、地域貢献の新しい取り組み。エコシステムと呼ばれているものですけども。
地域発展・地域貢献の新しい取り組み。エコシステムと呼ばれてるものでございますけれども、行政機能や郵便局・図書館など、公的機能を具備したモールになっているということで、地域におけるシティセンター的な役割も、我々が果たしていかなければならないという部分の機能を強化していきたいと思っております。
圧倒的な地域No.1モールへの進化:効果の大きい増床・リニューアルの推進①
2つ目の、圧倒的な地域No.1モールへの進化ということでありますけれども、ご覧いただいているのは3ヵ年の活性化計画であります。増床8モール、リニューアルを35モール、43モール、全体の3割のモールをこの3年間にまた活性化を行います。
この活性化というものの目的でございますけれども、これは新たな客層を、顧客層を取り込んでいくと、消費の潜在需要を掘り起こすということであります。特に今地域No.1のモールを増床することにより、もう圧倒的なNo.1のモールへの進化ということが可能になってまいります。
圧倒的な地域No1モールへの進化:効果の大きい増床・リニューアルの推進②
今後の直近の増床計画を少しご紹介させてもらいますと、今年の秋にはイオンモール甲府昭和を増床・リニューアルいたします。
当モールは2011年の3月にオープンしておりまして、今回の増床・リニューアルでこれまでの駐車場として増床した、南側敷地に既存の専門店ゾーンと続く増床棟を新設いたします。
この増床というのはそこの棟を足すだけではなくて、増床の機会に既存部分を大幅リニューアルをかけて、新店のように蘇らせるという作業であります。
同様に2018年春には、イオンモール宮崎の増床を行います。これは九州最大級のショッピングセンターとして生まれ変わります。いずれも現状でも、地域でNo.1のポジションをいただいておりますけど、増床により圧倒的な更なる、モールポジションを作っていくということであります。活性化においてもう1つ重要なポイントが、GMSとの連動ということです。
圧倒的な地域No.1モールへの進化:効果の大きい増床・リニューアルの推進③
専門店ゾーンの活性化とGMSゾーンとの、リニューアルのタイミングをきっちり合わせて、一体的な活性化をしていく。従来のGMSにおけるイオンスタイルのリニューアルを、モールの活性化と合わせて実施していくと。
そのタイミングでGMSとモールの回遊性の向上とか、強い商材でのラインロビング、こういった強化していかなくてはいけない、強化カテゴリーの面積増加等も、結び付けていきたいと考えております。
圧倒的な地域No.1モールへの進化:集客強化による収益力の向上①
No.1モールに進化させる政策の2つ目ですけども、この集客強化であります。これまで説明してきております、取り組みの成果を左右するのはやはり集客。この集客力というのがデベロッパーの責務であり、力そのものであると考えております。
とくにこの3ヵ年で強化していくのはイベントでありまして、デジタルは進化すれはするほど、生で楽しめるイベントの価値というのは向上してくると思っております。
特にデモグラフィック上のシニア層が増えることによって、いわゆる余裕の時間ができる人が増える。こういった時に我々のモールで、生のイベントを楽しんでいただくということであります。
とくに昨今は東京近郊の劇場・コンサートホールが減っておりまして、工事等でどこも満員だという状況だそうです。こういったライブ感のあるエンターテインメント、本格的な興行を進めてまいります。
圧倒的な地域No.1モールへの進化:集客強化による収益力の向上②
次にデジタリゼーションという部分でありますけれど、これはお客様の利便性を上げようということに使ってまいります。で、今回はイオンモール長久手で取り組みを進化させました。とくにサイネージにおいてはイベントの案内。
あと、店舗までのルート案内をタッチパネルで、デジタルサイネージで確認ができるとともに、飲食エリアの案内パネル等におきましては、調理をしている状況を画面で確認できたり、カメラを通じてフードコートがどんな状況なのか確認ができるので、フードコートまで行く必要がない。
他にもレストランの待ち時間確認だとか、QRコードでのレストラン予約も可能だということで、利便性をデジタリゼーションで追及していきたいと思っております。
圧倒的な地域No.1モールへの進化:集客強化による収益力の向上③
このデジタル活用が持ったCSの側面以外にも、いわゆるデジタルテクノロジーによって、我々が人出をかける部分を少なくし、業務効率を上げていくという視点。
企画、発案、創造的な仕事に、我々の社員が取り組む時間を長くするという視点にも使っていきたいと思っております。
以上、集客強化を通して、収益化に取り組んでまいりたいと思っております。
圧倒的な地域No.1モールへの進化:モール空白エリアへの新規出店
先ほど申し上げましたけども、我々147モールを運営していますけども、年間来客数というのは約11億人を超える状況になってまいりました。
やはりこの集客を利用して、この客数を収益に変えるという視点で、有料のイベントや有料の催事等も積極的に行い、付帯収入を取っていくということを考えております。
次に新規出店の考え方でありますけれども、基本的には我々の自社モールの空白エリアへの出店を、優先的に考えていきたいと思ってます。
例えば長久手などは競争他社が隣接してるわけでありますけども、当社の縦との距離感もあり、いわゆるカニバリゼーションが少ない。またイオンモール小松なども、我々が今まで出店していなかったエリアへの出店ということで、今非常に好調に伸ばしております。
当社にとって都市部への立地も、今まで以上にカバーをしていきたいというふうに考えております。このNo.1モールへという話をずっとしているわけですけど、これは対お客様だけではなくて、テナント受けのESという側面もございます。いわゆるモールのテナントの企業様の従業員様に、営業に専念していただけるサポート。これは大変重要になってくると考えております。
圧倒的な地域No1モールへの進化:テナント向けESの向上
これは雇用分も含めまして、従業員の方々にとって働きやすい労働環境整備に努めて、いわゆるダイバーシティ経営も取り入れたい。女性の働きやすい環境でありますね。で、16年の6月に先ほど申し上げましたイオン同友店会に、ダイバーシティ推進部会というのを設立いたしました。
この目的はテナント企業様における人出不足等の課題に対し、今、我々は事業所内保育園の設置だとか、従業員向けの休憩室の拡充だとか、いわゆるマッサージの設置だとか、従業員満足を高める取り組みを拡充しております。
こういったものをデベロッパー視点だけではなく、テナント視点も含めた形で推進しようということで、テナント様と我々の共同でこの部会を今進めております。
以上、効果のいい増床・リニューアルの推進の1つが、もっとも重要な集客力の強化を営業収益に繋げること、それとモール空白エリアの新規出店、それとテナント向けのESの向上について、ご説明をさせていただきました。
国内市場におけるシェア、集客力、テナント企業からの指示等において、いわゆるそれぞれのモールが地域No.1のポジションをとっていくように進めてまいりたいと思っております。
圧倒的な地域No1モールへの進化:新生OPAのブランディング構築
もう1つが、都市部における成長機会の獲得でありますけれども、これが昨年の3月1日、都市型立地における、新業態開発事業を展開する効果を収益力を強化し、都市部における事業展開を新たに進み始めたところであります。
新規出店と既存店のスクラップアンドビルドを合わせた、リニューアル等による収益力向上を進めるとともに、モールビジネスのノウハウの融合により、シナジー効果の拡大化を図っていきたいと思っております。
成⻑を支えるファイナンスミックスと組織体制構築:成⻑ビジネスモデルを支える資金調達
重要政策の最後となりますけども、成長政策を支える重要なファクターが、資金と人材であります。
成長を支えるファイナンスミックスと組織構築に取り組んでおります。資金調達においてはまずは、利益増加に伴うキャッシュ・フローの拡大であり、投資効率、資産効率の改善を図りながら、財務事業はネットD/Eレシオで1倍程度を目安として、リート、開発型リースも活用しながら、健全で強固な財務基盤構築に取り組んでおります。
成⻑を支えるファイナンスミックスと組織体制構築:ダイバーシティ経営の推進
もう1つが人の面でありますけども、多様な人材育成を目的として、ダイバーシティ経営を推進しております。この女性の活躍という視点で見てみますと、この女性活躍推進法により進められた基準を満たし、実績が優良な企業に対し、厚生労働大臣が認定する制度で「えるぼし」というものがございます。
これは採用、継続就業、労働時間等の働き方、管理職比率、多様なキャリアコースの5項目。この全てで基準を満たしたと認められまして、最高ランクを我々が取得することができました。
またイオングループでは出産・育児休暇を取得した従業員のスムーズな動き、また子育てをしながら働く従業員の活躍支援を目的として、事業所内保育所イオンゆめみらい保育園の開設を進めております。
ご覧の12カ所を設置しております。これは今後もグループ企業の従業員を初め、より多くの方々の仕事と育児の両立支援、待機児童解消への取り組みを進めております。
東証一部の上場企業で女性活躍推進に優れた企業として、毎年選定される「なでしこ銘柄」にも昨年お陰様で選定いただくことができました。
2017年度(2018年2月期)連結業績計画:業績予想
最後に数値の報告でありますが、2017年度通期計画は営業収益2,950億円、営業利益500億円、経常利益485億円、親会社株主に帰属する当期純利益295億円を見込んでおります。
2017年度(2018年2月期)連結業績計画:株主還元
当期の配当金は17年4月12日開催の取締役会において、期末配当当初予定通り13円50銭にて実施することを決意し、第2四半期末の配当金13円50銭と合わせる、当期年間配当金1株につき27円。連結での配当性向は21.5パーセントとなります。
次期の年間配当金につきましては、1株につき5円増配の32円を予定し、公表数値で連結配当性向は24.7パーセントを予定いたしております。少し長くなりましたが、ご清聴ありがとうございました。