仕手株になりやすいのは新興市場の銘柄

坪倉知紀氏(以下、坪倉):急上昇する銘柄は、意外と新興市場に多いんです。新興市場ってわかりますか?

アシスタント:大企業ではなくて、できたばかりのベンチャー企業などが多い、ということでしょうか?

坪倉:はい、その通りですね。

アシスタント:よかったです。

坪倉:いわゆる、ジャスダック、マザーズと呼ばれる市場ですよね。そういった市場が、新興市場と呼ばれているわけです。そういった市場のほうが、こういう爆発するような動きになる。いわゆる仕手株になりやすい銘柄が多いんですね。

もちろん、その企業自体がこれから先がある。やっぱり大企業は安定はしてますけど、そこから爆発的に成長することはないですから、やっぱり新興市場のほうが爆発的な成長を見込めるというところもあって、個人投資家も期待して買いますしね。

意図的に株価を動かす人たちがいる

アシスタント:じゃあ、新興市場だと、このチャートの動きだけじゃなくて、その会社がどういう会社なのかというのを見極めるのもすごく大事ということですか?

坪倉:そうでもないんですよね。

アシスタント:そうでもないんですか!

坪倉:というのは、優良企業だから買われるかっていったら、そうとも限らなくて、たいして業績とかも注目されていないのに、そんなにいい会社じゃないのに、なぜだか株価だけが突然動き出すということが起こります。

アシスタント:どうしてですか?

坪倉:それはですね、そういう、意図的に株価を動かす人たちがいるんですよ。

アシスタント:そんな人がいるんですか!?

坪倉:中にはそんな人がいるんですよ(笑)。みんながみんなじゃないですけどね。

出来高が少ない株は急上昇しやすい

出来高ってわかりますか?

アシスタント:わからないです。

坪倉:取引の量だと思ってください。

アシスタント:出来高払いの出来高ですか。

坪倉:そうそう、出来高ですよね。株は、買いと売り、買い手と売り手が1人ずついて、はじめて売買が成立しますけれども、その売買が成立した数が出来高だと思っていただいたらいいんですけれども。

いわゆる、東京証券取引所1部、東証1部と呼ばれている市場がありますよね。東証1部に上場している会社というのは、非常に売買高が多いんです。非常に活発に取引されている。

ですから、意外と値動きが安定しているといいますか、突然急上昇したり、急落したりというのが、意外と少なく、安定的に動くんですよね。

ところが、新興市場というのは、出来高が少ない。取引量が意外と少ないんですね。そういった市場の場合は、こういう急上昇というのが起こりやすいんですよ。

急に買われて、ちょっと大きな資金がちょっと入ってくるだけでも、値上がりしてしまうんです。トントントントンと急激に、そういった動きになりやすいんですよね。

ですので、新興市場のほうが、こういう爆発する銘柄多いので、その企業自体の将来性で買われるというところもありますし、値が動きやすいというところもあるので、個人投資家はこういう爆発する銘柄を期待して、新興市場で売買する人たちが非常に多いんですね。

アシスタント:仕手株狙って、新興市場へ。

坪倉:仕手株だけじゃないんですけど、なんか急激に上昇するような銘柄が、新興市場のほうが現れやすいので、個人投資家は大好きなんですよね。

新興市場銘柄は危険が伴う市場

アシスタント:でも、上がりやすいっていうことは、下がりやすいので、デメリットでもあるんですよね。

坪倉:そうなんです。さっき見ていただいたとおり。ですから、もちろん新興市場で急上昇する銘柄に当たって儲けたという方もいらっしゃるんですけど、一方で、買いのポイントを間違えてしまって、結局大損すると。下手すると破産している方も、実際にはおられるということなんですよね。

ですから、新興市場は夢はあるんですけれども、ある意味、夢はあるんですけれども(笑)。やり方がちゃんとわかってないと、買いのポイントがきちっとわかってない方がやるとなると、これはかなりの危険が伴う市場だと思います。

アシスタント:アメリカンドリームっていう感じですね。

坪倉:そういったところがあるので、私たちは、実は、新興市場の銘柄を売買することって、どちらかというとあんまりオススメはしてない。

アシスタント:私も聞いていて怖くなりました(笑)。

坪倉:当たればでかいですけれども、間違ったときは、とんでもないことになりますのでね。むしろ、東証1部の安定的に動く銘柄といったもので、コツコツ利益を上げていくということを、僕らはオススメをしているということですね。

ですから、まぁ、新興市場は、もちろん夢があるので、売買されてもいいとは思うんですけれども、仕手株にうまく当たれば大きな利益が出ますから、いいとは思うんですけれども、ぜひ、やり方を間違えない。

アシスタント:はい。

坪倉:ましてや、急上昇している銘柄に飛びつくなんてことをやると、そのあと、急落してきますのでね。そういう間違いのないようにね。

新興市場で売買をされる方は、ぜひ慎重にやっていただきたいなと。むしろ、僕らは、東証1部の安定した銘柄をオススメしたいなというふうに思っています。

アシスタント:はい。仕手株について教えていただきました。ありがとうございました。

坪倉:ありがとうございました。