目次

鶴岡裕太氏(以下、鶴岡):BASE株式会社代表取締役CEOの鶴岡です。本日は、当社の決算説明会をご視聴いただきありがとうございます。

本日は、最初に私から会社概要とエグゼクティブ・サマリーについてご説明し、次にCFOの原田から2025年12月期第2四半期の実績についてご説明します。よろしくお願いします。

ミッション

BASEグループのミッションは「Payment to the People, Power to the People.」です。

基本的には、すべてのプロダクトにおいて「Power to the People」、すなわち人々をエンパワーメントすることを強く意識しています。我々は、個人やスモールチーム、中小企業のみなさまをエンパワーメントしようという思いで取り組んでいます。

そして「Payment to the People」の理念に基づき、決済・金融・ECといった領域で人々をエンパワーメントしていければと考え、チーム一同でそのミッションを描いている会社です。

BASEグループのプロダクト

プロダクトについてご説明します。スライドには、当社が現在開発しているプロダクトの一覧を記載しています。

基本的にはシンプルです。GMVを創出するプロダクトと、GMVのユーザーに付加価値を提供してテイクレートを生み出すプロダクト、その両方を兼ね備えたプロダクトに分類することができます。

BASE事業ではGMVとテイクレートの両方を生成しており、「BASE」のユーザーに対して「YELL BANK」という金融サービスを提供することで、ファイナンスサービスによる売上を得ています。

このようにGMVを創出し、そのGMVに付加価値を提供してテイクレートとし、それを掛け合わせて売上にすることが、当社グループの特徴となっています。現在は「BASE」と「PAY.JP」で四半期1,000億円規模のGMVを創出しています。

さらに、2025年7月18日にEストアー社が当社グループに加わったことで、グループ全体のGMVは年間約5,000億円規模となります。Eストアー社は第4四半期から連結を開始する予定です。

エグゼクティブ・サマリー

エグゼクティブ・サマリーです。第2四半期実績の詳細は後ほど原田よりご説明しますが、全事業とも想定どおりに推移しています。

売上高は前年同四半期比プラス22.5パーセント、売上総利益は前年同四半期比プラス25.9パーセントと順調に成長しています。営業利益も引き続き黒字を維持しており、おおむね順調に推移していると考えています。

また、BASEグループ独自の購入者向けサービスである「Pay ID」のショッピングアプリ経由のトランザクションを、7月1日より有料化しました。過去数年にわたり着実にプロダクトの改善を重ね、付加価値が高まってきたことを背景に、BASE事業の収益性向上を目的として「Pay ID」の有料化を実施しています。

業績面においても当社の柱としたい期待値の高いプロダクトですので、引き続きメンバー一同で品質向上に取り組んでいきます。

Eストアー社については、予定どおり7月18日にSPCから全株式を取得し、完全子会社化が完了しました。そのほか、みなさまのご関心が高い事項についてはこの後ご説明します。

2025年12月期の方針と進捗状況

2025年12月期の期初に掲げた方針とその進捗状況です。詳細は省略しますが、どの事業も順調に進捗しています。

連結 グループGMVの成長

グループGMVの推移です。先ほどお話ししたように、現在のGMVを創出するプロダクトは「BASE」と「PAY.JP」です。季節要因等はあるものの、どちらも順調に成長しており、直近では年間で4,000億円を超える規模感のグループGMVとなっています。

GMVとは、当社をご利用いただいている加盟店の売上の総額を指します。当社グループにとってGMVは売上の源泉であり、非常に重要な指標です。今後もサステナブルに成長させ、この指標をさらに大きくしていきたいと考えています。

後述するEストアー社のGMVも、第4四半期からこちらに追加されることになります。

連結 グループの成長

第2四半期の連結実績です。グループGMVの増加が続いており、YELL BANK事業も順調に成長を続けていることから、売上高、売上総利益ともに増加しました。また、売上総利益率も順調に改善しています。

販管費を抑制しながらトップラインの成長を着実に実現しているため、営業利益も引き続き黒字を維持できています。

株主還元の方針

株主還元についてです。前回の決算発表でご報告したとおり、10億円の自己株式取得を4月に完了しました。今後もM&Aによる非連続的な成長を目指すと同時に、しっかりとした財務基盤を背景に、株主還元も継続的に実施していく予定です。

基本的には、自己株式取得は株価水準を、配当は利益水準を鑑みながら判断していく方針です。

Eストアー社の株式を取得完了

Eストアー社のTOBについてご説明します。こちらは我々の中長期戦略において非常に重要なM&Aですが、順調に進捗し、2025年7月18日にEストアー社の株式取得及び完全子会社化が無事に完了しました。

BASEグループにとって、GMV規模は事業の中心に位置しています。今回、日本において長年ストアフロント型のECを牽引してきたEストアー社と同じグループになれたことは、非常に大きなアクションだと考えています。

我々も全力でシナジーの創出に取り組むべく、もともとはBASEのCOOであり、現在はBASEの執行役員を兼任する山村が、6月30日付で新しくEストアー社の代表取締役CEOに就任しました。

山村CEO体制のもと、Eストアー社と当社の相乗効果をより早期にみなさまに実感していただけるよう、全力でシナジーの創出に努めていきます。

積極的なM&Aによる非連続な成長の実現

M&A戦略について、あらためてご説明します。BASEグループの構造は非常にわかりやすく、GMVを生み出すプロダクトと、GMVを売上に利用するためのテイクレートで付加価値を生み出すプロダクトに分解できます。

M&Aはこのどちらかを成長させるためのものと考えていただいて問題ありません。今回のEストアー社に関しては、GMVを獲得するためのM&Aとなります。

特に、決済や金融サービス、さらに今回有料化した購入者向けサービス「Pay ID」を自社で保有していることで、BASEグループは他社と比べてより大きなテイクレートを創出できる点が強みです。そのため、Eストアー社のように大きなGMVを持つ企業のグループジョインには優先的に取り組んでいます。

また、BASEグループに参加いただくことで、新たに上げられるトップラインや削減可能なコストも多く存在します。今後もシナジーを創出できるM&Aにこだわり、積極的に取り組みを進めていきたいと考えています。

BASEグループの対象顧客の拡大を目的としたEストアー社の M&A

Eストアー社とのM&Aが成功すれば今後のM&Aにもつながりやすくなるという意味でも、シナジーによる売上・利益の創出にしっかりと取り組みます。

我々が構築しているテイクレートを生み出すための金融や決済のプロダクトは、横展開を前提として作られています。これらを活用し、スピード感を持って共同施策に取り組んでいきたいと考えています。

Eストアー社は1,000億円規模の大きなGMVを誇っていますので、大きな成果を出せるよう、当社の経営陣もしっかりとコミットしていきたいと考えています。

収益構造及び財務状況

スライドには、Eストアー社の過去3年間の業績を記載しています。当社の祖業であるネットショップ作成サービス「BASE」よりも大きな売上規模を持つ加盟店にご利用いただいているため、多少の収益構造の差があります。

しかし、リカーリング収入があることや、「BASE」と同様にGMVを自社で処理し、決済のキャッシュフローに取り込むというポジションのサービスであることから、「BASE」で培ってきた経験や知識を多く注入できると考えています。

また、我々が独自で行っているテイクレート創出の付加価値も、Eストアー社で活用いただけるのではないかと思っています。

さらに、Eストアー社のジョインによって、今後はこれまで以上に幅広い加盟店のみなさまへエンパワーメントできるようになりました。個人的にも非常に楽しみなグループジョインであり、引き続きご期待いただければと思います。

ショッピングアプリ「Pay ID」の有料化

「Pay ID」の有料化についてご説明します。長年投資を続けてきたサービスですが、ようやく本格的なマネタイズを行えるタイミングとなり、7月1日より有料化を開始しました。7月以降は、ショッピングアプリ「Pay ID」経由の売上に対し、9.5パーセントプラス40円の手数料をいただくこととなっています。

直近のBASE事業のGMVに占める「Pay ID」経由のGMVは約15パーセントであり、この15パーセントのトランザクションに、9.5パーセントプラス40円の手数料が適用されることになります。

ショッピングアプリ「Pay ID」

「Pay ID」について、あらためてご説明します。ショッピングアプリ「Pay ID」は、「BASE」でネットショップを作成すると、シームレスに加盟可能なショッピングモールのようなものです。

「BASE」は、自社ECサイトを簡単に作成できるサービスです。各ショップは独自のURLを保有しており、自ら集客するお客さまがメインとなります。しかし、自社ECサイトを作成すると同時に、自動的に加盟できるのが「Pay ID」です。

「Pay ID」では、加盟店がアプリ特有のプッシュ通知を活用したマーケティングを行えるのはもちろん、当社自身もクーポンなどを活用しながら集客のサポートを行っています。そのため、加盟店には自社ECサイトだけでなく「Pay ID」も継続的にご利用いただいています。

今回は、そのアプリを通じたトランザクションに対する有料化となっています。

これにより、お客さまが自ら集客する自社ECサイトの販売手数料には変動がありませんが、「Pay ID」経由のGMVに対してのみ新たな手数料が加算されます。「Pay ID」経由のGMVは、BASE事業全体のGMVの約15パーセントを占めています。

TikTok ShopとBASEが公式API連携を開始

7月1日にプレスリリースにて発表したとおり、「TikTok Shop」と「BASE」は公式APIの連携を開始しました。

この連携により、「TikTok」のアプリ内で商品の発見から購入までをシームレスに完結させることが可能となります。動画とECを活用して、スモールビジネスの販路拡大や多様な事業者の活動支援を目指していきます。

「BASE」は「TikTok」以外にも「Instagram」や「Google」などのさまざまなSNSと積極的に連携しており、さらに「BASE」のマーチャントの拡大や売上の拡大にも大きく貢献できると考えています。

牧氏による公開買付に関する当社対応のサマリー

牧氏による当社株式に対する公開買付けに関してのサマリーです。詳細については、3月19日以降に適宜開示している資料をご確認ください。

直近の動きとしては、5月7日に牧氏より当社株式に対する公開買付けが開始されたことを受け、当社取締役会にて慎重に対応を検討した結果、対抗措置を発動しないことを5月15日に決議し、その旨を意見表明しました。

その後、5月22日付で牧氏が当社株式に対する公開買付けを2025年7月30日まで延長することを決定し、さらに7月30日付で公開買付けを8月14日まで再延長するとともに、公開買付け価格を引き上げることを決定しています。

これに対し、当社取締役会は8月5日付で本公開買付けに反対の意見を維持すること、及び現時点では本対応方針に基づく対抗措置を発動しないことを決議しています。

投資家のみなさまにはご心配をおかけしていると思いますが、現時点での対応は以上のとおりです。今後も進捗があり次第、当社から開示しますので、お待ちいただけると幸いです。

また、本案件に関して経営陣が費やしている時間は多いものの、事業については現場のメンバーの努力もあって十分に集中して取り組めています。足元の状況も順調に推移していますので、その点はご安心いただければと思います。

連結 2025年12月期 第2四半期 業績ハイライト

原田健氏(以下、原田):CFOの原田です。第2四半期の実績についてご説明します。

まずは連結業績のハイライトです。第2四半期は各事業が想定どおり順調に推移し、連結売上高は前年同四半期比プラス22.5パーセント、売上総利益は前年同四半期比プラス25.9パーセントと増加しています。

また、営業利益もおおむね想定どおりに推移し、引き続き黒字を維持しています。

連結 2025年12月期 第2四半期 業績

連結業績の詳細です。スライド左側の第2四半期実績については、前のスライドでご説明したとおりですので割愛します。

スライド中央の第2四半期累計については、売上高が前年同四半期比プラス24.8パーセント、売上総利益が前年同期比プラス28.8パーセントとなり、想定どおりの増加となっています。一方で、販管費を抑制できたため、営業利益は計画を上回って推移している状況です。

スライド右側の業績予想に対する進捗率については、販管費を想定より抑制できました。ただし、例年コストは下期偏重となっており、今年も同じ推移となる見込みであるため、営業利益の進捗率は相対的に高くなっています。

なお、通期業績予想には、Eストアー社の連結業績がまだ考慮されていません。Eストアー社の業績を含めた業績予想については、第3四半期決算のタイミングでの開示を予定しています。

連結 バランス・シートの状況

バランスシートについてです。6月末時点の現預金は約190億円、純資産は約130億円となっており、引き続き強固な財務基盤を維持しています。

現預金は前期末から約60億円減少しましたが、主な要因はEストアー社の株式取得代金33億円を前払いしたことと、自己株式取得に約10億円を使用したことです。なお、現時点で現預金のうち投資に回せるキャッシュは約90億円あり、こちらはM&Aや株主還元などに活用していく予定です。

また、流動資産にはファクタリング前渡金を記載していますが、その内容は「YELL BANK」の未回収債権残高です。「YELL BANK」の成長に伴いファクタリング提供金額が増加し、13億円まで増加しています。

なお、Eストアー社の株式取得は7月18日ですので、Eストアー社のB/S連結は9月末時点から反映されます。

連結 グループGMV(流通総額)の推移

グループ全体のGMVの推移です。グループGMVは、BASE事業、PAY.JP事業ともに想定どおり順調に推移しています。

連結 売上高の推移

連結売上高の推移です。グループGMVとYELL BANK事業がそれぞれ順調に成長し、連結売上高は前年同四半期比で22.5パーセント増加しています。

連結 事業別売上高構成比の推移

事業別の売上高構成比についてです。BASE事業の売上高構成比が前四半期比で増加しました。

連結 売上総利益の推移

連結の売上総利益と売上総利益率の推移です。売上総利益は売上高と同様に、前年同四半期比でプラス25.9パーセントと大きく増加しました。

売上総利益率は、BASE事業の売上高構成比が増加したことにより、前四半期比で増加しています。

連結 販管費の推移

販管費についてご説明します。販管費は大きく3つに分類しており、スライドの棒グラフにおいて、赤はプロモーション費、黒は人件費、グレーはその他費用で示しています。

第2四半期は、主に支払い報酬や外注費を含むその他費用とプロモーション費の増加により、前四半期比で増加しています。前年同四半期比では、主にwant.jp事業の連結開始に伴い、その他費用が増えています。

連結 人員数の推移

人員数の推移です。6月末時点で292名となっています。

連結 営業損益の推移

営業利益は想定どおりに推移し、引き続き黒字を維持しています。

BASE事業 GMVの推移

BASE事業についてご説明します。GMVは前年同四半期比で11.5パーセント増加しました。売店数及び売店平均GMVはともに成長しており、おおむね想定どおりの推移となっています。

BASE事業 GMV(決済額)、テイクレート、売上高の推移

テイクレート及び売上高の推移です。テイクレートは前四半期比でほぼ変動がなく推移しており、GMVの増加により売上も順調に成長しています。

BASE事業 事業別売上高、売上総利益の推移

売上高、売上総利益、売上総利益率の推移です。GMVの成長により、売上高は前年同四半期比プラス17.3パーセント、売上総利益は前年同四半期比プラス19.4パーセントとなっています。売上総利益率については、テイクレートにほぼ変動がなかったため、前四半期比での変動はありませんでした。

PAY.JP事業 GMVの推移

PAY.JP事業についてご説明します。GMVは前年同四半期比で10パーセント増加しました。

成長率はやや落ち着いていますが、これは加盟店の離脱が起きているわけではなく、GMV成長を牽引していた上位加盟店の成長速度が落ち着いてきたことによるものです。中規模以上の加盟店を含め、全体としては堅調に推移しています。

PAY.JP事業 GMV、テイクレート、売上高の推移

GMV、テイクレート、売上高の推移です。前四半期比でテイクレートは変動なく推移しており、GMVの増加に伴い売上高も順調に推移しています。

PAY.JP事業 事業別売上高、売上総利益の推移

売上高と売上総利益の推移です。GMVの増加により、売上高は前年同四半期比プラス9.1パーセントとなりました。売上総利益は、GMVの増加及び売上総利益率の向上により、前年同四半期比プラス19.5パーセントと引き続き成長しています。

売上総利益率については、原価率の低減により前四半期比でも向上しています。

YELL BANK事業 事業別売上高、売上総利益の推移

YELL BANK事業についてです。「BASE」のショップ向けに提供しているファクタリングサービスである「YELL BANK」の成長により、売上高は前年同四半期比プラス20.5パーセント、売上総利益は前年同四半期比プラス21.3パーセントとなりました。

昨年の急激な成長は2024年1月に実施した機能改善による影響が大きく、前年同四半期比の成長率は一巡しましたが、引き続き順調に成長しています。

私からのご説明は以上です。ありがとうございました。

質疑応答:「Pay ID」有料化による今期業績への寄与について

司会者:「『Pay ID』の有料化による売上総利益への寄与は、四半期でどのくらいになりますか? また、計画には織り込み済みでしょうか?」というご質問です。

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