2016年度決算説明会

樋口達夫氏:みなさま、こんにちは。大塚ホールディングスの樋口でございます。本日は大変お忙しいなか、大塚ホールディングスの2016年度の決算説明会にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。

当社は2014年から5年間の第2次中期経営計画が現在進行中でありまして、2016年度は3年目の事業年度ということでございました。

私のパートでは、第2次中期経営計画の進捗状況を中心に、中期経営計画の見通し、ならびに2020年を超えた、中長期的な持続的成長に向けました大塚の取り組みにつきまして、みなさんにご報告申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。

①2016年度 連結業績の概要

牧瀬篤正氏:大塚ホールディングスで財務・経理を担当しております牧瀬でございます。よろしくお願いいたします。

はじめに、大塚グループは今回の通期決算から、IFRS(国際会計基準)に基づく連結業績を説明いたします。なお、IFRS適用による従来の日本基準との主な差異については、参考資料をご覧ください。

当期の連結業績の総括としましては、売上高はグローバルおよび国内の新薬品群の貢献により、通期見込を155億円上回りました。営業利益は研究開発費が見込みに織り込んでいなかった要因により増加しましたが、期首の見込みを大きく上回る1,000億円以上を達成することができました。

なお、研究開発費の増加要因には、12月に発表した米国アケビア社と締結した共同開発・共同販売契約の費用の一部も含まれています。

ではここから、前期実績との比較について説明いたします。当期のグローバルおよび国内の新製品群の売上高は、「エビリファイ」特許切れ後の中長期的な成長ドライバーである「レキサルティ」など、新製品群が予定どおり伸長した結果、前期比で883億円の増加となりました。

IFRSにおいては、持分法による投資利益や減損損失などを営業利益に含めて認識しています。減損損失として、市場や競争環境が当初の想定から大きく変化したことによる、ブラジルの健康・機能性食品事業や北米の飲料事業の見直しなどが含まれています。

なお、第3四半期で発生した維維(ウェイウェイ)食品飲料社株式売却益は、その他の営業外損益として計上し、当期純利益に含めて認識しています。

為替変動による影響は、前期に比べて円高となったため、売上高で約650億円、営業利益で約25億円のマイナスの影響となりました。

②事業別の売上高・営業利益

事業のセグメント別の売上高・営業利益について説明いたします。

まず連結売上高は、前期比2,318億円減少し、1兆1,955億円となりました。セグメント別の売上高では、医療関連事業はエビリファイの特許切れの影響により2,205億円減少し、7,530億円。NC関連事業は38億円減少し、3,116億円、消費者関連事業は31億円減少し、355億円。その他の事業も39億円減少し1,413億円でした。

次に連結営業利益は、前期比477億円減少し、1,011億円となりました。セグメント別の営業利益は、医療関連事業は548億円減少の920億円。

NC関連事業は前期に比べて減損損失が57億円増加した影響により、19億円減少の325億円。消費者関連事業も減損損失が46億円増加した影響により、8億円減少の55億円、その他の事業は78億円でした。

大塚グループのIFRS業績は、日本基準で営業外損益として認識している欧州のALMA社、米国のCGロクサーヌ社などの持分法投資利益を営業利益に含めています。各セグメントの営業利益に含めている持分法投資利益は、スライドにお示ししている金額です。

③医療関連事業の状況

医療関連事業の業績について説明いたします。当スライドでは、売上高は「エビリファイ」および特殊要因である契約一時金・マイルストーンを除いた売上高について説明いたします。

売上高は、前期比767億円増加し6,391億円となりました。

売上を製品群別に見ますと、「エビリファイメンテナ」「サムスカ/ジンアーク」および「レキサルティ」のグローバル3製品は、すべての製品が伸長し、合計で前期比56.8パーセント増の492億円増加となりました。「ロンサーフ」は、米国、日本そして欧州でも承認を受け、前期比で約3倍の207億円増加。

国内新薬は、主に抗てんかん薬の「イーケプラ」、抗パーキンソン病薬の「ニュープロパッチ」などの販売が好調で184億円増加。アバニア社の「ニューデクスタ」も、引き続き情動調節障害の治療薬として処方が拡大しました。一方、その他は主に「プレタール」「ムコスタ」などの長期収載品の影響により、160億円の減少となりました。

売上を市場別に見ますと、日本市場は長期収載品や薬価引き下げの影響はあったものの、「サムスカ」や国内新薬の伸長により23億円増加の3,527億円。

北米市場は「エビリファイメンテナ」「レキサルティ」や「ロンサーフ」などの新製品の貢献により、692億円増加の1,850億円。その他の市場も主に「エビリファイメンテナ」や「ロンサーフ」の貢献などにより、51億円増加の1,013億円となりました。

「エビリファイ」等を除く医療関連事業の売上高は前期比767億円、13.6パーセント増加しましたが、「エビリファイ」、(契約)一時金等を含むセグメント利益を見ますと、前期で548億円減少の920億円となりました。

当期の経費は円高の影響に加えて、これまで取り組んできた全社的な経費効率化の成果や研究開発費のプロジェクトの優先順位見直し、および間接経費の効率化などにより、前期比で減少となりました。

なお、販売促進費の減少は、主に米国「エビリファイ」の共同販売費の減少によるものです。

④グローバル&国内新薬群の売上推移

当グラフは、2015年度から2017年度までの成長ドライバーである「エビリファイメンテナ」をはじめとしたグローバル3製品に、「ロンサーフ」および国内新薬を加えた新薬群合計の売上推移を示しております。

当期の売上高は2,713億円となり、前期実績と比較すると883億円増加しました。また、来期の通期売上高は3,380億円を見込んでおり、成長ドライバーと位置付けているこれらの製品群が牽引し、売上増加を着実に推進していきます。

⑤NC関連事業の状況

次に、NC関連事業について説明をいたします。

NC関連事業の売上高は、円高のマイナス影響を受け、前期と比べて38億円減少して3,116億円となりました。売上高を製品群別に見ますと、機能性飲料等は平均気温が高かった影響などにより、日本での「ポカリスエット」の売上が順調に推移したものの、「オロナミンC」の売上減少により前期比で微減。

機能性食品等である欧州でのN&S社の製品は、前期比で増加しています。米国店頭販売No.1の「ネイチャーメイド」やフードステイト社の製品を含むサプリメントは、減少となりましたが、現地通貨ベースの売上高は前期比で増加しております。

NC関連事業の売上高を市場別に見ますと、日本市場では主に「ポカリスエット」の売上増加などにより51億円の増加。北米市場では日本円ベースでは減少となっていますが、これは円高の影響を大きく受けたためであり、米ドルベースでの売上高は増加しています。

その他の市場も減少となりましたが、欧州のN&S社による買収効果などにより、現地通貨ベースでは売上は増加しています。

ゼグメント利益は前期比19億円減少の325億円となりましたが、非経常的な要因である減損の影響を除いた本来のビジネス実態を表すセグメント利益は、前期比38億円増加の385億円となります。

売上は為替の影響により減少となりましたが、粗利はファーマバイト社や日本の「ポカリスエット」の生産最適化により改善しました。なお、当期の減損損失の主な内容は、第3四半期に計上しておりますブラジルの事業見直しによるものです。

⑥2017年度 連結業績の見通し

最後のページになりますけれども、2017年度の連結業績の見通しをお示しいたします。2017年度は第2次中期経営計画の仕上げに向けた年であると同時に、次の中期経営計画でさらなる成長への第1歩を踏み出す大事な1年と考えております。

売上高は新薬品群の価値最大化などを積極的に推進し、前年比5.4パーセント増加の1兆2,600億円を見込んでいます。売上高の増加に加えて、各事業でのコストの効率化・最適化を進め、営業利益1,200億円、純利益850億円を見込んでおります。

なお、為替レートは、対米ドルを115円、対ユーロを120円で想定しています。また、2017年度の配当は、2016年度と同額の1株当たり100円を予定しています。

この後、社長の樋口より、第2次中期経営計画の進捗状況と、グローバル3製品など新薬品群の見通しを含む、2017年度の見通しについて説明させていただきます。

以上、2016年度通期決算および、2017年度連結業績の見通しについて、ご説明申し上げました。どうもありがとうございます。