2017年10月期 連結業績計画

西川光一氏(以下、西川):続きまして、17年10月期の計画のご説明でございます。19ページが連結の計画でございます。

売上高が2,320億円、前期比119.3パーセント。売上総利益が626億円。営業利益が242億円。経常利益240億円、前期比で113.4パーセント。当期純利益が160億円で、114.6パーセントという計画でございます。

すべての段階で利益が前年比でプラスになっておりますから、計画どおり着地をすれば、17年10月期においても、各段階利益での最高益の更新が達成できる計画になっております。

事業別営業利益計画

続きまして、20ページが事業別の営業利益の計画でございます。

駐車場事業に関しましては、営業利益270億円。モビリティ事業が60億円。後ほど詳しくご説明しますが、グループインした「Secure Parking(セキュア・パーキング)」の海外事業が10億円。

こちらは、お金の払込みの完了が来年1月6日になっておりますので、実績としては9ヶ月分の計上になります。9ヶ月分で営業利益10億円、セキュア・パーキングの海外事業としての数字が出ます。

事業別営業利益のトータルが340億円という状況でございます。

そのほかにコストとして85億円。こちらは営業外費用を含むのと、海外事業ののれんの償却代として6億円含んでいます。

そのほかに、前期から項目としてあげている事業開発費。一応こちらは今期、15億円の予算を見ております。

これらのコストをマイナスした分で、連結の経常利益が240億円になるというのが17年10月期の計画でございます。

もともとは、3年ほど前に「2007年10月までの中期計画」を発表いたしました。そのときの経常利益がちょうど240億円という、今回の計画とまったく同じ金額なんですが、当初出していた中期計画は、来年の4月から消費税が2パーセント上がるというもとでの計画でした。

ご存知のとおり、消費増税が後ろ倒しになりましたので、来年の4月以降2パーセント分は、本来であれば利益に乗っかってくるはずだったんですね。その消費税増税分というのがだいたい4月から10月までの分で20億円ほど。

本来であれば、その分がないので240億円の経常利益が260億円になってしかるべきなんですが、先ほど申し上げた、のれんの償却で約6億円と、事業開発費が15億円、ここで見ていますと。

その分が増税がなくなった分(の20億円)と相殺して、当初の中期計画どおりの240億円という数字になっています。

こういったものを除けば、実力的には260億円前後の経常利益が出せる体質には、当初の中期計画どおりに推移していたということが言えると思います。

経常利益増減要因

21ページが経常利益の増減要因のグラフでございます。

駐車場事業では20億円増えます、あとモビリティで16億円増えますという部分と、やはりトータルではセキュア・パーキングのほうで3億円ぐらいマイナスになりますと。

こういったいろいろな項目要件があって、最終的には240億円で着地をするという数字に対して、各々の項目が21ページに書いてあります。

タイムズ駐車場 運営件数/台数計画

続きまして、22ページ目から駐車場事業の件数/台数の計画でございます。

17年10月期の計画でございますが、開発に関しまして、今期は2,000件を予定しております。台数に関しまして7万5,600台という開発台数をターゲットにしております。

解約も800件強の件数と2万6,500台ほど発生するであろうと。そのほか、区分変更・移動というのは、台数が多いところが月極に変えたり、案件によっては管理受託に変更するなど。こういった細かい部分で3,000台ほど出ます。

最終的に17年10月期末の総台数として1万6,972件の57万7,185台と。件数で1,180件ほど純増して、台数で4万6,000台ほど増えるというのが、17年10月期の開発の計画でございます。

タイムズカーレンタル 売上/利益計画

続きまして、レンタカーの計画でございます。売上高で304億円。営業利益で17億円というのが、17年10月期の計画になります。

数字だけ見ますと、カーシェアリングほどの成長変化は見えないんですけれども、それでも着実に売上と収益性の改善を今期も継続していくということで、若干ですけれども、営業利益率が改善する計画になっております。

タイムズカーレンタル(直営)台当たり売上/費用計画

その中身ですけれども、レンタカーの台あたりの売上/コストの計画です。

一応(台当たり)売上では、300円ぐらい上げていこうと。あとコストも200円ぐらい下げていこうということで、台当たりの営業利益を500円改善させるというのが、17年10月期のレンタカー事業の中身でございます。

タイムズカープラス 売上/利益計画

続きまして、カーシェアリングのタイムズカープラスの計画でございます。

期末の車両台数で2万台と。なので、前期まではだいたい3,000台前後のペースで増車しておりましたが、今回は4,000台近いところまで上げていくと。で、来年の10月の段階で2万台まで上げると。

よって、売上高のほうも235億円、営業利益も40億円という計画でございます。売上、営業利益ともに着実に上げていくということを、この17年10月期は進めていくという計画でございます。

一応当面の計画といたしましては、東京オリンピックが開催される2020年ですね。2020年の10月までになんとか3万台まで届かせたいと考えております。そうすると、年間3,000台ペースですとちょっと足りないので、ちょっと今期はペースを上げて4,000台近い配備をしていこうということで、今期は進めてまいります。

タイムズカープラス 台当たり売上/費用計画

併せまして、カーシェアリングのほうの台あたりの売上とコストの計画でございます。

売上に関しては、3,400円ほど増やしていこうと。コストは1,100円増える計画にしております。

要素としては、終わった期の8万8,800円というのは非常によかったんですね。よかったというのは、まずは平均すると燃料代が安かった、ガソリン代が安かったということと保険料。

2年前の実績で当期の保険料が決まるんですけれども、台数が増えてきた2年ほど前とその前の年を比べますと、事故率が少しずつ上がってきております。あと、直近でガソリン代も上がってきておりますので、全体的に1,100円ほどコスト増を見越しております。

でも、売上をそれ以上伸ばしていくということで、台当たりの1ヶ月(費用)ですけれども、2,300円ほど営業利益を増やそうと。1万8,400円というのが今期のカーシェアリング事業の台あたり営業利益の目標でございます。

事業開発費 計画

続きまして27ページ、先ほど来ご説明しております、事業開発費という新しい項目の中身です。今期は15億円ほど予算化しております。

内訳といたしましては、右側に書いてございますとおり、「Times Car PLUS × Ha:mo」という、トヨタ自動車様と進めているものですが、こちらもやはり規模拡大をさせていく計画でございますので、2億円ほど予算を見ております。

あと予約できる駐車場の「B-Times」の拡大に3億5,000万円ほど。あとは会員戦略の強化に伴う費用で2億円。

これも駐車場事業が中核なんですけれども、やはりB-Timesもそうですし、その周辺のビジネスについてもある程度波及させていこうという方針で、オートバイとか自転車ですね。

とくに駐輪に関しては、駐車場の営業をしていても、市とか区とか町とか、そういったところに営業に行くと、間違いなく駐輪の話が出てきます。ケースとしては、要請されるというのが非常に多いです。

今まではなかなか手掛けづらいなということもあったんですけれども、やはり快適な車社会の実現というと、どうしても自動車ということをイメージすると思うんですが、オートバイも自転車も車輪がついています。

そういったこともあって、そういった領域についても少しずつネットワークのなかに取り込んでいこうということで、「バイクタイムズ」「サイクルタイムズ」という、オートバイと自転車についても少しずつ強化をしてまいります。一応こちらの推進に伴う費用として、今回3,000万円ほど見るということですね。

あとは15億円のほぼ半分に近い7億円が、海外企業グループ化に伴う費用。セキュア・パーキングのグループ化に伴う費用として7億円で、トータル15億円というのが、今期の事業開発費の計画になっております。

事業開発取り組み事例①

28ページが、その項目の取り組み事例で、「Times Car PLUS × Ha:mo」です。

ちょうど来週からになりますが、パーキングメーターのように、一般道路上にカーシェアリングの車を置いて、サービスを提供するという実証実験。国土交通省が実施する道路空間を活用したカーシェアリングの社会実験に応札をして、当社が選定されました。

来週の火曜日から2017年12月下旬の1年間なんですけれども、当社が「i−ROAD」という車と「COMS」というトヨタ自動車製の電気自動車を使って、カーシェアリングの実験を行います。

我々としては非常に画期的な実証実験が進んだなと思っております。やはり一般の公道上で、社会実験ではありますけれども、一民間企業が道路を活用してそういったことができるということは、非常に大きな意味があるのではないかなと思っています。

やはりこのあたりは、今後も積極的に力を入れていきたい分野の1つでございます。1年間ですけれども、ここでいい成果・データが出れば、道路上でのカーシェアリング、あるいは、超小型モビリティの展開の実現可能性がだんだん高まってくるのではないかなということで、大きな期待をいたしております。

事業開発取り組み事例②

続きまして、B-Timesでございますが、こちらはすでにリリースをさせていただいておりますので、ご存知の方も多いと思います。

「マッチング」という表現をするケースも非常に多いんですけれども、要はスペースとしての駐車場を貸し出したい個人の方、法人でも構わないんですが、そういうスペースをお持ちの方と、「車を駐めたい」「予約をしたい」といったドライバーを、我々のネットワークのなかでお互いをマッチングさせるというやつです。

ご存知のとおり、このマーケットに関しては、先行している企業さんもいらっしゃいましたし、当社が発表した以降にも数社、大手さんも参入し始めてきています。

そういったなかで我々が始めた一番の理由は、昔からですけれども、このタイムズ事業を始めて間もない頃から「どうしてタイムズは予約できないの?」ということはもう言われ続けてきた話なんですね。というのも、やはり予約したい駐車場というのは、そもそもピーク時に満車になる可能性が高いから予約をしたいと。

そうなったときに、例えば、満車状態のときに駐車場待ちで出入り口に1台2台車が並んでいたら、予約した車はどこから入るんですかというと、専用の出入り口を設けなきゃいけません。

通常、街なかにあるタイムズ駐車場をご覧いただくと、物理的にそういったところが取れないところがほとんどなんですよね。

あとは当然ながら、その時間に確実にその場所を提供しようとすると、前もってそのスペースを確保しなきゃいかないということで、当然その分の売上はロスしてしまうと。

ですから、事業的にも物理的にもソフト的にも、やりたくてもできないという状況だったんですけれども、このB-Timesということであれば、タイムズ駐車場をご利用されるお客さまの「予約したい」「予約してでも駐めたい」というニーズに対して、補完するツールとして非常にマッチするのではないかということで、本格的に手がけていこうということで開始することを決定しました。

本日現在になりますけれども、今は全国で4,000台ほど運営をいたしております。今後もこの分野については、台数のほうはかなり早いペースで増やしていきたいと考えております。

「The Circulars 2017」について

30ページはお知らせのようなかたちです。

このカーシェアリング事業なんですけれども、世界経済フォーラム、ダボス会議の「The Young Global Leaders Award for Circular Economy」という賞のファイナリストに「タイムズカープラス」が選出されたというのを、世界経済フォーラムさんからご連絡いただきました。

このファイナリストがこのカテゴリーだと全世界で6社ございます。その6社のなかから最終的にWinnerが決まるというところなんですが、そこについてはまだ発表されていないという状況です。「最終選考まで残りました」というお知らせがありましたので、一応こちらでもご披露させていただきました。

配当性向・1株当たり配当額

続きまして、配当性向です。

こちらも昨日発表させていただいたんですが、16年10月期、当初15年10月期から5円の増配の60円という1株あたりの配当でしたが、そこからさらに5円増配いたしたいということで、65円を予定いたしております。

こちらは1月26日開催の株主総会で承認されれば、65円を配当させていただくということになっております。併せまして、17年10月期、今期の配当につきましては、今、70円を計画しております。

配当性向としては、3.数パーセントぐらい下がるという、数字としては出てしまうんですが、基本的にはもう利益が増えた分は配当を増やしていくという、当社が従来から申し上げている考え方のとおり、計画どおりに進めば17年10月期も最高益を更新いたしますので、その分5円増配というかたちで発表をさせていただきました。

配当性向の明確なターゲットというものは社内的には持っておりませんが、やはり60パーセント以上というのは1つの目安として考えております。

そういったなかでいうと、来期の70円というものも、計画に対しますと、従来の考え方と変わらない配当であると思っております。

海外展開の背景

続きまして、「海外事業について」ということです。セキュア・パーキングについて簡単にご説明したいと思います。

まず最初にお話をさせていただきたいのが、海外展開しようとした背景なんですけれども、一番当社として誤解されるのが怖いのが、「もう国内がいっぱいなんじゃないか」と思われるのが非常に困ると申しますか、決してそうではないということは改めてここでお話をしていきたいと思っております。

社内的には2014年に全社員総会を創業の地の五反田で開催して、10年後のすごく大きな目標を掲げておりました。公式な数字ではないので割愛いたしますが、規模的にいうと、終わった期の倍以上の規模を目指すという計画でした。

その計画については、国内市場だけであっても十分に可能だという判断はしております。その判断というのは従来どおりでまったく変わっておりません。

やはり駐車場事業というのは非常に需要が高い。ですが供給が圧倒的に足りないというのは、いくら当社が50万台駐車場を運営していますと言っても、ほとんど焼け石に水というか、まだまだ需要のほうが非常に大きな需要があるということで、駐車場事業もそうですし、モビリティ事業も、カーシェアリングをはじめ、まだまだ十分な成長が複数年にわたって継続は可能と。

そういうことを考えますと、社内的な目標である2024年までの目標というのも十分達成可能なんですが、もう1つ、こういった場でも申し上げておりますけれども、「経営としては重要視しているものは何か」と聞かれると、決して駐車場の件数・台数ではないんですね。

要は、「駐車場の件数・台数はあくまでも手段であって、利益成長です」と。経常利益を複数年にわたって2桁成長を継続させるということに常にチャレンジしています。10パーセント成長を何期連続できるかということを常にトライしておりますと。

そういった部分についても、2024年までは国内事業で十分達成可能だと思っておりますが、それ以降の話。「2024年以降はどうですか?」といったときに、当然ながらもう経常利益、総額が10パーセントずつ増えていくわけですから、相当な大きな数字になってくると。

そうなったときに、そこからさらにまた10パーセント成長を継続させようと思うと、国内だけですと、いつかしんどい時期が来るのではないかと。

せっかく国内でこれだけの駐車場を運営して、モビリティサービスも数年前から展開をしていて、こういったものを国内だけに限定するということに対して、ちょっと考え方・見方を変えたというのが、今回本格的に海外に出ようとした一番の理由でございます。

我々のなかでは、日本という限られた面積のなかでやっていたもののエリアをグローバルに広げたという感覚でございます。そういったなかで、今回、180億円という資金を出してセキュア・パーキングをグループ化をすると。

やはりそうはいっても、1から立ち上げるというのはあまりにも手間暇と時間がかかりすぎるだろうということで、今回お話としてありました、セキュア・パーキング社をグループに迎えたということになります。

「Secure Parking」の概要

そのセキュア・パーキング社ですけれども、もともとは世界11ヶ国で1,500件、120万台の駐車場を運営する会社でございました。

そのなかの11ヶ国のうち、5ヶ国ですね、今回我々がグループ化をする会社の対象地になります。オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、マレーシア、英国の5ヶ国になります。

そのほかのエリアについては、その都度セキュア・パーキング社と協議をしながら検討していきたいと考えております。

グループ化する5ヶ国の概要

36ページ目からは「グループ化する5ヶ国の概要」ということで書いております。

オーストラリア、シンガポール、マレーシアについては、実は最大手の駐車場事業者になります。オーストラリアでは461件の13万6,800台という。ニュージーランドはちょっと少なくて28件ですけれども、それでも1万4,000台。あとシンガポールは277件の10万台というようなかたちです。

海外の駐車場会社が日本でシェアがないのは当然なんですけれども、現地ではやはり圧倒的なポジションで展開している駐車場事業者になります。

「Secure Parking」グループ化後のパーク24

実際の資金の払込みは来年1月の6日なので、来年からになりますけれども、セキュア・パーキングをグループ化しますと、パーク24グループとしては、この地図に書いてある、あと韓国・台湾・日本を合わせました、8つの国で1万8,559件、100万台という駐車場を運営する企業グループになるという状況でございます。

駐車場の件数に関していうと、もうたぶん15、16年前からすでに世界一ではあったんですね。じゃあその全体的な規模を表す駐車台数でいうと、要はセキュア・パーキングをグループ化する前の50万台というのは、グローバルで駐車場を展開している会社のなかでは決して大きくないほうでした。やはり一番大きいところは、もう200万台を超える台数を運営しているグローバルプレイヤーがいました。

そういったなかでいうと、グループ化してやっと一番大きなプレイヤーに対して半分ぐらいの規模という状態になるのが、来年1月からの姿でございます。

ねらい・シナジー効果

狙いとシナジー効果というのが38ページに書いてあります。

我々は創業以来45年間、ずっと駐車場業界で仕事をしてまいりました。最初の20年は、機械の販売と管理を受託をするということだったんですが、その後の25年間については、自ら駐車場を運営するということをやってまいりました。

一方、セキュア・パーキングさんのほうも、37年間の歴史のある会社でございます。あちらも37年間ずっと駐車場だけをやってきた会社と。

ですから、話がすごく合うんですよね。DNAが同じといったらあれですけれども、やはり駐車場に特化したかたちで30年、40年やってるということで、非常に話していても水が合うといった相手です。

当然ながら、お互いが持っているノウハウの統合ですとか、あとエリアが拡大することによってのスケールメリットですね。あと、今セキュア・パーキングさんのほうは駐車場だけで、カーシェアリングはやってませんし、当社のモビリティ事業のようなことは一切やっていません。

そういったなかに当社のモビリティ事業を展開するとか、やはり相互で非常にシナジーが狙える領域が大きいと感じています。

なので、快適な車社会の実現を目指すというのは変わっておりませんけれども、従来の日本国内というところから、そのイメージをグローバルに広げていきたいということを、来年以降進めていきたいと考えております。

業績に与える影響

セキュア・パーキング社の今後の事業計画です。

これは、グループインに関して目論見書を提出していますが、そちらの数字になります。

3年後の2019年には、売上高で333億円、経常利益で19億円というのが、今のところの業績の見通しになります。

これについては、グループインを前提としていない数字になりますので、当然ながらこれらの数字に満足しているわけではなく、両者のシナジー効果を高めて、これら双方の数字を上げていくということを、来年以降積極的にやっていきたいと考えております。

以上、説明する項目が多かったものなのでちょっと早口になってしまいましたけれども、以上で2017年10月期の計画のご説明でございます。どうもありがとうございました。