logmi Finance
三谷産業株式会社(8285)

東証スタンダード

卸売業

中間期 決算サマリ

三谷忠照氏:代表取締役社長の三谷です。2027年3月期の中間期決算についてご説明します。本日14時に開示した2027年3月期中間期決算短信添付資料の2ページをご覧ください。スライドでもお示ししています。

当中間連結会計期間の業績は、売上高が567億8,000万円で前年同期比1億5,800万円増の0.3パーセント増となりました。営業利益が18億5,000万円で前年同期比1億5,600万円増の9.2パーセント増となりました。

経常利益が23億8,900万円で前年同期比1億800万円増の4.8パーセント増となりました。親会社株主に帰属する中間純利益が19億円で前年同期比6,100万円増の3.3パーセント増となりました。

売上高およびすべての段階利益において、過去最高を更新しています。売上高については5期連続、営業利益および経常利益については2期連続、親会社株主に帰属する中間純利益については4期連続で過去最高を更新しました。

売上高が前年同期比1億5,800万円増加した要因は、住宅設備機器関連事業および情報システム関連事業を除く4つの事業セグメントで増加したことによるものです。

営業利益が前年同期比1億5,600万円増加した要因は、情報システム関連事業および樹脂・エレクトロニクス関連事業を除く4つの事業セグメントでの増加によるものです。

経常利益および親会社株主に帰属する中間純利益は、営業利益の増加を主な要因として増加しています。

中東情勢に影響される供給リスクへの対応(化学品セグメントの例)

中東情勢の影響についてご説明します。期初の時点では、一時的な混乱が上期中に収束し、下期には通常の状況に戻ると想定して業績予想を作成していました。半期を振り返ると、サプライチェーンへの影響や調達コストの上昇は、想定を下回る水準で推移しています。

また、当社グループの調達力を活かした代替提案等にも努めた結果、売上高およびすべての段階利益が過去最高となっています。

スライドは、当社の調達力を活かした代替提案のいくつかの事例を、特定されない抽象的な表現で記載したものです。多くの原材料が原油由来やナフサ由来であることは、報道などで知られ、一般常識になりつつあると思います。当社が使用・仕入れしている原材料の中にも、ホルムズ海峡を経由して供給されているものが非常に多く含まれています。

全体でどのくらいの割合かについては、当社が直接輸入しているわけではないため把握しきれない部分もありますが、物資の取り合いが発生した結果、直接ホルムズ海峡を経由する商品だけでなく、他の経由地を通るものも供給が不安定になっていたということです。

新しい調達ルートの確保や、同種の効果を持つ他の化学品への代替、製造受託といった、サプライチェーンを一部見直すようなご提案を展開してきました。

例えば「日本国内からエチレンを調達したい」というお客さまに対し、海外製品でも問題なければ提供可能であることを提案しました。国内製品を求めていたお客さまですので、品質についてご心配されていましたが、当社が商社として同じ水準であることを担保して提供しました。

また、「アルコール系洗浄剤の代替品を調達したい」というご要望に対しては、使用用途によっては植物由来のアルコールに代替可能でした。

「梱包材を調達したい」ケースでは、プラスチック製が非常に多い中、紙由来の資材への代替提案を採用いただくことができました。

有機溶剤の多くが影響を受けましたが、「シンナーを調達したい」ケースでは「確保が難しく、製造してご納品します。シンナーはさまざまな種類がありますが使用用途をご教示いただけますか?」という対応をしました。

このように用途を詳しくうかがうと、必ずしもシンナーでなくてもよいものもあります。同種製品をご提案したり、サプライチェーンを少し組み替えて調達にとどまらず、製造委託を活用し、外部業者との連携を図りながら納品を行うといった事例もありました。

このような状況の中、おかげさまで好調な業績進捗を達成することができました。社内では、期初に定めた業績予想の修正可能性について議論しましたが、中東情勢の影響が依然として不透明な状況が続いているため、通年での業績予想については据え置き、今後の動向を注視することとしました。

配当予想の修正(増配)

配当予想の修正についてです。例年と比べても好業績であることを背景に、株主さまのご期待にお応えすべく、中間配当金を1円増配することを決定し、本日12時30分にその適時開示を実施しました。

これにより、中間配当金は5円から6円となり、年間配当金は今のところ13円から14円へと予想を更新しています。

セグメント別売上高構成比・営業利益

各セグメントの状況についてです。決算短信添付資料3ページにも記載しています。売上高・営業利益がともに前年同期比で増加した、化学品関連事業と空調設備工事関連事業についてお話しします。

化学品

化学品関連事業についてです。国内化成品販売では、電子部品関連の顧客稼働が増加したことに加え、中東情勢の影響による化成品の調達難を想定し、代替提案を積極的に推進することができました。

また、機能性素材の受託製造では、当社グループが原料の提供を担っている一部製品が日本の農水省に承認されるという、長年の目標を達成しました。これを背景に、当社の原料需要も増加しました。

環境ビジネスでは有価金属回収事業、いわゆる「都市鉱山」において取り扱い量が増加しました。ベトナムでの化成品販売についても、電子部品関連の顧客稼働が増加しました。

中東情勢の影響下においても、当事業の強みである調達力を発揮したことにより、売上高は2期連続で過去最高を更新しました。

一方で医薬品原薬については、前年同期に自社製品の大口販売があったため、売上が減少しています。

空調設備工事

空調設備工事関連事業についてです。売上高と営業利益は、北陸地区における大型の新築工事が順調に進捗するとともに、新築工事で案件の高付加価値化に努めたことにより、3期連続で過去最高を更新しています。

一方で受注については、首都圏および北陸地区の両方で前年同期に過去最大の新築工事案件があったため、その反動で減少しています。

中間期 決算サマリ(再掲)

2027年3月期における連結業績見通しについてあらためてご説明します。決算短信では、表紙ページの最下部、および、2027年3月期の連結業績予想をご確認ください。

上期終了時点での業績予想に対する進捗率について、売上高は50.2パーセントと通常どおりの進捗ですが、営業利益以下の進捗が良好です。

営業利益は通年進捗率で61.7パーセント、経常利益は61.3パーセント、親会社株主に帰属する当期純利益は73.1パーセントに達し、特に純利益については通年目標の約4分の3に到達している非常に好調な状況です。

当社グループの業績は長年、下期偏重の傾向がありました。これにはプロジェクトが年度末に集中して進捗し、そこで初めて利益が顕在化するという特性が影響しています。

しかし、今回のように上期で半分を超えて折り返す進捗を見せる状況が続いています。このように、下期偏重の傾向を認識しつつも、近年では上期のうちに数字を積み上げられる体制が整いつつあり、その結果、年間を通じた安定した業績を積み上げる企業体へと変化してきていることが確認できます。

従来に比べて案件が豊富にあり、売上が上がり利益を増加できる企業体になってきていると感じています。経営陣は、下期以降も良い業績をお示しできると期待していますが、先述のとおり、中東情勢の影響が依然として不透明な状況が続いています。今後の動向を引き続き注視するためにも、期初に定めた業績予想は維持することにしました。

連結業績として、売上高は前期比45億3,100万円減少、3.9パーセント減の1,130億円です。営業利益は前期比3億3,900万円減少し、11.2パーセント減の30億円です。経常利益は前期比6億1,900万円減少し、13.7パーセント減の39億円です。親会社株主に帰属する当期純利益は10億2,700万円減少し、28.3パーセント減の26億円と、減収減益の予想を維持することにしました。

引き続き、商社ならではの調達力と当社ならではの複合力を発揮し、減収減益の予想を覆したいという思いで、一同業務に邁進していきます。

トピックス

上期のトピックスについてお話しします。アクティブファーマは、医薬品の原薬を製造している子会社です。「連続フロー技術による原薬の製造プロセス開発を推進」と見出しをつけています。

連続フロー技術とは、車の製造工程と比較してご説明することが多いのですが、これは1台1台手作業で組み立てていた時代から、ベルトコンベアを使ったライン生産に進化したような変化を、化学品の世界で実現する技術です。

1本の長い管の中を通る間に、化学反応を発生させたり触媒を投入したりします。少量ずつ原料を継続的に供給しながら、目的の生成物も少量ずつ継続的に生成する仕組みを持つ技術です。

この技術を用いて、当社グループのアクティブファーマと日本曹達、さらには東京大学の小林教授らとの共同研究により、抗リウマチ薬「イグラチモド」の効率的かつ持続可能な合成法を開発しています。日本曹達とは、当社が80年以上にわたってお付き合いを続けている企業です。

効率的である理由として、釜に一度に原料を投入し、加熱して反応させ、また取り出すという従来のバッチ式の製造法に比べ、24時間の連続製造が可能である点が挙げられます。また、持続可能性の観点では、省エネであり、環境への負荷が小さいという点がその特徴です。

この「イグラチモド」という既存の医薬品の製造プロセスは、多段階工程が必要で、釜に入れたり出したりする作業を繰り返す必要がありました。また、有機溶媒の使用量が非常に多く、環境負荷や製造効率の面で課題がある品目でした。

連続フロー法を用いた環境低負荷型の化学合成法を東京大学と共同で開発した触媒により、長時間の連続運転を実施することで、安定した反応性の実現に成功しました。

本研究成果は、アメリカ化学会(ACS)が発行する学術誌『ACS Sustainable Chemistry & Engineering』に掲載されることになりました。この学術誌は査読付きで非常に権威のある媒体であり、この掲載を通じて、業界や学術界において非常に期待される技術開発が進んでいます。

トピックス

数年前より早稲田大学のスズキトモ教授と準備を進めていた、付加価値分配計算書という新しい会計モデルの開示を今年から行うこととしました。

スライドでは、従来の損益計算書(PL)を左側に、付加価値分配計算書(DS)を右側に配置しています。それぞれの費目は少し異なっていることがわかります。

損益計算書は「収益」から「費用」を差し引き、残ったのが「利益」という考え方ですが、付加価値分配計算書は「外部生産価値」と「内部生産価値(付加価値)」の2つに分けるものです。

「外部生産価値」には仕入れにかかった費用や外注費などが含まれます。「内部生産価値(付加価値)」には、「社員への分配」「役員への分配」「社会への分配」「事業再投資」「株主への分配」というように、それぞれのステークホルダーに対して会社がどの程度分配しているかを明示するための項目が並びます。

これにより、各主体に対する分配について、今年度はどのような状況であったか、また、数年後にはどのくらいにしたいのかを示すことができます。

従来の損益計算書では、例えば社会貢献活動にかかる費用は、「費用」ですので「利益」には計上されません。世の中への貢献は、事業を通じてだけでなく、社会貢献活動や寄付などを通じて行うことができます。ただし、その貢献度が数字として見えにくいという課題がありました。

また、会社が残す利益が大きくなっても、社員の給与が上がらないケースもあります。付加価値分配計算書を開示することは、それらのバランスを取りながら企業として成長していくというある種のコミットメントといえます。

今回の開示を通して、会社の立ち位置をあらためて示すことができました。動画での解説や、スズキトモ先生との対談コンテンツも用意していますので、ぜひスライドに記載のURLからご覧ください。

トピックス

毎年、三谷産業やCCIグループと共同で行っている北陸地域ベンチャーファンドを通じて、ベンチャー企業への出資を実行しています。最近のトピックスとして、スライドに記載した3つをご紹介します。

左側に記載されているヘリカルフュージョンは、核融合発電に関するベンチャー企業です。核融合に関連するさまざまな資材や建築物の設計などで、今後ビジネスチャンスがあるのではないかと考えています。

ベンチャーとして実際の発電所の商用化はまだしばらく先のこと、10年ほど先の話かと思いますが、その過程でパイロットプラントや発電のプロトタイプの開発を進めていかなければなりません。我々もその中でお役に立てることがあればという思いで出資しています。

スライド中央のMyDearestは、我々としては珍しいエンターテインメント分野のベンチャーです。北陸地域の観光資源や伝統文化をこのような事業と組み合わせた支援ができればという思いを込めています。

スライド右側のmovus technologiesは、インドネシアにおいてライドシェアドライバー向けに自動車サブスクリプションを提供するベンチャーです。これは、Uberなどの配送サービスのドライバー職を希望しているが自動車を購入できない方向けの金融サービスです。

東南アジアでは、当社はベトナムで事業を広く展開しています。この会社と連携しながら、インドネシアでの実績をもとに、他の東南アジア地域での事業連携の可能性を検討したいと考えています。

トピックス

IR活動として、「資産運用EXPO関西」に初出展したほか、「名証IRエキスポ」への出展も予定しています。

当社の株価は1年半前と比較して約2倍となり、「株が上がったね」と言っていただける機会が増えました。一時的に2倍以上の時もありましたが、その後調整があったものの、依然として1年半前の水準の倍以上を維持しています。

このようなIRの機会を積極的に活用することで、さらなる向上を目指します。関連する金融系メディアの取材対応などがあった際は、またお知らせします。

最新情報・お問い合わせ先

これまでにも何度かご案内している公式SNSアカウントです。こちらではプレスリリースよりも少し先に、柔らかい情報をSNSで発信するケースもあります。ぜひフォローいただければと思います。SNSでの発信にもご注目いただければ幸いです。

facebookxhatenaBookmark