IRセミナー基調講演「銘柄発掘力 vs 銘柄選別力、投資で大事なのはどっち?」
【驚くほどシンプルなJAMMY氏の投資哲学】3年後の成長を確信しているからこそできる投資判断
対談ゲスト名
株式会社hands 代表取締役 塩谷航平 氏
個人投資家 JAMMY 氏
銘柄発掘力 vs 銘柄選別力、投資で大事なのはどっち?

塩谷航平氏(以下、塩谷):株式会社hands代表の塩谷です。個人的にもJAMMYさんにお聞きしたいことがたくさんありますので、今日はこの場をお借りしてうかがいたいと思います。
ちなみに、前々から聞こうと思っていたのですが、どうしてアイコンが亀なのですか?
JAMMY氏(以下、JAMMY):もともと「X」のアカウントを作ったのは、「Twitter」時代の2017年か2018年頃でした。その頃はこれほどまで個人投資家が集まるものになるとは思っていませんでした。
アカウント名を適当に決めたのですが、何のアイコンにしようかと考えていた際に、すごく有名な占い師さんが「お前は亀の集まるところに行け」と言ったのです。「そんなところどこにあるんだ」と思ったのですが、それならばアイコンを亀にしたらいいのではということで亀にしました。
塩谷:すごい占い師の方ですね(笑)。
ここからは、「銘柄発掘力」と「銘柄選別力」について、お話ししていきます。最近は私個人としても、この2つの力がどちらも重要だと感じており、特に銘柄選別力について、個人投資家の先輩であるJAMMYさんにいろいろと深掘りして聞いていきたいと思います。
今日の問い

塩谷:まずは簡単に、なぜ今日このテーマを選んだのかをご説明します。最近までずっと、株式投資には銘柄の発掘力が重要だと考えていました。この発掘力とは、まだ知られていない銘柄を自分で見つける能力のことを指します。
しかし、JAMMYさんをはじめとする成功した個人投資家の方々と話す機会が増える中で、単に銘柄を発掘するだけでは不十分だと感じるようになりました。銘柄を発掘する方法として、自力で探すだけでなく、勉強会・オフ会での雑談から得られるアイデアや、ネットワークから得られる情報なども非常に大切だと最近感じています。
一方で、さまざまな会議やイベントに参加させていただくようになり、考えるようになったのは、そこで話題となる銘柄の多くがとても魅力的に思えてしまうという点です。有名な個人投資家の方々が、熱意を持ってプレゼンする銘柄はどれも良いと思いがちです。それらをすべて調べようとすると時間が足りなくなりますし、その中でも当たり外れがあるのも事実です。
こうした中で、銘柄選別力、つまりセレクト力が非常に重要なのではないかと、ぼんやりと思い始めています。この銘柄選別力が優れているのはJAMMYさんではないかと思い、今回いろいろとスライドを用意しました。
投資アイデアの発生源

塩谷:続けてもう少し私からお話しします。今回、投資アイデアの発生源について自分の中で整理してみました。
いくつかありますが、1つ目は先ほどお話しした「自力発掘」です。現場での観察や業界理解をもとに、自分自身で優れた銘柄を見つけるというパターンです。
2つ目は「人から聞く」で、投資家仲間や経営者と日常的に交流し、日常会話の中からアイデアを収集するというパターンです。これはJAMMYさんに対してすごいと感じる点がいくつもありますので、この後いろいろと質問させてください。
それ以外にも、最近よくあるのが「X」や掲示板などで熱量のある一次反応や信頼できるアカウントを見つけ、そこから情報を収集するパターンです。実は「PERAGARU」では「PERAGARU掲示板」というものを提供しており、私もよく活用しています。このようなSNSや掲示板を活用したデータ収集や銘柄アイデアの獲得も1つの方法だと思います。
また、決算や開示を丹念に読み込んで銘柄のアイデアを見つけることや、多様なデータを活用する方法もあります。具体的には、ログミーFinanceの書き起こし記事をはじめとする外部の株式投資情報サービスなどから情報を収集し、それらをもとにアイデアを得る方法です。
最後に、これらの手法を組み合わせるパターンです。単独の方法だけで決定するのではなく、組み合わせることで銘柄アイデアや売買行動を形成しているのではないかと思っています。
今回は2つ目の「人から聞く」について、お話をうかがいたいと思っています。
PERAGARU掲示板の例

塩谷:その前に、簡単に「PERAGARU掲示板」をご紹介します。
私自身、「Yahoo!ファイナンス」などの掲示板もよく見るのですが、もう少し具体的な銘柄のアイデアにつながるような掲示板があればいいと思い、「PERAGARU掲示板」を作っています。
スライドは日進工具という会社の掲示板で最近投稿された内容です。タングステンという材料の価格が上昇している中で、競合他社がいくつか業績を上方修正しています。一方で、日進工具ではまだ修正が発生していない状況や、会社計画が保守的であるといった情報が取り上げられています。
あるユーザーが、この銘柄に関する情報を高い熱量を持って、さまざまな数字をもとに投稿してくれました。数字が多く記載されており、非常に信頼できそうだと感じました。こうした情報はとても良いと感じる一方で、情報があまりにも溢れすぎていて、逆に何を持ち帰るべきかわからなくなっているというのが、最近の課題でもあります。
ネットワーク型の強みと限界

塩谷:JAMMYさんにいろいろとお話をうかがっていきたいと思います。スライドの「ネットワーク型」は、さまざまな方から銘柄情報を仕入れるということですが、実は私はこれがとても苦手です。
JAMMY:先ほどもそのようなお話をされていましたね。
塩谷:実は、楽屋でずっと相談していました。オフ会や勉強会、そしてログミーFinanceのIRイベントなどには、非常に有名な投資家の方がたくさんいらっしゃいますよね。
JAMMY:多くの方がいらっしゃいますね。
塩谷:そのような場面で、個別銘柄の質問をするのはなんとなくダメだという風潮がありますよね。
JAMMY:そのような風潮はあると聞きますね。
塩谷:しかし、JAMMYさんにはまったくないですよね(笑)。
JAMMY:隣にいるのなら、まずは聞けばいいのではないかと思います。私は隣にいる人に「何を買ったらいいの?」と、とりあえず聞いてみます。
塩谷:聞けないですよ(笑)!
JAMMY:とりあえず銘柄を聞いてメモします。そうすることで、アイデアがある程度集まります。
塩谷:オフ会でそれができるのもすごいです。人間関係を構築する方法も後でお聞きしたいと思いますが、そのようにすれば、1回のオフ会や勉強会で10銘柄から20銘柄くらい聞くことができます。でも、JAMMYさんはそれを全部購入するわけではないですよね。
JAMMY:そうですね、買わないです。
塩谷:かなり厳選されていますよね。
JAMMY:20銘柄くらい聞いたとしても、持ち帰るのは数銘柄程度であることがほとんどです。
JAMMYさんの強み|オフ会で得た情報をどう選別する?

塩谷:このスライドで、私がJAMMYさんの強みを勝手に4つにまとめてみました。
JAMMY:ありがとうございます(笑)。
塩谷:1つ目は「何を聞くか」という点です。ただ「いい銘柄は何ですか?」と聞くのではなく、JAMMYさんは業績の将来動向なども含めて、かなりピンポイントにさまざまな質問をされている印象があります。先日隣で聞いていて、強くそう感じました。
また、先ほどJAMMYさんもおっしゃっていたように、持ち帰らない銘柄も多いとのことでしたので、「何を捨てるか」という点も重要な要素だと思います。
この2つについて、JAMMYさんがふだんどのように意識しているのか、どのような質問をし、どのように取捨選択をされているのか、ぜひお聞きしたいです。
JAMMY:オフ会に行くと、本当にトップクラスの投資家がそこらじゅうにいらっしゃいます。そのような方から銘柄を聞けるチャンスはなかなかないと思うので、とりあえず積極的に質問しようと考えています。もしそれで嫌われても「次に会う機会はないかもしれない」と割り切って、聞いてみるようにしています(笑)。
例えば、まったく知らない企業の名前を教えていただくこともあります。私は20年以上株式投資をしていますが、それでも「こんな上場企業があったのか」と驚くことがあります。そのような時は候補として必ず持ち帰ります。なぜなら、何も知らないからです。
中には自分なりに何度か調べて少し理解していたものの、質問した際には忘れていた銘柄もあるので、そのようなものは持ち帰りません。
また、その場の話が盛り上がり「それ、めっちゃいいよね!」と熱量高く持ち帰ることもあります。しかし、後で調べてみると正直それほどではなかったという銘柄もあります。
塩谷:体感として、1回のオフ会で10銘柄を聞いた場合、実際に売買するのは1銘柄あるかないかくらいですか?
JAMMY:本当にたくさん質問をして、その場では「めちゃくちゃ良い!」と思うのです。
塩谷:めちゃくちゃ良い反応をしてくださいますよね(笑)。
JAMMY:しかし、実際に購入することはあまりありません。やはり、持ち帰って自分で納得した銘柄を買いたいということが第一にあります。
例えば「AI・半導体が今後すごくなる」という話を、これまでの人生で聞いたことがないような専門用語とともに聞くこともあります。その場ではテンションが上がり「これはすごい」と思うのですが、家に戻るとそれが何だったのかすらわからなくなり「とりあえず今はいいかな」という結論に至ることが多いです。
塩谷:「とりあえず個人投資家の勉強会では、有名な人も含めて気兼ねなく銘柄を聞く。もし嫌われたら仕方ない」というお話でしたが、実際にJAMMYさんのことを嫌っている個人投資家はいないですよね。
JAMMY:面と向かって「お前、嫌い」と言われたことはないです(笑)。
塩谷:私もJAMMYさんに個別銘柄のことを聞かれたとしても、正直なところまったく嫌な気持ちはしないです。
JAMMY:仲の良い個人投資家の方々からは「よくJAMMYさん、そんなに銘柄を聞けるよね」と言われることがあります。
塩谷:本当にそうですよね。
JAMMY:近づいていって肩に手を置いて、「何を買ったらいいですか?」と言うような感じです。
塩谷:みなさま、これは真似しないほうがいいかもしれません(笑)。
JAMMYさんに聞かれても、まったく嫌な気がしませんが、実は嫌な気持ちになってしまう人も私には何人かいます。
JAMMY:違いは何でしょうね。
塩谷:やはり人柄でしょうか……(笑)。
JAMMY:そう言っていただけるとありがたいです(笑)。
塩谷:おそらく、私と同じような個人投資家は多いと思います。先日、1UP投資部屋のKenさんとも話していて、まったく同じことをおっしゃっていました。
JAMMY:逆に「何を買ったらいい?」と聞かれることもあります。
塩谷:私もJAMMYさんには聞きやすいです。
JAMMY:私は嫌な思いをすることはぜんぜんありません。誰に聞かれても何も気にならないです。ただ、私の言う銘柄はだいたいみんな損するらしいですね(笑)。
塩谷:JAMMYさんは「個別銘柄で今、何を買っていますか? 何がいいと思いますか?」と聞かれたら、すべて教えていますか?
JAMMY:そうですね。「X」でもポートフォリオを公開していますし、特に隠すこともありません。
塩谷:チープな言葉になってしまうかもしれませんが、やはりギブアンドテイクと言いますか、テイカーになってはいけないということですね。
また、オフ会などで私が1人でぽつんと立っていると、JAMMYさんは毎回声をかけてくれますよね。
JAMMY:すごく良い評価をいただいて、本当にありがたいです。
塩谷:結局、人柄なのかもしれません。結論としては「良い人であろう」ということですね。
銘柄選びで大切なのは「自分で理解できるか」
塩谷:「何を捨てるか」という点について、もう少しお聞きしたいと思います。
いろいろな勉強会でご一緒していますが、JAMMYさんは私がプレゼンした銘柄を一度も買っていないように思うのですが、それはなぜでしょうか(笑)?
JAMMY:いろいろな勉強会に行くと多くの話を聞きますよね。その時点で、ぜんぜん頭に入ってこないことがあります。
塩谷:それは私も経験があります。
JAMMY:ただ、それでも会場にいる以上、否が応にもと言ったら失礼かもしれませんが、耳に入ってくる情報も多いと思います。そして、話を聞いている途中で「この銘柄、すごくいいかも」と思うこともあります。
塩谷:最初は「ちょっとよくわからないし、いいかな」と思っていたのに、話の途中から「いいかも」と思うのですね。
JAMMY:そうなのです。「いいかも」と思うことはありますね。「何を捨てるか」というより「自分で納得できるものを後で調べ直すために持って帰る」という感じです。理解できないものについては、今は生成AIも増えましたが、その生成AIが言っていることが本当かどうかを自分でチェックするのも難しいですよね。
そこは無理に追いかけません。自分では理解できないものや、専門家でないとわからないようなことについては、諦めることにしています。それよりも、わかりやすい範囲で自分に合う銘柄を探したほうがいいと思います。
市場には約4,000銘柄ありますので、必ず自分が好きな銘柄が見つかるはずですし、そちらに時間を使ったほうがいいと思います。
塩谷:そのような意味では、業種などである程度捨てる銘柄を決めているということでしょうか?
JAMMY:例えば、AI・半導体などはそうかもしれません。不動産関連も以前は手を出さないと決めていました。リーマン・ショックを経験しており、その時あまりいい経験をしなかったので、それ以来不動産は避けていました。
長期投資の銘柄選び|3年後のEPS成長を重視
JAMMY:ただ、最近ではリアルゲイトやSQUEEZEといった銘柄を保有したりもしています。
塩谷:そうですよね。今はわりと不動産銘柄を保有されているイメージが強いです。いったんNGを出している銘柄でも、タイミングによっては再度考慮することもありますか?
JAMMY:あります。私はいつも3年後が見える銘柄を買おうと思って投資しています。以前は5年と思っていたのですが、今は時代の変化が早すぎて、2年でも大きく変わることが多いですよね。
塩谷:そうですよね。だいぶ変わりますね。
JAMMY:したがって、一度買わないと決めていた銘柄でも、1年程度のスパンで買う場合もあります。
塩谷:本当に年単位、場合によっては半年単位で投資する銘柄が変わってくるということですね。「3年後が見える銘柄」というのは、3年後の営業利益を見るということですか?
JAMMY:営業利益もそうですがEPSですね。増資が多く行われてEPSが悪化するのは避けたいので、3年後には絶対に最高値を更新すると確信できる銘柄であれば、それに合わせて株価も最高値を取るだろうというイメージで投資しています。
塩谷:3年後にEPSが最高値をつけるのであれば、現在はPERが高かったとしても問題ないわけですね。
JAMMY:大丈夫だと思います。おそらく最高値となるでしょう。
成長株はPERが高くても買える?JAMMYさんの判断基準
塩谷:マルチプルが下がる可能性については、あまり気にしないということでしょうか?
JAMMY:そこまで気にしません。ただし、PERがあまりにも高くて50倍や60倍になると、さすがに「今買ってもいいのか?」と躊躇します。ただ、30倍や40倍くらいであれば問題ないと考えています。
例えば、アズームなども2019年、2020年頃から売買していますが、40倍という水準が5、6年ほど続きましたので、買わなかった場合はやはり機会ロスだったと思いますね。
塩谷:JAMMYさんが保有する銘柄は、PERが高い銘柄が多いという印象があります。
JAMMY:確かに多いかもしれません。
塩谷:ずっと買い続けることもありますよね。それはどのような考えからですか?
JAMMY:私はよく、グロース投資家だと言われるのですが、自分の中では「これ以上下がらないだろう」「ここが底辺だろう」というイメージで買っています。この株価で3年後に保有していれば、必ずプラスになるだろうという自信を持って買っているつもりです。どちらかというと、自分ではバリュー投資家のつもりでいます。
塩谷:なるほど、おもしろいですね。
JAMMY:3年後の成長を見込むというよりも、「今この株価で買って、3年後にEPS最高値を更新するのであれば、この株価より下がることはほぼないだろう」という確信を持っています。絶対とはいえませんが、ほぼ間違いないと考えて購入しています。
塩谷:アズームやリアルゲイトも、3年間で見るとグロースよりはバリューに近いですね。
JAMMY:リアルゲイトは最近になって株価が上がりましたが、当時はそう思って購入していました。
JAMMYさんの投資遍歴|テクニカル分析からファンダメンタルズ分析へ
塩谷:話題は変わりますが、JAMMYさんの個別株の投資遍歴についてお聞きしてもよろしいですか? リーマン・ショックの前から投資を始めていたのですか?
JAMMY:2002年から始めたのですが、最初はテクニカル分析を行っていました。しかし、2008年のリーマン・ショックでテクニカルが通用しなくなり、そこで初めて「三大投資家」がいることを知りました。
塩谷:三大投資家ですか?
JAMMY:ウォーレン・バフェット氏やジョージ・ソロス氏といった投資家です。彼らが世界中で株を買い漁っているというニュースが、連日報じられていました。
塩谷:それは2008年のことでしょうか?
JAMMY:2008年から2009年初頭にかけてです。
塩谷:リーマン・ショックの後ですね。
JAMMY:リーマン・ショックの後、バフェット氏たちが大々的に株式購入をしていました。私はすでに2002年から投資を始めていて、6年が経っていたわけですが、今までそのような名前を聞いたことがなく、その時初めて知ったのです。
塩谷:テクニカルにしか取り組んでいなかったからですね。
JAMMY:「そんな人たちがいるんだ」と思い、初めてバフェット氏やファンダメンタルズ系の本を読み始めました。
塩谷:2002年から2008年までは、本当にテクニカルだけだったのですか?
JAMMY:テクニカルだけでした。私に株を教えてくれたおじいさんがいたのですが、むしろ、その人の言いなりで株を買っていました。
(一同笑)
JAMMY:本格的に勉強を始めたのは2008年から2009年の頭くらいからです。
塩谷:そこからグロース銘柄に注目するようになったのですか?
JAMMY:グロース銘柄というか、成長する企業に注目するようになりました。バフェット氏などの偉人たちが「成長する企業を買え」と表現するような企業ですね。
塩谷:ファンダメンタルズに取り組み、初めて購入した銘柄は何ですか?
JAMMY:ニトリです。ニトリは当時、急成長していました。「どんな社長が経営しているのだろう」と興味が湧いて、学生向けのイベントか何かに潜り込みました。私は当時20代で老け顔だったこともあり、学生には見えなかったと思いますが、積極的に質問をしました。
塩谷:えぇ(笑)!?
JAMMY:似鳥社長の話を聞いて「すごい」と思い、それがきっかけでニトリを買いました。
塩谷:そうだったのですね。その当時のニトリは、円高が業績に大きく影響を与える局面ではありませんでしたか?
JAMMY:ちょうどその時期、自社で製造から販売までを一貫して手掛け、店舗展開を始めた時期でした。
塩谷:ベトナムなどで展開していたのですよね。すごいですね。ファンダメンタルズを始めた最初から儲かっていたのですね。
JAMMY:いや、他の銘柄で損をしたものはいくらでもあります。
例えば、JTは買ってみて損はしなかったものの、思ったほど良い結果にはならなかったです。JTはタバコを中心とした企業で、「タバコは健康に良くないから、今後は伸びないだろう」「斜陽産業になるだろう」と見られていました。
その一方で、詳しく覚えてはいませんが、JTは医薬品を開発していました。「タバコを販売しつつ医薬品を作るなんて、このエコシステムは最強だ」と考えたのですが、それがどうもうまくいかなかったのですね。そのようなこともあります。
しかし、ニトリは本当にうまくいきました。似鳥社長のおかげだと思います。
「できるだけ売らない」長期投資を選ぶ原点

塩谷:ライブ配信のコメント欄が大変盛り上がっています。私はログミーFinanceのライブイベントにけっこう参加していますが、かなり盛り上がっています。
JAMMY:本当ですか? ありがとうございます。
塩谷:個人投資家のイタルさんから「この前教えてもらった銘柄、お金返して」とコメントが来ています(笑)。
JAMMY:私がオフ会で話す銘柄は上がらないという指摘が本当に多いのです(笑)。
しかし、先日はSQUEEZEの話をしたところ、たまたまその翌日から株価がずっと上がり続けて「JAMMYさんの銘柄で初めて儲かった」とみなさまから言われました。儲かってくれてよかったです。
塩谷:話を投資遍歴に戻しますが、最初は大型で成長性のある企業を買っていたということですよね。
JAMMY:最初はよくわからなかったので、大型や小型といった分類は考えていませんでした。ただ、将来成長する企業を選んでいました。その当時は、5年後にどうなるかを考えて投資していたのです。
バフェット氏は「良い銘柄を見つけたら、それを売らずに保有し続けるのが最善の投資法だ」などとよく言います。彼の本をほとんど読んでいて、ある意味洗脳されていたような状態でした。もうすっかりバフェット氏的な考え方に染まっていました。
ウィリアム・オニール氏など他の考え方もありましたが、私の中ではバフェット氏の考え方が圧倒的に優勢で、一度購入した銘柄は半永久的に売らないつもりで購入していました。
塩谷:そうなんですね。ニトリなども2倍以上になったのではありませんか?
JAMMY:もっと上がったのではないでしょうか。ニトリは7、8年は持っていました。
塩谷:すごいですね! その時から、数年は保有し続けるという今のJAMMYさんの投資スタイルはありましたね。
JAMMY:そうですね。できるだけ売らずに持ち続けたいと思っています。
話は変わりますが、ボードルアがMBOを実施したのはご存じですか?
塩谷:JAMMYさんは保有されていましたよね。
JAMMY:けっこう持っていました。「なんてことをしてくれるんだ」と思いましたね。その資金をどうすればいいのかと考えたのですが、移す先が見つからなくて逆に困ってしまいました。上場企業にはできるだけ成長し続けてほしいと常々思っています。
塩谷:そうですよね。ボードルアも、まだ成長性がある中での非公開化でしたからね。価格設定が少し低めでしたね。
JAMMY:持つからには、できるだけ永遠に保有し続けたいというつもりで買っています。
中期経営計画を株式投資の判断材料にする理由
塩谷:当時は、5年後のEPSが最高値をつける銘柄を基準に見ていて、現在は3年後なのですね。
JAMMY:最近は3年でも少し怪しいですよね。
塩谷:なるほど、年数は少し短くされたのですか?
JAMMY:中期経営計画を公表している企業は、だいたい3年ごとですよね。それを信じられるかどうかを目安に投資しているところです。
塩谷:その考えはシンプルでいいですね。3年のどこかで最高益をつけるくらいの成長性を想定するので、投資によって単年で若干EPSが落ちることは許容するということですね。
JAMMY:ただ、3年後の数字しか公表しない企業もたまにありますよね。
塩谷:確かにありますね。その間がブランクになっています。
JAMMY:さらに、2年目などに急遽大型投資を行うケースもあります。あれは非常に怖いですよね。したがって、できるだけ3年分のグラフなどがしっかり出ているところが安心です。
塩谷:一方で、最近、数字がきれいに出過ぎていると、中期経営計画どおりに大幅増益の数字が実現しても、なぜか売られてしまうことはありませんか?
JAMMY:そうですね。この1年ほどは特にその傾向がひどいです。中期経営計画どおりの数字では、もう市場に許されない雰囲気があります。
今年も数字だけを見れば、私は一定の成果が出ているかもしれませんが、先ほどお話ししたように、よくわからないAI・半導体をバルクで適当に買って、そのパフォーマンスで今年の成果を出しているだけです。自分が保有し続けている銘柄に限れば、おそらく、年初来で2桁いっているかいないかくらいです。
塩谷:ちょっと待ってください! JAMMYさんもAI・半導体を購入されていたということですか?
JAMMY:購入していました。グロース株がまったく振るわなかった時期がありましたよね。
塩谷:今年の3月から5月の頃ですね。
JAMMY:みなさまが楽しく盛り上がっている中で、自分だけ株価が上がらないのは非常に嫌な気持ちでした。「これはもう黙って買うしかない」と思い、神のような投資家たちに教わった銘柄を、何の事業をしているかも知らないまま購入したのです。
そのような銘柄は、購入後に株価が上がり、10パーセントほど下がったらすぐに売却していました。そのため「せっかく教えたのにすぐに売ってしまう」と評判が悪かったです。
塩谷:結果として、その後また買いなおし、10パーセント上がったら売る、というようなことを繰り返されるのですか?
JAMMY:それ以降は買いなおさないですね。一度利益を得たらそれで終わりです。持っていたことすら覚えていませんし、誰に聞いてどのくらい儲かったかも覚えていないので、非常に薄情者だと思います(笑)。
成長株の選び方|3年後の業績と競争優位性を検証

塩谷:ここであらためてお聞きします。「何を捨てるか」というところで、JAMMYさんはわからないものを一切買わないと考えていたのですが、今回のAIや半導体は例外ということでしょうか?
JAMMY:このような相場はあまりなかったですよね。私は2009年頃からこの方法で行っているのですが、これほどまでに一極集中することはなかったです。
塩谷:やはり、JAMMYさんのように長い間市場を見てこられた方でもそのように感じるのですね。
JAMMY:これほどまでに半導体だけに資金が集中することはこれまでありませんでした。通常は循環するものです。だいたい2週間から3週間で次の動きに移っていきますが、今回はまったく循環しませんでした。したがって「これは乗るしかない」と思いました。
塩谷:一方で、JAMMYさんの通常のスタイルは、わからない銘柄を捨てて、初めて聞いた銘柄やおもしろいと思った銘柄を選び持ち帰るというものです。その中で、JAMMYさんの強みとしてスライドの3つ目に挙げた「どこで確信度を上げるか」についてお聞きしたいです。
持ち帰った銘柄をすべて買うわけではないですよね。そこからさらに、買う銘柄と買わない銘柄を取捨選択されていると思いますが、どのように買う銘柄を調べているのでしょうか?
JAMMY:先ほど「3年後」とお話ししたように、「3年後の数字を達成できるか」という検証を自分の中で行います。例えば「円高になったらこれはダメなんじゃないか?」「競合がすぐ入ってくるんじゃないか?」というイメージです。
塩谷:JAMMYさんは競合について、よくお話しされますよね。
JAMMY:「このモート(参入障壁)がどれくらい深いのか」などを徹底的に調べ、3年後を自分で想像します。
例えば、プレミアグループは戦争などが起きない限り数字を達成すると考えています。今回のシステム障害などは一時的なイレギュラーだとしても、それ以外の数字については、大きく外れることはないだろうと思っています。それくらいの確信を持てた上で、購入に踏み切ります。
塩谷:プレミアグループくらいの確信度がないと購入には至らないということですね。
JAMMY:そうです。プレミアグループは、ウエイトを20パーセントほど持っています。
塩谷:かなりお持ちですね。
JAMMY:保有している上位4銘柄でかなりの比率を占めています。そのような段階に達しない場合はまず買わないです。ただし、自分で納得した場合には、少しずつ買い進めています。決算が発表され、自分では「この決算は良かったのに」と思っていても、株が売られてしまうことがありますので、そのタイミングで買い増しをするのが常です。
株価暴落時の買い増し|下位銘柄を売って上位銘柄へ
塩谷:JAMMYさんはポジション調整、つまり「減らす・増やす」という判断がすごく上手だと思いながらお聞きしているのですが、その基準はどうされているのでしょうか? 良い決算が出たのに株価が下がった場合には、基本的に増やすというかたちですか?
JAMMY:増やします。また、「日銀ショック」「トランプショック」などの「◯◯ショック」のような場合でも購入します。1日に10パーセント以上、下がることもありますよね。
塩谷:トランプショックというのは、関税ショックの時も含めてですか?
JAMMY:そうです。あの時、私はたしか20銘柄弱ほどを持っていたのですが、下位の5銘柄から8銘柄ほどをすべて売却し、その資金を上位銘柄の買い増しに充てました。
塩谷:これは多くの個人投資家が課題に感じていると思うのでお聞きします。「◯◯ショック」のようなタイミングですぐに買い増しをするのは怖くありませんか? 底が見えませんよね。
JAMMY:トランプの関税ショックの時も、おそらく木曜日くらいから下がり始め、金曜日も下がり、月曜日にはさらに下がりましたよね。私は木曜日くらいから買い始めました。
塩谷:木曜日から買ったのですか!?
JAMMY:正確にははっきり覚えていませんが、おそらく木曜日から買い始めたと思います。それは余剰資金、つまり手元にあるお金で買えるからです。
塩谷:株はキャッシュ化しなくても買えますからね。
JAMMY:余力で買い増しできます。金曜日になり「あれ? やばい。お金がなくなるぞ」と判断し、保有する下位の銘柄を売却し、それを使って買い増しました。「もうこれでいいだろう」と思ったのですが、月曜日にはもう一度下がったので、さらに買い増しを行いました。
塩谷:月曜日に再び下がりましたよね。
JAMMY:月曜日にもう1回、下位の数銘柄を売却し、その資金で再度上位の銘柄を購入しました。なぜなら、これら上位の企業については「トランプが関税をいくらかけようが、3年後に絶対に最高値をつけている」という確信を持って購入しているからです。
塩谷:やはりそれほどの確信がある上位銘柄なのですね。JAMMYさんは相当詳しく調べているのですね。
JAMMY:おそらく上位4銘柄くらいについては私が一番詳しいと思います。もっと詳しい方もいらっしゃるかもしれませんが、外部の人間としてはそこそこ詳しいほうなのではないかと思っています。
IRセミナーで一次情報を集め、投資判断の確信度を高める

塩谷:どこまで詳しく調べているのでしょうか? 社長と仲良くなっていることもありますよね(笑)。
JAMMY:それも個人投資家に銘柄を聞くことと同じようにしています。Kabu Berryや湘南投資勉強会などが主催するIRセミナーがありますよね。終了後に社長のところへ行き「少しお話を聞かせてください」と言ってお話をうかがっています。
「ちょっといいですか?」と、立ち話でうかがうこともありますし、勉強会の形式や個別ブースを設けていただくこともありますので、そのような場で話をしています。
塩谷:ここにはJAMMYさんならではのノウハウがあるように思います。私なんて、オフ会で社長とお会いしても認知すらされていません。しかし、JAMMYさんは認知されていますよね。
JAMMY:覚えていただけるのは非常にありがたいです。顔のつくりがおかしいのでしょうか?(笑)
塩谷:そのようなことはないと思います(笑)。ただ、何かがあるのだと思います。JAMMYさんもそうですが、そのようなイベントに行くと「この人毎回、この会社の社長と話せているな」と思う方が何人かいらっしゃいます。それも優位性となっている気がします。
JAMMY:先ほど楽屋でもお話ししましたが、実のところ、本当にわからないのです。ただ、本気で話を聞きたいと思ったら「とりあえず猪突猛進で社長の話を聞きに行く」というスタンスなんですよね。
塩谷:その銘柄について詳しくなることで良い質問ができ、結果的に認知されているということもあるのでしょうか?
JAMMY:自分で「良い質問をしている」と言うのは、なんだかいやらしくないですか?
(一同笑)
塩谷:失礼しました! 社長に「すごく調べている」と思われる質問力ですね(笑)。
JAMMY:質問をするからには下調べをしっかりしておくことが大切です。下準備は非常に重要だと思います。
塩谷:先ほど楽屋でうかがった話ですが、一方で、リアルゲイトはまったく下準備をせずに訪問したものの、現在は上位銘柄になっているそうです。
JAMMY:リーマン・ショックの際に痛い目を見て以来、不動産にはあまり手を出してきませんでした。不動産というセクター自体にもあまり興味を持っていなかったのです。
ただ、Kabu Berryが東京で開催された際yamaさんにお会いしたくて、リアルゲイトが自社のオフィスでイベントを開催するということがありました。おしゃれなオフィスが見たいと思い、仲の良い個人投資家さんとランチをして、そのついでに見に行こうかという流れになったのです。
最初はまったく興味がなかったのですが、「いいオフィスだな。こんなオフィスで仕事したいな」と雑談をしているうちに、途中から話がとてもおもしろくなりました。その後、個別ブースで岩本社長から直接話を聞く機会があり、その話がおもしろいのなんの、そこから虜になってリアルゲイトを買いました。
塩谷:当時の株価はいくらくらいでしたか?
JAMMY:本当に厳しい状況でした。上場来最安値を更新し続けていた時期です。いくらでしたかね……、今の株価は、当時の数倍になっています。
塩谷:そこから、少しずつ投資を増やしていったのですか? 岩本社長の話を聞いておもしろいと感じ、その後どのように行動されたのですか?
JAMMY:おもしろいと思ったので調べました。ある程度納得ができたら、まず買います。その時はPERが何倍かにはあまりこだわりません。もちろん、100倍や80倍であれば買いませんが、50倍や60倍程度であれば買います。
塩谷:現在もリアルゲイトはPERが高いですが、当時も不動産セクターの中では高い印象がありました。
JAMMY:最初に購入する時はPERにはそれほど注目していません。「この会社は成長する」と思ったら、まず購入してみるというスタイルです。購入すると、その銘柄についてもっと調べようという気持ちが高まりますよね。
そのように調査を進めると、さらに良いと思えてきます。リアルゲイトは業績も毎回良い決算を出していますし、少しずつ買い足しました。また、株価が大きく上昇する時がたまにありますよね。そのタイミングでは売却を検討して、実際に売ることもあります。
塩谷:持株数を減らすこともあるのですか?
JAMMY:減らすこともあります。けっこう売ったり買ったりを繰り返しています。
株の売り時・買い増しはどう判断する?
塩谷:持株数を減らすことは、3年間のスパンで考える投資哲学と矛盾しませんか?
JAMMY:決算のたびに購入していると、テンションが上がっているので買い過ぎている時があるのです。
塩谷:なるほど、買い過ぎているのですね(笑)。
JAMMY:さすがに買い過ぎている場合は、どこかで少し減らしたほうがいいと思っているので「これだけ株価が上がっているのであれば減らそう」と判断します。
その際、移動平均線を特に意識しているわけではありませんが、株価が移動平均線から大きく乖離していると、いずれはある程度戻ってくることが多いと考えています。株価が大きく乖離したまま進むことは、そう頻繁には起きないからです。
塩谷:上振れし続けることは、あまりありませんね。
JAMMY:そうですよね。どうせ後で買い戻せると考え、実際に買い戻すこともあります。基本的には保有し続けつつ、増減させる流れです。
塩谷:後で買い増せるほどその銘柄への確信があるからこそ、売ることができるという感覚でしょうか?
JAMMY:おっしゃるとおりです。
塩谷:JAMMYさんとこのようなお話をする機会がなかなかありませんでしたので、とても興味深いです。
JAMMY:塩谷さんとはいろいろな場面でご一緒しますが、あまりお話しする機会がなかったですね。
塩谷:お話を聞いて思いましたが、Kabu BerryやログミーFinanceのIRイベントなどで、リアルに社長や株クラの方々と会うことは、やはり大切ですね。
JAMMY:とても大切だと思います。上場されている社長というのは、それだけでカリスマ性がありますよね。上場を果たすだけの実力を持っている方々ですので、そのような方々と対面するとオーラが出ています。
『ジョジョの奇妙な冒険』のような話ですが、本当にスタンドが見えるような感覚です。リアルゲイトの岩本社長なんてオーラがすごいですよ(笑)。
塩谷:岩本社長は肉体もすごいですからね。スタンドもすごそうですね(笑)。
JAMMY:そのような社長が「3年後にいきますから!」と言ったら、個人投資家としては、それを信じるしかないというか「いくと言っているのだから買うでしょう!」というレベルですよね。
塩谷:JAMMYさんの人柄が出ていますね。
JAMMY:ただ、それを信じすぎて痛い目に遭ったことも何回もあります。
塩谷:JAMMYさんの強みの4つ目として、スライドには「どこで売買判断に変えるのか」と記載しました。タイミングを見極める力も強いと思いますが、「この銘柄は良い」と思う一方で、JAMMYさんは平気で全部売ったりするのですよね(笑)。
JAMMY:そうですね(笑)。多くの方は株価が下がると買い増しをしますが、私の場合は下がってきたらすべてを一瞬で手放します。
塩谷:これはどのような判断基準で行っているのですか?
JAMMY:まず、AI・半導体のように、自分が理解していない分野については、それを深追いしても仕方がありません。どこが底値かもわからず、自分で判断がつかないため、とりあえず売るしかありません。
塩谷:理解していないからこそ、逆に決断しやすいということなのですね。
株を売る判断基準|業績と経営者の変化を見る
JAMMY:業績で判断する場合は、例えば中期経営計画が最もわかりやすいケースです。計画に対して、「これは達成できるか? ちょっと無理かな?」というように、あまりにも懐疑的な業績であると判断した場合は、それを理由に売却することもあります。
もう1つ大きいのは、セミナーや勉強会でいろいろな社長のお話を聞く機会があることです。業績が良かった頃は「なんでも聞いてよ。どんどん答えるから」と、前向きに話す社長も多いのですが、業績がやや陰ったり、本人の中に不安があると思われる時には、急に「それについて今は答えられません」などと発言し始めることがあります。
塩谷:社長が表に出てこなくなることもありますよね。
JAMMY:CFOなどが担当者として登壇し始めることもあります。そのようなケースも、持株数を減らす一因としています。
塩谷:上位の4、5銘柄であっても、そのような状況が発生した場合には減らしますか?
JAMMY:もし、あれば減らします。今のところは上位銘柄ではありませんね。
塩谷:そこが大切なのですね。
JAMMY:大切です。それで致命傷を受けずに済んだ銘柄がいくつかあります。
塩谷:どの銘柄か、1つ教えていただけますか?
JAMMY:ENECHANGEの城口元社長も本当にオーラがすごく、説明会も毎回「なんでも聞いてもらっていいです」と言ってくれていました。
塩谷:頭の良い、切れ者という感じですね。
JAMMY:もうぞっこんで、すごく買っていました。しかしある日突然「競争優位性上、それはお答えできません」と言い始めたのです。やがて開示についても、「今回から開示は差し控えます」と言い始めました。
塩谷:それは私も覚えています。
JAMMY:「これは絶対にこのままいかない」と思い、けっこう減らしました。
塩谷:JAMMYさんの話を聞いていると、やはり社長の雰囲気などの一次情報が大事ですね。オフラインのイベントには、月にどれくらい参加していますか?
JAMMY:最近は少なくなっていて、オンラインのほうが多いです。コロナ禍以降、オンラインイベントが非常に増えましたよね。そのため、リアルのイベントは行けるものにだけ参加していますが、月に1回から2回程度です。
塩谷:以前は月に3回から4回でしたか?
JAMMY:以前はリアルイベントが圧倒的に多かったので、多い時は毎週行っていることもありました。一番多かった時期は毎週土日に参加していました。
塩谷:やはり、リアルイベントは大事ですね。
JAMMY:人から聞いた銘柄に関しては、「あの銘柄って、いつ売ったらいいの?」などと何度も尋ねるのは、さすがに私も気が引けますよね。しかし、一次情報であれば、自らIRなどに問い合わせることができ、それが確信につながって取り組みやすいと思います。
塩谷:確かにそうですね。理解が深まりました。
もう1つ、キーワードとして挙げられるのは、JAMMYさんが中期経営計画の数字ベースでいろいろと判断しているという印象です。
JAMMY:そうですね。保有銘柄の中では、中期経営計画を発表している企業を持っていることが多いです。
塩谷:上位銘柄の4、5社はすべて中期経営計画が発表されている銘柄ですか?
JAMMY:すべて発表されています。
塩谷:中期経営計画をベースに判断基準を置いている人はあまり聞かないので、めずらしいと思いました。
JAMMY:私は中期経営計画をよく見ていますが、中期経営計画をきちんと守る企業は意外と少ないと感じます。
塩谷:特に中小型株だと少ないですよね。
JAMMY:非常に少ないです。例えば、今持っている銘柄では、アズームは上場時に一度だけ決算ガイダンスをミスしましたが、それ以降は一度もミスしていません。中期経営計画も毎期のガイダンスも1回もミスしていないため、3年後には確実に達成すると考えています。今から5倍程度になると思います。
JAMMYさんの保有銘柄|アズーム・プレミアグループ・リアルゲイト・eWeLL
塩谷:JAMMYさんが現在自信を持っている、あるいは確信度が高い銘柄はアズームですか?
JAMMY:アズーム、プレミアグループ、リアルゲイト、それにeWeLLも良いと思います。
塩谷:残り時間を使って、最後に個別銘柄の話をお聞きします。JAMMYさんの保有している上位銘柄は4、5銘柄とのことですが、累計では常時何銘柄くらい保有しているのですか?
JAMMY:今はおそらく20銘柄も無いくらいだと思います。
塩谷:少ないですね。
JAMMY:20銘柄でも多いくらいだと感じています。少ない時はさらに少ないですね。
塩谷:少ない時には15銘柄ほどですか?
JAMMY:極端な時は10銘柄くらいになることもあります。「〇〇ショック」などの時ですね。上位銘柄を買い増す必要がある時は、下位銘柄を売却するため、10銘柄程度まで減ることがあります。
塩谷:その数で、毎年安定的にパフォーマンスを出されているのはすごいですよね。
JAMMY:ただ、最高益を毎期出しているような企業ですので、PERが同じだとすると、理論的には株価も毎年最高値をつけていないとおかしいと思いませんか?
塩谷:確かに、EPSが最高値を更新しているなら、そうですよね。
このような対談をすると、どうしても話が難しくなりがちなのですが、JAMMYさんのお話はとてもシンプルです。
JAMMY:自分でもめちゃくちゃシンプルだと思います。難しいことがわからないので、単純なことをやっているだけです。
塩谷:今日は普遍的な真理を感じました。
JAMMY:ただ、今年は先ほどおっしゃっていたとおり、ガイダンスどおりの決算だとパフォーマンスが出ず、そこは昨年からずっと悩みどころです。しかし他に方法があるのかと言われても無いので、やはりこれを続けるしかないと考えています。
ただ、最近はまた少し変わってきました。
塩谷:最近は素直に反応するようになっていますね。
個別銘柄の話で、もう1つお聞きしたかったのが、次にJAMMYさんの上位銘柄に入りそうなネクスト銘柄についてです。個別銘柄で最近良いと考えているものを教えてください。
JAMMY:最近少し株価が上がってしまいましたが、SQUEEZEは良いと思いました。それからトヨコーです。トヨコーは絶対に良いと思いませんか?
塩谷:サビ取り装置の会社ですね。来期の数字が見えている印象ですよね。
JAMMY:供給さえ改善されれば、おそらく需要は非常に多く存在すると考えています。
塩谷:装置1台当たりの単価が高いですよね。1台のずれで、けっこう大きな影響が出る印象がありますが、供給の状況はどうなのですか?
JAMMY:現在は月に2台だと思います。数字がはっきりとは記憶にないものの、来期から倍くらいになる予定ではないでしょうか。
塩谷:4台か、着地ベースでは5台くらいになるかもしれないといった感じでしたよね。
JAMMY:はっきりとした情報ではありませんが、社長の話を聞いた限りでは、すでに2027年9月頃に目処が立っているように感じました。会社として、供給の課題を解決する必要があるという点はずっと説明会でも言及されていましたが、先日の説明会では、ようやく目処が立ったような話がありました。
そうなると、1台当たりの単価が高いこともあり、一気に売上が増加していくのではないかと思います。
塩谷:トヨコーはオンラインで説明会を開催していますか?
JAMMY:決算説明会はいつも証券会社を通じて行っているようです。
塩谷:JAMMYさんは説明会のスケジュールをどのように管理していますか?
JAMMY:すべて登録しています。通知が来る仕組みです。
塩谷:やはり、あらためて一次情報の重要性を感じました。ログミーFinanceの書き起こし記事は読んでいますか?
JAMMY:読んでいます。ただ、書き起こし記事までとなると興味のある銘柄に限られます。まったく接点のない銘柄については目を通しませんが、興味のあるものはすべて読んでいます。
書き起こしは本当にありがたいです。文字で見るとありがたさを感じます。音声だけだと流れてしまいがちなので、とても助かっています。
塩谷:最近のログミーFinanceは、差分やJAMMYさんが先ほど言及した「この会社が過去に発言したことを本当に達成しているのか」といった点を、書き起こしの中で示すようになりました。
JAMMY:本当ですか?
塩谷:これは本当にすごいですよ。この機能を出す前に、実は私も監修というかたちで、いろいろとフィードバックをさせてもらいました。ただ、発行体側には嫌がる会社もあると思います。
JAMMY:ここでお伝えするのもあれですが、「PERAGARU」の業績予想修正のグラフがめちゃくちゃ好きです。あれはめちゃくちゃ良いです。「株探」のように5年分しか見られない場合もありますが、「PERAGARU」は9年分を視覚的に確認できるので、とても良いです。
塩谷:ありがとうございます! 近々アップデートを予定しており、「この会社はガイダンスを達成しがちか、未達で終わるか」などをスコアリングする機能を加える予定です。アズームなどは、まさに非常に高いスコアになると思います。
JAMMY:99.9パーセントくらいになるかもしれませんね。
塩谷:私も最近その点をよく見るようにしています。中小型グロース企業の場合、最終的には言ったことをきちんと守る姿勢や社長の発言、企業カルチャーが、短期的な業績よりも重要だと感じることが増えてきました。
JAMMYさんのお話をうかがい、そのような視点をさらに強化していこうと思いました。
JAMMY:塩谷さんにそう言っていただけて、うれしいです。
塩谷:ここでコメント欄を確認していきたいと思います。あまりライブでコメントが来ることはありませんが、今回は来ていますね。
JAMMY:先ほど少し確認しましたが、知っている人ばかりでした。それは直接聞いてください(笑)。
塩谷:みなさま、直接聞いてください(笑)。
JAMMY:いつでもなんでも気軽に聞いていただければと思います。
分林里佳氏(以下、分林):「発掘力が1番に決まっている」というコメントもいただいています。
JAMMY:ただ、発掘力は難しいですよね。
塩谷:私もそう思います。発掘力については、片山さんや井村さんなど、超上位の方にしか許されていないのではないかと思います。
JAMMY:まさに「神々の遊び」ですね。
(一同笑)
塩谷:神々にしか発掘できないのではないかと思っています。発掘力も大切ですが、AIを含めて多様な銘柄情報が得やすくなっており、勉強会の数も非常に増えています。そうした環境の中で情報収集は容易になっていますが、情報を選別する能力のほうがより重要だと考えています。
JAMMY:ただ、これだけ情報が早いと言われる時代でも、意外と「今さらそれで評価されるの?」と思うことも多いですよね。
塩谷:そうですね、ありますね。
JAMMY:やはり1つの銘柄に深く精通しているほうが良いと思います。それによって、ちょっとしたニュースでも自分で判断ができるようになり、それが強みになると考えています。
EPS成長率と株価リターンは一致する?6年間の投資成績を検証

塩谷:JAMMYさんは毎年非常に優れたパフォーマンスを発揮されていると思いますが、やはりその大部分は上位4、5銘柄の自信のある銘柄から得られるリターンということなのでしょうか?
JAMMY:先日、別の勉強会でそれを検証しました。過去6年ほどのパフォーマンスとEPSの成長率を調べたところ、6年平均と完全に一致していました。年度ごとでは多少のばらつきがあるものの、6年全体で見ると、EPSの成長率と株価の成長率がほぼ同じでした。
塩谷:上位4、5銘柄のEPSの成長率とリターンがほぼ一致していたということですか?
JAMMY:ほぼ一緒でした。
塩谷:それはすごいですね!
JAMMY:私も「一致していると話せたら、かっこいい勉強会になるだろうな」と思っていましたが、本当にそのとおりになりました。
塩谷:まさに投資哲学を体現できているからこそ、パフォーマンスがきちんと出ているということですね。
私はもう、難しいことを言うのはやめます!
(一同笑)
分林:それも大事なことですよね。
JAMMY:大事です(笑)。
塩谷:普遍的な真理というものは、いつだってシンプルなものですからね。
JAMMY:ただ、自分でも驚きました。まさかあんなにも成長率と株価のパフォーマンスが一致するとは思っていませんでした。
塩谷:6年間の成長率と自身のポートフォリオのパフォーマンスが一緒とは、もうすごいですよね。
JAMMY:すごいですよね。私自身もびっくりしました。
塩谷:あらためて、今回の気づきとして、オフ会でJAMMYさんに会ったら「良い銘柄は何ですか?」と毎回聞くようにして、それを「PERAGARU」のレポートに書くようにします。
JAMMY:私が言うと、だいたい上がらないですけどね(笑)。
塩谷:役得で私的な質問もたくさんしてしまいましたが、今回は視聴者の方にとっても参考になる情報が多かったと思います。
分林:「ソーシャルスタイルでいうところのJAMMYさんは『エミアブル』だと思う」というコメントが寄せられています。
塩谷:エミアブル!?
分林:自己主張が控えめで感情表現が豊かな、協調派の温和型タイプだそうです。
JAMMY:すごく良い言葉ですね! 記憶力がめちゃくちゃ悪いので、この部屋を出たらおそらく忘れてしまいますが。
(一同笑)
分林:私もお話を聞いていて、少し肩の力を抜いてもいいのかなと感じました。「感覚や雰囲気で買ってはいけない」と思い込んでいました。
塩谷:どうしても、銘柄選択は難しく考えがちですよね。
分林:とりあえず持つことで興味を持つように、その一歩を少し軽くしてもいいのかと思いました。
塩谷:そうですね。それでいいのだと思います。
JAMMY:買って違うと感じたら、また売ればいいです。いつでも売れるのですから。
塩谷:最後に滑り込みでコメントが来ています。「『会社四季報プロ500』を参考にしているのですが、それだとすでに遅いのではないかと感じます」『会社四季報プロ500』は知っていますか?
JAMMY:見たことがないです。普通の『会社四季報』しか見たことがありません。
塩谷:ちなみに『会社四季報』は毎号すべて読みますか?
JAMMY:一応、毎号通読しています。
塩谷:すばらしいですね。
分林:発掘するという点において、『会社四季報プロ500』に取り上げられると、もう遅いということなのでしょうか?
JAMMY:「会社四季報プロ500」は『会社四季報』の後から出るのですか?
塩谷:確か、ほぼ同タイミングです。『会社四季報』がキュレーションをしているため、逆に良くないかもという背景の質問かもしれません。
しかし、JAMMYさんは選別力もありますが、発掘力もものすごくあると勝手に思っています。私は神々の1人だと思っています。
JAMMY:ありがとうございます。神になりました(笑)。
分林:お時間となりましたので、こちらで終了となります。本日はありがとうございました。
対談ゲストプロフィール
塩谷航平氏
株式会社hands代表取締役。2013年に野村證券へ入社。2018年に株式会社handsを創業し、機関投資家向け日本株リサーチサービス「PERAGARU」を提供。オルタナティブデータを駆使し、中小型株を中心に多様なセクターの企業分析を得意とする。

JAMMY氏
個人投資家。2002年から株式投資開始。モットーは「その株、PER1倍になりますか?」。2008年のリーマン・ショックでテクニカル投資からファンダメンタルズを軸にした長期投資に転換し、20年で資産を3億円以上にした凄腕の投資家。


