2027年2月期第2四半期決算説明
ベルク、中間期営業収益が過去最高の2,169億円 客数回復に向け「Belcの家計応援祭」などの販促を強化
2027年2月期中間期 決算の要点

峯岸伸次氏(以下、峯岸):みなさま、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。株式会社ベルク執行役員業務サポート部長の峯岸です。本日はよろしくお願いします。
2027年2月期第2四半期(中間期)の決算概要についてです。すでに開示しているとおり、増収減益となっています。昨今、インフレが続いている中で、我々はインフレによるコストをどのように吸収しつつ、食品スーパーとしての価値をどのようにお客さまに伝えるかといった課題に直面しており、結果として非常に苦しい状況です。
本日の説明では、「今後ベルクはどうしていくのか?」について少しでもみなさまにお伝えできればと思います。
中間期時点での業績結果については、スライドのサマリーに記載のとおりです。売上高は、しっかりと支持していただき、過去最高となる2,169億円を達成しました。一方で、スライドに記載のとおり、売上総利益率は販売促進強化の影響により、前年から0.1ポイント下がる結果となっています。
販売管理費はコスト上昇を吸収できず、昨年比で1.0ポイント上昇しています。利益と販売管理費のバランスについては、利益が下がった場合、使用できる経費も減少するため、経費の使い方においてアクセルを踏んだりブレーキをかけたりしている状況です。現在、まさにそのような状況の中で、トライアンドエラーを繰り返しながら進めています。
経常利益は会社計画未達の70億円となっています。今後の喫緊の課題としては、トップラインの売上を向上させ、お客さまを1人でも多く獲得することで、業績を回復させたいと考えています。
連結経営成績 2027年2月期(第68期)中間期

連結経営成績についてです。先ほど概ねご説明しましたが、売上高は伸びた一方で、売上総利益率は若干下がっています。その中で販売管理費が大幅に増加したことで、営業利益は減少しました。
先ほどご説明したとおり、インフレにおいて、当社は小売業として仕入価格の上昇に直面していますが、内部でも人件費やエネルギーコストが上昇しています。仕入価格の上昇は厳しい状況を招いていますが、商品の価格を上げようとすれば、小売業として価格競争力のある競合店にお客さまを奪われる可能性があります。
そのような競争が激化する状況下で、どこに最適解があるかを模索しながら経営を進めている段階です。結果として、営業利益は前年比77.8パーセント、19億7,000万円の減少です。経常利益は売上比3.3パーセントで、前年比78.1パーセント、19億7,900万円の減少となっています。
営業収益の推移

売上についてです。売上は堅調に推移しており、新規出店に伴い現在は151店舗となっています。
既存店の売上関連指標

スライドに、売上を因数分解したものを示しています。買上点数は前年比99.3パーセントで、物価上昇の中でお客さまの財布のひもがしっかり締まっています。一品単価は値上げを実施したこともあり、前年比102.5パーセントと伸びています。この掛け算が客単価となり、前年比101.8パーセントとなりました。
しかし、お客さまには「少しでも安いものが欲しい」という心理があり、客数に影響が出ています。次のページ以降で詳しくご説明しますが、現在は客数の回復に注力したいと考えています。
最終的に、既存店の売上高は前年比99.9パーセントと、100パーセントをわずかに下回る結果となりました。前期実績の106.6パーセント、前々期実績の106.9パーセントを考えると、やや高いハードルであったといえます。インフレが進行する中で、我々は新たなフェーズに向けて準備を整えつつ、経営を進めていかなければならないと考えています。
既存店の売上関連指標

売上が伸び悩んでいる要因はいくつかあります。スライドの折れ線グラフを見ると、今年2月頃からチェーンストア販売統計と比較して既存店の売上が下回っています。その要因には、堅調に売上が推移していた中でアンダーしている部分に加え、スライドの2行目にも記載しているように、お米が大きく影響しています。
当社の食品スーパーにおいて、お米の売上は全体売上の1パーセントから2パーセントの間で推移しており、非常に影響度の高い商材となっています。他のスーパーも非常に影響を受けている商材ですが、これらの影響を受けた結果が、スライドの折れ線グラフに表れています。
また、環境に関する話として、言い訳にはできませんが、特に6月は前年比97.3パーセントと大きな落ち込みが見られました。今年は珍しく梅雨らしい梅雨となり、雨の日が多く、さらに曜日の巡り合わせで日曜日が1日少なかったことも影響し、非常に大きな落ち込みとなりました。
6月を底に、7月、8月とやや右肩上がりになってきており、これは後ほどご説明するお客さまを獲得するための販促活動が多少なりとも効果を上げていると考えています。
販売管理費の状況

販売管理費の状況です。金額は530億8,300万円で、人件費の増加、エネルギーコストの上昇、建設費の増加などが大きく影響しています。「今期が始まる時にこの伸びが予測できていなかったのか?」という点については、我々が考え得る範囲で予測していたものの、特にイラン情勢に関しては想定外の事態と捉えています。
我々はそれを上回る価値をお客さまに納得いただけるかたちで提供し、利益を確保するとともに、この高い利益を飲み込み、無駄を省いて管理費の削減を図り、次回以降の経営に向けて進めたいと考えています。
連結営業利益 増減要因

先ほどご説明した営業利益の推移です。人件費、販売直接費、設備費、管理費が非常に負担となり、当期の営業利益は減益となりました。
連結貸借対照表/キャッシュ・フロー

連結貸借対照表とキャッシュ・フローは、スライドの表に示しているとおりです。特に工場の設備投資が前期に始まっており、その分が一段落したことで返済にも回るようになり、現金の動きが見られます。ここまでが第2四半期までの状況です。
ベルクグループ 2027年2月期方針

ここからは、今後インフレによる厳しい経営環境や商環境の中で、ベルクがどのように取り組んでいくかについてご説明します。我々は社内で2030年を1つの節目と捉えています。日本は人口減少が進む中で、この状況をどのように乗り切るかが課題です。
ホームデリカ第三工場が本格稼働を開始しており、100パーセント稼働は来年1月を見込んでいます。この稼働については、後ほど詳しくご説明しますが、人口減少による働き手不足を解消する取り組みの一環として位置づけています。
また、経営環境の変化として、今年は梅雨らしい梅雨でしたが、来年は酷暑が予想されています。そのような中、商品の調達が困難になる事態も想定されるため、サプライチェーンの構築を進めていきたいと考えています。
人手不足の解消については、スライド右下の写真に示しているとおり、レジの改良や電子棚札の導入を検討しています。
客数回復に向けた取り組み

まずは客数回復に努める必要があります。食品スーパーでは、日々のお買い物でお客さまに「1円でも安く、よりおいしく」といった商品提供が求められています。
数字が厳しい中、特に既存店の客数が前年を割っている状況を回復するために、「Belcの家計応援祭」と称し、5月20日から約1ヶ月間通しのチラシを現段階まで配布しています。1ヶ月間通しで実施し、第2弾、第3弾、第4弾と進めています。
客数回復に向けた取り組み

もう1つは、ホームデリカの第三工場、いわゆる肉のPCセンターができたことで、お店のバックアップとして精肉製品の提供も可能になりました。そのため、「Belcの肉のビッグセール!」と称したチラシを連続して配布するようにしています。
現在の計画では、1ヶ月間チラシを入れ続けるとお客さまに飽きが出る可能性があるため、例えば3週間や2週間ごとに区切ってメリハリをつけて、「Belcの肉のビッグセール!」のチラシを定期的に配布していく予定です。
スライド左側には「おにぎり100円」という画像があります。コンビニではすでにおにぎりが200円の時代になり、コンビニ各社でもおにぎりの販売に非常に苦戦しています。また、お米の価格が乱高下しており、当社としても在庫管理に苦労しています。
そこで、お客さまに少しでも還元し、「ベルク」に来店していただけるよう、おにぎりの100円での販売やご飯の増量を実施するなど、育ち盛りのお子さまをお持ちのお客さまの支持を得るような施策を取り入れています。これにより、お客さまの増加に寄与できるよう販促を行っています。
店舗展開 巡航速度を保ち、質の良い成長を目指す

現在の出店状況です。スライド左下に記載の第68期の計画では、新店6店舗、改装5店舗、閉店2店舗となっています。当初は新店8店舗の計画でしたが、2店舗の工期が第69期以降にずれる見込みです。建築業界の人手不足により工期が長期化しており、苦渋の決断ではありますが、新店2店舗は来期に持ち越す予定です。
店舗投資 既存店改装

2027年2月期は計画を見直し、5店舗の改装を予定しています。すでに改装が終わった店舗については、スライドの写真でご確認いただけます。下期にもう1店舗を改装し、その店舗でもお客さまを獲得できるよう、少しでも魅力的だと思っていただけるようなトライを行いながら改装を進めていきます。
売場展開 広域からの客数確保を目指す

先ほど新しい価値についていろいろとご説明しましたが、ここでは食品スーパーがどのように生き残っていくのかについてお話しします。
30年間続いたデフレ時代には「1円でも安く」「少しでも安いのが美しい」という傾向も見られましたが、インフレの影響を受け、お客さまの志向が「価値があるものであればぜひ買いたい」という方向に変化していることを実感しています。
その1つのカテゴリとして、海産物、特に魚の売場が最近のスーパーでは差別化の要素となっています。当社でもここに力を入れる方針で、すでに一部の店舗では対面鮮魚売場を導入しています。丸魚を用意し、3枚におろして刺身に加工したり、お客さまのご要望に応じた調理を行ったりすることで、常に鮮度の良い魚を提供しています。
対面鮮魚の売場を作ることでお客さまに来店していただけるよう、売場を少しずつ変えていく予定です。スライドにも説明がありますが、「ベルク有明店」や「旬鮮魚市場クルベ熊谷銀座店」では、このような売場を導入しています。今後、新店舗や改装などにおいて、トライアンドエラーを行いながら進めていく予定です。
商品戦略(PB商品)

PB戦略です。あらゆるメーカーから商品開発者を中途採用し、多くの新商品の開発に力を入れています。ネーミングやおいしさ、パッケージなどを工夫し、「非常に楽しい商品が『ベルク』に置いてある」という評価をいただいています。
現在、売上高構成比では10.0パーセントと、売上の1割がPB商品を占めています。現段階では、利益的に苦しい会社の情勢もあり、今年の方針としてはリニューアル、つまり磨き直しを進めていこうと考えています。
特に我々は「A商品」という表現を使用していますが、「食は保守なり」と言うように、毎日の食事では繰り返し召し上がる商品や食材が多いかと思います。
そこで今年は、飽きが来ない味を見直すという意味で、A商品の磨き直し、リニューアルをしっかりと行う年と位置づけています。10パーセントの売上高構成比が急激に11パーセント、12パーセント、15パーセント、18パーセントと上がることはないものの、着実な売上と利益を確保できるよう取り組んでいます。
2027年2月期(第68期) 取り組み施策

前段でご説明した人手不足の解消策の1つとして、ホームデリカ第三工場が稼働しています。100パーセント稼働は来年1月を予定しており、現在10月時点で非常に高い稼働率になってきています。詳細はスライドに記載のとおりです。現段階の損益状況としては、今期のホームデリカの経常利益はマイナスで終了する予定です。
「投資したのに最初から赤字か」というところもあると思われますが、製造工場は「早い工場でもおよそ3年は赤字が続く」と言われています。もちろん、赤字が良いとは我々も考えていませんが、赤字を解消しつつ、特に店舗の人手不足をバックアップする目的で稼働し、連結で利益を上げるという発想で取り組んでいます。
工場で利益を上げて、店舗の作業がそのまま残るのではなく、人手不足を解消するため、工場でパッキングまで行い、店舗では陳列するだけで済むかたちにしています。これにより、お肉が日配化され、人件費の抑制を目指していきます。
2027年2月期(第68期) 取り組み施策

人件費削減に関する2つ目と3つ目の施策についてご紹介します。スライド左上の画像は、フルセルフレジの導入例です。今年の7月12日までに12店舗に導入しています。
フルセルフレジは最近、コンビニでも「レジを打つ人がいないので自分で打ってください」というタイプのレジが増加しており、スーパーでも導入が進んでいます。今期末には22店舗への導入を予定しています。
特に人手不足が深刻化している中で、レジ担当者の人件費や派遣スタッフの採用費が課題となっています。今年は、約1億円強の人件費削減につながるのではないかと見込んでいます。初期投資としては1店舗当たり約4,000万円が必要となるため、150店舗すべてへの導入は今期中には難しい状況ですが、伸びしろの1つと考えています。
スライド左下の画像は電子棚札の導入例です。現在、青果部、つまり野菜や果物のコーナーにおいて50店舗で導入しています。初期費用や運用コストは発生するものの、約3,000万円弱のコスト削減効果を見込んでいます。
連結業績予想(通期/修正あり)

業績予想についてご説明します。すでに開示しているとおり、業績予想の修正を発表しています。イラン情勢など厳しい状況がある中で、レンジ形式で開示しましたが、半期が終わる時点で数字が見えてきました。先ほどご説明したとおり、利益および管理費の見通しにおいて厳しい状況が見受けられ、見直しが必要となっています。
計画では、売上高4,430億円、売上総利益1,166億円、営業利益154億円、経常利益156億円で、経常利益の売上比率は3.6パーセントを見込んでいます。
連結業績予想(通期/修正あり)

管理費についてご説明します。先ほど管理費や人件費をどのように抑えるかをご説明しました。利益については客数を獲得してトップラインを上げることで対応する計画です。半年後の最終的な計画数値は、スライドに記載のとおりです。
設備投資の状況

設備投資の状況です。前期はホームデリカ第三工場に関連する大規模な設備投資がありましたが、前期でその投資を完了し、今期は改装に重点を置いています。
中期経営計画

中期経営計画および株主還元についてのご説明です。中期経営計画については、すでにみなさまにお知らせしているとおりですのでご確認ください。
株主還元(配当金の推移/修正無し)

株主還元についてです。利益面では厳しい状況ですが、当初の予定どおり、中間配当は66円、期末配当も現時点では66円を予定しており、年間合計で132円を想定しています。結果として、配当性向も上昇する見込みです。
中間期時点での状況は増収減益ですが、伸びしろとしては、生産性を向上させる取り組みをしっかりと進めていく予定です。小売業としては売上をしっかり確保し、お客さまに来店していただくことが途中で業績が低下しないための基盤になると考えています。そのため、お客さまの獲得に向けて取り組みを進めていきます。
以上で説明を終わります。
質疑応答:通期業績修正後の既存店売上高と売上総利益率の前提について
質問者:通期業績修正後の既存店売上高の前提を教えてください。売上総利益率はマイナス0.2ポイントで間違いないか、まず前提として確認させてください。
峯岸:既存店の売上高予想は前年比104.6パーセントですが、売上総利益率がマイナス0.2ポイントというのが、どの部分に記載されているのか把握できませんでした。
質問者:売上総利益率の前提は、決算参考資料の2ページ目にマイナス0.2ポイントと記載されています。
もともと期初には、前年度からプラス0.1ポイントから0.3ポイント上げていく計画でしたが、価格をより強化する必要があると判断し、今回引き下げて、価格を強化するかたちにしたのでしょうか?
峯岸:そのとおりです。どうしても価格強化は避けられないという判断です。したがって、昨期に比べて0.2ポイントほど低下する見込みです。
質疑応答:売上総利益率のコントロールについて
質問者:今後、売上高と売上総利益率のバランスをどのように取っていきますか? 売上高が厳しくなると売上総利益率を下げ、余裕が出てくるとまた上げる、という繰り返しになっている印象もあります。
環境の変化に応じた対応であると理解していますが、会社の方針としては、ベースとなる品揃えや品質がしっかりしていることを前提に、御社の強みである価格に立ち戻って価格対応強化による集客力をより重視していく方針でよろしいでしょうか?
また、第1四半期の時点で売上総利益率をコントロールする中で、すでに売上高が厳しくなり、第2四半期では価格対応をより強化して売上を拡大する方針へと方向転換したと理解しています。
第2四半期において成果が思うように上がらなかった背景として、雨などの天候要因も影響していると思いますが、前年比で見ると売上総利益率はそれほど下げられていない印象を受けます。どのような背景があり、第2四半期はコントロールに苦戦する状況となったのか、その考えをあらためてお聞かせください。
加えて、9月の月次推移が発表されており、9月は雨が非常に多い中でも、状況が少し良くなりつつある兆しが見えています。この点も踏まえたご説明をお願いできればと思います。
峯岸:売上高と売上総利益率のバランスは取りたいとは思いつつも、先ほどお伝えしたとおり、客数が減少している状況で、これを100パーセントに戻すための最適解として価格を調整することになるかと思います。
また、「売上総利益率をさらに下げるべきではないか」という意見もありますが、P/Lの観点だけで売上総利益率を下げる判断をするのは難しい部分があります。利益をしっかり確保できている商品も存在するため、それらを踏まえると計画段階では現状のような数字になるということです。
一方で、先ほどお話しした「Belcの家計応援祭」のチラシを強化したのは5月末からで、実際に結果が出るのは6月からでしたが、6月に結果が出たのかというと、天候要因という言い訳をしましたが、すぐに結果が出たわけではありません。
9月の既存店の売上高を本日開示しましたが、前年比103.3パーセントで、多少回復傾向が見られる状況です。食品スーパーでは、チラシを1枚投入しただけでお客さまが「すぐ行こう」というマインドになるかというと、なかなか難しいのが現実です。
なんとなく「買いやすいから行こう」という積み上げの部分もあると考えています。このような取り組みは、3ヶ月で結果が出るのか、6ヶ月で結果が出るのか、私も長年小売業に携わってきましたが、なかなか見えにくいところがあります。そのため、結果としてはこのような数字になると見ています。
「売上総利益率を0.1パーセント下げると売上高がこれだけ上がる」といった具体的な方程式があればいいですが、現実にはそう簡単にはいきません。そのため、模索しながら進めていくということです。
目標としては、客数をまずは100パーセントにすることを目指しています。そもそも、お客さまがいなくなってしまえば商売が成り立たないのが小売業です。他の業態も同様だと思いますが、そこにはある程度、利益を投じるという考えです。もし「0.2パーセント減では足りない」ということで結果が出なければ、再び考え直す必要があると考えています。
質疑応答:価格の引き下げと消費者行動の変化について
質問者:価格対応強化による集客力の観点では、先ほど「価格を下げても、すぐにお客さまが戻ってくるわけではない」とお話がありました。以前の戦略では、もっと極端に価格を下げて客数を大幅に増やすような施策も考えられたかと思います。
しかし、現在の消費者の行動や購買傾向からすると、価格を多少下げてもあまり効果が見られない部分があるかと思っています。一方で、価格に対して敏感になっている側面もあるのは事実です。そのあたりの感触や、試行錯誤している中で考えていることがあれば教えてください。
峯岸:私の意見にはなりますが、食品スーパーは洒落た言葉で言えば経済民主主義を象徴する存在です。みなさまに利用していただくことで、よりモノの価格が下がっていきます。ただし、安ければいいのかといえば、デフレの時代とは状況が異なります。現在は20年前と比べて、ある程度価値のあるものであればお客さまは購入してくださるという状態です。
安くておいしくて大きいものが売れるという話を先輩社員から聞いたことがあります。一方で、安くておいしくて大きければすべてのお客さまが満足するのかというと、特に単身世帯やお年寄りの世帯からは、「たとえ安くても、こんなに量は要らない」というご意見をいただくこともあります。
そうした中で、どのような品揃えがベストなのかは、まだ模索しながら進んでいかなければならないと考えています。チラシを一例としてご紹介しましたが、これは我々がいろいろ取り組んでいる中の1つとして捉えていただければと思います。
営業向けの重要な会議においては、接客をスーパーの品質の一部と捉え、重視しています。たとえ価格が安くても、商品がおいしくても、接客で悪い印象を与えると「もう二度と行くか」と感じ、ぞんざいな扱いをされたお客さまは再来店を避ける可能性があります。
接客は、もう一度来店したくなる動機の1つです。接客は数値化が難しい部分ではありますが、その改善にも取り組んでいます。
客数や価格は数字でわかりやすいものの、接客やちょっとしたサービスなどは、デジタル化がなかなか進まない分野です。「スーパーにはなかなか買い物に行かない」といったことも含めた総合的な評価が客数回復につながると考えています。資料には具体的に表現されていませんが、対策についてはしっかり取り組んでいます。
質疑応答:中間純利益減益の連続期数と営業収益の増益要因について

質問者:今回は中間純利益が前年比で減益となりました。これは何期連続になるかを教えてください。また、繰り返しの説明になるかもしれませんが、営業収益が前年比で増加した背景について、値上げなどが理由かと思いますが、主な要因を教えてください。
峯岸:営業収益が増加している要因は、資料の6ページをご覧ください。既存店の売上高は前年比99.9パーセントとなっていますので、出店数が増加している点が要因として挙げられます。設備投資ができない企業で1店舗も出店していなければ売上高は増加しません。そのため、新規出店が大きく寄与していると考えています。
今回は中間期で前年比99.9パーセントとなっており、既存店によるプラスの効果は現時点で寄与しなかったといえます。
須川智之氏:執行役員財務経理部長の須川です。中間期における当期純利益は、2025年2月期から今期まで3期連続の減益となっています。
質疑応答:グループ間の融合の進捗について

質問者:資料の12ページに「グループ間の融合を目指す」と記載がありますが、マルイチ水産LTDやナカムラ米販との融合が現在どの程度進んでいるのか、現状を教えてください。
峯岸:現在はマルイチ水産LTDやナカムラ米販を子会社化しています。ホームデリカの第三工場に関しては、今期は赤字を計上しており、連結全体では約15億円のマイナス影響があると見ています。
理由としては、工場では肉をスライスしてパッキングしてトレーオンで運搬する形式をとっています。そのため、肉の原体や原木を運ぶ場合に比べてコストがかさみ、店舗にとっては仕入増となっています。
その中で、人件費を抑制する施策として、新規出店を行う一方で、自然退職者が発生しても補充採用を停止しています。これは、店舗のバックヤードでお肉のスライス作業を行わないためです。この削減効果は、約7億5,000万円になると見ています。
しかし、現時点では工場の稼働率が100パーセントに達しておらず、赤字となっています。その結果、連結で約15億円のマイナス影響が出ている状況です。
ただし、今後、新たな人員採用を行うことなく、約300人の従業員の異動が完了し、来年1月から工場が100パーセント稼働となることで、連結ベースで約5億円のプラス効果が見込まれると考えています。
ナカムラ米販については、昨年はお米が不足している中で、産地の情報など何十年もの経験を持つ社長から得られる知見を通じて、これまでにない厳しい状況を乗り超えました。今年は安定した年となりましたので、今後はプラスに転じてくれると期待しています。
また、ナカムラ米販は産地と直接つながっているため、米問屋を介さずに仕入れが可能となりました。農協を通して玄米を仕入れる必要がありません。
例えば、1キログラム当たりの玄米価格が150円下がることで、年間のベルクの総仕入れコストが約1億円減少し、300円下がると2億円減少するなど、中間業者を省くことで利益貢献が見込めるため、M&Aを実施しました。
ただし、昨期は過去に例のないような米騒動となった年であり、現時点ではメリットが出ているというよりも、むしろさまざまな買い入れが発生した状況です。今後は、中間コスト削減の効果による利益貢献が期待されます。
質疑応答:「クルベ」の大型改装の内容について

質問者:「クルベ」において大型改装を行うとありますが、これは具体的にどのようなことを想定しているのでしょうか?
峯岸:「クルベ」の大型改装については、資料の17ページをご参照いただくとわかりやすいかと思います。「クルベ」は現在4店舗を展開しており、群馬県高崎市、群馬県太田市に加え、埼玉県狭山市に新店がオープンしています。
これまでは、どのように人件費を圧縮しながら運営するかという、人件費を削減して価格でパフォーマンスを出す店舗運営を行ってきました。
スライドに掲載しているのは、「旬鮮魚市場クルベ熊谷銀座店」の写真です。今後は魚に対する注目が非常に高まっていくことから、このような対面鮮魚コーナーを展開することで、お客さまの心をつかみ、それが業績に反映されるかを試みるための改装となっています。
「クルベ」は現在4店舗ありますが、当面の予定としてはこのような方向性に向かって進んでいる状況です。
質疑応答:既存店客数回復の具体的施策と目標について
質問者:資料を見ると、上半期の既存店客数が前年比98.1パーセントで、9月も前年比98.3パーセントと、前年割れが続いています。そこで、客数回復を最優先課題としてずっと説明されていますが、今後強化する具体的な施策とその効果を判断する市況、客数回復の数値目標や達成時期についてお聞かせください。
峯岸:これまでの質問への回答と重なる部分もあるかと思いますが、施策としては、資料に記載しているチラシの強化を進めています。また、先ほどの質問でお伝えした接客対応についても、対策の一環として検討していかなければならないと考えています。
1つの施策だけですべてが解決するわけではないため、総合的な施策を展開することが重要です。その中で大きくアピールできる部分は、チラシだと考えています。
数字的な目標としては、まず前年比100パーセントを目指します。現在は前年比98.1パーセント、9月も前年比98.3パーセントという状況です。
いつまでに達成するかについては、「これをやれば確実にお客さまが戻る」といった具体的な道筋が明確になれば、我々としても苦労することはないのですが、場合によっては、これから「実はチラシを打っても回復しないのではないか」という議論が出てくる可能性もあります。その時には、また別の施策を検討する必要があると考えています。
質疑応答:既存店売上高の前提について
質問者:先ほど、既存店売上高の前提は前年比104.6パーセントとおっしゃっていましたが、これは営業収益全体の伸びを指しているのでしょうか?
峯岸:売上単体を指しています。
質問者:新店などを加味した場合、既存店売上高はもう少し低くなると考えます。上期は前年比99.7パーセントでしたので、通期で前年比104パーセント台を目指す場合、下期でかなり伸ばす必要があると思います。
峯岸:かなり伸ばすように努力します。
質問者:既存店の数字は、新店も加味して通期で前年比104.6パーセントが合っているということでしょうか?
峯岸:下期で既存店前年比104.6パーセントです。
質疑応答:営業利益率について

質問者:中期経営計画で経常利益率は売上高に対して4.5パーセントを掲げていますが、現時点で自然体の巡航速度でいうと、売上高に対する営業利益率はどのくらいの水準だとお考えですか?
峯岸:今回の中間で振るわなかった数字を織り込んだ場合というご質問でよろしいですか?
質問者:それが自然体だとお考えであれば、その前提でお聞かせいただきたいです。現状の事業環境において、どのくらいが自然体なのかを教えてください。
峯岸:ここですぐに自然体をお答えするのは難しいところですが、中間の実績が自然体といえるのであれば、現在の経済環境において、我々の商売と経営観では3パーセント台という結果になります。
ただし、長期的に見た場合は、過去に4.5パーセント前後だったこともあり、均される部分もあるかと思います。また、3年後にどうなるかというところではありますが、現時点では3パーセント台で推移しています。
中期経営計画を巻き直すのであれば、もし初めてこういった仕事に就くとするのであれば、3.3パーセントから3.5パーセント前後の水準が自然体と考えられるかもしれません。ただし、この場で「それがそうです」とお話しした場合、「ベルクは3.5パーセントに変わったんだ」という憶測を招く可能性もありますので、明確には申し上げられないところです。
新着ログ
「小売業」のログ




