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株式会社アストロスケールホールディングス(186A)

東証グロース

サービス業

エグゼクティブ・サマリー

岡田光信氏(以下、岡田):みなさま、本日はご多用の中、半年に一度の事業説明会にご参加いただき誠にありがとうございます。アストロスケール創業者兼代表取締役社長グループCEOの岡田光信です。

まず、本日のポイントを簡単にご説明します。1点目は、4月の事業説明会でご説明した継続受注案件の獲得を通じた成長戦略が順調に進捗していることです。

継続受注につながる可能性のある案件の獲得や、将来の事業拡大を見据えた衛星プラットフォームの開発が着実に進んでいます。

2点目は、海外における現地パートナーシップの強化についてです。フランスを中心に現地パートナーシップを拡充しており、事業機会の拡大につながっています。

3点目は、TOPIX(東証株価指数)への組み入れが決定したことです。こちらについては後半で取締役副社長執行役員グループCFOの松山がご説明します。

当社事業の軌跡と今後の戦略的方針

スライドは、4月の事業説明会でお伝えした成長戦略の概要です。これまで当社は、一品一様のプロジェクトを通じて技術や実績を積み上げてきました。

今後はそれに加え、継続受注案件を獲得することで事業を拡大し、収益性の向上につなげていくことが重要だと考えています。

黒字化に向けた短・中期的戦略

具体的には、防衛分野と民間分野の両方で継続受注案件の獲得を進めるとともに、コストコントロールを徹底しながら黒字化を目指します。

本日は、これらの取り組みの進捗状況についてご説明します。

継続受注案件の獲得に向けた取組み

まず、継続受注案件の獲得に向けた具体的な取り組みについてご説明します。現在、将来の継続受注やプラットフォームの再利用につながる案件の獲得に注力しています。実際に、英国では防衛案件を初めて直接受注し、フランスでは現地パートナーシップを強化しています。

また、米国では燃料補給サービスの実現に向けた重要な実証が間近に迫っています。

加えて、各地域の需要に応じた衛星プラットフォームの開発も進めており、将来的には他の用途への転用による開発効率の向上も期待しています。

英国:当社として初めて英国国防省との直接契約を実現

英国での取り組みについてです。今年9月、英国政府は「UK Space Strategy」を公表し、宇宙を国家安全保障と経済成長の中核インフラとして位置づけました。

宇宙領域把握(SDA)と軌道上サービスは、優先的に強化すべき4つのサブセクターのうちの2つとして明記されており、防衛・安全保障分野における宇宙関連需要はますます高まっています。

そのような中、当社は政府機関や防衛機関との関係構築を進めてきました。その結果、今回、英国で初めて防衛案件をプライムコントラクターとして受注することができました。また、この案件を契機として、将来の継続受注につながる可能性のある案件についても対話が活発化しています。

英国は、当社グループにとって日本に次ぐ重要な市場であり、今後も事業機会の拡大を目指していきます。

「COSMIC」フェーズ3については、残念ながら受注には至りませんでした。しかしながら今回の国防省案件の受注や継続的な対話により、英国における当社のプレゼンスや政府との関係性は引き続き強化されています。

フランス:現地法人の初ミッションとなる軌道離脱実証を受注

フランスでの取り組みについてご説明します。スライドは、当社のフランスにおける初の具体的な案件獲得事例です。今年4月にマクロン大統領と高市総理が当社の東京拠点を訪問された際、Exotrail社とのパートナーシップ締結を発表しましたが、今回の案件はその最初の成果となります。

本案件は、フランス政府の「France 2030」プロジェクトの支援のもと実施され、Eutelsat社のOneWeb衛星への接近・ドッキング、および軌道離脱の実証を行うものです。対象となるOneWeb衛星には、当社が設計したドッキングプレートがすでに搭載されており、磁石による捕獲が可能となっています。

当社フランス法人は、Exotrail社のサブコントラクターとして、RPO(ランデブ・近傍運用)および捕獲機構に関する技術や専門知見を提供します。RPOに関する知的財産や中核技術は引き続き当社が保有しており、自社の競争優位性を維持しながら事業機会の拡大を図っています。

本件は、現地パートナーとの連携を通じて案件獲得を進めるという、当社のパートナーシップ戦略が成果につながった事例です。これにより、フランスの宇宙エコシステムにおける当社の実績がさらに蓄積され、運用終了後の衛星除去サービスや防衛関連を含む新たな案件に発展することが期待されています。

フランス:現地パートナーシップをさらに拡大

フランスにおけるもう1つの取り組みをご紹介します。先ほどのExotrail社に続き、Hemeria社ともパートナーシップを締結しました。

その背景にあるのは、フランス政府が進める宇宙防衛プログラム「Yoda」です。従来からご説明しているとおり、宇宙は安全保障上ますます重要な領域となっています。「Yoda」は静止軌道上で防衛行動をシミュレーションする、フランスの宇宙防衛プロジェクトです。

Hemeria社はこの「Yoda」プログラムにおいて、衛星プラットフォーム開発を担う重要な企業です。同社は防衛用途の小型衛星プラットフォーム開発を強みとしています。

今回のパートナーシップでは、当社のRPO技術とHemeria社の衛星プラットフォーム技術を組み合わせ、フランス向けの小型静止軌道(GEO)衛星を共同開発し、防衛用途における現地ソリューションの開発を目指します。

フランスにおいて宇宙防衛分野の中核を担う企業との関係を構築できたことは、大きな意味があります。先ほどご紹介したExotrail社との協業を含め、フランスでは現地パートナーとの連携を通じて事業機会が着実に広がっています。

今後も、このようなパートナーシップを具体的な案件の獲得につなげていきたいと考えています。

米国:実証ミッションを通じ継続的な燃料補給ビジネスを開拓

米国では、継続受注につながる可能性がある案件が、いよいよ宇宙での実証フェーズへと近づいています。

現在、米国宇宙軍は次世代SDA(Space Domain Awareness:宇宙領域把握)衛星において、燃料補給能力を重要な要件として位置づける方針を示しています。その背景には、燃料残量の制約による衛星の運用や機動性の制限という課題があります。

当社が受注している「APS-R」ミッションは、米国宇宙軍にとって初めての燃料補給実証となる見込みで、非常に重要なプロジェクトです。

今回のミッションでは、軌道上で燃料補給口を有する衛星と燃料貯蔵基地の間で、実際に燃料を輸送する実証を行う予定です。

また、「APS-R」は今期中の打上げを予定しており、開発および地上試験は順調に進捗しています。当社としても、非常に重要なマイルストーンであると考えています。

この実証を成功させることにより、米国宇宙軍向けの継続的な燃料補給ビジネスの拡大を期待しています。

日本:宇宙インフラ防護の具体化が進展

日本における取り組みについてです。宇宙では、他国の衛星に接近して妨害や無力化を行う、いわゆる「キラー衛星」への警戒感が高まっています。このような状況を踏まえ、日本政府は重要な宇宙アセットを防護するため、「ボディーガード衛星」の導入を検討しています。

報道によると、2035年度までに6機体制の構築を検討しているとされており、将来的には複数機の需要が見込まれます。

当社はすでに防衛省から、このような将来構想につながる機動対応宇宙システムのプロトタイプ開発を受注しています。現在、開発は順調に進捗しており、2028年度の納品に向けて準備を進めています。

まずは実証を成功させ、将来的には複数機の「ボディーガード衛星」需要につなげていきたいと考えています。

寿命延長サービスの市場規模

寿命延長(LEXI)サービスについてです。「LEXI-P」は以前からご期待いただいている案件ですが、遅れていることをお詫び申し上げます。

現在、初号機案件については、顧客との最終的な契約条件の協議が順調に進捗しています。一方で、注目しているのは初号機案件だけではありません。スライドに記載のとおり、静止軌道には寿命延長(LEXI)サービスの対象となりうる衛星が数多く存在しており、毎年20機から30機程度の退役が見込まれています。

まずは初号機契約を受注し、これを成功させた後、さまざまな静止軌道(GEO)衛星事業者への展開を通じて、継続的な受注案件につなげていきます。

継続受注や再利用につながる既存プロジェクトの状況

英国、フランス、日本、米国の事例でご紹介したとおり、4月の事業説明会で示した継続受注案件の獲得に向けた取り組みは、着実に進展しています。それぞれの案件の性質は異なりますが、いずれも将来の継続受注やサービス展開につながる可能性を持っています。

このような案件が日本だけでなく、欧州や米国を含めたグローバル規模で広げられていることが、当社の強みです。

現在開発中の衛星プラットフォーム

現在、既存プロジェクトを通じて、将来にわたり継続的に活用可能な衛星プラットフォームを開発しています。

まず欧州では、「ELSA-M」が2028年4月期に打上げ予定です。このプラットフォームを活用し、将来的には運用を終了した複数の衛星の除去案件、いわゆるEnd Of Life(EOL)サービスに加え、静止軌道用への改変や、今後の継続的な欧州防衛案件への活用も視野に入れています。

米国では、「APS-R」が2027年4月期に打上げ予定です。その後は米国における継続的な燃料補給案件への展開を目指しています。

日本では、防衛省案件である「GRPO-D」が2028年3月に完成予定です。その後の軌道上実証を経て、将来的な複数の「ボディーガード衛星」案件へつなげていきたいと考えています。

また、「LEXI-P」については2028年4月期の打上げを予定しており、その成果を将来の継続的な寿命延長(LEXI)サービス案件へ展開する計画です。

これまでは案件ごとにイチから開発することがほとんどでしたが、今後は既存プラットフォームを活用することで、防衛分野を中心とした継続受注案件を獲得するとともに、開発効率の向上や収益性の改善を実現していきます。

プラットフォーム開発の進捗状況

各プラットフォームの開発状況です。スライドに記載のとおり、各プロジェクトは順調に進捗しています。特にお伝えしたいのは、開発だけでなく、打上げロケットの確保も着実に進んでいる点です。

「ELSA-M」については、打上げ事業者であるIsar Aerospace社が2回目の飛行で成功しています。また、「APS-R」「GRPO-D」「LEXI-P」についても、打上げ手段の確保が完了しています。

昨今、世界中で打上げ需要が急増しており、ロケットの確保が重要な課題となっていますが、当社では各案件について打上げに向けた道筋を着実に固めています。

営業利益の黒字化に向けた重点領域

松山宜弘氏(以下、松山):スライドは、前回の事業説明会でもご説明した黒字化に向けたロードマップです。

当社では、受注残高の積み上げに加え、継続受注を通じて「平均案件期間の短縮」「売上総利益率の改善」「研究開発費/販管費の抑制」が必要不可欠であると考えています。

受注残高(受注済残高+受注内定済の案件総額)

まず、当社の収益の源泉となる受注残高についてです。第1四半期決算後の2026年9月には、先ほどご説明したExotrail社との共同案件であるCNES(フランス国立宇宙研究センター)の案件、および英国国防省の案件を受注しており、合計で50億円を超える案件を新たに積み上げました。

直近の数四半期では受注残高が減少している状況ですが、次のスライドに示している潜在パイプラインを獲得し、着実に積み上げていきたいと考えています。

潜在グローバルパイプラインのイメージ(2026年9月末時点)

今後の受注機会についてです。9月の第1四半期決算発表時に開示した8月時点のパイプラインのうち、入札中だった防衛案件は英国国防省の案件として無事に受注しました。現在、政府と民間でそれぞれ1件ずつ入札・契約交渉中のステージにあります。

政府案件については英国の案件で、「COSMIC」を上回る金額と収益性が期待できる内容です。さらに、これは単発の案件ではなく、将来的な継続受注につながる可能性があります。

また民間の1件は「LEXI-P」です。先ほどもお話ししたとおり、契約作業は最終局面に入っており、現時点で契約がなくなる心配はありません。

これらの案件を受注できれば、今期はここからさらに200億円規模の受注残高を積み上げることになります。

収益認識方法の業績に対する影響

売上総利益の向上に関連して、当社の収益認識の方法についてご説明します。黒字化に向けては、継続受注案件の獲得に加えて、収益認識の方法も重要だと考えています。

現在、当社では一部案件において進捗度を合理的に見積もることが難しいため、原価回収基準で収益認識を行っています。この場合、スライド左側のチャートに記載されているように、契約期間中は原価相当額までしか収益を認識できず、利益の認識が契約の最終年度に集中します。

一方、IFRS(国際財務報告基準)の原則的な考え方では、進捗度に応じて収益と利益を認識する方法が採用されています。当社としても、案件管理やコスト見積もりの精度向上を図ることで、より多くの案件で進捗度に基づく収益認識を適用できるよう、取り組みを進めています。

これが実現すれば、スライド右側のチャートに記載しているとおり、案件期間を通じて利益を認識できるようになり、業績の見え方も大きく変化することになります。

営業黒字化に向けた取組み:販管費のコントロール

コストコントロールについては、前回から方針に変更はありません。現在、為替の影響により円換算ではやや上振れしていますが、現地通貨ベースではコスト抑制を継続できています。

引き続き、規律あるコスト管理を徹底しながら、損益分岐点を可能な限り下げ、黒字化に向けた取り組みを進めていきます。

キャッシュ・フロー及びバランスシート

キャッシュ・フローとバランスシートについてご説明します。6月に実施した資金調達により、手元の流動性を大幅に増やすことができました。これにより、成長に向けた投資余力を確保するとともに、事業機会に応じて柔軟な経営判断が可能な財務基盤を整えることができています。

また、転換社債のうち163億円については戦略投資家に引き受けていただいており、相対的にリファイナンスリスクが低いと評価しています。さらに、実質的なネットキャッシュのポジションも潤沢であると考えています。

したがって、現時点では株式調達が必要な状況ではありません。株主価値向上に資する魅力的な成長投資機会が顕在化しない限り、運転資本調達のための負債調達以外に資本調達を実施する計画はありません。

TOPIX構成銘柄への採用

先日、当社株式がTOPIXの新規採用銘柄として選定されました。今回の見直しでは683社が移行措置銘柄となった中で、グロース市場から新規採用されたのはわずか12社でした。

このような中で当社が選定されたことは、流動性や時価総額を含め、資本市場から一定の評価をいただいた結果であると考えています。また、規模としては上位1,000社に入る水準で、一定の規模感を持って東証規模別株価指数へ参画できたと評価しています。

これもひとえに、投資家のみなさまからのご支援とご期待のおかげであると感謝しています。

上場後、投資家のみなさまには2度の資金調達をご支援いただき、それを当社が積極的に成長投資に充当することで、成長の礎を築いてきました。これからは、継続受注の積み上げなどを通じて収益性の改善を実現し、投資家のみなさまのご期待にお応えしていきます。

投資家のみなさまにはこれまでのご支援に御礼申し上げるとともに、引き続きサポートいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

質疑応答:130億円相当の英国政府案件について

質問者:英国における130億円相当の政府案件についてうかがいます。先ほど継続案件とおっしゃいましたが、御社が現在期待しているおよそ130億円の案件がどのようなものであるかの解説と、それが継続案件になると考える理由についてお聞きしてもよろしいでしょうか?

松山:こちらは政府関係の案件で、スライドに記載している「ELSA-M」を多少改変して、衛星本体を販売、もしくは提供するような内容となっています。お客さまは政府機関であり、場合によっては複数機を販売することも十分あり得る内容です。

また、汎用の衛星プラットフォームとして、今後静止軌道(GEO)衛星やそれより高い軌道で運用するものとして複数機を利用する可能性もあると見込んでいます。このような観点から、複数機の受注の可能性についてお伝えしました。

質問者:このおよそ130億円の案件の中に複数機が含まれているというお話なのでしょうか? もしくはこの案件の後に複数機案件が続くというニュアンスでしょうか?

松山:後者です。これはあくまで最初の案件であり、1機でおよそ130億円です。

質疑応答:日本の防衛案件「ボディーガード衛星」とその後の計画について

質問者:スライド15ページでご紹介いただいた日本の防衛案件「ボディーガード衛星」についてうかがいます。

スライドには「将来的には複数機受注を期待」と記載されています。これは、パイプライン表でいう66億円の防衛省案件が最初のプロトタイプ案件という理解で正しいでしょうか?

その後、複数機が続くということですが、防衛省が「ボディーガード衛星」を6機ほど2035年度までに整備するとの報道があったと思います。その6機を御社が受注するというイメージでよろしいでしょうか?

岡田:防衛省の66億円の案件は、プロトタイプの納品に関するものです。運用などの契約については別途、取り決めがあることを期待しています。

「ボディーガード衛星」を複数機配置するという報道があり、当社も注目していました。

現在、国家安全保障の三文書の改定や、予算の詳細な調整が進められていると考えています。その情報が公開されることで、詳細が明らかになると思います。

質問者:御社としては「複数機あるだろう」という期待を抱いており、報道でも「6機来るかもしれない」とされているものの、この点について現時点では正確なことはまだわからないという理解でよろしいでしょうか?

岡田:複数機がくることを期待しています。ただし、それがいつまでに何機になるかについては、政府の公表を待つ必要があると考えています。

質問者:今後の政府の段取り次第となるかと思いますが、「ボディーガード衛星」を受注できるのは御社以外にはないという認識でよろしいでしょうか?

岡田:一般論としてお話しすると、RPOのミッションは過去4年から5年の間に世界で10件以上行われてきましたが、最後まで到達できたのは当社のみとなります。

競合がまったくいないとは言いませんし、これから出てくる可能性もありますが、現時点では良い立ち位置にいると言えると思います。

質疑応答:ClearSpace社の寿命延長(LEX)サービス参入について

質問者:ClearSpace社の動きについてうかがいます。「COSMIC」フェーズ3はClearSpace社が受注することになりましたが、別途報道で、欧州宇宙機関(ESA)からClearSpace社が静止軌道(GEO)衛星の寿命延長(LEX)プロジェクト「Phoenix Partnership Project」を受注したとありました。

この報道でClearSpace社が寿命延長(LEX)サービスに参入しているような印象を受けましたが、この動きについて、御社ではどのように認識されていますか?

またClearSpace社が寿命延長(LEX)サービスでどの程度の成果を上げることができるとお考えでしょうか?

岡田:ClearSpace社は創業時期が当社と近いこともあり、昔から同志のような存在で、この市場をともに成長させていこうという関係にあります。これまでの歴史の中では、彼らが受注した案件がうまくいかなかったこともありましたが、それでもがんばり続けています。

今回、ClearSpace社が受注した静止軌道(GEO)衛星の案件は以前から発表されていたもので、英国で受注を果たしました。

彼らはまだ衛星を製造したことも、打上げたことも、宇宙でRPO実証をしたこともありません。しかし、将来的には彼らも成功を収め、ともに市場を拡大できるようになることを願っています。

質疑応答:欧米各国における「ボディーガード衛星」の競争状況について

質問者:「ボディーガード衛星」についてうかがいます。日本の防衛省向けに開発が進められているとのことですが、「ボディーガード衛星」については、欧米各国政府からの引き合いは今後期待できないものなのでしょうか?

また、この「ボディーガード衛星」について、欧米それぞれの現地企業との競争状況の見通しについて、可能な範囲でお答えいただけますでしょうか?

岡田:まず、「ボディーガード衛星」についてご説明します。多くの国が重要な通信や安全保障上の通信に、静止軌道(GEO)衛星を使用しています。しかし残念ながら、各国でその衛星を防衛する手段がない状態となっています。

そのような背景から、防衛衛星のニーズは日本にとどまらず、他の国でも必要とされる状況です。防衛衛星を運用するにはRPO技術が必要であり、当社は複数の国と協議を進めています。

また、これまでお話ししてきた案件には「ボディーガード衛星」に関わるものがありますが、どの案件が「ボディーガード衛星」につながるかについては、現段階でお伝えすることは難しい状況です。

最後に、当社が拠点を置いている日本、英国、フランスについては、各国と協議を行っています。加えて、他の国においても議論している状況です。

質問者:米国政府に対しては燃料補給のプロジェクトを進められているとのことですが、将来的には米国政府から「ボディーガード衛星」に似た案件を受注する可能性もあるのでしょうか?

岡田:米国については「GSSAP」という、ある程度の距離まで近づいて観測(Inspection)を行う衛星を以前から保有しています。米国政府が求めるのは、その先の工程である、接近してドッキングし、燃料補給を行う段階です。この部分については、当社がすでに受注しています。

このような意味において、各防衛機関が必要としているRPOに関連する案件については、当社が良い立ち位置でお話ししており、実際にプロジェクトを進めています。

質疑応答:フランスの宇宙防衛プログラム「Yoda」と関連受注の見通しについて

質問者:フランスの宇宙防衛プログラム「Yoda」についてうかがいます。こちらは最終的にどの程度の広がりが見込まれるのでしょうか? また「Yoda」関連での防衛受注の獲得はどのタイミングになるのでしょうか?

岡田:全体的な観点でお話しすると、宇宙防衛に関して各国が自国で製造能力や運用能力を持つことを考えるようになったのは、ごく最近のことです。おおむね2025年頃に各国の防衛指針に取り入れられ、そこから議論がスタートし、現在に至っています。

そのような中で、フランスはまず「Yoda」プログラムを発表しましたが、今後どのような予算サイクルで、どのように進んでいくかについては、現時点でお話しできる内容はありません。ただし、議論が着実かつ急ピッチで進んでいることは明らかです。

質問者:実証契約の獲得のタイミング自体も、まだ不透明という理解でよろしいでしょうか?

岡田:現時点では、おっしゃるとおりです。

質疑応答:パイプライン減少の要因と将来の拡大見通しについて

質問者:案件のパイプライン表についてうかがいます。半年前に示されたものと比較すると、全体的にパイプラインが減少しているように見受けられます。

これについて、御社の過去1年ほどの案件獲得状況が非常に低調だったのではないかという印象と、この「軌道上サービス」市場がどのような状況にあるのかについて疑問を抱いています。

御社としては、どのような理由や仕組みによりパイプラインが減少しているとお考えですか?

松山:パイプライン表の中で今年4月から減少している部分は、防衛関連の項目で2,000億円強程度あったところがやや減少している点です。

この要因として、最近30億円相当の案件を獲得し、その分が減少していることが挙げられます。また一部では、当初見込んでいた米国での案件が失注したことも影響しています。このような剥落が生じたことが一因です。

ただし、これはあくまで戦術的な話であり、市場全体としてパイプラインが減少しているわけではないと考えています。

我々は半期に1回程度、パイプラインの見直しを行っています。その結果をベースにパイプラインのイメージを示していますが、見直し後に想定外の案件が入ってくることもあります。

例えば、現在政府案件で入札中のものが1件ありますが、もともと記載されていた「COSMIC」が抜けたところに新たな案件が入ったといった事例が挙げられます。

このように動的に変化する状況で、パイプラインの幅や顧客層、地域はかなり広がってきていると考えています。

パイプラインについては、来年3月または4月の事業説明会において、1年前と比較してかなり広がっている状況をご覧いただけると思います。

質問者:今の状態は一過性のもので、半年単位で見ると落ち込んでいるように見えるものの、それはボラティリティの範囲内であり、基本的には拡大基調にあるという認識でよろしいでしょうか?

半年後にお示しいただく資料では、市場が安定して拡大を続けており、御社が案件を取れなくなったり、入札や案件に参加できなくなるといった事態にはなっていないという理解でよろしいですか?

松山:おっしゃるとおりです。

質疑応答:燃料補給の実装への道筋と市場の将来性について

質問者:先ほど、米国の「APS-R」の衛星が、やがては「RG-XX」につながるシナリオだとご説明いただきました。

最近、米国宇宙軍が「RG-XX」関連で、「GHOST-R」というプロジェクトを御社の競合企業に発注したと認識しています。「GHOST-R」には燃料補給の機能がないと理解していますが、「GSSAP」の次は「GHOST-R」といったものになり、燃料補給の実装はさらにその次のラウンドに持ち越され、非常に長い時間軸で進む話であるという印象を受けています。

燃料補給の実装への道筋について、御社はどのようにお考えでしょうか?

岡田:燃料補給というのは、昔はいわゆるサイファイ(Sci-Fi・SF)に近いイメージがありました。おそらく人は「それが実証されると信じる」というところがあると思っています。当社としては、燃料補給が後回しになっているという感覚は、持っていません。

現在、我々は燃料補給のプロジェクトを米国と日本で受注していますが、欧州でも議論が活発化してきていると感じています。

衛星が動き回ることを前提とした場合、専門用語で「デルタV」と呼ばれる「どれだけ動けるか」ということが制約条件になってきます。しかし、燃料補給が可能であれば、その制約条件が緩和されるため、「燃料補給」は宇宙における通貨のような重要な存在になると考えています。そのため、燃料補給については、むしろ加速する方向に進むと認識しています。

また、松山とは異なる観点で市場についてお話しすると、この先、防衛分野は間違いなく成長すると考えています。肌感として、議論に触れる中でニーズがあるのは明らかです。それは「守る」という機能や「燃料補給」という機能に加え、「デブリ除去」についても再び議論が加速しています。

今年7月から9月の3ヶ月間で6回もの破砕や爆発が発生しました。10月にも1回発生しています。このような頻度はこれまで例がありません。今後デブリがさらに増え続け、新たなデブリが次々と生まれる状況となっています。

先日フランス政府から受注した「宇宙デブリ除去プロジェクト」も、その端緒となると考えます。

「軌道上サービス」は全体として新しい市場のため、現時点では見えにくい部分もありますが、全体感としては確実に成長していくだろうと感じています。

質問者:岡田社長が、「米国での燃料補給の重要性が高まる」と見立てていらっしゃるのは理解しました。しかし、実際に「GHOST-R」に着手することが決まったことについて、どのように解釈すればいいでしょうか?

岡田:我々は米国宇宙軍や空軍と直接対話を行っています。そこで具体的にどのような話をしているかについてはお話しできませんが、我々の燃料補給プロジェクトは次の実証を経て加速するものと認識しています。

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