Hmcomm株式会社【速報版】
【速報版】Hmcomm株式会社 2026年12月期第2四半期決算説明
※当記事は速報版です。スライド情報は割愛している他、数値などに誤りが含まれる可能性がございます。正確な情報は決算短信・決算説明資料などの正式な開示資料、または追って公開予定の確定版記事にてご確認ください。
2026年12月期第2四半期決算説明
これより、Hmcomm株式会社の2026年12月期第2四半期の決算について説明をさせていただきます。
エグゼクティブサマリー
エグゼクティブサマリーについてご説明します。売上高は6億2,478万9,000円を達成し、前年同期比プラス42.1パーセントの大幅増収となりました。上期当初計画に対しては計画比102.1パーセントの上振れを達成しました。
コラボテクノ株式会社のPL連結は第3四半期より開始します。第2四半期は当社単体の成長により黒字と高い進捗を達成しました。
売上総利益は2億8,585万円と堅調に推移しました。営業利益は1,386万7,000円の黒字転換を達成しました。EBITDAは4,195万6,000円で黒字を確保し、経常利益は1,650万3,000円の黒字転換となりました。
販売提携2社の展開とM&A第3号案件として5月11日にクローズしたコラボテクノ株式会社の取得が成長ドライバーとなりました。社会実装の拡大と現場常駐型のFDEモデルの導入も推進しています。
自己資本比率は80パーセント超で実質無借金を継続しており、将来の非連続な成長に向けた十分な投資余力を確保しています。第2四半期のコラボテクノ社取得により受け入れた資産2億7,000万円と負債2億円があります。
2Q業績ハイライト(実績/計画比/進捗)
続いて、2026年12月期第2四半期の業績ハイライトについて説明します。実績と計画比、進捗の観点で説明します。第2四半期は売上と利益が計画を上回り、通期達成に向けて順調に進捗しています。売上高は6億2,478万9,000円で、前年同期比プラス42.1パーセント、計画比102.1パーセントでした。売上総利益は2億8,585万円で、粗利率は45.8パーセントです。
上期計画6億1,187万円に対する進捗は102.1パーセントで、通期計画13億7,348万7,000円に対する進捗は45.5パーセントです。営業利益は1,386万7,000円で黒字転換となりました。
EBITDAは4,195万6,000円で黒字を達成しました。経常利益は1,650万3,000円で黒字転換となりました。
主要KPIは次のとおりです。AIプロダクト比率は37.8パーセントで、FDEを含めずに算出した場合は38.9パーセントと記載されています。プロダクト導入企業は32社、ソリューション案件数は88件です。
2Q業績ハイライト(AIソリューションとAIプロダクトの2Q進捗)
AIソリューション FDEについてご説明します。第2四半期のプロジェクト数は88件で、前年同期79件比プラス11パーセントとなりました。通期計画に対する進捗は47パーセントで、達成に向けて順調に進捗しています。平均単価は複数月契約と大型契約の増加により470万円へ回復しました。
高付加価値な上流コンサルティング案件の獲得が着実に進んでいます。今後は事業譲受による上流人材を活用し、さらなる高単価案件の獲得とAIプロダクトへの接続を推進します。
AIプロダクトについてご説明します。アカウント数は32社で、底打ちから回復トレンドへ転じています。通期計画に対する進捗は62パーセントで計画を上回るペースで進捗しています。アカウント当たり平均単価は720万円で前年同期比プラス32パーセントとなりました。販売提携パートナー網を活用し、下期に向けたクロスセルと新規アカウント獲得の加速を図ります。
成長ドライバー:6つの重点施策を実行
成長ドライバーについてご説明します。コラボテクノ社の取得およびFDE事業を5月に開始しています。
Terry2miniの販売を4月に開始しています。
FAST-Dの社会実装拡大ではCASE_1として四国電力、CASE_2として守山市を進めています。
FD-X/NaNa アーキテクチャの概要を整備します。
ニーズウェル社との協業で自治体入札を強力に推進します。
MILIZE社との協業で金融セクターにおけるAI実装支援を拡大します。
これら6つの取り組みを加速させることで中長期的に当社の企業価値を飛躍的に向上させることを目指します。
成長ドライバー01:コラボテクノ社の取得およびFDE事業の開始
コラボテクノ社の取得を踏まえたFDE事業の役割についてご説明します。コラボテクノ社をAI実装エンジンであるFDEとして位置付け、業界と業務に精通した人材が当社Voice AI Agent Platformを顧客現場へ実装し定着させて成功に導くことで、開発から運用までを一気通貫で支援します。
対応業界は金融の銀行、保険、証券、製造の自動車、機械、電機、公共の自治体や官公庁、通信の通信事業者やキャリア、流通・小売りの小売り、EC、物流、エネルギーインフラの電力、ガス、水道など多岐にわたります。
提供サービスは課題整理と要件定義、業務設計とBPR支援、AIシステムの設計と開発、実装とシステム連携、テストと検証および品質管理、運用と保守改善支援、現場定着に向けた人材育成です。コラボテクノの業界知見と現場常駐エンジニアリングを当社のAIプロダクトと組み合わせることで、AIの開発から運用と現場定着までを一気通貫で支えるフレームを確立します。
成長ドライバー02:Terry2 miniの販売開始
Terry2 miniの提供内容と導入メリットについてご説明します。Terry2 miniは従来型のシナリオ固定式音声ボットを超え、LLMと最新音声AIエンジンを搭載しています。電話応対のシナリオ設定から運用改善までをSaaS形式で標準化し、受付業務の自動化をスムーズかつ手軽に実現します。
個別開発不要で業種別プリセットとFAQ登録のみで最短1週間で稼働できるため即時導入・低コストが導入メリットとなります。
24時間365日無人対応により深夜・休日・ピーク時の受電あふれを完全解消できます。
録音・高精度テキスト化・AI自動要約により全通話の自動資産化が可能となり業務引き継ぎを効率化します。
受電データ蓄積とダッシュボード可視化によりFAQ精度と対応品質の継続改善が図れます。
代表電話の一次受付で要件判定とヒアリングを行い担当部署へ自動転送する機能、頻出問合せに自然な合成音声で回答するFAQ自動返答機能、予約受付を外部Webカレンダーとリアルタイム連携する自動予約受付処理機能の3つのコア機能を備えています。
成長ドライバー03:FAST-Dの事業領域と提供価値
FAST-Dの事業領域と提供価値についてご説明します。当社はAI、IoT、データ活用によりインフラの維持管理を高度化し、持続可能な社会インフラと事業成長を実現します。
市場では老朽化や人手不足、点検・保守の高度化需要、Water PPPの進展、AI・IoTの加速が課題と追い風になっています。
FAST-Dの事業領域はデータ収集とFAST-Dコアコンピタンスに分かれます。データ収集は広域分析、現場データ、環境データ、履歴データを含みます。コアコンピタンスは異常検知・予兆検知・リスク予測、正常・異常データ解析、異常検知AIモデル構築、環境データ収集とデバイス管理、監視・通知・ダッシュボードです。これらにより点検対象の絞り込み、早期発見・予防保全、維持管理の効率化、継続監視サービス化を提供価値としています。
領域区分では上水道は漏水検知・監視と維持管理DX、下水道は漏水・劣化・施設リスク予測とスマートマンホール活用、その他インフラは道路・梁橋・トンネル・工場等でFAST-D展開です。
Monitoring Editionは継続監視、通知、ダッシュボードを提供し民間インフラ企業を対象としています。今後は高精度検知に加え、におい、点検支援、分析支援、通知機能等に対応する各種Editionを段階的に展開します。
FAST-Dはインフラ領域のバーティカルAIとして領域別Editionを段階的に拡充し自治体および民間インフラ企業のニーズに対応します。
成長ドライバー03:CASE_1 四国電力への「FAST-D」導入
成長ドライバー03の事例として、四国電力へのFAST-D導入についてご説明します。当社は四国電力株式会社へ異常音検知AI FAST-D モニタリングエディションの提供を開始しました。同時にノイズ自動最適化と処理の60パーセント高速化を含む機能アップデートを実施し、設備保全のスマート化である状態基準保全CBMを推進します。
FAST-Dは発電および電力設備の異常音を24時間常時モニタリングし、熟練技術者の判断基準を標準化し平準化します。異常履歴は自動で蓄積されグラフ化されるため兆候を早期に発見できます。AI自動最適化により現場の環境ノイズに応じてユーザー側で再学習が可能です。UIを刷新し処理を最大60パーセント高速化したことで直感的な操作感と即時通知を実現します。
これらにより巡回点検から24時間の客観判定へ移行し、時間基準保全から状態基準保全へシフトして突発停止の防止とコスト最適化を目指します。
成長ドライバー03:CASE_2 「FAST-D AI漏水検知」の社会実装へ
FAST-Dを用いたAI漏水検知の社会実装についてご説明します。当社は滋賀県守山市との実証実験にて、衛星データと地理空間データを組み合わせた漏水検知モデルの有効性を立証しました。現地調査で漏水を特定し確認したことで、社会実装と常時監視への次フェーズへ移行しました。
広域分析と音響AIモデルを組み合わせて管路台帳、地盤、湿潤状況、衛星データを統合し漏水リスクエリアを特定しました。音響AI FAST-Dが熟練調査員と同等レベルで漏水音を高精度に分類しました。高リスク予測地点のピンポイント調査で実際に漏水を発見し、広域リスク予測から音響調査までの漏水検知ワークフローを確立しました。検知AIから漏水の可能性を継続的に把握する漏水監視AIへ進化させることで、定期点検から状態基準保全へのシフトと管路属性や地盤、衛星データを多角分析したピンポイント抽出によるCBMの達成を目指します。
成長ドライバー04:FD-X / NaNa アーキテクチャの概要
自社統合開発環境「FD-X」とAI 本社構想(NaNa)についてご説明します。自社統合開発環境「FD-X」の全社導入は、生成AIをフル活用してシステム開発プロセス全体を自動化・標準化し、案件ごとの開発工数および導入工数を最適化することで売上原価の低減につなげています。
また、「AI 本社構想(NaNa)」により、当社の管理部門(バックオフィス)および営業支援業務に生成AIを組み込み、外部委託費やオペレーションコストといった販管費の削減を実現しております。
FD-XはFlexibility Design X-Transformation / Expeditionを指し、NaNaはNext-Headquarters AI-driven Navigator for Administrationを指します。
成長ドライバー05:ニーズウェル社との協業で自治体入札を強力推進
ニーズウェル社との協業による自治体入札推進についてご説明します。当社は自治体ネットワークを最大限に活用し、成長が見込まれる自治体DX市場での受注を推進します。
全国の入札情報を収集してニーズと要件を分析します。ニーズウェル社と共同でHmcomm製品およびVAAPを活用した最適ソリューションを提案書にまとめて共同提案します。両社の強みを掛け合わせて入札参加と受注を図り、受注確度の向上を目指します。導入後は運用支援と追加提案を行い、継続的な取引拡大につなげます。
当社の強みは音声AIとエージェント技術、VAAPプラットフォーム、課題解決型伴走支援であるFDEです。ニーズウェル社は自治体向けシステム構築実績と全国の自治体ネットワーク、入札情報提案のノウハウおよび運用保守体制を有しています。
成長ドライバー06: MILIZE社との協業による金融セクターでのAI実装支援拡大
金融セクター向けAI実装支援の拡大に関するMILIZE社との協業についてご説明します。本協業は金融機関向けAI実装支援体制を構築し、新たな案件創出と収益拡大を実現することを目指します。
協業により金融セクターでの新規案件の継続的創出と高付加価値案件による収益性向上が期待されます。さらにAI実装の実績が蓄積されることで競争優位が強化され、中長期的な成長を強力に加速します。
当社は音とAIの技術を軸にVAAPプラットフォームでAIエージェント基盤を提供し、顧客現場に密着したFDEによって実装支援を行います。
協業の流れはMILIZEによる案件探索とニーズ把握から始まり、両社で共同提案を行い受注を実現します。その後当社が設計・開発・環境構築を行い、運用支援と効果検証を通じて業務定着化を図り、成功事例を横展開して追加案件と長期取引につなげます。
MILIZEは銀行、証券、保険など金融機関との豊富なリレーションとAI・フィンテック領域の知見、セキュリティや規制対応のノウハウを有しています。両社の強みを組み合わせることで高品質な案件パイプラインを確保し、運用支援や追加開発を通じて継続的な収益機会を創出します。以上が協業を通じた金融セクターでのAI実装支援拡大の概要です。
2026/12期 2Q決算概要(P/L)
2026年12月期第2四半期の決算概要についてご説明します。売上高は6億2,400万円、前年同期比プラス42.1パーセントとなりました。AIプロダクトとAIソリューションが共に順調に伸長したことが売上高の増加要因となりました。
AIプロダクトは2億3,600万円、前年同期比プラス38.4パーセントとなりました。AIソリューションは3億8,800万円、前年同期比プラス44.4パーセントとなりました。売上高の通期に対する進捗率は43.1パーセントです。
営業利益は1,300万円となり黒転を達成しました。営業利益率は2.2パーセントで、通期に対する進捗率は13.7パーセントです。経常利益は1,600万円となり黒転しました。経常利益率は2.6パーセントです。
法人税等は2,200万円となりました。当期純利益はマイナス600万円となり損失が縮小しました。参考としてEBITDAは4,100万円となり黒転し、EBITDAマージンは6.7パーセントです。
2Qまでに単体ベースで高い進捗を確保しており、通期業績見通しに向けて順調に推移しています。
業績推移(貸借対照表)
貸借対照表の推移についてご説明します。流動資産計は14億600万円、前期比マイナス1億3,600万円となりました。現金及び預金は10億9,800万円、前期比マイナス2億1,800万円となりました。売掛金及び契約資産は2億8,800万円、前期比プラス8,800万円となりました。その他の流動資産は1,900万円、前期比マイナス600万円となりました。
固定資産計は6億1,700万円、前期比プラス7,600万円となりました。のれんは3億5,700万円、前期比プラス3,900万円となりました。その他の固定資産は2億6,000万円、前期比プラス3,600万円となりました。
資産合計は20億2,400万円、前期比マイナス5,900万円となりました。負債計は3億4,700万円、前期比マイナス5,400万円となりました。買掛金・未払金は1億8,100万円、前期比マイナス1億2,800万円となりました。有利子負債は6,600万円、前期比プラス6,600万円となりました。その他の負債は9,800万円、前期比プラス600万円となりました。
純資産合計は16億7,600万円、前期比マイナス500万円となりました。
負債・純資産合計は20億2,400万円、前期比マイナス5,900万円となりました。
コラボテクノ社の買収で資産2億7,000万円と負債2億円を受け入れた後も、自己資本比率は80%超と極めて盤石な財務基盤を構築しています。
ネットキャッシュは10億9,800万円です。当社は高水準のネットキャッシュを確保しており、今後のM&Aや成長投資に向けた資金余力を十分に残す水準を維持しています。
業績推移(売上高・経常利益)
業績の推移についてご説明します。売上高は2026年12月期見通しで14億5,000万円となっています。2026年12月期第2四半期の実績は6億2,400万円です。年次の推移を見ると、2020年12月期は4億8,200万円、2021年12月期は5億6,000万円、2022年12月期は7億2,700万円、2023年12月期は8億100万円、2024年12月期は9億4,600万円、2025年12月期は11億1,200万円となっています。
経常利益は2026年12月期見通しで1億円となっています。2026年12月期第2四半期の実績は1,600万円です。年次の推移を見ると、2020年12月期はマイナス2億900万円、2021年12月期は7,400万円、2022年12月期は1億4,500万円、2023年12月期は8,700万円、2024年12月期は7,200万円、2025年12月期は3,900万円となっています。
経常利益率は2026年12月期見通しで6.9パーセントとなっています。2026年12月期第2四半期の実績は2.6パーセントです。年次の推移を見ると、2020年12月期はマイナス43.4パーセント、2021年12月期は13.2パーセント、2022年12月期は19.9パーセント、2023年12月期は10.9パーセント、2024年12月期は7.6パーセント、2025年12月期は3.6パーセントとなっています。
売上構成ではAIソリューションの比率が増加している点が特徴です。
AIソリューションとAIプロダクトの事業状況
AI関連事業の現状についてご説明します。AIソリューション(FDE)は、第2四半期のプロジェクト数は88件で前年同期の79件に対してプラス11パーセントでした。高付加価値案件の獲得が進み、2026年12月期上期時点で計画比47パーセントの進捗となっています。複数月・大型契約の増加により平均単価は470万円へ上昇しました。取引社数の拡大により中長期的な収益機会を拡充します。
AIプロダクトは新規取引先へのアプローチが奏功し、2026年12月期上期時点で計画比64パーセントの進捗率となっています。アカウント数は32社、アカウント当たり平均単価は720万円で推移し、前年同様の安定した収益性を維持しています。このアカウント数はZMEETINGを除くVoice Contact、Terry、Terry2、FAST-Dで算出しています。
2026/12期通期見通し(業績見通しの修正)
先ほどのAI関連事業の状況を踏まえ、続いて2026年12月期の通期見通しについて説明します。売上高は14億5,000万円、前期比プラス30.4パーセントとなる見込みです。上期の実績では前期に実施した事業譲受の影響が本格的に寄与しました。下期の見通しではコラボテクノ社の取得によりFDE事業の更なる推進を見込んでいます。
AIプロダクトは5億5,000万円、前期比プラス27.4パーセントとなる見込みです。AIソリューションは9億円、前期比プラス32.2パーセントとなる見込みです。
営業利益は1億100万円、前期比プラス161.9パーセントとなる見込みです。営業利益率は7パーセントで、前期から3.5ポイントの改善となる見込みです。
経常利益は1億円、前期比プラス154.2パーセントとなる見込みです。経常利益率は6.9パーセントで、前期から3.4ポイントの改善となる見込みです。
当期純利益は3,200万円、前期比プラス74.8パーセントとなる見込みです。当期純利益率は2.2パーセントで、前期から0.6ポイントの改善となる見込みです。
EBITDAは1億6,700万円、前期比プラス104.4パーセントとなる見込みです。EBITDAマージンは11.6パーセントで、前期から4.2ポイントの改善となる見込みです。M&Aに伴うのれん償却費の負担はあるものの、現金創出力は増益基調を示すと見込んでいます。
今回の業績見通しは2026年8月14日付で修正したものです。
Voice AI Agent Platform(VAAP)企業への進化
先ほどの業績見通しを踏まえ、続いて中期成長戦略としてVoice AI Agent Platform、すなわちVAAP企業への進化について説明します。
当社は音声AI企業からVoice AI Agent Platform、いわゆるVAAP企業へ進化します。市場は業務を補助するAIから業務そのものを代行するAIエージェントへ移行しています。これに合わせて当社は個別AIプロダクト提供モデルから共通基盤であるVAAP上に複数の専門AIエージェントを展開するPlatformモデルへ転換します。1社に1製品を売るビジネスから1社に複数Agentを広げるビジネスへ移行します。
VAAPは単なるAI提供の基盤ではなく、顧客の業務をAI Agentで順次置き換え、ARRを積み上げる成長基盤です。
中期成長戦略の全体像
中期成長戦略の全体像についてご説明します。当社はオーガニック成長とインオーガニック成長を両輪として中長期の成長を加速させる計画です。
まずインオーガニック成長は技術・顧客基盤・業界ノウハウの蓄積を通じて顧客課題に応じたAI導入やFDE開発、PoCや業界別ソリューションの提供を進めます。
次にAI Product VAAP事業は共通プラットフォーム化でストック収益を拡大し、エージェントの増加に伴ってARRが積み上がる月額ライセンスモデルを目指します。
最後にAI Solution FDE事業はM&Aや資本提携による非連続成長を目指し、コラボテクノを起点とした事業拡大と販売代理店・パートナー網の拡大を進めます。
売上比率はオーガニックの①+②と非連続の③の比率が6対4です。右側のグラフは売上高の積み上げグラフで、構成要素はAI Solution FDE事業、AI Product VAAP事業、インオーガニック成長の3つです。
中期経営ビジョン ─ 製品を売る会社から、プラットフォームを提供する会社へ
続いて、既存事業の質的成長に向けたオーガニック成長とVAAP戦略について説明します。
中期経営ビジョンについてご説明します。LLMのコモディティ化により競争の土俵はモデル保持から業務統合プラットフォームへ移行しています。そこで当社は音声認識の提供から日本を代表するVoice AI Agent Platformerへ事業転換します。
従来の製品単発販売モデルでは技術者を投入して単発売上を得る構造でしたが、今後はAgent稼働と継続収益 ARRによるストック型の構造を目指します。
一度つくれば何度でも使えるプラットフォームをめざし、共通基盤を一度つくり全事業で使い回す方針です。PoCから本番運用、継続改善まで当社が一貫して担い、プラットフォーム上で業務プロセスが継続的に進化する仕組みを構築します。共通基盤、部品、リファレンス、業界ソリューションの4層アーキテクチャで提供し、部品を組み替えて用途ごとのエージェントを実装できる構造を目指します。これにより継続的な収益基盤の構築を図ります。
VAAPの全体像 ─ 4層アーキテクチャ
VAAPの全体構造についてご説明します。当社は音声認識や異音検知など音に関する独自のコア技術と現場実装ノウハウを保持しています。基盤からソリューションと実装までの4層を一気通貫でカバーすることで短期間で模倣されにくい競合優位性を確立しています。
L1は共通基盤でありASRやVoice AI Engine、LLMのオーケストレーションやセキュリティ、モニタリングを含みます。
L2はAgentの心臓部でありAgent EngineやWorkflow Engine、ナレッジ管理や外部連携のコンポーネントを提供しAgent StudioやBuilderなどが該当します。
L3は用途別の完成形であるReference Agent群を指しContact AgentやMeeting Agent、Industrial Agent、Compliance Agent、Knowledge Agentといったユースケースや既存プロダクトとしてVoiceContact、Terry、Terry2、ZMEETING、VoiceDigestなどがあります。
L4は業界別の業務ソリューションとして業務ワークフローや実装支援サービスを最終アウトプットとしFDEやSIer Marketplaceなどの実装支援を想定しています。
加えて当社はオープンソースから商用まで複数のAIモデルを柔軟に組み合わせるMulti-LLMアーキテクチャを採用しています。これにより性能やコストや用途に応じて最適なモデルを選択し切替でき特定モデルへのロックインを回避しつつ顧客のAI利用コストを最適化できます。
VAAPが目指す姿 ─ 戦略の中身
VAAPの戦略の中身についてご説明します。一度作ったAgentやWorkflow、Knowledgeを再利用して組み替えることで、業務ごとに迅速にソリューションを展開できる仕組みです。部品をそのまま使い回して上の層を素早く組み上げることで、案件ごとの開発コストは逓減し、提供スピードと利益率が向上します。新しいAgentやTool、LLMを追加することで機能拡張が可能になり、顧客の業務変更に即応できる点が強みです。
顧客はどう買い、どう業務が変わるか
顧客の購買プロセスと導入後の業務変化についてご説明します。顧客はマーケットプレイスから業務に近い見本であるReference Agentを選びます。選んだ見本に自社のマニュアルや通話ログを読み込ませ、AgentやWorkflowなどの部品を足し引きして組み替えます。共通基盤であるVAAPの上で動作するため接続・権限・運用のための作り直しは発生せず、短期間で自社専用のAgentとして稼働します。
受電・一次応対から記録・要約、品質チェック、ナレッジ活用まで一続きに業務が改善されます。受電の応対後処理時間が約40パーセント削減、議事録作成時間が約80パーセント削減などの導入効果が想定されています。
1体から導入できるため導入のハードルが低く、Agentを増やすほど1顧客あたりの取引額であるARPU・LTVが拡大します。
Why Hmcomm ─ なぜVAAPで当社が勝てるのか
VAAPを軸に当社が競争優位を確立できる理由についてご説明します。AI Agent市場は年率40パーセント超で成長予測されており、労働人口減少に伴う自動化ニーズや業務効率化・顧客体験向上のためのAI実装ニーズが急増しています。
当社はVoice AI Agent PlatformであるVAAPを完成させ、Terry2 miniの投入、FAST-Dの展開、FDE事業開始をコラボテクノ社と進め、販売代理店網の拡大とM&Aにより実装力と人材を補完しています。
主要プロダクトはVoice Contact、Terry、Terry2、ZMEETING、VoiceDigest、FAST-Dです。
今後はARRの積み上げによりAI Product比率を高め、EBITDAと利益の拡大を図って企業価値を高めることを目指します。
長年の音声AI技術と現場業務の知見、顧客基盤、AI実装ノウハウ、音響ローデータがVAAPの競争優位の源泉となっています。
Hmcommの中長期成長を支える競争優位
当社の競争優位性と中長期成長の支えについてご説明します。AIモデルが調達可能な時代において差がつくのは、顧客の業務に合わせてAIを稼働させ続け、現場に定着させ、成果を持続させる力です。当社は音声AI技術と業界業務の知見と現場実装力であるFDEを併せ持っており、この一気通貫の体制が短期間では再現できない競争優位になっています。
技術面では音声認識、音声合成、音声解析と感情解析、異音検知と音環境解析、LLMや対話エンジン、マルチモーダルAIを保有しています。
ドメイン面ではコンタクトセンター、製造やインダストリー、エネルギーやインフラ、自治体や公共、金融や保険、通信やキャリアといった業界における業務知見とデータ資産を有しています。
FDEは要件定義と業務課題整理、業務設計やBPR、AI実装とシステム構築、運用支援と保守改善、現場定着とチェンジマネジメント、人材育成と伴走支援を包含しており当社グループが実務を担っています。
長年の研究開発と実装で培った高度な音声AIコア技術と多様な業界での業務知見とデータ資産が当社の競争力を支えています。当社はVoice AI Agent PlatformであるVAAPの社会実装を加速し、この競争優位を事業成長につなげていきます。
本論点整理は機関投資家との建設的対話を目的に政策文脈を踏まえて独自に構成したものです。
「Voice AI Agent Platform(VAAP)」戦略投資方針
VAAPにおける戦略的な投資方針についてご説明します。単独開発からオープンなVoice AIエコシステムの構築へ移行する方針です。
年間投資枠は1億円〜3億円で、当社自己資金より充当します。対象領域はVoice AI、LLM、音声UI、業界特化AIスタートアップ等です。1社あたり投資規模は数100万円〜3,000万円で、出資・PoC支援・共同開発を想定します。投資形態は資本業務提携・M&A、PoC共同投資、ハンズオン支援です。
目指す姿は次世代業務インフラの実現とストックであるARRの向上です。
重点領域は四つで、AREA 01はVAAPコア技術・機能の強化、AREA 02はMarketplace Agentの急速拡大、AREA 03はAI Native SaaSプラットフォーム連携、AREA 04は将来のM&A・事業統合パイプラインの構築をそれぞれ推進します。
エコシステム循環モデルはパートナーへの出資・提携、共同技術開発とMarketplace拡大、顧客導入によるARPUおよびARRの拡大の流れを想定します。
投資枠・規模は現時点の方針であり案件内容により変動します。
M&A戦略の基本方針
引き続きインオーガニック成長について、M&Aにより不足する能力を取得してVAAPを非連続に拡張する方針を説明します。
当社のM&Aに関する基本的な方針についてご説明します。M&AはVAAPに不足する能力を取得するための投資です。当社のM&Aは売上や利益を買い足して規模を大きく見せるものではありません。VAAPを拡張するうえで不足するピースを時間を買う形で取得する戦略投資を行います。
取得理由は必ず四類型のいずれかに紐づけて意思決定します。第一は導入力でありエージェントをPoCから本番運用まで届ける実装力です。
第二は連携力でありCRMやCTIや音響機器との接続によりエージェントの搭載先と販路を広げることを指します。
第三は業界ケイパビリティであり特定業界や業務に特化した知見・人材・データを獲得することを指します。例として金融や公共やBPO等の専門人材があります。
第四は継続収益基盤であり保守運用やBPOのストック収益基盤を獲得してARRの拡大を加速することを指します。
対象の選定はSWOTの4軸である強みの強化、弱みの補完、機会の拡大、脅威への対処に基づき行います。第3号コラボテクノを足掛かりに規律あるAIロールアップを推進します。
M&Aの規律と推進体制
M&A推進の規律と体制についてご説明します。コラボテクノでAgentを本番運用まで届ける実装力を獲得しました。M&Aは非連続な成長をもたらす一方で統合の失敗やのれんの減損リスクを伴います。当社は買って終わりにしないため、選定から統合までを一貫管理する専門体制を事前に整えています。
まず財務規律として取得価格の妥当性とのれん回収確度を厳密に評価し、割高や回収困難な案件は見送ります。次に取得理由はAからDの四類型に紐づけ、目的の曖昧な買収は実行しません。さらにPMI計画は統合100日計画を取得前に承認し、統合とシナジー創出の道筋を事前に検証します。
推進体制はCEO直下にM&A/PMI推進室を置いており、サーチ&買収実行チームとPMI実施チームが実務を担います。投資委員会は諮問と最終判断を担います。
案件の位置付けとして、第1号は2025年2月の株式会社IPパートナーズの事業譲渡で、業界知見を有するコンサルタント人材を拡充しAIソリューション事業の強化に寄与します。
第2号は2025年8月のファンタラクティブ株式会社の事業譲渡で、体験設計からUI/UXデザインまで一貫対応しプロダクトの顧客満足度向上に寄与します。
第3号は2026年5月のコラボテクノ株式会社の株式取得で90パーセントを取得し、エンジニアリング領域の強化を目的としています。
個別案件の財務詳細は開示資料をご参照ください。本ページは戦略的意義を示すものです。
M&A実行事例:コラボテクノ株式会社
コラボテクノ株式会社の株式取得についてご説明します。当社は第3号案件としてコラボテクノの株式90パーセントを取得し、AIエージェントを顧客現場で本番運用まで導く実装力である現場常駐エンジニアすなわちFDEを獲得しました。この獲得が外部SI待ちで止まっていた商談を自社で完結できる体制につながり、PoC止まりを解消する中核の能力となりました。
第3四半期から連結を開始することに伴いのれん償却費が発生します。FDE事業の立ち上げとPMIによるシナジーである案件単価の向上と開発生産性の向上がのれん償却費を上回り、通期目標の達成を牽引する見込みです。
今回の取得は今後の規律あるM&AによるAIロールアップでVAAPを拡張する雛形となる点も重要な意義です。
M&A推進の進捗状況
M&A推進の進捗についてご説明します。M&A推進本格稼働から第1四半期末までの約6カ月でスコープ内案件114社を精査しました。CEO直下のM&A/PMI推進室を中心にソーシングから統合までを一貫して推進しています。
PMIの進捗として第3号案件では第2四半期に経営管理体制の構築、グループルールの適用、商流と顧客の相互把握を完了する予定です。第3四半期には共同提案体制を始動し、当社のAIプロダクトと相手先のコンサルティング人材を組み合わせた高付加価値ソリューションの提供を予定しています。
M&Aおよび事業譲受のクライテリアは技術・事業シナジー、顧客基盤の拡大、人材の獲得、財務的規律の四点です。技術・事業シナジーでは音×AI領域における機能補完や当社技術の迅速な適用が可能な事業ドメインの取得を重視しています。顧客基盤の拡大ではクロスセルが期待できる良質なエンタープライズ顧客基盤の取得を目指しています。人材の獲得ではAI開発エンジニアや上流コンサルタント等の即戦力となるプロフェッショナル人材の確保を重視しています。財務的規律では適正なバリュエーションでの取得と、のれん回収確度としてEBITDA等を用いた厳密な評価を実施しています。
クロージングは第3号案件の完了で累計1件となっています。今後も同じ規律に基づきインオーガニック成長を推進していきます。
インオーガニック戦略の財務規律と資本配分(Capital Allocation)
インオーガニック成長における財務規律と資本配分についてご説明します。手元流動性と創出キャッシュを原資に、厳格な投資回収基準で資本循環を徹底します。潤沢な手元資金は滞留させず規律ある戦略投資の原資として活用し、資本効率 ROE/ROIC の向上につなげます。投資原資と手元流動性として第2四半期末現預金 10億9,800万円 による十分な手元流動性と実質無借金の強固な財務健全性を維持しています。年間1〜3億円規模の戦略投資枠を自社キャッシュで賄う余力を確保しています。
M&A・資本提携の財務規律では、買収マルチプル EV/EBITDA によるバリュエーション規律を徹底します。のれん回収基準として原則3〜5年以内でのEBITDA回収を必須条件にしています。減損リスク抑制のために100日PMI計画の事前策定とEBITDA創出力の厳格評価を行います。
コラボテクノ第3号案件では、取得対価1億3,500万円に対し、第3四半期以降のFDE事業本格化による上乗せ営業利益とEBITDAでのれん償却費を早期に十分吸収し上回る見通しです。
本資料の見通しは一定の前提に基づくものであり、将来の計画数値や施策の実現を確約・保証するものではありません。
説明は以上です。ご参加ありがとうございました。
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