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TOA株式会社6809

東証プライム

電気機器

【基本情報】株価:1,628円(2026年7月31日終値)/配当利回り:5.22パーセント

国内の注目銘柄を紹介する連載「ログミーFinanceの#銘柄発掘」。ビジネスモデルやファンダメンタルズの分析を通じて、中長期で保有できる優良銘柄の見極め方が身につく実践的シリーズです。今回は、TOAを取り上げます。

非常用放送設備で国内シェア50%以上、音響売上が83%

TOA(6809)は、学校や商業施設、工場、自治体、駅・空港などに、非常用・業務用放送設備や防犯カメラを提供する業務用音響・情報伝達機器メーカーです。2026年3月期の製品分野別売上構成は、音響が83パーセント、映像が13パーセント、鉄道車両が4パーセントでした。

主力の非常用放送設備は、国内シェア50パーセント以上で首位となっています。非常用放送設備は法規への対応に加え、施設ごとの設計や機器選定、音響調整などのノウハウが求められるため、長年の納入実績は参入障壁となります。この顧客基盤は、既存設備の更新需要を取り込むだけでなく、ネットワーク機器や運用・保守サービスを提案する土台にもなります。

売上高553.9億円・営業利益46.6億円で過去最高

2026年3月期は、国内の官公庁、商業施設、オフィス向けを中心に納入が伸び、売上高553.9億円、営業利益46.6億円と過去最高を更新しました。増収と原価率の改善により、営業利益率も前期の7.1パーセントから8.4パーセントへ上昇しています。

これに対し、2027年3月期の会社予想は売上高565億円、営業利益47億円で、営業利益は前期比0.9パーセント増にとどまります。国内売上を前期並みと見込むため、前期の利益拡大を支えた国内の増収効果が弱まるうえ、設備投資は11.1億円から21.8億円へ増え、減価償却費も18.7億円から19.7億円へ増加する計画です。

海外の大型案件や原価率改善で増益を目指すものの、売上成長の鈍化と先行投資の負担が利益の伸びを抑え、営業利益率は8.3パーセントへわずかに低下する見通しです。

「報せるソリューション」で収益基盤を拡大

こうした先行投資の中心となるのが、既存の放送設備事業を「報せるソリューション」へ広げる取り組みです。マイクやカメラ、交通・気象情報などの外部システムから情報を集めて分析し、音声放送だけでなく、映像や光なども組み合わせて、その場に応じた手段で情報を届けます。

さらに、機器を納入するだけでなく、情報伝達の設計や運用方法の提案、システム構築、保守・運用まで一貫して担うことで、ソリューション収益とストック収益の拡大を狙います。

この事業モデルを海外にも展開し、アジア・パシフィックでは、他社システムとの連携や施工・保守・運用サービスを強化する方針です。同地域の売上高は2026年3月期の121億円から、2029年3月期までに約31パーセント増やす計画です。

成長投資120億円+α、2029年3月期売上高600億円を目標

一方、新中計では、3年間で約120億円+αの成長投資に加え、社内システムや生産設備、本社改修など約55億円の基盤投資を計画しています。

これに対し、2029年3月期の目標は売上高600億円、営業利益51億円、ROIC(投下資本からどれだけ利益を生んだかを示す指標)6.6パーセントです。2026年3月期のROICは6.4パーセントで、営業利益の年平均成長率も約3パーセントにとどまります。

今回の中計は将来の成長に向けて事業基盤をつくる期間と位置づけられていますが、投資額に比べて利益と資本効率の改善目標は小幅です。ストック収益やネットワーク関連売上などの定量的な進捗指標も限られていることから、先行投資が次の成長につながるかについては、適宜検証が必要になりそうです。

DOE5%以上を基準に年間85円の安定配当

株主還元は、DOE(株主資本に対する配当割合)5パーセント以上を基準とする年間85円の安定配当と、連結配当性向85パーセントで算出した配当額のうち、高い方を目安としています。

2027年3月期の年間配当予想は85円で、前期実績の90円から5円減りますが、安定配当の水準は維持されます。今後は、「報せるソリューション」や海外での保守・運用サービスを収益化し、ストック収益の拡大と営業利益率、ROICの向上につなげられるかがポイントになりそうです。

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今回のモデレーターは関本圭吾氏です。

元機関投資家として、アナリスト、ポートフォリオマネージャーを歴任した関本圭吾氏。企業への直接取材等に基づくファンダメンタルズベースの運用を行うファンドで運用に携わった経験を持ち、投資家目線と企業目線の両方を熟知しています。機関投資家としての豊富な実務経験を活かし、対談形式のセミナーでは、投資家が本当に知りたいポイントを的確に引き出し、企業の投資魅力を多角的に浮き彫りにします。企業の本質的な価値や成長戦略について、わかりやすく深掘りするモデレーションにご期待ください。

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TOAが登壇する8月22日(土)開催セミナー

タイムテーブル
・11:05〜11:55
 ①高千穂交易(2676)
・12:00〜12:50
 ②大石産業(3943)
・12:55〜13:45
 ③ガイアックス(3775)
・13:55〜14:45
 ④第一実業(8059)
・14:55〜15:45
 ⑤パワーソリューションズ(4450)
・15:50〜16:40
 ⑥TOA(6809)

▼詳細・視聴予約はこちら【IRセミナー特設ページ】
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執筆者プロフィール

執筆:西田哲郎
ライター・コンテンツディレクター。投資歴15年。大きな損失を出したことをきっかけにイナゴを卒業、ビジネスモデルとファンダメンタルズ重視の手法に切り替える。業界紙やスタートアップを経てフリーで投資情報メディアやM&A情報サイトの立ち上げに関わり、現在は主に週刊誌で投資や経済関連の記事を執筆。

※記事内容、企業情報は2026年7月21日時点の情報です。
※当記事内容に関連して投資等に関する決定を行う場合は、ご自身の判断で行うものとし、当該判断について当社は一切の責任を負わないものとします。なお、文中に特定の銘柄の投資を推奨するように読み取れる内容がある可能性がございますが、当社および執筆者が投資を推奨するものではありません。
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