logmi Finance
logmi Finance
株式会社CAC Holdings4725

東証プライム

情報・通信業

目次

西森良太氏(以下、西森):みなさま、こんにちは。株式会社CAC Holdings代表取締役社長の西森です。それではさっそく、決算の説明に入ります。

スライドは本日の目次です。この目次に沿ってご説明します。

エグゼクティブサマリー

まず初めに、エグゼクティブサマリーです。全部で4点ございます。1点目は、事業ポートフォリオ変革の推進についてです。

当社は中期経営方針「CAC Vision 2030 Phase2」の中で事業ポートフォリオの変革を掲げています。その進捗状況としては、2026年にかけてM&Aによって獲得した事業と合わせて、売上高が全体の25パーセントまで新しい領域で占めることができたというご報告です。こちらについては後ほど詳しくご説明します。

2点目は、第2四半期の業績についてです。進捗状況は概ね想定どおりで、売上高は前年同期比で8.2パーセント増加の272億円、調整後EBITDAは前年同期比4.5パーセント減少の20億9,000万円となりました。

通期業績予想に対する進捗率は、ともに50パーセントを超えており、期初の想定どおりの結果となっています。

3点目は、中間配当についてです。当社の2026年年間配当予想は1株あたり100円であり、中間配当として50円を実施します。また、配当方針については、DOE5パーセント水準を継続します。

最後の4点目はお知らせですが、当社は今年で創業60周年を迎えます。この60周年を記念して、1,000円相当の株主優待を実施します。

連結業績概況 前年同期比

続きまして、2026年12月期第2四半期の決算概況についてご説明します。売上高は、M&Aによってグループ入りした国内新規連結子会社の寄与や、インドを中心とした海外事業の成長により増収となりました。前年同期比8.2パーセント増の272億4,100万円となっています。

売上総利益は、売上高の伸びに伴い、前年同期比11.4パーセント増加の75億4,700万円となりました。また、売上総利益率は0.8ポイント向上しています。これは、M&Aによって新規に獲得した会社の売上総利益率が45パーセントを超えており、既存の国内IT事業の売上総利益率も高い点が寄与している状況です。

一方で、販管費はM&Aに関する費用の一時的な計上や人的資本への投資、さらにAIに関する成長投資の継続等によって増加しました。その結果、営業利益は前年同期比13.5パーセント減少の14億1,100万円となりました。

経常利益については、投資事業組合の運用損が縮小し、昨年多かったその損失が圧縮されたことで営業外費用が減少しました。結果として、経常利益は前年同期比6.4パーセント増加の12億7,400万円となりました。一方、特別損益については、投資有価証券の売却益があったものの、昨年と比較して減少したため、税引前純利益は減少しています。

中間純利益ですが、法人税の減少があり、若干入り繰りの部分があるものの、結果として前年同期比23.2パーセント増加の19億6,900万円となりました。

経営指標としている調整後EBITDAは、営業利益とほぼ同じ動きをしています。主に、新規連結子会社3社の収益の寄与や海外ITの増収がプラスに寄与しました。一方で、M&Aにかかる一時費用、人的資本および成長投資の増加、IT投資、海外ITにおけるハードウエア比率の上昇などが影響し、減少しています。

その結果、前年同期比4.5パーセント減少の20億9,300万円となりました。

受注高と受注残高についてですが、国内IT事業の新規連結の寄与に加え、海外IT事業やインド・インドネシアの受注力増加により、いずれも増加しました。受注高は前年同期比12.1パーセント増加の287億3,500万円、受注残高は前年同期比11.3パーセント増加の204億4,200万円となりました。以上が概況です。

売上高は新規連結の寄与および海外IT事業の伸長により前年同期比20.7億円増加

売上高の増減分析についてご説明します。スライドにウォーターフォール型のグラフで示しています。グラフの一番左が2025年度第2四半期、昨年度の数値であり、一番右が今年の第2四半期の数値となっています。

内訳としては、真ん中の青い部分が国内ITの新規連結3社による21億1,000万円の増加、それから為替の影響4,000万円を含み、海外ITの伸びが10億2,000万円となり、これが増加分です。一方で、国内ITの既存事業では10億7,000万円の減少となり、差し引きで前年同期比20億7,000万円の増加となりました。

調整後EBITDAは増収による粗利押上げ効果があったものの、新規連結会社の販管費増加、M&A関連一時費用や人的資本・成長投資の増加等により前年同期比1.0億円減少

調整後EBITDAの増減分析についてです。真ん中の青い部分をご覧ください。まず、新規連結会社の売上総利益の寄与が11億4,000万円ありました。また、海外ITの増収効果により2億5,000万円の増加となっています。そのほか、為替の影響を含めたプラス要因が9,000万円となりました。

一方で、減少要因としては、国内IT事業の減収に伴う影響が2億9,000万円、新規連結子会社における販管費の増加が9億1,000万円ありました。

さらに、M&Aによる一時費用および人的資本・成長投資が1億4,000万円と7,000万円となり、それらが減少要因となっています。また、海外ITのハードウエア販売比率の上昇による影響が1億7,000万円でした。結果として、前年同期比で1億円減少の20億9,000万円となりました。

受注高および受注残高も国内新規連結の寄与と海外子会社の伸長により増加

セグメント別の受注高および受注残高についてご報告します。受注高は国内IT、海外ITともに伸びていますが、国内ITは前年同期比6パーセント増加、海外ITは前年同期比32.4パーセント増加と、特に海外ITの増加率が高い結果となっています。

その結果、本年度の構成比では海外ITが前年同期比で4.2ポイント上昇し、全体の約3割弱に達しています。

受注残高については、国内IT、海外ITともに11パーセント台の増減率で伸びています。結果として、全体で11.3パーセント増加となりました。

国内新規連結および海外子会社の伸長により受注高・受注残高ともに高水準

受注高および受注残高のトレンドについてご説明します。スライド左側のグラフが受注高の推移、右側のグラフが受注残高の推移です。受注高のグラフは、各年度の上期・下期それぞれでの受注高の推移を示しており、過去5年間のデータが表示されています。その中でも現在は高い水準となっています。

スライドの青い部分が国内IT、少し薄い部分が海外ITを示しています。受注高については、国内ITが前期の下期と比較して伸びている傾向にあり、全体として高い水準を維持しています。

受注残高の推移を示したグラフについてですが、過去5年間で最も高い水準となっています。受注高・受注残高ともに高い水準にあると認識しています。これは主に、国内の新規連結が大きく寄与した結果です。

売上高・調整後EBITDAともに概ね想定通りの進捗

2026年12月期通期の業績予想についてご説明します。エグゼクティブサマリーでもご報告しましたが、通期の業績予想に変更はありません。

指標として売上高と調整後EBITDAを用いていますが、売上高の通期業績予想に対する進捗率は52.9パーセント、調整後EBITDAの進捗率は54.4パーセントとなり、おおむね想定どおりの進捗状況です。そのため、通期業績予想については変更しない方針です。また、中間配当は1株あたり50円、配当方針についても変更はありません。

既存領域から隣接・非連続領域への展開状況

中期経営方針における「CAC Vision 2030 Phase2」の進捗についてご報告申し上げます。まず、当社グループの中期経営方針では、スライド左側のグラフにあるとおり、既存の事業であるシステム開発・運用からAIによるTransformationを進め、隣接領域における事業展開を図っています。この取り組みを「AI Transformation」と呼んでいます。

また、それ以外の非連続領域について一層強化するために、M&Aや新規事業の開発を通じた拡大を目指しています。

スライド左の図に示されている内容を基に、売上高を四半期ごとに示したのが中央の棒グラフです。2025年第4四半期から継続している流れの中で、2026年第2四半期では、最上部に位置する新規事業やM&Aで獲得した事業などの非連続領域が17億円(前期比プラス11億円)と伸長しています。これは主にM&Aにより獲得した新規連結3社が大きく寄与したものです。

また、この非連続領域と隣接領域を合わせて、今回は売上比率が24.9パーセントに達しており、大幅な上昇を記録しています。今後も非連続領域と隣接領域の伸び率を引き続き維持・拡大していきたいと考えています。

AI Transformation システム開発・保守・運用の主役は、AIエージェントへ

先ほど隣接領域でお話ししました、AI Transformationによる進捗についてご説明します。システム開発・保守・運用が従来の労働集約型からAIを活用したエージェント型へと移行していく必要性があり、その進捗状況に関する内容です。

まず、スライド左端に示されている既存事業へのAI適用についてですが、「パイロット実績」と記載のとおり、実際のプロジェクトで計測した成果を指します。こちらではAIの適用比率が向上しており、プロジェクトの自動化率が50パーセントを超える実績も確認されています。

それから、スライド真ん中にある自社開発のAI駆動開発基盤の提供についてです。こちらは「AZAREA Agent+」という自社ツールを開発しており、その開発目標として、設計の自動化率を60パーセント程度、保守工数の削減を30パーセント程度目指して進めています。

現在、最終段階の検証に入っており、この開発目標である自動化率および削減率を概ね達成できる見込みであることが確認されています。また、このツールを利用したプロジェクトへの適用も検討しており、現在10件程度のプロジェクトが対象となっています。今後、適宜このAI駆動開発基盤を適用しながら開発を進める予定です。

それから、一番右側のパートナー企業とのAI駆動開発基盤の提供ですが、こちらはベトナムの大手ITベンダーであるFPT社との協業によるものです。FPT社はAIに関するソリューションを当社と同様に持っており、すでに提案の目安として掲げている目標数値があります。

具体的には、コスト削減提案が15パーセント以上、運用・監視工数削減が40パーセント程度という目標を掲げてソリューション化しています。

当社はFPT社とともに、このソリューションをお客さまに営業している状況で、実際の反応も非常に良好で、商談に進んでいます。今後、受注に向けてさらに力を入れていきたいと考えています。

ピックアップニュース

ピックアップニュースです。隣接領域の例として、ベトナムのFPT社との取り組みについてご説明します。こちらは、CAC HoldingsがFPT社と共同で「アップストライド」という合弁会社を設立している件です。

当初、「アップストライド」では、FPT社が持つベトナムでのソリューションを日本へ展開するローカライズの取り組みと、インフラ事業の展開という2つを目標として掲げていました。しかし、前のスライドでお伝えしたとおり、AI駆動型開発も推進する方針となり、協業の幅と深さが一層強化されている状況です。

こちらの目指すところは、AIを活用した新規事業展開やITインフラ構築・運用サービスの提供拡大を通じて、中長期的な成長を実現することであり、力を入れている状況です。

スライド右側は、当社が推進しているAI Transformationの一環で、このたび、CACグループの国内外の全グループ会社で、AIアシスタント「Claude」を導入することを決定しました。

現在の我々はシステムインテグレーターですが、そこからAIを使いこなす「AIネイティブ会社」へと進化したいと考え、この分野に力を注いでいます。

具体的には、先ほどお話しした「AZAREA Agent+」への組み込みを筆頭に、グループ内の全事業への適用を目指しています。また、システム構築やBPOの自動化にも「Claude」が活用できると考えており、こちらにも注力していく所存です。

また、AI Transformation全体の投資として、5年間で20億円を投資することを決めており、その一環となります。

ニッチ市場でのトップシェア事業獲得とAI技術による新規事業開発によりポートフォリオを拡大中

先ほどのスライドに示されたグラフ中の非連続領域の状況について説明します。スライドには「ニッチ市場でのトップシェア事業獲得」と記載されていますが、それぞれニッチ市場に特化しつつもトップシェアを誇る強みを持つプロダクトやサービスのソリューションが拡充してきたことをご報告します。

スライド一番上のJEMS社については、廃棄物管理のソリューションを提供しています。今年獲得したJEMS社は、ニッチ市場ながら非常に強力な存在であり、市場で売上No.1のソリューションを提供しています。

次に、「moconavi」というソリューションは、昨年末にグループ入りしたレコモット社が提供しており、クラウドMAM市場においてNo.1の地位を確立しています。

また、2024年に獲得した「Dr.工程Family」、そして従来から保有している「ケアレンツ」といったソリューションも含め、ニッチ市場では非常に競争力の高いソリューション群が揃いつつあります。このような強力な体制を背景に、今後も積極的に獲得活動を続けていきたいと考えています。

スライド中央の青い帯に示されているのは、当社がAIを活用して構築している新規事業であり、こちらの分野も拡充が進んでいます。現時点では事業規模が小さいためグロースには時間を要する可能性がありますが、その中には急成長が見込めるプロダクトもいくつか見られます。

「Lumicite」は「LLMO」、つまり「Large Language Model Optimization」のソリューションです。これは、現在Google検索ではなくAIを使用した検索が主流となりつつある中で、その最適化とブランド化を行うコンサルティング事業です。

これらのソリューションは非常に引き合いが強く、お客さまからも高い評価をいただいており、今後大きく拡大できると考えています。引き続き注力していきます。

創業60周年記念株主優待のご案内

トピックスについてお話しします。エグゼクティブサマリーでもご説明しましたが、当社は今年で創業60周年を迎えました。設立記念日は8月8日であり、先週その日を迎えました。これを記念して、お客さまや株主さまへの感謝を込めて、1,000円相当のQUOカードPayを贈呈する予定です。

配当についてですが、先ほど中間配当が50円とお伝えしました。7月30日時点の株価終値で試算すると、配当利回りは5.4パーセントとなり、この0.5パーセントの優待を加えると、100株保有の場合の配当利回りは約5.9パーセントとなります。配当利回りとしては非常に高い水準になっていると自負しています。

インド子会社「Great Place To Work」に2年連続で認定

トピックスがもう1つございます。当社のインド子会社が2年連続で「GPTW(Great Place To Work)」という認定を受けたことについてご報告します。

昨年も、インド子会社であるInspirisys Solutions Limitedがこの認定を受けました。同じ子会社が連続して認定を受けたことで、社員の働く環境についてグループ全体で改善を進める活動を展開していることが示されています。

質疑応答:AI導入の狙いについて

司会者:「グループ全体でAnthropic社の『Claude』を導入する狙いについて教えてください」というご質問です。

西森:当社はAI Transformation を中期的な経営方針として掲げており、5年間で総額20億円の投資を予定しており、今回のClaude採用はその一環と位置付けています。

狙いは、IT企業として最先端のAIを使いこなせる、AIネイティブな会社を目指すことです。また、実際に当社事業へ適用して得られる知見を活用し、お客さまへの価値創造につなげたいと考えています。

なお、OpenAIとも契約しており、こちらはセキュリティ関係のソリューションなどへの活用を進めています。

質疑応答:通期予想に対する上期の進捗率と下期の計画について

司会者:「上期の進捗率は売上高が52.9パーセント、調整後EBITDAが54.4パーセントである一方で、通期予想を据え置いた理由と下期計画の前提について教えてください」というご質問です。

神子田達雄氏(以下、神子田):執行役員CFOを務めています神子田と申します。上期は数字の通り順調と考えています。下期にはM&Aの効果(連結寄与)がある一方、現在は事業ポートフォリオの変革・拡張を進めており、変化に向けた投資やリソースのアロケーションも考えています。

短期的な数字は保守的に見つつ、変化を優先させたい考えであり、この背景から上期が順調であっても下期は少し保守的に見ています。

質疑応答:AI進化による未来のグッドシナリオとバッドシナリオについて

司会者:「AI活用のお話がありましたが、西森社長が今の時点でお考えになっているAI進化に伴う未来のグッドシナリオ、逆にこうなると大変だというバッドシナリオをお聞かせください」というご質問です。

西森:バッドシナリオは、AIを活用したシステム構築・運用への移行に対するソリューションを持てないことです。お客さまはAIを活用するか迷っている段階ですが、今後数年間で必ずAIを使うかたちになると確信しています。従来の労働集約型のビジネスのやり方では成り立たなくなり、その手段しか持たなければお客さまから仕事をいただけなくなります。お客さまが内製化する場合もありますし、AIを使いこなせる企業に内製化支援や、AIを使ったシステム構築・運用を求めるようになると考えています。これは近い将来、1年から2年で始まると見ています。

グッドシナリオは、従来の労働集約型事業がAIを使いこなせるかたちへ転換し、その分野でトップを走る企業になることです。そのためにはまずシステム開発・運用におけるAI活用比率を高め、実績を積む必要があります。加えて、AIを活用して新しい事業・価値を生み出せる企業になることです。新規事業にも投資しており、AIを活用した新たな価値創出の方法を試行錯誤しながら力を付け、世の中の動きに間に合わせたいと考えています。

質疑応答:配当水準とキャッシュアロケーション方針について

司会者:「DOE5パーセントを掲げていますが、さらに配当水準を上げる余地はどの程度あるとお考えでしょうか?」というご質問です。

神子田:株主還元にすべてを振り向けるのであれば、余地はあると考えています。ただし、当社はキャッシュアロケーション方針として、事業成長のための事業投資、対外的なM&Aによるポートフォリオ拡大、株主還元の3つを掲げています。

現状の進捗に基づく投資配分は概ね1対1対1です。今後も成長および変革に向けた投資を継続したいため、現時点では当面、DOE5パーセントが十分な水準と捉えています。

質疑応答:採用ボリュームと新卒採用戦略について

司会者:「他社と比べると採用力が強くない印象を受けますが、改善策はおありでしょうか? それとも、AI活用で社員を減らしていく方向をお考えでしょうか?」というご質問です。

西森:採用ボリュームをどうコントロールするかは非常に大きな問題だと考えています。IT業界では人手不足が言われる一方、AI活用によって人が余る可能性もあり、当社も見極めている状況です。

近年新卒採用数を増加させていたため、基本的には新卒採用を厳選していく方向で考えています。AI活用により、人が行っている作業がAIに置き換えられ、その分の人員は不要になる可能性があると考えています。ただし、AI時代において人間が判断・活躍する領域のコアメンバーは重要であり、良い人材を採用したい考えです。

新卒採用については現在、人が集まらず困っている状況ではなく、当社で活躍いただける人材を採用しています。一方、他社の新卒初任給と比べ大きく差を付けられているケースもあるため、業績を向上させて社員給与を引き上げ、業界標準以上の水準を目指します。ベースアップもここ数年継続しています。

また、AIを使いこなしAIソリューションを持つ会社は、エンジニアにとって魅力的になると考えています。AIを活用し注力していることをアピールし、活躍できる人材に来ていただけるよう努めます。

facebookxhatenaBookmark