2026年12月期第2四半期決算説明
AnyMind Group、既存事業の好調とM&Aによる貢献により売上総利益は前期比+52% 生産性改善が大きく進展し増益基調に回帰
第2四半期サマリー:法人ブランド支援の高成長継続と生産性改善により増益基調に転換

十河宏輔氏(以下、十河):本日はお忙しい中、当社2026年12月期第2四半期の決算説明会へご参加いただき、誠にありがとうございます。AnyMind Group株式会社代表取締役CEOの十河です。
大川敬三氏(以下、大川):取締役CFOの大川です。
十河:それでは、説明に移ります。こちらは本日の発表内容のサマリーです。2026年度第2四半期は、法人ブランド支援が引き続き成長を牽引し、売上収益、売上総利益、および各利益指標が第2四半期の計画を上回る結果となりました。売上収益は前年同期比55パーセント増、売上総利益は52パーセント増を記録し、過去最高を更新しています。
営業利益は、第1四半期まで影響を及ぼしていた特殊要因が解消され、93パーセント増と増益基調に回帰しました。これにより、計画を上回るペースで進捗しています。通期業績予想については、業績の下期偏重を考慮し、当初予想を据え置く方針です。
コマース支援領域の事業拡大と生成AIを活用した業務効率化の進展により、人員体制を維持したまま成長を実現できており、2027年度の中期目標達成に向けて着実に前進しています。また、5月に発表した自己株式の取得は、7月末時点で上限金額の82パーセントに達し、計画どおり順調に進捗しています。
2026年12月期第2四半期ハイライト

第2四半期の業績ハイライトです。売上収益は204億円で前年同期比55パーセント増、売上総利益は78億円で52パーセント増と、高い成長を維持しています。
特に、東南アジアにおける法人向けEC支援の好調や国内M&Aのシナジーが寄与し、主力の法人ブランド支援事業の売上総利益は65パーセント増となり、全社の成長を牽引しています。また、クリエイター支援事業もタレントマネジメント領域の伸長により、想定を上回る高成長を実現しました。
法人ブランド支援が成⻑を牽引

創業以来、マーケティングおよびEC支援を主軸とした法人ブランド支援事業が当社の成長を牽引しており、その構成比は全社の売上総利益のうち79パーセントを占める規模へと拡大しました。成長率についても前年同期比65パーセント増と、引き続き高い水準を維持し、過去最高の収益を更新しています。
生産性改善プロジェクトの進展と販売管理費の最適化

生産性改善および販管費の推移についてです。第2四半期はトップラインの高成長を維持する一方で、採用を適切にコントロールした結果、従業員数は微減となりました。
第1四半期から従業員区分の内訳人数に増減が生じていますが、これは第2四半期からの定義見直しによるものであり、実態ベースでは特段の変化はありません。
生産性の改善も順調に進み、従業員1人当たりの月間売上総利益は前年同期比34パーセント増と伸びています。また、売上総利益に対する販管費比率も前年同期を下回る水準を維持しており、下半期に向けてさらなる改善を見込んでいます。
継続的な収益性改善に向けた進捗:営業増益へ転換

こちらは、継続的な収益性改善に向けた進捗状況についてです。
第2四半期の営業利益は約8億6,100万円となりました。クリエイター支援事業の環境変化や国内オフィス増床に伴う固定費増といった特殊要因は第1四半期で概ね一巡しており、前年同期比で増益基調に回帰しました。
売上収益および売上総利益の成長率を維持する一方、従業員数は微減で推移し、販売管理費の約半数を占める人件費が概ね横ばいで推移したことで、営業利益率が改善しています。社内AI活用およびグローバルでの業務プロセス標準化がさらに進展しており、第4四半期にかけてトップラインが伸長する季節的な影響も相まって、下半期も継続的な利益成長を見込んでいます。
上半期は、現地通貨に対する米ドル高により、米ドル建てグループ内貸付の会計上評価で未実現の為替差損を約2億円計上しました。親会社の所有者に帰属する当期利益は約3億3,000万円となり、前年同期の約1億3,000万円から大幅に改善しました。
前年同期⽐増益の要因:既存事業の好調、販管費の抑制及びM&A寄与効果

前年同期比での営業利益の増減要因についてご説明します。第2四半期は、既存事業の成長およびM&Aの貢献によりトップラインが伸長する中で、販管費の増加幅を抑制したことから、前年同期比で増益基調に回帰しました。今後も同様のトレンドが継続し、増益基調を維持していくと見込んでいます。
それでは財務および業績の詳細について、CFOの大川がご説明します。
2026年12⽉期第2四半期 連結業績サマリー

大川:こちらは2026年度第2四半期の連結業績サマリーです。法人向け事業の好調と、第1四半期に取得した3社の連結貢献により、前年同期比で売上収益が55.0パーセント増、売上総利益が52.2パーセント増、営業利益が93.1パーセント増となり、増収増益を達成しています。
M&Aを除いたオーガニックベースでは、売上収益が38パーセント増、売上総利益が35パーセント増、営業利益が51パーセント増となっており、通期予想に対して順調に進捗しています。当社の事業は、第1四半期から第4四半期にかけて業績が拡大する季節性があるため、第3四半期以降も増益基調が継続する計画です。
通期業績予想に対する進捗率

こちらは通期予想に対する第2四半期累計での進捗率です。売上収益と売上総利益はともに48パーセントとなっており、期初の業績予想を上回るペースで順調に進捗しています。
営業利益の進捗率は34パーセントで、計画対比でも順調に推移しています。前年度は、第1四半期にクリエイター支援事業で一時的な収益の寄与が大きく、昨年の上半期時点の進捗率はイレギュラーに高い水準でしたが、今期の進捗ペースは通常の水準であると考えています。
(参考)2026年12⽉期 通期業績予想:成⻑加速と収益性改善による利益成⻑の継続

こちらは2026年12月期の業績予想の再掲です。当社の重要指標である売上総利益は前年比38.4パーセント増、営業利益は30億6,000万円で前年比70.1パーセント増となっており、営業利益率も3.1パーセントから3.9パーセントへ改善する見込みです。
(参考)2026年12⽉期 通期業績予想:予想の前提

こちらは予想の前提ですが、変更点はありませんので、説明は省略します。
地域別⽐率:アジアを軸に分散した収益基盤

第2四半期の地域別業績についてご説明します。第2四半期は、日本のすべての事業が高成長を維持し、グループ業績を牽引するとともに、構成比も拡大傾向にあります。売上総利益の構成比は、日本および韓国が58パーセント、東南アジアが33パーセント、中華圏およびインドが9パーセントを占めています。
注力領域である法人ブランド支援事業については、すべての地域で堅調に拡大しており、日本・韓国で80パーセント増、東南アジアで52パーセント増、中華圏・インドで42パーセント増となっています。
四半期売上収益と売上総利益の推移

こちらは四半期別の業績推移です。第2四半期の売上収益は前年同期比で55パーセント増、売上総利益は52パーセント増となっています。通期計画に向けて順調に進展している状況です。
四半期営業利益と調整後EBITDAの推移

こちらは第2四半期の営業利益ですが、8億6,100万円となり、前年同期比で4億1,000万円超の増益となりました。クリエイター支援事業においては、事業環境変化の影響が第1四半期の時点で一巡したことにより、前年同期比で増益基調に回帰しています。また、調整後EBITDAは15億4,000万円となり、前年同期比で5億7,200万円の増益となりました。
コストの内訳と販売管理費の推移

こちらは販管費の四半期推移です。第2四半期の売上総利益に対する販管費率は前年同期を下回る水準で推移しており、下半期についても第4四半期にかけて段階的に改善する見込みです。
継続的な⽣産性向上と安定的な⼈材投資

収益性改善を測る重要指標である従業員1人当たりの売上総利益は、生産性の改善により、前年同期比で34パーセント増と大きく伸びています。また、トップラインの成長を継続しつつも、採用を適切にコントロールした結果、従業員数は微減で着地しています。
成⻑と安定性を両⽴させる規律ある財務マネジメント

こちらはバランスシートの状況です。第1四半期に3件のM&Aを実施した結果、銀行借入による有利子負債とのれんが前年同期比で増加していますが、引き続き健全な財務基盤を維持していると考えています。また、直近4件のM&Aにおいては、PPA(会計上の取得資産の配分)が完了し、第2四半期時点で無形資産を約12億円計上しています。
PPAは、会計上、M&Aの実施後に一度全額をのれんとして計上し、その後、金額を無形資産とのれんにそれぞれ割り振るプロセスとなっています。この処理を実施した結果として、前四半期比でのれんの計上額が減少し、その分無形資産が増加する変化が生じています。
⾃⼰株式取得の進捗(2026年5⽉決議)

こちらは5月に決議した自己株式の取得に関する状況です。7月末時点で取得上限金額の82パーセントの取得が完了しており、順調に進捗しています。
次の事業説明のパートについては、十河よりご説明します。
事業別の業績サマリー:法⼈ブランド⽀援事業で成⻑トレンドを継続

十河:事業別の状況についてご説明します。第2四半期の売上総利益は、法人ブランド支援のうちマーケティング事業が前年同期比20パーセント増、D2C/EC事業が154パーセント増と高成長を記録しました。
パブリッシャー支援事業は前年同期比3パーセント増と安定して推移しています。クリエイター支援事業は、第1四半期にあった特殊要因の影響が概ね一巡し、タレントマネジメント領域が伸長したことで、前年同期比43パーセント増の成長を示しました。
また、全社の売上総利益率は、概ね安定した水準を維持しています。
事業別⽐率:法⼈ブランド⽀援事業の構成⽐が⼤きく進展

第2四半期は、1月に実行したM&Aに伴い3社の連結が開始され、さらに法人ブランド支援事業がグループ全体の成長を牽引しました。これにより、同事業の売上総利益の構成比は前年の73パーセントから79パーセントへ拡大しています。
営業体制の強化により、売上総利益成⻑率は20%台に回復

マーケティング事業は、売上総利益ベースで前年比20パーセント増の成長を達成しました。昨年下半期は成長性の高いEC支援領域へのリソース配分によって成長率が低く推移していましたが、営業体制の強化により成長率が回復傾向にあります。
今期第2四半期は、前年第2四半期が30パーセントの高成長であったことから比較対象のハードルが高い中でも、20パーセントを超える成長率を維持しています。
全地域で⼆桁成⻑を継続、クロスボーダー案件も拡⼤

マーケティング事業の地域別売上総利益成長率は、日本・韓国が18パーセント増、東南アジアが13パーセント増、中華圏・インドが42パーセント増となりました。中華圏・インドにおけるインバウンドおよびアウトバウンドマーケティングが特に好調で、事業全体の成長率を牽引しています。
日本・韓国、東南アジアでは、前年第2四半期が好調だった反動の影響を受けつつも、社内の営業体制強化が着実に進み、2桁成長を維持しています。クロスボーダー案件はこれまでEC支援が中心でしたが、直近ではマーケティング事業でも増加し、成長に貢献しています。
海外から日本への案件では、100を超えるK-Beautyブランドと直接連携し、アジアにおけるK-Beauty支援で圧倒的な存在感を確立しています。日本から海外への取り組みとしては、国内大手ブランドの米国市場展開支援を複数獲得しています。
アジアで築いた事業基盤を、⽇本の強みを世界に届ける成⻑インフラへ

前スライドでご紹介した案件の積み上げは、一過性の実績にとどまるものではありません。当社はアジア各国で培った事業基盤を活かし、クライアントにとっての提供価値の最大化を図っています。
現地法人やインフルエンサーネットワーク、データ、AIソリューションといったリソースは、これまで主に海外ブランドの日本進出を支える基盤として機能してきました。今後は、この強固な基盤を日本発のブランドやIPを世界へ届ける「輸出インフラ」として活用していきます。
J-BeautyやJ-Food、そしてエンターテインメントなど、日本の強みが活かせる領域がそのまま対象となります。このインフラを構築するため、当社は大きく3つの取り組みを進めています。
1つ目は「需要の創出」です。現地のインフルエンサーとのタイアップやAIを活用した動画生成により、認知と需要をゼロから立ち上げます。2つ目は「販売・流通」です。マーケティングからEC、ライブコマース、実店舗への展開に至るまで、バリューチェーン全体をワンストップで支援します。
そして最後が「領域の拡張」です。K-Beautyの支援を通じて確立したノウハウを、J-BeautyやJ-Foodといった他の領域へ応用していきます。また、「アジアで築いた事業基盤を、日本の強みを世界に届ける成長インフラへ」として、この取り組みをマーケティング事業における次なる成長ドライバーとして育成していきます。
サン‧スマイル社連結と既存事業の成⻑により、売上総利益は前年同期⽐154%増

第2四半期において、D2C/EC事業は前年比で154パーセント成長しました。法人向けEC支援のオーガニックな好調に加え、サン・スマイル社の連結も寄与しています。
地域別では、引き続き東南アジアが成長を牽引しており、日本もオーガニックベースで順調に事業を拡大しています。自社タレントIP「seju」などを活用したグッズ施策が好調であることに加え、フィットネスブランド「LYFT」の安定成長も寄与し、クリエイター向けD2Cも伸びています。
D2C / EC事業:KPI推移

こちらは、EC取り扱いブランド数とブランド当たり売上収益の推移です。クリエイター向けブランド数は収益性を重視した結果、微減傾向で推移しています。
ブランド当たりの収益については、子会社GROVEに所属する「seju」や「なつめさんち」などの大型グッズ施策の売上計上が第2四半期に集中したことで伸長しました。法人向けEC支援では、東南アジアを中心としたライブコマース案件の新規獲得により取り扱いブランド数が増加しました。また、複数国展開の進展や案件規模の拡大により、ブランド当たりの収益も成長しています。
オンライン・オフライン双⽅で、事業戦略の成功パターンが確⽴

こちらは、法人向けEC支援領域の事例です。スライド左側では、自社プラットフォーム「AnyLive」について説明しています。
東南アジアにおいては、多くの案件をすでに実行しており、有数のAIライブソリューションとして成長している「AnyLive」ですが、日本国内での展開も本格的に始動しています。24時間稼働可能なAIライブと、コアタイムでの有人配信を組み合わせることで、GMVの最大化を図っています。また、国内では「AnyLive」を導入している支援ブランド「Advanced Clinicals」が、2026年上半期に国内「TikTok Shop」でGMV1億円超を達成しました。
スライド右側には、1月にグループインしたサン・スマイル社とのシナジー事例が示されています。従来、当社で支援してきたブランドをサン・スマイル社の小売ネットワークへ展開することで、オンラインとオフラインの双方でGMVの最大化を図っています。
タレントマネジメント領域が成⻑を牽引し、売上総利益は前年同期⽐21%増

パートナーグロース事業の売上総利益は前年同期比で21パーセント増加しました。パブリッシャー支援は3パーセント増と安定成長を維持しています。一方、クリエイター支援は第1四半期に事業環境変化の影響が一巡したことに加え、タレントマネジメント領域が好調だったことから、売上総利益は前年同期比43パーセント増と、期初の想定を上回る推移となっています。
パブリッシャー⽀援:KPI推移

パブリッシャー支援事業では、収益性と単価水準の改善を目的として取引審査基準の厳格化を継続しており、支援パブリッシャー数は微減で推移しています。一方、動画やアプリなどの高単価広告施策の拡大により、パブリッシャー当たりの売上および売上総利益は前年同期比で増加しています。
クリエイター支援: KPI推移

クリエイター支援事業については、中期的な事業シナジーを見据えた注力領域の見直しに伴い、新規契約を絞り込んでいるため、契約クリエイター数はやや減少しています。
一方、日本を中心に専属クリエイターやタレントの収益が拡大しており、クリエイター当たりの収益は増加しています。
タレントマネジメント領域の収益拡⼤とIP活⽤事例

こちらでは、直近で大きく伸びているタレントマネジメント領域についてご説明します。スライド左側には同領域の収益構造を示していますが、広告やタイアップをはじめ、多様な種類の収益が発生しています。
これらの収益がすべてクリエイター支援として計上されるわけではありません。例えば、グッズ収益はD2C/EC事業のクリエイター向け領域に計上されるなど、取引の性質に応じて計上セグメントが分かれています。
スライド右側には、グッズ施策の一例を示しています。子会社GROVEが運営するタレントレーベル「seju」において、所属タレントの「証明写真風ブロマイド」を販売しました。ファン層のニーズを捉えた商品企画により、販売直後からSNS上で大きな話題となり、UGC投稿も拡大しました。
AIソリューションの展開を拡⼤し、グローバル開発体制を強化

最後に、AI活用についてです。社内業務の効率化だけでなく、ソリューション開発へのAI活用やプロダクトへのAI実装も加速しています。また、中国の杭州に新たな開発拠点「AnyAI Lab」を設立しました。
世界的にも杭州はAI開発の中心地であり、優秀な人材が集まる地域です。当社はグローバルな開発体制を有し、中国においても幅広いネットワークを持っています。このアドバンテージを活かして杭州拠点を十分に活用し、競争力ある体制を構築していきたいと考えています。
これまで当社がアジアで築いてきた事業基盤と、この開発環境を掛け合わせることで、自律型AIエージェントの開発や、当社プロダクト群への実装を進めていきます。ソリューション面では、広告配信基盤「AnyAI DSP」の統合、AI動画生成基盤「AnyAI Video」、分析・実行業務を担う「AnyAI Agent」など、実務に直結するラインナップを順次リリースしています。
開発体制の強化と事業への実装、この両輪でAI活用を加速していきます。以上をもちまして、当社からの説明とします。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:下期に織り込んでいるリスク要因や追加投資の計画について
司会者:「上半期はオーガニックベースでも売上・利益ともに期初予想を大きく上回る好調な進捗とのことでした。貴社事業特有の下期偏重の季節性を考慮すると、通期業績予想に対して十分な上振れ余地があるように見受けられます。
今回、通期予想を据え置かれた背景として、下期に織り込んでいるリスク要因や追加投資の計画があれば教えてください」というご質問です。
大川:まず現時点において、決算説明会資料でも説明していますとおり、売上および売上総利益については上振れている状況と認識しています。
一方、営業利益以下の指標に関しては、もともと下期偏重の計画であるため計画に対して上振れてはいるものの、現時点で修正を行うほどには至っていないと考えています。そのため、現状維持というかたちをとっています。
下期において、大きなリスク要因や追加投資が発生するとの想定はありません。今の状況を維持しつつ、業績を上振れさせながら、通期業績予想を上回る結果を出したいと考えています。
質疑応答:AI活用の今期・来期の継続可能性について
司会者:「第2四半期は採用の適正コントロールとAI活用などにより、人員数が微減となりながらも高いトップライン成長を実現させています。この人員を増やさずに売上総利益を伸ばすコスト構造は、下期および来期以降も継続可能とお考えでしょうか?」というご質問です。
大川:上期はAIを活用した業務効率化を進めており、そのポテンシャルを含めて非常に高い効果があると考えています。
今期については、足元では微減で推移しており、現状から大きく増減しない水準を想定しています。この傾向が来期以降も続くかについては、成長率とのバランスに依存する部分もあると思います。ただし、M&Aがない状況下においても、当社で現在進めているAI施策による社内の生産性改善の取り組みを考えれば、従業員数を微増程度に抑制することは十分ありうると考えています。
一方で、グローバルでの事業および組織展開を進める当社においては、AI活用のプロセスを各国に浸透させ、そこから業績インパクトを生み出すために徹底したチェンジマネジメントが必要になります。この変革を推進し、来期以降もコストコントロールを実現することで収益性を向上させたいと思っています。
そのような取り組みが実現できた場合、来期の中期経営計画に示している営業利益目標の達成に結びつくと考えています。
質疑応答:サン・スマイル社とのシナジーおよび他国展開について
司会者:「D2C/EC事業が非常に力強い成長を遂げていますが、サン・スマイル社とのクロスセルや、支援ブランドのオフライン自店舗へのシナジーがあるように感じます。国内外ブランドクライアントからのオフライン展開、店舗配下に対する反響や手応えはいかがでしょうか?
また、日本で確立したクロスセル流通支援モデルを、東南アジアなどの海外拠点へ横展開していく時間軸について教えてください」というご質問です。
十河:おっしゃるとおり、サン・スマイル社とは大きなシナジーがあり、同じクライアントに一緒に営業することも多く、クロスセルも始まってきていると感じています。具体的には、特にビューティやコスメのブランドについて、国内外を問わず、特に韓国ブランドやJ-Beautyをはじめ美容コスメブランドとの取引が増えてきている手応えを感じています。
先日発表した「COSRX」という韓国のブランドですが、このブランドはすでに「Qoo10」というコスメECサイトの日本市場でトップ10に入るようなブランドであり、同ブランドのオフライン・オンラインすべての領域を支援するかたちで進めています。このような事例を基に、さらなる顧客獲得やブランド獲得を、サン・スマイル社と共に進めていきたいと考えています。
他国への展開についてですが、オフラインのニーズは東南アジアをはじめとする他国にも存在していると感じています。日本と同様に、ソーシャルメディアで生まれたバズがソーシャルコマースやECで需要を創出し、そこからオフラインにつながっていく仕組みは同様だと考えています。
特に東南アジアでは、タイなどでトライアルとして一部取り組みを始めているものの、本格的に売上に寄与していくのは来年以降になると思います。
質疑応答:新規ブランド獲得と通期予想について
司会者:「御社のビジネスは、例年、第4四半期に向けて利益が大きく伸びる季節性がありますが、今期はそこに加えて、8月10日からの『COSRX』の国内一斉展開や、1月からの中国SNS『RED(小紅書)』の越境EC本格化などの強力な材料が下期に重なります。
これらは、現在の営業利益30億6,000万円という通期予想に対してどの程度織り込まれているのでしょうか? 下期の季節性と、新施策の相乗効果を踏まえた通期上方修正への手応えやお考えをお聞かせください」というご質問です。
大川:期初の計画を出している時点では、新規ブランドを獲得していく計画を立てています。ただし、具体的なブランドについては特に想定していないため、それが完全に計画に含まれているわけではありません。一方で、EC事業の性質上、徐々に数字のインパクトが出てくるものであり、下期から来期に向けてインパクトがより大きくなっていく領域だと考えています。
それらを含めて、30億6,000万円の通期予想に対して、十分に達成可能なペースで推移しています。大きなリスク要因は特になく、上振れして推移はしていますので、このまま通期に向かって進めていきたいと考えています。
質疑応答:M&Aパイプラインについて
司会者:「上半期は1月に実施されたM&Aの3社が早期に利益貢献しており、御社の高いPMI能力が示されたと感じています。手元キャッシュや営業キャッシュフローの総出力を考慮すると、さらなるM&Aによる非連続な成長が期待されますが、現在検討中、交渉中のM&Aパイプラインの案件の規模感や、対象エリアや領域などの状況について、差し支えのない範囲で感触を教えていただけますでしょうか?」というご質問です。
大川:M&Aについては、継続的にさまざまな案件を検討しています。当社が狙って行うM&Aと持ち込まれる案件の両方があり、常に検討を続けている状況です。その中で特定の領域に限定するのではなく、条件や自社事業に適合する複数の領域を検討しています。
地域として相対的に多いのは、日本と東南アジアです。当社としてもPMI(買収後の統合プロセス)および買収後のシナジー創出を考えると、これらの地域はM&Aが実施しやすい領域といえます。また、領域としては、eコマース分野を特に強化しており、これに加えてマーケティングの法人ブランド向け事業も相対的に案件が多い状況です。
質疑応答:中期経営計画の達成について
司会者:「来期2027年12月期に向けた中期経営計画の達成についてお伺いします。今期上半期を終えて、非常に順調な進捗とお見受けします。来期の中期経営計画の目標達成に向けては、売上高で今期予想比プラス約200億円以上の上乗せ、営業利益では今期の目標30億6,000万円の約2倍となる60億円規模への拡大が必要になる計算かと存じます。
サムスン電子をはじめとするグローバル大企業などの大型クライアントにおいては、夏から秋の現時点からすでに来期の予算取りや年間計画の策定に向けた具体的な動きが始まっており、御社内でも来期の案件パイプラインや、数字の解像度などの手応えが見え始めている時期かと推察しています。
このような大型案件の協議や予算取りの感触を踏まえ、来期の中期経営計画目標、営業利益60億円規模の達成への実現性と手応えをどのように評価されていますか? 目標達成に向けた現在の最大の課題と、それを打破するための具体的な施策、例えば『AnyLive』などのAIプロダクトの横展開の速度や、追加M&Aのパイプラインなどについてお聞かせいただけますでしょうか?」というご質問です。
大川:来期の中期経営計画ですが、売上に関しては、おっしゃるとおり200億円超の積み上げです。比率としては今期の業績予想から30パーセント増ですので、現在の売上・粗利ともに上振れて推移していることを考えても、来期の必要な成長率に関しては、十分射程範囲だと思っています。
一方、営業利益に関しては、今期の見通しから来期に向けて2倍になる計画となっており、売上や粗利と比較すると高い目標ではあると考えています。
この点については、AIの活用を含めた生産性の向上をさらに押し上げていかなければいけないと感じています。
目標は低い水準ではありませんが、現在進行中のAIによる生産性改善の進捗状況や、これからのAIのポテンシャルを考慮すると、達成可能な水準だとも考えています。そのため、足元での取り組みを確実にやり切ることが重要と捉えています。
トップラインの成長については、ご指摘の「AnyLive」を含めたAIプロダクトの展開や、適切な案件があればM&Aも積極的に進めていきたいと考えています。
中期計画達成のために特に重要な取り組みとしては、AIをはじめとした生産性の改善が最大の推進力と考えています。それを確実に実行していくことを目標に、事業運営を進めています。
質疑応答:社長の株式買付について
司会者:「第1四半期の決算発表後に発表されていた十河社長個人による株式買付は実施されたのでしょうか? 可能であればご回答をお願いします」というご質問です。
十河:5月14日の第1四半期の決算発表直後に実施し、すでに完了しています。
質疑応答:生成AIプロダクトとAIライブコマースの展開について
司会者:「『AnyAI Lab』の新設に伴うプロダクトの進化と、AIライブコマースの収益寄与について教えてください」というご質問です。
十河:直近では「AnyAI Video」という生成AIを活用した動画生成のプロダクトをローンチしました。これはショート動画に特化したプロダクトです。このように新しいAIソリューションを提供する取り組みを進めており、足元の新規顧客の獲得も順調に進んでいます。
特に中国の杭州はAI業界のハブとなっており、AI技術や中国のLLMにアクセスできる点が強みです。また、EC領域においては中国はAI活用が最も進んでいるマーケットだと考えています。そのため、杭州で得られる知見を活かし新しいソリューションを開発し、それを日本や東南アジアに展開していきたいと思っています。
「AnyLive」のAIライブコマースに関しては、順調に進捗しており、特にサムスン電子などの大企業への導入が成功しており、新規顧客獲得に大きく寄与しています。
当社のこのソリューションはアジア市場において、他社があまり提供できていない領域です。先行者としてデータの優位性を持ちながら、さらなる拡大を目指していきたいと考えています。
質疑応答:D2C/EC事業の収益構造について
司会者:「D2C/EC事業の売上に関して、リカーリングの売上の比率はどの程度になるでしょうか?」というご質問です。
大川:D2C/ECに関しては、法人向けとクリエイター向けの2つがありますが、特に法人向けについては、基本的に継続契約の中で発生する収益であるため、リカーリング性のある収益となります。
一方で、売上シェアに近い考え方であるため、お客さまの収益に合わせて当社の収益も変動致します。固定型のリカーリング収益というよりは、継続契約の中でお客さまが成長する過程で、収益も伸びていく構造であるとご理解いただければと思います。
質疑応答:「TikTok Shop」の現状について
司会者:「日本市場における『TikTok Shop』の手応えは、第1四半期と比べてどのように変化をしていますか?」というご質問です。
十河:引き続き「TikTok Shop」自体は成長しており、まだ立ち上げフェーズではありますが、日本においても存在感が高まってきている印象です。
ライブコマース経由でのGMVの創出が、想定以上に増加していると感じています。当社もライブ配信時間を増やす取り組みを行っており、今後の市場や日本における「TikTok Shop」のシェアを確実に拡大できるよう、引き続き尽力していきたいと考えています。
新着ログ
「情報・通信業」のログ




