2026年3月期決算説明
ネツレン、販価改定と海外販売の拡大で増収増益 2026年度は過去最高の連結売上高640億円を見込む
目次

大宮克己氏:みなさま、こんにちは。代表取締役社長執行役員の大宮です。
平素は、当社の事業運営に際し、ご理解、ご支援を賜り厚く御礼申し上げます。また、お忙しい中、当社決算説明会にご参会いただき、誠にありがとうございます。
それでは、2025年度決算説明会を開催します。本日の内容は、ご覧のとおりです。決算のご説明の他、中期経営計画の修正についてもご説明します。
それでは、2025年度決算の概要からご説明します。
1.2025年度 連結決算の概要

2025年度は、前年から続く物価上昇や不安定な国際情勢に伴う地政学的リスクの高まりなど、先行き不透明な状況が続いています。
当社グループにおいても、それらの影響を受けつつも受注の確保や販売価格の改定活動、ならびに原価低減活動を進めていきました。
2025年度通期の連結売上高は、取引業界の市況低迷の影響は受けたものの、コスト上昇分の販売価格転嫁や、海外拠点における販売量の増加、さらに今期から新たに連結計上した子会社売上高が寄与し、前期比1.2パーセント増収の582億円となりました。
連結営業利益は、販売価格の改定効果や原価低減を強力に推し進めた変動費改善効果、新たに連結計上した子会社業績が寄与し、前期比17.0パーセント増益の19億円でした。
経常利益は、前期比14.8パーセント増益の26億円、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比26.8パーセント減益の13億円となりました。
2.連結損益計算書

こちらは連結の損益計算書です。
特別利益が前期比大幅に減少していますが、前期は投資有価証券売却益が大幅に増加した影響によるものです。
また、特別損失も発生していますが、こちらは別のスライドでご説明します。
3.連結営業利益の増減要因

続いて、連結営業利益の増減要因です。
売上高要因としては約2億円の増益、変動費要因は販価改定が進捗したことや原価低減効果により変動費率が改善され約5億円の増益、固定費要因は世界的な人件費高騰や、M&Aによる株式取得関連費用を計上したことなどによりまして、約4億円の減益というかたちになりました。
4.特別損失の主な内訳

特別損失の主な内容です。
中国のグループ会社・高周波熱錬(中国)軸承有限公司において、中国政府要請による工場移転の時期が確定したことに伴い、旧工場が閉鎖され、不要となる資産の帳簿価格を減額することから、減損損失として、2億5,000万円を計上しています。
5.セグメント情報(連結売上高)

続いてセグメント別の連結売上高です。
まず、製品事業部関連事業においては、土木・建築関連製品では、工事遅延や着工遅れが継続し、販売量が伸びず減収、建設機械関連部品は、販売価格改定や海外向けを中心に受注が徐々に回復し増収、自動車関連では、高強度ばね鋼線「ITW」の海外での販売が堅調に推移し増収、顧客倒産により停止していた二輪車用部品の販売を下期より再開しています。その結果、連結売上高は、前期比微減の363億円となりました。
IH事業部関連事業では、受託加工は、自動車業界からの受注が下期から減少に転じ、建設機械、および工作機械業界では、上期の市況低迷の影響が大きく、下期後半から徐々に市況が回復しましたが、低迷分をカバーできず減収となりました。装置関連では、各拠点、景気低迷の影響により期ズレがあり、減収となりました。
その結果、連結売上高は前期比6.4パーセント減収の195億円となっています。
その他では、株式会社ドーケンを新たに連結対象としたことにより、大幅に増加し、24億円となりました。
6.セグメント情報(連結営業利益)

次はセグメント別の連結営業利益です。
製品事業部関連事業では、海外では堅調に推移した高強度ばね鋼線「ITW」や、徐々に回復し始めました建設機械部品の増収効果、土木・建築関連製品では、販価改定後の製品売上高が進み始めたこと、さらに、原価低減活動の効果が見え始めたことなどにより、前期比157.8パーセント増益の4.6億円でした。
IH事業部関連事業では、受託加工における減収影響や装置関連での顧客からの計画先送りや売上高の期ズレ影響などを原価低減活動では吸収できず、前期比5.5パーセント減益の13億円となりました。
その他では、新たに連結対象としたドーケンの業績が寄与し、M&Aによる株式取得関連費用やのれん償却費用を計上したものの、前期比115.8パーセント増益の1.2億円となっています。
7.2025年度 資産残高の推移(連結)

続きまして、連結資産・残高の推移です。
総資産は、子会社化した2社を新規連結したことにより前期比44億円の増加となり、現預金は、自己株式取得や配当金支払いにより減少しました。なお、政策保有株式の時価が、株価上昇により増加しており、投資有価証券では約10億円増加していますが、銘柄数ですと2019年度比で34銘柄、約70パーセント減少しています。
8.2025年度 負債・純資産残高の推移(連結)

次に、連結負債・純資産残高の推移です。
負債合計については、M&Aにより子会社化したドーケンとMDIを新規連結したこと、金融機関などから長期資金を借入れたことなどにより、前期比53億円の増加となりました。
「純資産」は、円安により為替換算調整勘定が約6億円増加したものの、自己株式取得などを実施したことにより、前期比10億円減少し、653億円となりました。
9.2025年度 キャッシュフロー(連結)

連結キャッシュ・フローです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権が増加したことなどにより収入が減少し、前期比23億円の減少、投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得や子会社株式の取得により増加し、前期比で18億円の減少、財務活動によるキャッシュ・フローは、借入れの実施や配当金の支払い、自己株式の取得などにより支出が増加し、前期比18億円の減少となりました。
以上により、キャッシュ・フロー期末残高は、前期比33億円減少の142億円となりました。
目次

続きまして、経営実績の推移をご説明します。
10.連結売上高の推移

まずは、連結売上高の推移です。
2026年度は販価改定の進捗もあり、土木・建築業界向けの売上高は堅調に推移する見込みです。
さらに海外における高強度ばね鋼線「ITW」の受注が増加傾向であること、工作機械業界の市況も中国を中心に回復してくる見込みであることなどから、連結売上高は、前期比9.8パーセント増収、過去最高の640億円を狙っていきます。
しかし、現状の事業環境は予断を許しません。この環境変化に素早く対応できる施策の実行はもちろんですが、その状況下においても右往左往せず、ビジョンおよび中期経営計画で策定した戦略のもと、事業を進めていきます。
また、連結売上高も、4期連続頭打ちの状況ですが、外部環境の影響もありますが、第16次中期経営計画の数値目標に達する見込みです。大いに反省しています。
しかし、この第16次中期経営計画でのスローガンである「Aggressive Challenge One NETUREN」に関しては、着実に進んでおり、第16次中期経営計画中に成長の種をまき、第17次中期経営計画で刈り取ります。このシナリオに変更はありません。
第16次中期経営計画最終年度である2026年度も、成長の種をまき続け、いくつかの種を育てて、「NETUREN VISION 2030」達成を目指していきます。
11.地域別売上高の推移

続いて、地域別売上高の推移です。
2025年度ですが、国内市場は、販売量は落ち込んでいるものの、新規連結対象の増加、また販価改定の進捗により微増しました。
中国市場は、厳しい事業環境が継続も、新規顧客の取り込み、堅調なロボット部品、需要などによりまして、売上高は前期並みの水準を維持しています。
北・中米・欧州市場は、受注の増加や円安効果もあり、前期比増収となりました。
2026年度に関しては、国内市場は、土木・建築関連製品の販売価格改定済み製品が動き出したこと、工作機械業界の回復などにより、増収を見込んでいます。
中国市場においては、現地顧客の取り込み、またアセアン市場への展開が進むこと、北・中米市場においても、自動車関連製品を中心に販売価格定活動を推進するとともに、新規需要を取り込み、増収を見込んでいます。
12.連結営業利益・営業利益率の推移

続いて、連結営業利益・営業利益率の推移です。
2026年度は、土木・建築業界向け製品の販売価格改定後の売上高が増加、自動車関連製品では、海外拠点、特に米国における高強度ばね鋼線「ITW」の関税分の価格転嫁が進む見込みであること、工作機械業界の販売量が海外向けを中心に増加すると予測しており、営業利益は前期比11パーセント増益の21億円を予想しています。
しかし、原油価格、鉄鋼市況などの先の見えない変動、インフレの継続、人件費上昇など、収益が圧迫される状況は続いています。2026年度の収益は現状、当社グループで予想可能な範囲で算出しています。
この予算を作成した時、外部環境変化を言い訳にせず、あらゆる手段を検証・実行し、最後まで努力していくことを経営幹部と共有しました。
やや酷な気もしましたが、それぐらいの覚悟が必要だと感じています。市況変動に柔軟に追従し、生産性を落とさず、確実に収益に結びつける製造体制の強化を進めていきます。
13.セグメント情報(連結売上高)

続いて、連結売上高のセグメント情報です。
製品事業部関連事業においては、販売価格改定が進んだ土木・建築業界向け製品の売上高が増加すること、高強度ばね鋼線「ITW」は、米国関税政策での国内回帰による販売量増加と関税分を含む価格転嫁の進捗により大幅な増収、その他の海外拠点においても増収を見込んでいます。
しかし、前年回復基調であった建設機械関連製品が、先行き非常に不透明であり、減収を予想しています。
2026年度の連結売上高は、前期比11パーセント増収の405億円としています。
IH事業部関連事業においては、受託加工関連では自動車、建設機械業界からの受注は横ばい。工作機械業界からの受注は海外向けを中心に回復すると予想しています。
装置関連では、前年度からの期ズレ案件の売上高を含めて増収を見込んでおり、2026年度の連結売上高は、前期比6パーセント増収の207億円としています。
その他については、新たにグループとなりましたドーケン、さらに今年度連結対象となりますMDIの売上高が加算され、連結売上高は前期比約17パーセント増収の28億円としています。
14.セグメント情報(連結営業利益・営業利益率)

こちらは、連結営業利益、営業利益率のセグメント情報です。製品事業部関連事業においては、先ほどから申しますとおり、土木・建築向け製品における販価改定効果、さらに海外「ITW」の販売量増加効果、強力に進めている原価低減効果、また販売量減少も販売価格改定が進んだ建機関連部品の減益幅最小化が寄与し、連結営業利益は、前期比7億円増益の12億円を見込んでいます。
IH事業部関連事業においては、工作機械業界からの受注は回復、自動車・建設機械業界からの受注は横ばい、装置関連は期ズレ案件の売上高により増収を見込んでいますが、中国の各拠点における日系メーカーの落ち込みや景気減速影響により売上高が減少し利益を押し下げており、総じて営業利益率が低下しています。
さらに、REBORN刈谷などの大型投資の償却も開始され、固定費が増加する見込みです。
従いまして、連結営業利益は、前期比38.5パーセント減益の8億円を見込んでいます。
その他においては、新たにMDIの利益が加算されますが、熊本の半導体工場の工事遅れの影響で、ドーケンは減益を予想しています。
従いまして、連結営業利益は、前期比横ばいの1.1億円を見込んでいます。
15.設備投資/研究開発費/減価償却費の推移

続いて、設備投資、研究開発費、減価償却費の推移です。
設備投資に関しては、2025年度は、刈谷地区工場再編プロジェクトREBORN刈谷での新型設備導入、赤穂工場耐震補強工事、インドネシア増産投資、広州第2工場建設、国内グループ会社生産能力増強工事などを実施しました。
2026年度に関しては、前年度からの繰り越し、約20億円を含みますが、引き続き、REBORN刈谷プロジェクト、新規3Dプリンター導入、各工場生産設備集約投資、可児工場耐震補強工事、中国軸承移転費用、国内グループ会社生産設備増強投資などを実施する予定です。
研究開発投資については、次世代技術の開発、持続的成長を見据えた研究開発投資は継続していきます。
成長ドライバー創生に向け、さらに開発案件を増やすとともに、開発スピードを高めるための積極投資を進めていきます。
16.新商品・新規事業の売上高の推移

新商品・新規事業の売上高推移です。
2026年度の新商品・新規事業の売上高は、新規グループであるドーケン、MDIの売上を含め120億円を計画しています。
また、前回と同様にカットオフ工法案件、旋回輪くさび加工、FPGA電源販売などは順調に推移しており、新商品売上高比率は19パーセントを確保しています。
新商品・新規事業の拡大は、「NETUREN VISION 2030」を達成させる上で必要不可欠です。
逆T字モデルの概念である部門間連携を強化し、市場投入の早期化を進めるため、各事業部の生産技術部門を今年度、製品技術本部に統合しました。
成長ドライバーとなる付加価値の高い新商品の市場投入、M&Aを含めた新規事業の創出のスピードをさらに高めるべく、緊張感をもって進めていきます。
17.業界別売上高の推移

業界別売上高の推移です。
自動車業界は、海外「ITW」の販売が堅調に推移しています。
受託加工では、中国で厳しい状況が継続していますが、装置関連は期ズレ影響から回復し、前期比で増加する見込みです。
工作機械業界は、顧客からの受注が回復し、前期比で増加を見込んでいます。
建設機械業界は、販価改定は進むものの、受注回復まで至らず前期比で減少を見込んでいます。
建築業界においては、工事遅延などの影響はあるものの、販価改定後の物件が動き出したこと、さらにドーケンの業績も加わり、前期比で増加を見込んでいます。
土木業界は、市況低迷が継続していますが、販価改定を進めるとともに、鉄道関連、インフラ補強案件などを取り込み、前期比では微増を見込んでいます。
18.高強度ばね鋼線(ITW) 売上高の推移

ここからは、製品別の売上高の推移になります。
時間が限られていますので、詳細な説明は割愛します。
自動車関連製品である高強度ばね鋼線「ITW」に関しては、2025年度は、中国を除く全拠点で販価改定が進捗したことや、関税影響による米国の需要増、米国以外での円安の影響などにより、前期比3.2パーセント増加しました。
2026年度に関しては、国内では自動車メーカーの販売量低迷が継続するものの、海外拠点での販売拡大を見込んでいます。
中国では中国系を含む新規顧客への拡販、アセアン地区への輸出強化、米国では関税影響による国内需要の増加が継続。関税負担分を含め、米国内原材料価格高騰に対応すべく、さらなる販価改定活動も継続しています。
欧州においても、低迷していたOEM向けの復調、アフターマーケット市場も回復しつつあります。
従いまして、売上高は前期比14.8パーセント増収の225億円を見込んでいます。
19.PC鋼棒・異形PC鋼棒 売上高の推移

建築・土木関連製品である、PC鋼棒、異形PC鋼棒の売上高の推移です。
2025年度は、建設業界の低迷や人手不足、建設資材価格の高騰に伴う工事遅延、着工遅れなどの影響が継続しており、前期比7.3パーセントの減収となりました。
2026年度は、土木・建築業界の低迷は継続するものの、販価改定の進んだ案件の進捗が見込まれること、北海道新幹線案件が動き出していることなどから、前期比7.8パーセント増収の55億円を見込んでいます。
20.高強度せん断補強筋 売上高の推移

建築関連製品である高強度せん断補強筋の売上高推移です。
2025年度は、建設業界の低迷、人手不足および建設資材価格高騰による工事遅延、着工遅れの影響が継続し、前期比11.5パーセントの減収となりました。
2026年度では、建築需要が本格回復には至っていないものの、価格転嫁後の当社製品採用案件がさらに動き出しており、また、こちらも心配ではありますが、北海道新幹線の高架橋柱の工事も上期まで続くことから、前期比15.2パーセント増収の53億円を見込んでいます。
21.旋回輪(建設機械部品) 売上高の推移

建設機械関連である旋回輪の売上高推移です。
2025年度は国内、中国ともに受注が増加したことや販価改定効果などにより、前期比18.8パーセントの増収となりました。
2026年度は、販価改定効果はあるものの、建設機械需要の回復に勢いがなく、先行き不透明感を払拭することはできません。従いまして、前期比7.9パーセント減収の35億円を見込んでいます。
22.誘導加熱装置・サービス 売上高の推移

誘導加熱装置・サービスの売上高推移です。
2025年度、国内では、お客さまの設備投資計画の先送りや期ズレの影響、海外では中国における景気低迷やお客さまの工期変更の影響を大きく受けまして、前期比17パーセントの減収となりました。
2026年度は、前年度からの期ズレ案件の影響もあり、国内の装置売上は堅調に推移する見通しです。
しかし、中国は景気減速に伴う投資案件の減少や日系企業の市況低迷の影響が続き、売上高は減少する見込みです。
従いまして、全体としては前期比11パーセント増収の39億円を見込んでいます。
サービス売上高に関しては、前期比横ばいの26億円を予想しています。
23.熱処理受託加工 売上高の推移

「熱処理受託加工」の売上高推移です。
2025年度下期後半から、工作機械向けの受注が徐々に回復してきたものの、米国関税影響などにより、自動車向けの受注が減少しました。従いまして、前期比0.8パーセントの微減となりました。
2026年度に関しては、国内売上高は自動車向けの受注低迷が継続します。これらを、比較的堅調な工作機械、海外の建設機械向けで補完し、微増を見込んでいます。
中国においては、日系自動車メーカー向け販売量の減少が継続しており、全体の売上高は、前期比1.5パーセント減収の128億円を見込んでいます。
目次

続いて、第16次中期経営計画の修正と進捗について、ご説明します。
24.第16次中期経営計画修正の背景

「NETUREN VISION 2030」達成に向けた第2フェーズの施策です。
この第16次中期経営計画ですが、数値目標達成は極めて厳しい状況であり、目標値を修正します。
当社グループを取り巻く事業環境は、国内における物価上昇や人手不足の深刻化、海外においては、米国関税をはじめ、ウクライナ紛争や中東での紛争など、地政学的リスクの高まりにより、先行き不透明な状況が続いており、本中計策定時の想定以上に厳しさを増しています。
このような経営環境のもと、当社グループでは、引き続き、M&Aや新規ならびにコア事業の拡大、販売価格への適正転嫁、さらには原価低減活動を強力に推進していきました。
しかしながら、この先行き不透明な状況の中、厳しい事業環境の継続が見込まれることから、第16次中期経営計画最終年度となる2026年度の数値目標を見直すこととしました。
ただし、あくまでも数値目標の見直しであり、本中計中に実行する計画に関しては、愚直に遂行していきます。
そして、それらの施策を第17次中期経営計画につなげていきます。
25.第16次中期経営計画 修正目標

こちらが、修正数値となります。5月13日に適時開示しています。
連結売上高は、60億円減少し640億円、連結営業利益は21億円、営業利益率は、3.3パーセントに修正しました。
あわせて、ROE、ROA、ROICはご覧のとおりです。当社グループの中期経営計画目標数値は、私の記憶では毎回下方修正しています。非常に悔しい限りです。
目標数値が高すぎる、未来予測力が弱い、目標数値達成に向けた意識が弱い、掲げた施策をやり切る気概が足りない、実行力が乏しいなど、反省しなければならないことが山ほどあります。
来月より、第17次中期経営計画の策定に入ります。「NETUREN VISION 2030」の最終フェーズとなります。
これらの課題に対し、ギャップを明確にし、どうすればビジョンを達成できるか、工場長クラスを含めた若手経営層を中心に議論を開始します。
第15次中期経営計画で培ったチェンジのマインド、本中計で推進しているチャレンジする勇気を第17次中期経営計画につなげていきます。
次こそは、中計目標数値を達成させるべく、大胆な改革を進めていきます。
26.第16次中期経営計画の進捗①|4つの戦略

続いて、第16次中期経営計画の進捗についてご説明します。
第1の戦略である成長ドライバーの創生、第2の戦略である成長エンジンの育成では、ご覧のような取り組みを進めています。
本日は、このスライドの青文字であらわした内容についてご紹介します。
27.4つの戦略 『成長ドライバーの創生』

まず、成長ドライバーの創生です。
1つ目は、昨年度から進めています、ネツレン・ドーケン・AIGによる、中低層建物のプレキャスト化の実現に向けた新スキームです。
AIGの構造・意匠設計技術とドーケンの高品質プレキャスト部材製造技術、そしてネツレンの高強度鋼材技術を融合させ、中低層建物への採用を目指した事業です。
現在、西日本エリアにて具体的な2案件に対し提案を進めています。
このスキームを有効に活用させ、ドーケンを含めネツレングループの事業拡大を進めていきます。
2つ目は、500キロワットワイヤレス電力伝送の実証実験についてです。
こちらはネツレンのシーズを活用した案件です。
電動化に向けた動きの中で、ワイヤレス充電はニーズとして顕在化しています。
当社は長岡技術科学大学さまと共同で国内最大級の500キロワットワイヤレス電力伝送の実証実験に成功しました。
当社の誘導加熱技術を応用した加熱以外の事例となります。
現在、市場での電動化開発スピードが落ちてきているような感じですが、この実用ベースへの転用に向け、転用先の探索と技術の蓄積を進めています。
28.4つの戦略 『成長エンジンの育成』

こちらは、成長エンジンの育成です。
1つ目は、工場再編プロジェクトREBORN刈谷の進捗です。
まず、新型4軸シャフト焼入装置(2台)と新型CVJ焼入焼戻装置(1台)を導入し、生産を開始しました。シャフトに関しては生産性が22パーセント向上しています。
現在、ステップ2として、刈谷地区各工場に点在している4軸シャフト焼入装置の改修および集約に向けた準備を進めており、さらなる生産効率向上を目指しています。
2つ目は、上海中煉の海外拡販活動です。
先程少しお話しましたが、現在、上海中煉では中国国内の景気に左右されない事業形態構築に向け、アセアン地区への拡販活動を進めています。
すでに、月数10トン規模ではありますが、採用の決まった案件もあり、今後の市場拡大を期待しています。
29.第16次中期経営計画の進捗②|4つの戦略

第3の戦略であるグローバルマーケットの拡大、第4の戦略である自発的貢献意欲のある人財の育成に関しては、ご覧のような取り組みを進めています。
本日は、展示会に関する内容と、多様な人財の活躍に関してご紹介します。
30.4つの戦略 『グローバルマーケットの拡大』

まずは、グローバルマーケットの拡大です。
1つ目は、ドイツで開催された「wire 2026」への出展です。
2024年に続き、2回目となりますが、日本、中国、米国、チェコのグループ会社が集結し、全世界への拡販を目指してPRを行っています。
高強度ばね鋼線「ITW」を中心に、ネツレンバデッド製品、中空ラックバー、NMB工法サンプル、異形線材製品、3Dプリンターコイル、パネルによるPC鋼棒や熱処理設備など多岐にわたる製品、技術を紹介しました。
28ヶ国、100社以上の企業さまが来訪され、具体的な引き合いをいただくなど、目に見える成果につながっています。
続いて2つ目は、韓国熱錬による初めての展示会出展です。韓国熱錬は設備販売のグループ会社であり、今回初めて「大邱(テグ)国際機械産業大展」に出展しました。初めてということでネツレン本体がサポートし、ワン・ネツレンで進めています。
韓国熱錬のメンバーがあらかじめ日本での展示会に参加し、雰囲気をつかみ、今回の展示会に生かしています。さらに、ネツレン本体からも営業部の女性社員を派遣し、日韓共同でのPRを実施しています。
ブース来場者は300名近くで、韓国熱錬の認知度向上が期待されます。
31.4つの戦略 『自発的貢献意欲のある人財の育成』

続いて、自発的貢献意欲のある人財の育成での取り組み事例です。
1つ目は、生産技術力強化に向けた生産技術部隊の統合です。
今期、部門間連携を強化し、新商品・新技術の早期市場投入を目指し、生産技術部門を製品技術本部内に統合しました。
従来、各事業部内に配置されていましたが、保全業務がメインになり、技術の偏り、新技術の取り込み不足など、生産技術者の技術向上の足枷となっていました。
今回の統合で、事業領域を超えた技術融合、知見共有が進み、新たな技術の取り込み、タイムリーな設備導入、技術者の技術力向上を図ります。
生産技術者のモチベーションを高め、現場力・競争力の強化を進めていきます。
2つ目は、挑戦機会創出に向けたACP「アグレッシブ・チャレンジ・ポスト」制度の部分導入です。これは、いわゆる社内公募制度で従業員のやる気を引き出す施策として、試験導入しました。従来の職場異動と異なり、上司を通さず従業員本人が応募部署に直接異動願を出し、面接を経て採用されるというかたちです。
採用決定後、各部門間で人員調整を行い、意外とスムーズに円満に異動ができています。引き継ぎのため、実際の異動は半年後になります。
今回は事業開発本部にて実施しましたが、多数の応募があり、複数人のやる気ある人財が採用されています。
今後、実際の運用に向け、人財本部を中心に制度化を進め、従業員のモチベーションアップ施策として運用していきます。
32.第16次中期経営計画の進捗③|キャピタルアロケーション

第16次中期経営計画期間中のキャピタルアロケーションの進捗です。
2024年度、2025年度の実績と2026年度計画の主な項目について示しています。
定常投資では、必要投資は進めていますが、コストや内容の見直しを徹底的に行っており、進捗率は約47パーセントでした。
戦略投資に関しては、これまでの2つのM&A案件と出資費用で30億円、グローバル強化として、米国10億円、インドネシア9億円、中国軸承8億円、広州6億円でした。
そしてROBORN刈谷では15億円、太陽光発電投資3億円など、成長投資を積極的に進めており、進捗率は85パーセントです。
ただし、この中には、今後も進めていくM&A用の資金は含まれていません。また、自己株式取得は3年間で60億円、配当に関しては計画46億円以上に対し、配当政策の見直しにより60億円を超える予想となっています。
引き続き、このアロケーションに沿って、種々の施策を進めていきます。
さらに現在、第17次中期経営計画策定準備の中で、本中計中のキャッシュインを含めた総合的なアロケーション評価を進めているところです。
33.第16次中期経営計画の進捗④|資本コスト経営

こちらは、資本コスト経営の展開状況です。
「NETUREN VISION 2030」に掲げています、ROE8.0パーセント以上、PBR1.0倍以上の早期実現に向け地道に展開しています。
収益が伸び悩む中、分母の縮小を進めており、まず株主還元強化として、DOE4.0パーセント以上とする配当政策の見直しと3年間で60億円の自己株式取得、財務基盤最適化として、政策保有株式を銘柄数で約70パーセント減少、簿価ベースで約64パーセント縮小、さらに財務レバレッジを効かせ、成長投資に資金を活用するため、2024年度、2025年度の2年間で110億円の借り入れを実行しています。
これらにより自己資本比率は60パーセントから65パーセントの目標に対し、2023年度の74.4パーセントから2025年度には66パーセントとなっています。
厳しい事業環境の中、頭打ちであった収益に関しても急カーブではありませんが、少しずつ上向いており、成長の種も増えてきています。
2026年度に関しても、定常投資における利益の創出に努め、厳しい事業環境を言い訳にせず、分子の拡大に努めていきます。
34.第16次中期経営計画/80周年記念ポスター

以上、2025年度決算状況をご説明しました。
第16次中期経営計画の数値目標は、外部環境を言い訳にできませんが、下方修正という非常に悔しい状況となりました。ただ、2025年度は新たな仲間も加わり、久しぶりの増収増益となっています。
今後も、M&Aなどによる新規事業領域の拡大を推進し、ビジョンを意識した事業運営を進めていきます。
現在、着々と第17次中期経営計画に向けた成長の種は増えてきています。
第16次中期経営計画で種を植え、第17次中期経営計画で育て、収穫する。このストーリーに従い、成長の種を植え続けていきます。
ネツレンシーズによる新技術、新商品の早期市場投入に関しても組織統合、工場再編、新人事制度など、従来の体制を見直し、モチベーションを高め、加速させていきます。
そして、グループの総智をつなぎ、持続可能な企業グループを作りあげていきます。
実は、ご覧のように、当社は今年設立80周年を迎えました。
これもひとえにみなさま方の温かいご支援の賜物と感謝申し上げます。
現在、周年記念行事を展開しており、新聞広告や当社拠点地域でのテレビCM、社史の刷新、秋には東京と大阪で従業員を一堂に集めた記念式典など計画しています。
この80周年プロジェクトメンバーは、立候補を中心とした従業員で構成されており、自発的でエネルギッシュな活動を展開中です。このエネルギーをグループに広げ、ビジョン達成、そして100年企業へとつなげていきます。
ついては、ネツレングループに対しまして、今後もご支援、ご指導を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。本日は、誠にありがとうございました。
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