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東邦亜鉛株式会社5707

東証プライム

非鉄金属

2026年3月期決算説明

皆さま、本日は当社の決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。社長の伊藤です。

本日は、はじめに私から本日のキーメッセージを中心にご説明し、続いてCFOより決算内容の詳細についてご説明いたします。

その後、次期社長に内定している佐藤よりご挨拶をさせていただきます。佐藤はこれまで本事業再生の推進に中心で関わってきており、今後は新たな体制のもとでその取り組みを引き継ぎ、さらに発展させていくことになります。

本日のキーメッセージ

それではまず、私の認識を本日のキーメッセージに沿ってご説明いたします。

①FY25決算:初年度として黒字化、3Q見通しも上回る
2025年度は、当社の事業再生計画の初年度でしたが、まず率直に、数値目標を達成できたことについては安堵しています。

この1年は、経営・従業員ともに非常に厳しい局面にありましたが、スポンサーおよび金融機関の皆様のご支援のもと、事業を継続できたことに深く感謝しています。

また、株主をはじめとするステークホルダーの皆様にも見守っていただいたことに、あらためて御礼申し上げる次第です。

その結果、通期では売上高1,256億円、EBITDA81億円、当期純利益48億円と黒字化を達成し、3Q時点の見通しも上回る着地となりました。

背景としては、銀価格の上昇といった外部要因に加え、不採算事業の整理や事業再編の実行、関連する資産の見直しや操業回復による生産性改善など、これまで進めてきた施策の効果が着実に積み上がってきたことが寄与しています。

重要な点として、今回の黒字化は単なる市況の追い風によるものではなく、事業構造の見直しと現場レベルでの改善が実際に収益として現れ始めた結果であると認識しています。

②FY26見通し:EBITDA80億円台を維持
2026年度については、外部環境の不確実性が高い状況が続くと見ています。

その中で、EBITDAについては2025年度並みとなる80億円台を維持する計画としています。

これは、これまで進めてきた施策の通年での寄与および操業の安定化を前提としたものであり、当社の収益基盤の強化が着実に進んできていることの表れであると認識しています。

③事業再生計画:順調に進捗
事業再生計画は、不採算事業の撤退・再編を含め、全体としては概ね順調に進捗しています。

鉱山事業および亜鉛製錬事業という高ボラティリティ事業の切り離しも進み、事業ポートフォリオの見直しは着実に前進しています。

また、2025年度は銀価格の変動が大きい環境ではありましたが、その中でも施策の効果や操業改善により、収益を確保できたことは重要な成果と認識しています。

これまで進めてきた施策は確実に効果を発揮しており、収益基盤の改善は着実に進んでいると考えています。一方で、市況変動の影響が大きい局面においても安定的に収益を確保できるよう、収益の再現性をさらに高めていくことが重要であると認識しています。

その観点からは、DXの取り組みによる構造の変革について、個人的にも大きく期待しています。

既に一部では効果が見え始めており、収益構造の変革を加速する重要な要素であることから今後さらにこの領域を推進していきたいと考えています。

④体制刷新:次フェーズへの移行
社長交代、社名変更、組織改正については、いずれも事業再生を一段と前に進めるための必然の対応です。

この1年、非常に厳しい環境の中で意思決定を重ねてきましたが、その時点で最善と考える選択を積み重ねてきたという認識です。

当社は現在、「再建」から「成長基盤構築」へ移行するフェーズにあり、今後は新たな体制のもとで、これまで進めてきた計画を着実に実現していく段階に入ります。

また、この過程を通じて、従業員の意識も着実に変化してきていると実感しています。こうした意識改革をさらに推進し、組織としての実行力を一段と高めていきます。

⑤資本市場:基準達成は通過点
東証プライム市場の上場維持基準については、すべての基準を充足しています。

また、株価についても一定の回復が見られますが、これはあくまで結果であり、本質は本業の収益力向上による企業価値の持続的な向上であると認識しています。

総括
この1年、非常に厳しい選択の連続でしたが、その都度、最善の判断を行ってきたと考えています。

2025年度は黒字化という一定の成果を得ましたが、次の課題は、収益の再現性をいかに高めるかです。市況に依存しない安定的な収益構造への転換を進めていきます。

以上が本日のキーメッセージです。この後、詳細についてはCFOよりご説明いたします。4ページにお進みください。

2026年3月期(FY2025)期末決算の概要(累計前年同期比)

改めて、2025年度通期決算の概要を前年同期比でご説明します。

左の売上高では、灰色の撤退・再編事業で389億円から92億円の減収影響がありましたが水色の基盤・成長事業で銀価格上昇などによる874億円から1163億円の増収となり、全体でほぼ横ばいの1256億円となりました。

EBITDAにつきましても、上期の生産不調を下期に挽回することに加えて、再編事業の亜鉛製錬事業における銀を含む保有資産の売却による影響もありほぼ横ばいとなり81億円でした。

当期純利益は亜鉛製錬の撤退に伴う減損がなくなった反動で48億円と大きく改善しました。

事業別の経常損益ベースの変動要因はAPPENDIXの32ページにも掲載しておりますのでのちほどご確認ください。

5ページにお進みください。

事業再生期間1年目に“当期純利益”の黒字転換を達成

過去3年度の当期純利益の推移を見ていただきますと左側の通り、特別損失で2024年3月期の資源事業における豪州鉱山の減損、2025年3月期の亜鉛事業の再編に伴う製錬関連設備等の減損の計上により2期連続の赤字となりましたが、再生計画一年目で右側の通り通期黒字を達成しました。

6ページにお進みください。

2026年3月期(FY2025)期末決算の概要(上方修正)

2月公表との差異の主な要因をEBITDAと当期純利益でお示ししております。

EBITDAでは、61億円を見込んでおりましたが、主に銀相場の影響による在庫評価益などの増益13億円と亜鉛製錬事業の再編に伴う銀を含有する資産売却で4億円の増益となり61億円から81億円へ改善しました。当期純利益につきましても同様の要因で改善しました。

7ページにお進みください。

2026年3月期(FY2025)各四半期の利益積み上げ(EBITDA)

今年度の四半期単体毎の推移をEBITDAでご説明します。

図の上段、全社合計で第1四半期の5億円の赤字から、第2四半期で5億円の黒字へと転じてからは第3、第4四半期で39億円、42億円の黒字へと改善しました。

個別事業では、製錬が第2四半期に第1四半期に対応中であった生産トラブルが解消したことによる7億円の黒字となり、第3四半期以降は増産増販や銀価格の上昇により25億円以上となりました。金属リサイクルでは第2四半期以降は製品値上げや亜鉛撤退に関する資産売却などにより第3四半期15億円、第4四半期では10億円の黒字となりました。

8ページにお進みください。

(参考) FY2025の資源価格推移(ドル建て、円建て)

資源価格と円建換算価格の状況です。図の真ん中のドル円は下期の前年度対比では円安傾向のやや横ばいでした。

資源価格の下期前年同期比は、上段の鉛が左のドル建て、右の円建てでほぼ横ばいです。下段の銀は赤丸の通り、ドル建て、円建て価格ともに大幅に上昇しました。

銀価格の推移につきましては、もう少し長めに9ページを御覧ください。

(参考)銀価格の推移

2024年1月からのドル建ての月次平均の価格推移です。金価格上昇に追随して昨年の6月以降徐々に上昇、9月からは上げ幅を広げて今年の1月ピークに下落しておりますが、最近の価格水準は80ドル台と2024年度までの30ドル台の価格とは異なる高水準を継続しており、かつイラン情勢も相まって変動率も大きい状況が続いております。

11ページにお進みください。2027年度見通しです。

足元の外部環境/内部環境

このページでは足元の内外環境を整理しました。

上段の外部環境変動要因では貴金属相場は昨年度よりも高水準で推移していることからフリーメタルによる収益貢献が期待できる一方で、マイナスとなる要因として、TC/RCの歴史的低水準の継続、鉛製錬の原料のうち廃バッテリー価格の下落が見られないこと、昨年度に高騰したレアメタル相場の戻りがあります。内部要因として製造と販売に影響がありました昨年度前半に発生の操業トラブルはすでに解消されて安定操業を継続しております。

なお、最下段のイラン戦争リスクにつきましては、今回の見通しにも織り込んでおります。影響は限定的であり操業停止のようなリスクは想定しておりませんが、社内でも体制を組み状況を注視して適宜対応してまいります。

12ページにお進みください。

2027年3月期(FY2026)決算の見通し

見通しは、真ん中の通り売上高1785億円、EBITDA80億円、経常利益45億円、当期純利益35億円となります。25年度に続いてEBITDAでは80億円レベルを見込みます。

13ページへお進みください。

2027年3月期(FY2026)経常利益(前期差)

2025年度実績との差異を経常利益でご説明します。

左の灰色前年度実績57億円から順に前期の亜鉛製錬再編による保有資産売却施策の一過性のプラス要因が減じる影響で13億円減益、市況要因で8億円の増益、外部環境として低レベルが継続しているTCRCの悪化や廃バッテリーといった原材料の高止まりによるコスト増による17億円の減益を原料構成見直しなど14億円の施策効果等で打ちかえして45億円となります。

14ページにお進みください。

参考:主要な資源価格及び為替の想定と感応度

金属価格と為替相場の前提と感応度です。基本的には直近の推移を踏まえて設定しております。2025年度実績との比較では、鉛相場は1900ドルとほぼ横ばい、銀相場は、昨年度から水準が切りあがって推移していることから80ドルとしました。為替は160円としました。感応度につきましては記載の通りです。なお、金属高、円安は当社収益に貢献します。

16ページにお進みください。事業再生計画の取組などについてご説明します。

事業再生計画の全体像

事業再生計画の全体像です。計画期間5年のうち、今年度は2年目となります。祖業である亜鉛製錬事業の再編を含む事業構造の見直しを進めるとともに、鉛・銀を中心とした製錬事業、リサイクル事業及び電子部材・機能材料事業を柱とする基盤・成長事業の収益成長のため全社レベルで取り組みを進め、早期刈り取りを進めております。

17ページへお進みください。進捗について順をおって説明します。

事業再生計画におけるこれまでの成果(1/3)全体像

この1年間を通じての全体感としましては、おおむね順調と認識しております。

上から順に収益面では好調な決算であったことでEBITDAに相応の水準に回復しております。また、不採算事業の撤退・再編も順次進めており、更なる成長の打ち手となる新規事業投資プロセスについても、例えば案件進捗をステージ毎に判断する枠組みを組み込むなど強化しました。

基盤・成長事業の収益成長についてはアールプロジェクトと銘打った全社プロジェクトを検討してきました。収益強化施策は順次実行しており、今後も検討中施策の実行確度を高めるべく取り組んでおります。DX強化もあわせて進めております。さらなる成長に向けて新事業の可能性も含めた検討も行っております。

18ページにお進みください。

事業再生計画におけるこれまでの成果(2/3)収益構造

収益構造も過去より安定化しております。税引き前当期純利益で赤の撤退・再編事業を御覧いただきますと、過去に旧資源事業で運営をしておりました鉱山における減損などを主因に特に下振れ変動の幅が大きい収益構造でありました。この影響の剥落と水色の基盤・成長事業においての収益力強化による施策効果により、金属価格の振れによる影響が低減された収益構造へと向かっております。

19ページにお進みください。

事業再生計画におけるこれまでの成果(3/3)DX推進

DXへの取組も順次進めております。

昨年にCDIOの採用を行い、次世代IT基盤の再構築に向けての土台を整備し本格的に今年度から対応を進める予定です。加えて、中段のスマート工場化の施策検討や、一番下のクイックインのデジタル活用で社員が効果を実感できるテーマに着手しながら全社員一丸となったDX取組を進めて業務・生産性の向上に取り組んでまいります。

20ページへお進みください。

事業再生計画におけるFY2026の方針について

先に2026年度見通しを説明しましたが、2026年度の運営は外部環境に依存しない自らの力で収益を創出する基盤固めの1年と位置付けてメリハリある計画の推進を行います。①から④の、操業安定の徹底、収益力の強化、全社構造改革の加速、非連続の成長も含めた更なる成長に向けた投資テーマの検討強化、の4つを基本方針として、今まで進めている施策の加速化を含めた右側記載の重点アクションに取り組みます。

21ページへお進みください。

更なる成長を見据えたM&A戦略、事業提携、共同研究戦略

さらなる成長を見据えた非連続的な成長につきましてもう少しふれますと、「狙い」に記載のリサイクル比率の引き上げ、製錬技術の強化、金属の集荷・回収の強化、機能材分野の技術開発や用途開発を進めるうえで、当社の培った技術力と相乗効果を狙いながら自前にこだわらずに機能を獲得できるM&A、事業提携、共同研究も検討し進めてまいります。

22ページにお進みください。

再生計画の数値

再生計画の数値につきましては、2025年度実績と2026年度見通しを更新して掲載しております。2027年度以降の再生計画の公表数値につきましては、為替・金属相場動向や先にご説明しました施策の進捗を踏まえて策定しますが、より環境変化に依存しない収益モデルを目指し、精査を進めております。

24ページにお進みください。個別トピックについて触れさせていただきます。

株価(プライム市場維持の達成)

上場維持基準に関しましては、2025年3月末基準で流通株式時価総額100億円のプライム維持基準に抵触しました。

流通時価総額基準を含めて記載の維持基準に2026年3月末時点で適合しました。すでに取り組んでおりますIR強化も含めて再生計画をしっかりと進めて株式価値向上に取り組んでまいります。

25ページにおすすみください。直近の主要リリースにつきましてまとめております。

直近の主要リリース

事業再生計画において事業構造が大きく変化する中、組織の在り方や社員共通の価値観や行動指針としての経営理念の再定義や体系化などを検討してまいりました。組織改正では、適正規模を考慮した事業本部制の廃止や技術部門の再編・技術責任者の設置などを4月1日から開始しました。また、ミッション・ヴィジョン・バリューといった経営理念の体系化と新人事制度への連動を行いました。

現社長の伊藤からCROの佐藤への交代につきましては定時株主総会を経た上で実施します。

商号変更は定時株主総会の定款変更決議の可決を条件に東邦メタリクス株式会社として2027年4月1日から変更を予定しております。

27ページにお進みください。

ミッション・ビジョン・バリュー(2026年4月1日施行)

ミッション・ヴィジョン・バリューです。

2024年12月に再生計画を公表した際には、将来像として更なる成長を目指すために「社会インフラを支えるリサイクリングのリーディングカンパニー」を掲げました。

これに加えて、既存の経営理念や行動指針を記載の通り整理して存在意義として「有限な資源を、無限の価値に」をトップに行動規範までカスケードダウンし全社員が共有できる指針として制定しました。

28ページにお進みください。

社名を変更し新たな成長フェーズへ(2027年4月1日より社名変更予定)

最後に社名変更です。

現在および将来の事業領域を適切に表現する名称へ変更することが、当社の持続的な企業価値の向上および創造に資するものと判断し、変更を決定しました。

「東邦メタリクス」と社名を新たにし、当社が従来の事業構造から脱却し環境変化に依存しない構造転換を実現し、新たな成長ステージへ移行する意思を明確に示すものでもあります。

引き続き、皆様のご支援をお願い申し上げます。以上となります。

佐藤氏からのご挨拶

本日はお忙しい中、ご参加いただき誠にありがとうございます。

また、平素より当社事業運営にご理解・ご支援を賜っておりますこと、心より御礼申し上げます。

6月26日株主総会および取締役会での正式決定を前提として、次期社長候補として選定いただいております佐藤でございます。

当社は現在、事業再生計画の遂行と事業構造改革という、大きな転換期の中にあります。 外部環境の変化も大きく、決して平坦な状況ではありませんが、一方で、当社が長年培ってきた製錬・リサイクル技術、現場力、そして資源循環分野における事業基盤には、大きな可能性があると考えております。

今後は、事業再生計画の実行を着実に進めるとともに、競争力強化投資や事業基盤の再構築を通じて、持続的に利益を創出できる企業へ進化してまいります。

また、株主・取引先・金融機関・地域社会・従業員をはじめとする全てのステークホルダーの皆様との対話を重視し、透明性ある経営と責任ある意思決定に努めてまいります。 まだ正式就任前ではございますが、先頭に立って変革をやり切る覚悟を持ち、全力で取り組んでまいりますので、引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。

今後ともよろしくお願いいたします。

伊藤氏からのご挨拶

今回の決算では、事業再生の初年度として一定の成果をお示しできたと考えています。

今後は、この成果を基盤として収益の再現性をさらに高めていくことが重要だと認識しています。

最後になりますが、株主をはじめとするステークホルダーの皆様には、これまでのご支援に改めて感謝申し上げます。

本日は誠にありがとうございました。

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