日本ヒューム株式会社【速報版】
【速報版】日本ヒューム株式会社 2026年3月期決算説明
※当記事は速報版です。スライド情報は割愛している他、数値などに誤りが含まれる可能性がございます。正確な情報は決算短信・決算説明資料などの正式な開示資料、または追って公開予定の確定版記事にてご確認ください。
ご挨拶
本日は、日本ヒューム株式会社2026年3月期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。 本日は、2026年3月期の決算概要、2027年3月期の業績予想、今期の主要トピックス、新中期経営計画「26-30計画 NEXT100」についてご説明申し上げます。
中期経営計画「23-27計画R」で目指したことは構造改革でした。23年のスタートから3年間で、営業・技術・生産・工事・管理の全5部門にわたる改革を推進し、数値目標については期初計画を2年前倒しで達成することができました。
この成果を土台に、先日「26-30計画」を発表いたしました。本日は、この3年間で何が変わったのか、そして次の5年間で何を目指すのかを中心に、ご説明したいと思います。
①連結損益計算書
P6「連結損益計算書」をご覧ください。売上高は402億円、営業利益は25億円。売上高・営業利益ともに過去最高を更新しております。営業利益率は前期の5.5%から6.3%へ改善しました。
ここで申し上げたいのは、この増益は市況任せの結果ではない、という点です。「23-27計画R」を通じて推進してきた組織営業の強化・設計提案力の強化・生産能力の最適化・工事体制の増強などの複合的な構造改革の成果が、数字として表れてきたと、私は認識しております。
②連結貸借対照表
P7「連結貸借対照表」をご覧ください。資産合計は前期比約120億円増の690億円。マナック社の連結効果による固定資産の増加が主因です。純資産合計は527億円で、財務基盤は引き続き堅固です。
③2026年3月期業績総括(連結)
P8「2026年3月期業績総括」をご覧ください。セグメント別に申し上げます。
基礎事業は売上高243億円(+6.9%)、営業利益13億円(+1.9%)となりました。これは北海道・関東・関西の大型案件を着実に推進した結果です。
下水道関連事業は売上高144億円(+11.9%)、営業利益26億円(+34.8%)と大幅な増収増益となりました。これは合成鋼管の出荷が業績を牽引したことに加え、PCウェルの出荷と工事が貢献しております。
老朽化更新需要が本格的に立ち上がりつつあり、当社の主要な成長ドライバーとして引き続き期待している領域です。
④連結キャッシュ・フロー計算書
P9「連結キャッシュフロー計算書」をご覧ください。営業キャッシュフローはマイナスとなっていますが、主な要因は、取適法対応等を踏まえ、支払条件を見直したことによるものです。
具体的には、支払手形を廃止したとともに、支払方法を「翌月末全額振込」へ変更したことで、一時的に資金流出が増加したことによるものです。
業績の悪化を反映したものではなく、サプライチェーン強化策によるものであり、この一過性の影響は26年3月期で完了しており、問題はありません。
投資キャッシュフローのマイナスはマナック社買収等の成長投資によるものであり、次の成長に向けた布石と捉えております。
2027年3月期連結業績予想①
P12「2027年3月期連結業績予想①」をご覧ください。2027年3月期は、売上高455億円(+13.1%)、営業利益29億円(+14.9%)を計画しています。
2027年3月期連結業績予想②
P13「2027年3月期連結業績予想②」をご覧ください。セグメント別に申し上げます。
基礎事業は売上高294億円(+21.0%)、営業利益18億円(+36.9%)を計画しております。大阪IR物件を含め、大型案件の受注が順調に推移する見込みです。
下水道関連事業は売上高145億円(+1.0%)、営業利益27億円(+2.4%)を計画しております。九州地区の大型プレキャスト製品の売上が収益に寄与する見込みで、底堅く推移します。
なお、現時点で把握している老朽化対策・更新需要は織り込んでいますが、今後さらに顕在化が見込まれる需要加速は織り込んでいません。
「23-27計画R」での構造改革をしっかりと定着させ、「26-30計画」では構造改革をさらに深化させ、仕組みとして稼ぐ力を底上げすることを最重要課題としております。
主なトピックス【基礎事業】~信頼の100年から次世代成長への転換点
続きまして、今期の主要トピックスについてご説明申し上げます。P15「マナック株式会社の株式取得」をご覧ください。
当期の最大のトピックスは、マナック株式会社のグループ化です。マナック社は中部地域でコンクリート既製杭の製造販売・施工を手がける企業です。
今回の統合により、中部地方における当社シェアは11%から27%へ大幅に拡大します。全国シェアも8%から11%へ拡大します。
が、狙いは単なる規模拡大ではありません。中部エリアの製造能力制約を解消し、製造・施工の一体運営体制を構築することで、受注機会の拡大と競争優位の確立を図ることが目的です。中長期的に成長を図ってまいります。
主なトピックス【下水道関連事業】~「点検→更新」一体モデルの構築
P16「株式会社Liberawareとの資本業務提携」をご覧ください。Liberawareは狭小空間向けドローン技術に強みを持つ企業です。
当社が目指している「下水道ワンストップサービス」(点検→診断→更新→維持管理を一体で提供するサービスモデル)に向けた重要な布石です。ドローンによる管内調査の高度化・劣化データの定量的把握・更生・更新まで一気通貫でつなぐことで、製品販売から維持管理サービスへと事業領域を拡張してまいります。
主なトピックス【下水道関連・プレキャスト事業】
P17「低炭素型高機能コンクリートe-CON」をご覧ください。ひと言で申し上げますと、「販売するに必要な条件が整ってきた」というところです。当期に達成した3つの公的評価をご報告します。
・国土交通省・新技術データベースNETISへの登録 ・日本下水道協会「下水道用エコ資器材」第1号認定 ・地球環境大賞・環境大臣賞の受賞
e-CONの強みは、脱炭素・長寿命化・LCC低減を同時に実現できる点にあります。インフラ更新と脱炭素がセットで求められる時代において、このポジションは今後一層強固になると考えています。
主なトピックス【自己株式の処分及び売出しの実施】
P18「自己株式の処分及び売出しの実施」をご覧ください。普通株式4,802,900株(発行済株式総数の8.8%相当)の自己株式処分を実施し、約58億円を調達いたしました。主な使途はM&A資金・国土強靭化需要対応・サプライチェーン対応です。
短期的には希薄化という側面があったことは事実ですが、成長投資を加速させるための資本政策と位置づけております。投資の成果を着実に利益成長として結実させることで、株主の皆様へのリターンとしてお応えしてまいります。
主なトピックス【ガバナンス関連】
P19「ガバナンス関連」をご覧ください。コーポレートガバナンスの強化として二点を実施しました。
取締役任期を2年から1年へ短縮し、買収防衛策を廃止しました。資本市場との対話を重視する経営へと進化させており、投資家の皆様との信頼関係をさらに深めてまいります。
「26-30計画」サマリー
ここからは、先日発表しました新中期経営計画「26-30計画」についてご説明申し上げます。
P25「『26-30計画』サマリー」をご覧ください。新中計のテーマは、「構造改革で“稼ぐ力”を作り、次の成長へ」です。
2030年度の財務目標は、売上高600億円・営業利益率8.0%・ROE8%以上・PBR1.5倍としました。 キャッシュアロケーションは5ヵ年累計で総投資150億円です。「成長加速」「需要創出」「競争力強化」に各50億円を配分し、成長領域へ集中投資してまいります。
株主還元は総還元性向50%以上とし、利益成長に応じた増配を継続してまいります。
「26-30計画」サマリー②
P26「『26-30計画』サマリー②」をご覧ください。本中計の立ち位置を表しているスライドとなります。
ご覧のように2018年のEAJⅡ、コロナ禍であった21年からの21-23計画においては低迷期が続いておりましたので、「23-27計画R」では抜本的な構造改革に取り組み、目標を2年前倒しで達成しました。
構造改革はまだ道半ばですが、構造改革の本質は、社員の“覚悟”だったと私は思っています。徹底して対話を続け、社員の意識が変わったことが本質的な変化でした。
重要なのは、この変化が一部のトップダウンではなく、営業・技術・生産・工事・管理の全5機能が横断的に動いた結果として積み上げられた成果であるという点と思っております。
「26-30計画」は、その土台の上に立ち、将来のあるべき姿に向かうための5年間と考えております。
1.中期経営計画「23-27計画R」事業構造改革の状況
P32「事業構造改革の状況」をご覧ください。「23-27計画R」における5機能別の改革成果を簡潔にご報告します。営業・技術・生産・工事・管理、全分野で着実な前進を確認しています。
特に営業面では組織営業、予材量の強化が図れたこと、技術面では設計提案力が向上したこと、工場の設備投資と生産力の最適化が図れたことが挙げられます。
一方で、事業開発という点ではまだ満足しておらず、当社が貢献できるインフラ課題はまだまだあります。引き続きご期待いただきたいと思います。
「26-30計画」ではこれら5機能を個別最適から有機的連携へと進化させ、業務スピードの加速、データドリブン経営による意思決定の高速化を図ってまいります。
2.将来の当社のありたい姿
P34「将来の当社のありたい姿」をご覧ください。当社が見ている将来環境を申し上げます。
全国約50万kmの下水道管路のうち、20年後には約42%が耐用年数50年を超過します。また、建設技能労働者は2045年までに45〜50%減少する見通しです。さらに世界的な脱炭素・環境対応が加速しています。
この3つの構造変化を「成長機会」と捉え、当社は以下の3つの成長ドライバーで社会的価値と収益を同時に創出してまいります。
・①下水道ワンストップサービス(社会インフラの長寿命化) ・②スマート施工・スマート製造(DXによる生産性革新) ・③e-CON(低炭素型コンクリートによる脱炭素対応)
もう少し詳しくご説明します。
2.『下水道ワンストップサービス』を構築し成長ドライバーへ
P35「下水道ワンストップサービス」をご覧ください。当社が目指すのは「100年耐える下水道インフラ」の提供です。従来のヒューム管は耐用年数50年でしたが、e-CONを用いたヒューム管は100年の実現を目指しており、これを「ヒューム管2.0」と位置づけています。
管内調査・劣化分析・修繕・更生工法まで含めたライフサイクル全体への関与が、当社の大きな成長機会です。先ほどご説明したLiberawareとの連携も、まさにこの戦略に位置するものです。
2.『スマート施工』により競争力強化と収益拡大
P36〜37「スマート施工・製造のスマート化」をご覧ください。建設業界の人材制約はますます深刻化します。
スマート施工では、AI・VR・衛星等を組み合わせ、2025年度比で生産性+20%・工期−15%・CO2排出量−25%を目標としています。
スマート製造では工場原価−10%・品質クレーム−50%・生産性+80%を目指します。
DXはあくまで手段であり、徹底して「利益につながるDX」を追求してまいります。
2.『低炭素型高機能コンクリートe-CON』で持続的な成長へ
P38「e-CONで持続的な成長へ」をご覧ください。
先ほどトピックスでご説明した通り、着実に公的認証を取得し、官民において安心してご採用いただける環境が整ってまいりました。「次の100年を支える戦略製品」として育成してまいります。
3-1.「26-30計画」全体戦略-財務目標
P41「『26-30計画』全体戦略-財務目標」をご覧ください。2030年度の目標は、売上高600億円(CAGR10.5%)、営業利益48億円(同17.4%)、営業利益率8.0%、ROE8%以上です。
今期402億円・25億円からの大幅な成長を目指します。設備投資は5ヵ年で100億円・年平均20億円、研究開発費は35億円・年平均7億円を計画。
3-1.「26-30計画」全体戦略-事業別財務目標
P42「『26-30計画』全体戦略-事業別財務目標」をご覧ください。事業別の2030年度の目標です。
基礎事業は売上高369億円(+126億円)、営業利益率6.7%へ。下水道関連事業は121億円(+27億円)、営業利益率19.8%。PCa事業は94億円(+45億円)と倍増近くを目指し、第3の柱へと育成します。
なお、下水道関連事業の数値には、現時点で把握している老朽化更新需要は織り込んでいますが、今後顕在化が見込まれる需要加速は保守的に織り込んでいません。上振れポテンシャルがある領域と捉えています。
3-1.「26-30計画」全体戦略-構造改革の状況
P43「『26-30計画』全体戦略-構造改革の状況」をご覧ください。「26-30計画」における構造改革の方向性です。
「23-27計画R」で行った構造改革の定着とまだまだできる構造改革を推進し、成長ベクトルを確立してまいります。
構造改革の目標は「受注単価の向上」「利益率の改善」「再現性のある成長モデルの確立」の3つです。
この3つを実現することで、売上高600億円・営業利益48億円を達成してまいります。
3-2.「26-30計画」事業戦略-事業別戦略①
P44「『26-30計画』事業戦略-事業別戦略①」をご覧ください。各事業の成長ドライバーです。詳細は資料をご参照いただくとして、骨子のみ申し上げます。
基礎事業は「収益基盤」として、大型・高付加価値案件への集中とICT施工の拡大で利益率を高めます。
下水道関連事業は「成長の核」として、ワンストップサービスとLCC提案による継続受注型ビジネスへの転換を進めます。
PCa事業は「戦略事業」として、材工一体受注の常態化とe-CON製品の拡販により主力事業へ育成します。
これまでプレキャスト事業については下水道関連事業に含めておりましたが、このように独立して公表できるところまで成長してまいりましたので、この5年間でさらに育成してまいりたいと思います。
3-3.「26-30計画」財務・資本政策-財務戦略
P49「財務・資本政策」をご覧ください。5ヵ年の営業CFは180億円を見込んでおります。総投資150億円を確保しつつ、株主還元を96億円実施する計画です。ROE8%以上・PBR1.5倍以上・総還元性向50%以上を目指します。
3-3.「26-30計画」財務・資本政策-株主還元
P50「株主還元」をご覧ください。総還元性向50%以上、かつ、利益成長に応じた継続的な増配と、安定した株主還元を進めてまいります。
27年3月期の配当については26円。株式分割を考慮しない場合で申し上げますと、年間配当金は実質的に4円増配の52円を計画しております。
3-3.「26-30計画」財務・資本政策-資本コストや株価を意識した経営の実現
P51「資本コストや株価を意識した経営の実現」をご覧ください。スライドにお示ししたように、PBR向上に向け、ROEとPERの双方を継続的に高める取り組みを進めてまいります。
4.投資ポイントのご紹介
最後に、P58「投資ポイントのご紹介」をご覧ください。 当社の強みを3点にまとめてご紹介申し上げます。
①成長市場 下水道インフラの老朽化、防災・減災、脱炭素など、当社を取り巻く市場は今後も拡大します。とくに下水道更新需要は、中長期にわたる大きな成長機会です。
②高付加価値化 e-CON、スマート施工、下水道ワンストップサービスなど、付加価値領域を着実に強化しています。製品を売るだけでなく、維持管理まで一体で担う事業モデルへの進化が、次の収益基盤となります。
③実行力 「23-27計画R」で構造改革を推進し、売上高・営業利益ともに過去最高を達成。目標を2年前倒しで実現したことが、当社の実行力の証です。「26-30計画」では、この成果をさらに利益成長へとつなげてまいります。
当社は100年企業としての信頼に加え、「26-30計画」を通じて次の100年へ向けた成長力を備えた企業へと進化してまいります。今後とも当社の挑戦に、温かいご支援をいただけますと幸いです。
ご挨拶
以上、本日は2026年3月期の決算概要から新中期経営計画まで、ご説明申し上げました。
当社は昨年、創業100周年を迎えました。しかしこの中計は、その節目を祝う計画ではありません。次の100年に向けた構造転換の加速——それが「26-30計画 NEXT100」の本質です。
老朽化するインフラ、深刻化する人材不足、不可避の脱炭素対応という社会課題に対して、当社は製造・施工・維持管理を一体で提供する「総合コンクリート、主義」の会社として、進化し続けてまいります。
構造改革は一度で終わるものではなく、継続的に磨き込み続ける経営そのものと捉えています。変化を力に、未来を創る。その姿勢でご期待に応えてまいります。
本日はご清聴ありがとうございました。
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